温暖化パート発表 2 0 0 0 / 9 / 2 7 石神・小林・杉山・藤田 0.)日本の国内対策
日本の温室効果ガス削減6%内訳
削減内容 削減率
国内対策による二酸化炭素、亜酸化窒素、メタンの排出削減 エネルギー起源の二酸化炭素排出抑制 −0.0%
亜酸化窒素・メタン・非エネルギー起源の二酸化炭素排出抑制 −0.5%
技術開発・国民の努力による排出抑制 −2.0%
−2.5%
吸収源による削減 −3.7%
代替3ガスの増加 +2.0%
京都メカニズムによる削減 −1.8%
日本の総温室効果ガス削減率 −6.0%
→京都メカニズムの導入が不確定
→国内対策による削減(−2.5%部分)に着目
1.) エネルギー起源の二酸化炭素排出抑制(―0.0%)
・ 前提条件における疑問:2010年までに21基の新規原子力発電所の運転開始(H10 年度電力供給計画)→実現可能なのか?
○ 原発立地政策を取り巻く現状:東海村でのJOC臨界事故、芦浜原発計画撤回、
ドイツ政府による原発全廃合意など
⇒H10年度電力供給計画の実施は不可能
⇒国内対策の前提となる2010年CO2排出量見込み(Bau)はもっと多いのではないか?
(原子力発電設備容量3000万トンが含まれている)
参照:資料1、グラフ1、表1
1 - 1 )産業(及びエネルギー転換)部門…約1 6 5 0 万t(炭素換算。以下同)
・ 99年度のエネルギー消費量は90年度比で6.6%伸びている
→他の部門と比べると伸びが小さい
・ 対策:経団連自主行動計画(下グラフ:経団連ホームページより)
→一定の成果をあげている
○ 参加31業種:(90年度比)CO2排出量減少20業種、排出原単位向上17業種 (97年度比)CO2排出量減少27業種、排出原単位向上10業種
→まだ改良の余地があるのではないか?
1 - 2 )民生部門(家庭部門&業務部門)…約2 7 3 0 万t 家庭部門:家庭内で消費する部分、
業務部門:事務所/小売店/飲食店/宿泊施設などで使用する部分
・ エネルギー消費量は99年度の段階で、90年に比べて増加している。
(民生全体:21.0%増、家庭部門:16.9%増、業務部門:25.8%増)
・ CO2排出量は98年度の段階で、90年に比べて家庭部門は9.3%の増加
業務部門は16.1%の増加があった。
・ 内訳…1)機器の効率改善の強化策(約970万t)
省エネ法の強化(H11年4月)によりトップランナー方式の導入でエネルギー 消費効率および待機時の省エネを改善。基準を達成しなければ勧告のみ ならず名前の公表・命令・罰則などの措置が取られる。
(例)省エネ率…エアコン:16%、冷蔵庫:24%、テレビ:26%
コンピューター:30%
2)住宅・建築物の省エネの推進(約1030万t)
住宅において断熱構造化などの推進による冷暖房効率の向上(約280万t)
建築物の省エネ化(約750万t)。いづれも92年/93年に改正・強化された 現行省エネ基準を見直し、新たな厳しい基準を想定。
3)今後の技術開発(約240万t)
現時点では開発途中だが2010年までに完成しある程度の普及が見込める省 エネ技術。超低消費電力型液晶ディスプレイや高効率照明など。
4)国民のライフスタイルの抜本的変革(約500万t)
省エネ意識が定着するようなライフスタイルの定着。家庭やオフィスに おける冷暖房の温度/電化製品の使い方の工夫を、現在していない国民の 4〜5割が実施することを想定。
(例)省エネ量…こまめな消灯:29万kl、冷房を28℃に:34万klなど
1 - 3 )運輸部門・・・約 1 2 7 0 万t
(99年には対90年比23.4%の伸び)
削減のための方策 削減量
①自動車燃費の改善強化 約320万トン 改正省エネ法 ②クリーンエネルギー自動車の普及促進 約60万トン 導入支援措置 ③個別輸送機器のエネルギー消費改善 約50万トン
④今後の技術開発 約30万トン ⑤物流の効率化 約250万トン
⑥交通対策 約310万トン ITSの推進等 ⑦テレワークの推進 約110万トン
⑧国民に対する啓発活動 約140万トン 合計 約1270万トン
2.)メタン・亜酸化窒素、その他の二酸化炭素排出抑制対策 (−0 . 5% )
636万t削減
・その他二酸化炭素
工業過程からの排出改善、廃棄物からの排出、廃棄物の焼却量抑制、木材資源の有効利用
・メタン
廃棄物処理における排出削減対策、管理改善、農業、地区専業における排出削減対策推進
・亜酸化窒素
工業過程での排出削減、燃焼温度の高度化
3.)「革新的技術開発」+「国民各層の更なる努力」(―2%)
・2%という数字(2544万㌧)を掲げているにもかかわらず、具体的な対策や内容、内訳 などは決められていない。
・サマータイムや環境教育の紹介、技術革新については新技術の開発・普及への取り組み がきわめて重要であり積極的な対応が望まれる、という表現。
*革新的な環境・エネルギー技術の研究開発の強化 とは(具体例) * 現在の技術水準を超えた革新的技術開発を強力に推進
例: 超臨界流体利用技術、超高効率的太陽光発電等 地球温暖化防止上の効果を期待した技術開発
例:革新的な水素製造技術、二酸化炭素の貯留・固定化技術等の技術開発 エネルギー利用高率の改善
例:超鉄鋼、超耐熱材料等
*国民層の更なる努力とは*
ライフスタイルの見直しを主に
(サマータイムの導入、自動車の乗り方、環境教育、啓発及び情報提供体制の整備)
2.) 問題提起
① 産業に着目
② 民生・運輸に着目
*参考文献*
・「地球温暖化防止にかかわる国民規模の啓発及び国民参加の対策強化のための各方面の取り組みの現状について」 97 年3月19日 環境庁報道発表資料 http://www.eic.or.jp/kisha/199703/286.html
・「地球温暖化対策に関する基本方針」 H11年3月中央環境審議会 http://www.eic.or.jp/kisha/attach/55636-3.html
「総合エネルギー調査会需給部会中間報告」H10年6月11日 http://www.enecho.go.jp
・「地球温暖化対策推進大綱」 http://www.eic.or.jp/cop3/kanren/suisin2.html
・「地球環境と夏時間を考える国民会議」99年 環境庁報道発表資料 http://www.eic.or.jp/kisha/199905/59477.html
・NEDOのHP (新技術の例など) http://www.nedo.go.jp その他
・資源エネルギー庁のHP http://www.eccj.or.jp/result/01.html
・郵政省のHP http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/tsusin/980601j502_1.html
・原子力資料情報室(CNIC) http://cnic.jca.apc.org/action/release/2000/0615.html
・ 「総合エネルギー調査会原子力部会メッセージ」