数 学
1 教育課程研究協議会の経過(平成21年度~平成24年度)
平成21年度から24年度までの手引及び教育課程研究協議会の概要は次のとおりである。
2 指導と評価を円滑に行うための年間指導計画の作成
学習指導要領では、きめ細かい学習指導の充実と生徒一人一人の学習内容の確実な定着 を図るため、生徒の学習の状況を分析的に捉える「観点別学習状況の評価」と総括的に捉 える「評定」とを、目標に準拠した評価として実施することとされている。
目標に準拠した学習評価により観点別学習状況の評価を行うことは、生徒に身に付けさ せる資質や能力を目標設定段階で明確にし、授業において評価の機能を生かした意図的計 画的な授業が可能になるとともに、PDCAサイクルに基づいた授業改善を行うことにつ ながる。
(1) 評価規準の設定
生徒の実態を踏まえ、目標を明確にし、評価規準を設定することは、教師にとって指 導の在り方を考え直すことに、また、生徒にとっては学習のめあてを理解することにつ ながる。設定に当たっては、次のことに留意する。
【 留 意 点 】
① 節 ご と 程 度 に 、全 て の 観 点 が 揃 う よ う に し 、 各 観 点 の 評 価 を バ ラ ン ス よ く 実 施 す る 。
② 評 価 規 準 が あ ま り 細 か く な り 過 ぎ な い よ う に す る 。
③ 観 点 ご と に 表 現 を 揃 え る と と も に 、 平 易 な 表 現 に 心 が け る 。
④ 生 徒 や 保 護 者 に 原 則 と し て 公 開 す る 。
⑤ 生 徒 の 実 現 状 況 を 踏 ま え 、 適 宜 更 新 す る 。
【評価規準の文末例】
○関心・意欲・態度
「~(し)ようとしている。」
○数学的な見方や考え方
「~(する)ことができる。」
○数学的な技能
「~(する)ことができる。」
○知識・理解
「~を身に付けている。」
「~を理解している。」
手 引 の 概 要 説 明 及 び 協 議 の 概 要
平 1 科 目 構 成 ・ 数 学 科 の 目 標 に つ い て 成 2 改 訂 の 基 本 方 針 ・ 各 科 目 の 内 容 に つ い て
213 改 訂 の 内 容 ・ 各 科 目 の 履 修 に つ い て
年 4 数 学 科 の 科 目 編 成 等 ・ 履 修 に 当 た っ て の 配 慮 す べ き 事 項 に つ い て 度 5 質 疑 応 答 ・ 中 学 校 へ の 移 行 内 容 に つ い て
・ 新 旧 学 習 指 導 要 領 の 各 項 目 の 内 容 と の 関 係 に つ い て 平 1 全 体 事 項 ・ 各 科 目 を 履 修 さ せ る に 当 た っ て の 留 意 点 に つ い て
成 2 数 学 Ⅰ ・ 数 学 活 動 に つ い て
22
3 数 学 Ⅱ ・ 数 学 Ⅲ ・ 課 題 学 習 に つ い て 年 4 数 学 A ・ 数 学 B ・ 各 科 目 の 性 格 に つ い て
度 5 数 学 活 用 ・ 義 務 教 育 段 階 で の 学 習 内 容 の 確 実 な 定 着 を 図 る た め 6 数 学 科 の 教 育 課 程 の 編 成 の 教 育 課 程 の 編 成 例 に つ い て
平 1 教 育 課 程 の 編 成 ・ 教 育 課 程 編 成 に 当 た っ て の 基 本 的 な 考 え 方 に つ い て 成 2 指 導 計 画 の 作 成 と 内 容 の 取 ・ 教 育 課 程 編 成 に 当 た っ て の 配 慮 す べ き 事 項 に つ い て
23扱 い ・ 指 導 計 画 作 成 に 当 た っ て の 配 慮 す べ き 事 項 に つ い て 年 3 言 語 活 動 の 充 実 を 図 る 学 習 ・ 単 元 の 指 導 計 画 に つ い て
度 指 導 の 実 践 例 ・ 言 語 活 動 を 位 置 付 け た 学 習 指 導 案 に つ い て
・ 授 業 に お け る 言 語 活 動 充 実 の た め の 留 意 点 に つ い て 平 1 学 習 指 導 の 改 善 ・ 充 実 ・ 学 習 指 導 の 改 善 ・ 充 実 の 視 点 に つ い て
成 2 評 価 方 法 の 改 善 ・ 充 実 ・ 数 学 的 活 動 の 充 実 を 図 る た め の 手 立 て に つ い て
243 指 導 と 評 価 の 計 画 ・ 学 習 評 価 の 基 本 的 な 考 え 方 に つ い て
年 4 学 習 指 導 の 実 践 例 ・「 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 」 及 び 「 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 」 度 5 観 点 別 評 価 の 進 め 方 の 評 価 の 基 本 的 な 考 え 方 に つ い て
・ 総 括 テ ス ト の 工 夫 に つ い て
(2) 指導と評価の計画の作成
評価を円滑に行うためには、「評価規準」や「評価方法等」が記載された単元ごとの 指導と評価の計画を作成し、年間指導計画としてまとめることが大切である。
単元ごとの指導と評価の計画を作成する際、1単位時間ごとではなく複数の単位時間 にまとめて作成することも考えられる。ただし、その場合でも、授業の実施に当たって は、具体的な目標とその評価規準を明確にすることが必要である(平成24年度高等学校 教育課程編成・実施の手引35ページ参照)。
なお、単元ごとの評価を行うには、次のような手順で進めることが考えられる。
【年間指導計画の例】
① 単 元 の 目 標 を 設 定 す る 。
② 評 価 規 準 を つ く る 。
③ 指 導 と 評 価 の 計 画 に 評 価 規 準 を 位 置 付 け る 。
④ 評 価 結 果 の う ち 、 記 録 に 残 す 場 面 を 明 確 に す る 。
⑤ 授 業 を 行 う 。
⑥ 観 点 ご と に 評 価 を 総 括 す る 。
(1)科目名
(2)科目の目標と評 価の観点の趣旨 (3)単元名
(4)単元の目標と評 (5)配当時間価規準 (6)指導と評価の計
画①実施月・時間
②学習内容数
③学習のねらい
④評価規準と評 価方法等 年間指導計画 の記載内容例
年間指導計画 作成上の留意点
「指 導と 評価 の計 画」 欄の 各節 ごと の「評価規準」は、
次の点に留意する。
(1)単元の目標に準 拠して設定する。
(2)生徒がどのよう な学習状況を実 現すればよいの か具体的に想定 (3)単元全体を通しする。
て、4つの観点 をバランスよく 設定する。
評価規準の設定 のメリット 数 学 科 年 間 指 導 計 画
科 目 名 数 学 Ⅰ
数 と 式 、 図 形 と 計 量 、 二 次 関 数 及 び デ ー タ の 分 析 に つ い て 理 解 さ せ 、 基 礎 的 科目の目標 な 知 識 の 習 得 と 技 能 の 習 熟 を 図 り 、 事 象 を 数 学 的 に 考 察 す る 能 力 を 培 い 、 数 学
の よ さ を 認 識 で き る よ う に す ると と も に 、 そ れ ら を 活 用 す る 態 度 を育 て る 。 評価の観点 関 心 ・ 意 欲・ 態 度 数学的な見方や考え方 数 学 的な 技 能 知識 ・ 理 解
数 と 式 、 図 形 と 事 象 を 数 学 的 に 数 と 式 、 図 形 と 数 と 式 、 図 形 と 計 量 、 二 次 関 数 及 考 察 し 表 現 し た り 、 計 量 、 二 次 関 数 及 計 量 、 二 次 関 数 及 び デ ー タ の 分 析 の 思 考 の 過 程 を 振 り び デ ー タ の 分 析 に び デ ー タ の 分 析 に 考 え 方 に 関 心 を も 返 り 多 面 的 ・ 発 展 お い て 、 事 象 を 数 お け る 基 本 的 な 概 つ と と も に 、 数 学 的 に 考 え た り す る 学 的 に 表 現 ・ 処 理 念 、 原 理 ・ 法 則 な 観点の趣旨 の よ さ を 認 識 し 、 こ と な ど を 通 し て 、 す る 仕 方 や 推 論 の ど を 理 解 し 、 知 識 そ れ ら を 事 象 の 考 数 と 式 、 図 形 と 計 方 法 な ど の 技 能 を を 身 に 付 け て い る 。 察 に 活 用 し よ う と 量 、 二 次 関 数 及 び 身 に 付 け て い る 。
す る 。 デ ー タ の 分 析 に お け る 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 身 に 付 け て い る 。 単 元 名 数 と 式
単元の目標 数 を 実 数 ま で 拡 張 す る 意 義 や 集 合 と 命 題 に 関 す る 基 本 的 な 概 念 を 理 解 で き る よ う に す る 。 ま た 、 式 を 多 面 的 に み た り 処 理 し た り す る と と も に 、 一 次 不 等 式 を 事 象 の 考 察 に 活 用 で き る よ うに す る 。
評価の観点 関 心 ・ 意 欲・ 態 度 数学的な見方や考え方 数 学 的な 技 能 知識 ・ 理 解 数 と 集 合 及 び 式 事 象 を 数 学 的 に 簡 単 な 無 理 数 の 数 と 集 合 及 び 式 に 関 心 を も つ と と 表 現 し て 考 察 し た 計 算 を し た り 、 与 に お け る 基 本 的 な 評価の規準 も に 、 数 学 の よ さ り 、 式 を 多 面 的 に え ら れ た 命 題 か ら 概 念 、 原 理 ・ 法 則 を 認 識 し 、 そ れ ら 見 た り し て 事 象 の 新 た な 命 題 を つ く に な ど を 理 解 し 、 を 事 象 の 考 察 に 活 考 察 に 活 用 す る こ っ た り 、 数 量 の 関 知 識 を 身 に 付 け て 用 し よ う と し て い と が で き る。 係 を 式 で 表 現 し て い る 。
る 。 的 確 に 処 理 し た り
す る こ と が で き る。
配 当 時 間 29時 間
月 指 導 と 評価 の 計 画
(時間) 学 習 内 容 学 習の ね ら い 評 価 規 準 評 価 方 法 等
4 月 課 題 学 習 ○ 中 学 校 ま で に 扱 っ ○ 数 の 体 系 を 拡 張 す る 過 ・ 活 動 状 況 の 観 察 。 て き た 数 を 実 数 と 程 や 数 の 四 則 計 算 に 関 ・ ワ ー ク シ ー ト の 記 し て ま と め 、 数 の 心 を も ち 、 そ れ ら を 事 述 状 況 及 び 記 述 内 体 系 に つ い て 理 解 象 の 考 察 に 活 用 し よ う 容 の 点 検 。
(1) す る 。 と し て い る 。(関)
4 月 実 数 ○ 無 理 数 の 加 法 及 び ○ 数 を 実 数 ま で 拡 張 す る ・ 活 動 状 況 の 観 察 。 減 法 、 乗 法 公 式 な こ と の 意 義 を 理 解 し て ・ 確 認 テ ス ト 1 ど を 利 用 し た 乗 い る 。(知)
法 、 分 母 が 二 項 程 ○ 簡 単 な 無 理 数 に つ い て 度 ま で の 分 数 の 分 の 四 則 計 算 が で き る 。 母 の 有 理 化 な ど を (技)
(5) 理 解 す る 。
4 月 集 合 ○ 集 合 の 概 念 を 基 本 ○ 集 合 に 関 す る 基 本 的 な ・ 活 動 状 況 の 観 察 。
・ 的 な 用 語 ・ 記 号 と 用 語 ・ 記 号 を 理 解 し て ・ ワ ー ク シ ー ト の 記
5 月 と も に 理 解 す る 。 い る 。(知) 述 状 況 及 び 記 述 内
○ 集 合 の 共 通 部 分 や ○ 簡 単 な 命 題 や そ の 命 題 容 の 点 検 。 和 集 合 、 補 集 合 な の 逆 ・ 裏 ・ 対 偶 に つ い ・ 確 認 テ ス ト 2 ど に つ い て 理 解 す て 真 偽 を 証 明 す る こ と
る 。 が で き る 。(技)
○ 命 題 に つ い て 、 集 ○ 事 象 を 命 題 と し て 表 現 合 の 包 含 関 係 と 関 し 、 考 察 す る こ と が で 連 付 け て 理 解 す き る 。(見)
(6) る 。
○教 師に とっ て、
指 導 の 在 り 方 を 考 え 直 す 機 会 と
○生 徒に とっ て、なる。
学 習 の め あ て が 明確となる。
5 月 単 元 の 振 り 返 り ○ 定 着 度 の 確 認 と 授 ◎ 上 記 の 評 価 規 準 に 従 い ・ 単 元 テ ス ト
(1) 業改善に役立てる 。 総 合 的 に 出 題 す る 。
5 月 式 の 展 開 と 因 数 ○ 展 開 や 因 数 分 解 の ○ 乗 法 公 式 や 因 数 分 解 の ・ 活 動 状 況 の 観 察 。 分 解 公 式 を 利 用 し て 、 公 式 の 意 味 を 理 解 し て ・ 確 認 テ ス ト 3
式 を 目 的 に 応 じ て い る 。(知)
変 形 し た り 、 見 通 ○ 乗 法 公 式 や 因 数 分 解 の し を も っ て 扱 っ た 公 式 を 用 い て 、 式 を 目 り す る こ と の 有 用 的 に 応 じ て 変 形 す る こ 性 を 理 解 す る 。 と が で き る 。(技)
○ 一 つ の 文 字 に 着 目 ○ 一 つ の 文 字 に 着 目 し た し て 式 を 整 理 し た り 、 一 つ の 文 字 に 置 き り 、 一 つ の 文 字 に 換 え た り す る な ど し 置 き 換 え た り し て 、 い ろ い ろ な 式 の 見 て 、 複 雑 な 式 を 簡 方 を す る こ と が で き 単 な 式 に 帰 着 さ せ る 。(見)
る な ど の 式 の 見 方
(7) を 理 解 す る 。
5 月 一 次 不 等 式 ○ 不 等 式 の 基 本 的 な ○ 数 量 の 関 係 を 不 等 式 で ・ 活 動 状 況 の 観 察 。
・ 性 質 に つ い て 理 解 表 す こ と の よ さ を 捉 ・ ワ ー ク シ ー ト の 記
6 月 す る 。 え 、 そ れ ら を 具 体 的 な 述 状 況 及 び 記 述 内
○ 一 元 一 次 不 等 式 や 事 象 の 考 察 に 活 用 し よ 容 の 点 検 。 連 立 一 元 一 次 不 等 う と し て い る 。(関) ・ 確 認 テ ス ト 4 式 の 解 き 方 を 理 解 ○ 不 等 式 の 性 質 を 基 に し
す る 。 て 、 一 次 方 程 式 を 解 く
○ 具 体 的 な 課 題 の 解 こ と が で き る 。(技) 決 に 不 等 式 が 活 用
で き る こ と を 理 解
(8) す る 。
6 月 単 元 の 振 り 返 り ○ 定 着 度 の 確 認 と 授 ◎ 上 記 の 評 価 基 準 に 従 い ・ 中 間 テ ス ト
(1) 業改善に役立てる 。 総 合 的 に 出 題 す る 。
○ 観 察 に 当 た っ て は、何を、いつ、
ど の よ う に 把 握 す る の か を 授 業 前 に 考 え て お く 必要がある。
○ 言 語 活 動 の 充 実 を 図 る こ と で 、 生 徒 の 実 態 を よ り 的 確 に 把 握 す ることができる。
※ 平成 23年度高等 学 校教育 課 程編 成・実施の手引35 ページ参照
観察による評価
確認テスト による評価 次の よう に考 える と設 定し やす い。
○ど のよ うな 知識 や 技 能 を 身 に 付 けさせるか。
○ど のよ うな 数学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 身 に 付 け さ
○数 学的 な見 方やせるか。
考 え 方 の よ さ は ど こ に あ る か 。
○知 識や 技能 をど の よ う な 場 面 で 活用するか。
評価規準の設定 に当たって
単 元 名 二 次 関 数
単元の目標 二 次 関 数 と そ のグ ラ フに つ い て 理 解 し 、 二 次 関 数 を 用 い て 数 量 の 関 係 や 変 化 を 表 現 す る こ と の 有 用 性 を 認 識 す る と と も に 、 そ れ ら を 事 象 の 考 察 に 活 用 で き る よ う に す る 。
単 元 名 デ ー タ の 分 析
単元の目標 統計 の 基 本 的 な 考 え を 理 解 す る と と も に 、 そ れ を 用 い て デ ー タ を 整 理 ・ 分 析 し傾 向を把 握で き る よ う に す る。
評価の観点 関 心 ・ 意 欲・ 態 度 数学的な見方や考え方 数 学 的な 技 能 知識 ・ 理 解 デ ー タ の散らば 事 象 を デ ー タ を 事 象 を デ ー タ を デ ー タ の 分 析 に り 及 び デ ー タ の相 用 い て 考 察 し 、 そ 用 い て 表 現 ・ 処 理 お け る 基 本 的 な 概 評価の規準 関 に 関 心 を も つ と の傾 向な ど を 的 確 す る 仕 方 や デ ー タ 念 、 原 理 ・ 法 則 な と も に 、統計 的 な に 表 現 す る こ と が の傾 向を把 握す る ど を 理 解 し 、 知 識 考 え 方 の よ さ を 認 で き る 。 方 法 な ど の 技 能 を を 身 に付 け て い る 。 識 し 、 そ れ ら を 事 身 に 付 け る こ と が
象 の 考 察 に 活 用 し で き る 。
よ う と し て い る 。 配 当 時 間 17時 間
月 指 導 と 評価 の 計 画
(時間) 学 習 内 容 学 習の ね ら い 評 価 規 準 評 価 方 法 等
2 月 デ ー タ の散らば ○統計 の 用 語 の 意 味 ○ 四 分位数 、四 分位 偏 差、・ 活 動 状 況 の 観 察 。 り や そ の 扱 い に つ い 分散及 び 標 準偏 差な ど ・ ワ ー ク シ ー ト の 記 て 理 解 す る 。 を 用 い て デ ー タ の傾 向 述 状 況 及 び 記 述 内
○ 目 的 に 応 じ て デ ー を把 握し 、 そ れ ら を 事 容 の 点 検 。 タ を収集 ・ 整 理 象 の 考 察 に 活 用 し よ う ・ 確 認 テ ス ト 1 し 、 四 分位数 、 四 と し て い る 。(関)
分位 範 囲、 四 分位 ○ 四 分位数 、四 分位 偏 差、 偏 差、 分散及 び 標 分散及 び 標 準偏 差な ど 準偏 差な ど を 利 用 意 味 を 理 解 し て い る 。 し て 、 デ ー タ の傾 (知)
向を 的 確 に把 握で ○ 四 分位数 、四 分位 偏 差、 き る こ と を 理 解 す 分散及 び 標 準偏 差な ど
る 。 を求め る こ と が で き
る 。(技)
2 月 単 元 の 振 り 返 り ○ 定 着 度 の 確 認 と 授 ◎ 上 記 の 評 価 基 準 に 従 い ・(7) 期 末テ ス ト
(1) 業改善に役立てる 。 総 合 的 に 出 題 す る 。
3 月 デ ー タ の相関 ○散 布図 や相関 係 数 ○散 布図 や相関 係 数 な ど ・ 活 動 状 況 の 観 察 。 の 意 味 を 理 解 を 理 の 意 味 を 理 解 し て い ・ ワ ー ク シ ー ト の 記
解 す る 。 る 。(知) 述 状 況 及 び 記 述 内
○ 分散図 や相関 係 数 ○散 布図 及 び相関 係 数 な 容 の 点 検 。 な ど に 着 目 す る こ ど を 用 い て デ ー タ の傾 ・ 確 認 テ ス ト 2 と で 、 デ ー タ の傾 向を 捉 え 、 そ れ ら を 的
向を 的 確 に把 握で 確 に 表 現 す る こ と が で き る こ と を 理 解 す き る 。(見)
る 。 ○散 布図 を描い た り 、相 関 係 数 を求め た り す る こ と が で き る 。(技) (5)
○ 確 認 テ ス ト は 、 指 導 内 容 の 定 着 度 を 確 認 す る と と も に 、 次 時 以 降 の 授 業 展 開 の 工 夫 に 生 か す こ と。
※ 平成 24年度高等 学 校教育 課 程編 成・実施の手引35 ページ参照
※二次関数の単元 の「指導と評価 の計画」につい ては、平成23年 度高等学校教育 課程編成・実施 の手引33、34ペ ージ参照
<参考>
3 観点別学習状況の観点別の総括
観点別学習状況の総括のポイントについて例を基に説明する。
(1) 指導と評価
(2)で示す事例では、2~3時間ごとに1度、確認テストを行っている。確認テスト は、5分程度で観点を絞って行うテストであるが、指導内容の定着度を確認するととも に、次時以降の授業展開の工夫に生かすことを主眼とするものである。したがって、こ のテストの内容は観点を踏まえ、指導内容に即したものであることが大切である。また、
総括テスト(単元テスト、期末テスト)では、確認テストとは異なり応用的な内容も出 題する。出題に当たっては、それぞれの観点を踏まえるとともに、出題のねらいを明確 にする。
なお、数学科では、評価するためにペーパーテストを行うことが多いが、自ら課題を 見付け、自分の考えや解決の方法などをまとめさせ、評価することも大切である。
(2) 観点別評価の総括
観点別評価の総括は、各観点別に総括し、次にそれらを基に評定に総括するという2 段階で行われる。評定は、実現状況をみるための一つの目安であり、評価の役割を忘れ ないようにしなければならない。評価の役割は、指導の改善に役立たせることと生徒の 豊かな自己実現に役立たせることである。
ここでは、観点別評価の数値を用いた総括の一例を示す。
ア 観点ごとの配点
次のページの表1は、「二次関数」(平成23年度高等学校教育課程編成・実施の手引 34ページ、平成24年度手引35ページ参照)の内容全体を指導した後に定期テストを行 ったことを想定し、それぞれのテストなどでどのように配点したかを示している。総 括には、必ずしも全てのデータを使う必要はなく、ここでは、表1の網掛けをした部 分(1回のレポート、3回の単元テスト、1回の定期テスト)を使うことにする。
レポート等に よる評価
○ 自 ら 課 題 を 見 付 け 、 自 分 の 考 え や 解 決 方 法 な ど を ま と め さ せ 、 評 価 す る こ と も 大切である。
○例えば、「データ の 分 析 」 で は 、 生 徒 が 実 際 に デ ー タ を 収 集 し 、 そ の 傾 向 を 分 析 し て 自 分 の 意 見 を レ ポ ー ト に ま と め さ せ る と と も に 、 ク ラ ス で 発 表 さ せ 、 互 い に 評 価 さ せ る こ とも考えられる。
【関心・意欲・態度を評価するための質問例】
授業、確認テスト、単元テストやレポートなどで、次のように問うことで、「関心・意欲・態度」を 評価することができる。
・「~を学習して考えたことをその内容に関連させて(簡潔に)述べなさい。」
・「~を学習して疑問に思ったことを学習内容に関連させて具体的に述べなさい。」
・「~を学習しておもしろいと思った考え方を述べなさい。また、その理由を簡潔に述べなさい。」
・「~で学習した内容を活用して解決できると考えられる場面を述べなさい。また、どのように活用 して解決するのかを述べなさい。」 など
3 月 課 題 学 習 ○ 身 の 回 り の 事 象 に ○ 統 計 に 関 心 を も ち 、 課 ・ 活 動 状 況 の 観 察 。 つ い て 相 関 関 係 を 題 解 決 に 向 け て 、 デ ー ・ レ ポ ー ト の 記 述 状 調 べ る こ と で 、 統 タ の 分 析 を 活 用 し よ う 況 及 び 記 述 内 容 の 計 の よ さ を 認 識 す と し て い る 。(関) 点 検 。
る 。 ○ 結 果 の 予 想 、 解 決 の 方 向 の 構 想 、 解 決 の 過 程 を 振 り 返 る な ど 一 連 の 過 程 に 沿 っ て 、 自 分 の 考 え を 発 表 す る こ と が で き る 。(見)
○ デ ー タ の 相 関 を 的 確 に 捉 え 、 説 明 す る こ と が で き る 。(技)
(4)
関:「関 心・意欲 ・態度」 見:「 数学 的な見方 や考え方」 技:「数学 的な技能」 知:「知識・ 理解」
イ 各観点でBと評価する得点の範囲
Bと評価する範囲は、それぞれのレポートや単元テス ト等の評価でBと評価する際の配点から算出している。
表2は、関心・意欲・態度について、定期テストの結果より普 段の学習状況(レポート、単元テスト)を重視し、重み付けして いる例である。なお、観点別評価の総括では、いずれかの評価や 観点に重み付けをしてもよい。
ウ 評定への総括
4つの観点全てがBと評価されるとき5段階評定では3となることから、全ての得 点に重 み付けをした後に合計して、5段階評定の 範囲 を 表3のように作成することができる。
各評価の範囲は、Bと評価する 範囲に基づいて評定3の 得点の範囲 を定め、その他の評定は評定3の範囲を基準に して設定している。
【 評 価 B の 根 拠 】
「関心・意欲・態度」
の B と 評 価 す る 範 囲 は 、 1 ~ 5 が 全 て B で あ れ ば 、 2 0 点 に な る の で 、 そ の 点 数 を 基 に し て 、 1 ~ 4 の 1 つ が C と 評 価 さ れ 5 が C と 評 価 さ れ た 場 合 か ら 、 1 ~ 4 の 1 つ が A と 評 価 さ れ 5 が A と 評 価 さ れ た 場合までとしている。
計算方法は、
(1+1+1+0)×3+6=15 (1+1+1+2)×3+10=25 となるので、「関心・
意欲・態度」のBと評 価する得点の範囲は、
15≦ B ≦25と な る 。
表 1 各観 点 ごと の配 点 (レポはレポート、確は確認テスト、単は単元テスト、定期は定期テストを表す。)
【二 次関 数 】 レポ 確 確 単 確 単 確 単 レポ 定
① ① ② ① ③ ② ④ ③ ② 期 関心 ・意 欲 ・態 度 2 2 2 2 2 2 2 16 数学的な見方や考え方 4 2 2 2 2 2 24
数学 的な 技 能 2 2 4 2 32
知識 ・理 解 2 2 2 4 2 28
1 2 3 4 5
表2 各観点でBと評価する得点の範囲
重み付け 総点 B
関心・意欲・態度 (1+2+3+4)×3+5 40 15≦B≦25 数学的な見方や考え方 (2+3+4)×2+5 36 13≦B≦23 数学的な技能 (2+4)×2+5 40 16≦B≦24 知識・理解 (2+3+4)+5
重み付けな し34 14≦B≦20
合 計 150 58≦B≦92
表3 5段階評定 122以上150以下 5
93以上121以下 4 58以上 92以下 3 29以上 57以下 2 0以上 28以下 1
※例えば、評定4以上は、93以上 150以 下な の で 、 そ の 中央 値を 評定4と5の境界とした。
確 認 テ ス ト 及 び 単 元 テ ス ト では、各問いを2点満点とし、
「 十 分 満 足 」 ( A ) = 2 点
「お おむ ね満足 」 ( B ) = 1 点
「努 力を 要する 」 ( C ) = 0 点 としている。
定期テストでの各観点ごとの配点 問 題数 正答での配点 準正答での配点
関 4 4 2
見 4 6 3
技 8 4 2
知 7 4 2
※準正答をBとする。
「 確 認 テ ス ト 」 を 「 個 人 カ ル テ 」 に ま と め た 個 別 指 導 の 例
数 学 科 で は 、 確 認 テ ス ト な ど を 繰 り 返 し 実 施 し 、 生 徒 の 状 況 を 把 握 す る 機 会 が 多 く あ り ま す 。 そ の 全 て を 観 点 別 学 習 状 況 の 総 括 に 活 用 す る わ け で は な く 、 生 徒 一 人 一 人 の 結 果 を 「 個 人 カ ル テ 」 に ま と め 、 当 該 科 目 に お け る 生 徒 の 進 捗 状 況 を 把 握 し て い る 事 例 も あ り ま す 。
把 握 し た 生 徒 の 進 捗 状 況 を 基 に 、 面 談 な ど の 個 別 指 導 を 行 う こ と で 、 生 徒 に 適 切 な 目 標 を 設 定 さ せ る こ と が で き 、 生 徒 の 学 習 意 欲 の 向 上 に つ な げ る こ が 可 能 に な り ま す 。
Topic
30 40 50 60 70
確1確2単1確3単2確4単3
個人カルテ
(3) 観点別学習状況の総括の進め方
これまでの内容を基に、単元における観点別学習状況の総括から、学年末における観 点別学習状況の総括までの進め方の例を示す。
【北海太郎さんの評価記録】
【数と式】
レポ 単 単 単 定 1 1 2 3 期 関 2 0 1 0 10 見 1 0 1 13 1 2 3 4 5
Bの評価範囲 関 12≦B≦24 見 27≦B≦41 技 24≦B≦32 知 17≦B≦23 合計 80≦B≦120
関 見 技 知
A C B A
(26) (15) (29) (30)
前期 後期
関 見 技 知
B A B B
(20) (30) (18) (20)
【二次関数】
レポ 単 単 単 定 1 1 2 3 期 関 1 0 1 2 8 見 2 2 0 22
1 2 3 4 5
Bの評価範囲 関 15≦B≦25 見 13≦B≦23 技 16≦B≦24 知 14≦B≦20 合計 58≦B≦92 単元(題材)における観点別学習状況の総括
「二次関数」の「関 心・意欲・態度」の 評価は、例えば、前 ページの方法で計算 すると、
(1+2+3+4 ) ×3+
5=(1+0+1+2)×3
+8=20 となり、
15≦B≦25の範囲に あるので評価はBと なる。
学期末における観点別学習状況の観点ごとの総括
学年末における観点別学習状況の観点ごとの総括
関 見 技 知
B B B A
(46) (45) (47) (50)
評価 3( 188)
学期末の総括は、各 単元の「Bの評価の 範囲」を参考として いる。例えば、「数学 的な技能」では、各 両端の和を求めて、
(24+16)≦B≦(32+24)
つまり、40≦
B ≦56とする。
関 見 技 知
A C B A
(52) (28) (46) (35)
評価 3(161)
【前期の5段階評価】
286以上358以下 5 213以上285以下 4 138以上212以下 3 69以上137以下 2 0以上 68以下 1 例えば、各単元の「B の 評 定 範 囲 の 合 計 」 の 両 端 の 和 を 評 価 3 とする。
【北海太郎さんの評価の総括】
関 見 技 知
B B B A
(98) (73) (93) (85)
(計算式)
98+73+93+85=349(評定3 )
【学年末の5段階評定】
575以上716以下 5 433以上574以下 4 283以上432以下 3 141以上282以下 2 0以上140以下 1
学年末の総括では、前期 と後期それぞれの5段階 評価の数値を参考として 行う。
例えば、「数学的な技能」の総括は、「数と式」「2次関数」それぞれの 評価の和を求めると「29+18=47」となり、Bの評価の範囲(40≦B≦56)
であるため、学期末における評価は「B」となる。