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水と疑似科学

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Academic year: 2024

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H111148 石渡  翔  1

水と疑似科学

序文

  近年疑似科学というものが流行りを見せている。疑似科学そのものの定義については詳 しく論じるまでもなく字面の通りで、すなわち信頼を得るために科学に見せかけてはいる が、実際は科学的方法を充分に満たしてはいないものを指す。本稿では日本における疑似 科学の扱われ方を検証するのに加え、日本人の科学に対する考えについて述べていく。

疑似科学 の現状

  そもそも疑似科学とはいうけれども、実際にはどのように活用されているのだろうか。

「水はなんにも知らないよ」の著者左巻健男氏によると、磁気水、πウォータ、アルカリ イオン水、マイナスイオン、クラスタ、酸素水など水に関する擬似科学は実にバタエディ 豊かに取り揃えられていることに驚く。この中には、単語を聞いただけでは単なるオカル トとしか思えないようなものだけではなく、既に生活に密着してしまっている単語まであ ることに驚きを禁じえない。

その生活に密着してしまっている顕著な例がアルカリイオン水、そして件のマイナスイオ ンだろう。双方共にテレビや雑誌、新聞など様々な情報媒体で耳にする単語であり、おそ らく日本人のある一定数以上はそれらが疑似科学であることなど疑いもしない。あるいは 疑似科学に限らず、全ての物事は多くの人にとっては単なる媒体にしか過ぎないのかもし れない。重要なのはいかにそれらしくあるべきかという点だけであり、極端に述べてしま うと、いかに私たちの精神に影響を与え、あわよくばプラシーボ効果を発現させてくれる かという点のみということである。つまり、ある種の夢を売る商売といえる。恐らくこれ こそがマイナスイオンやアルカリイオン水を代表とした疑似科学的商品を売るものの哲学 でもあるのだろうが、事態はそれらを静観出来る状態ではなくなってきている。というの は、疑似科学を利用した悪質な訪問販売やセミナーによる法外な値段による売りつけなど が増加してきているからである。例を挙げると自然回帰水というタイセイという会社が販 売しているものがある。ただの浄水器であるにも関わらず、35 万の高額な装置の購入を半 ば強引に進めることで有名なのだが、実際にその被害にあってしまった人も少なくはない ようだ。このような被害を食い止めるために、一人一人が疑似科学の知識を、ひいては正 しい科学情報リテラシーを身につけることが早急に必要なのである。

発生の原 因

  序文でも述べたとおり疑似科学は科学ではなく、多くの場合それは利益を得る目的でさ かば詐欺のような形で利用される。その際に何故科学というものが隠れ蓑になったかとい

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うと、日本における科学信仰の熱さ、ならびに科学に対する無関心さという一見矛盾とも 思えるような現状がある。つまり日本人の大半は科学がこの世界における絶対の尺度のよ うなものを扱うと思われる学問であり、多分に確からしい、信用に値するものという知識 はあるけれども、それのなんたるかを知ろうという気は盛んでないのである。これは近年 特に叫ばれるようになってきた理科離れというものと無関係ではないだろう。この主要な 原因として、私は特に昨今の大学入試制度の問題点をあげる。第一に多くの大学が入試科 目に理科的基礎知識すら必要としていない点。疑似科学が跋扈しそのことが人々に積極的 にせよ消極的によ被害を与えている時点で、理科的知識は生活における必須事項となりえ る。

また、高校のとにかく良いとされる大学に生徒を進学させれば良いという風潮もそれに拍 車をかける。筆者自身、高校で文系進学だった影響から 1 年の時に理科総合という名の化 学をやった程度で物理にはまったく触れず(実際にこれは違反である)、2 年では生物しか 取れなかった。あげくの果てに 3 年ではついに理科の理の字もかじることなく高校生活を 終えてしまったわけで、このような状況では日本人の理科離れはさもありなんというばか りである。付け加えて、大学における学習でも科学的な授業を取る必要がまったくないと いうところは多い。つまり科学を基礎科目として取らなければならない制度はせいぜい中 学くらいまでの話であり、その後は人によっては基礎でもなんでもないトリビア的なポジ ションでしか理科を扱わなくなるのである。これで擬似科学に騙されるなという方が無理 な話だ。もはや情勢は騙されるほうが馬鹿なのだなどと言っているような場合ではなくな ってきている。直接的に擬似科学の存在を社会に喧伝する一方、日本の学習制度という根 本問題にもメスを入れなければならない時期が来ているのではないだろうか。

なお、直接的に疑似科学の存在を社会に喧伝する際、特にテレビというものには警戒を 払わなければならない。なぜならテレビこそが今現在暫定的に最も優秀な広告媒体かつ真 実 1 つろくに語ることも出来ないただの箱(もしくは板)なのだ。テレビという媒体は、

特に民法大手では疑似科学を金のなる木程度にしか見なしていない番組作りがあまりにも 多すぎる。むしろこの事件の主犯と言っても良い。私たちに出来ることは小規模な範囲に 限られる。すなわち、自分の知っている知識を他人とシェアさせるというやり方である。

そして、能動的に知識を得るよう動く事を習慣化させることである。知識のシェアのや り方については現代社会ではいくつかの手段が考えられるだろう。単純に友達に話す方法 でもよいし、インターネット上の自分のブログの記事の中にこっそりと水と疑似科学を扱 った記事を滑り込ませるということも考えられる。特に、疑似科学を信仰している人たち に真正面を切って「あなたの考えは間違っていてそれは無駄極まりないことなのです」と 事実を指摘してしまうことは時として非常に負荷のかかることになる。また、もう少し細 かく見るのならばその人の持っていたプラシーボ効果を薄れさせることになり、その意味

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でも反感を招くことになるだろう。直接伝える際には特に細心の注意が求められるところ だ。また、能動的に知識を得るよう動くことを習慣化させることは非常に重要なことであ る。というのはテレビという受動的に情報を受け取ることの出来る媒体の信用度が特にメ ジャーな民法各局では著しく酷いということが最たる理由である。テレビは受動的に情報 を受け取ることが出来るというその利便性において、またその図体の巨大さ故に、利用さ れやすく改革のされにくいものだ。そのことを自分で実践するとともに、周囲の人にそれ となく気づかせていくような努力が求められるのであろう。学校教育においても、この点 を詳しく学習させることがメディアリテラシーの増強につながり、真に情報を扱うことの 出来る人間の育成につながるのではないだろうか。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080126/acd0801261421006-n1.htm http://www.kaikisui.co.jp/

http://beyond.2log.net/akutoku/archives/qa/pslg123219.html http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail822.html

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