自然科学概論A(原科)2019
1 自然科学概論A
この授業について
担当教員:原科浩(教養部物理学教室)
専門:物性物理学 超伝導,磁性体(磁石の仲間),化合物の金属(金属
(実験系) 元素でなくても,電流を通すものを金属と呼ぶ。)
◎ 成績評価 (総合得点100点満点の60点以上で合格)
合格必要条件:出席12回以上(期末試験を除いて)
次回授業準備課題 5回以上提出(8回程度を予定)
ミニレポート課題 5回以上提出(7回程度を予定)
中間レポートを1回提出(テーマは2種類を予定)。 欠席が4回以上の場合,評価は「欠席」
遅刻,途中退室は欠席0.5回分とみなす。 ←自己申告で,着席・退室す る前に,教卓横の名簿に名前を記入する。守らない場合は重いペナルティー。
総合得点 = ミニレポ×5回以上(30点)+ 中間レポ×1回(10点)
+ 期末(60点)
課題,レポートの提出回数が基準以下の場合も,成績は「欠席」とします。
ミニレポートの提出場所:D0308研究室前の提出箱
〆切(原則): 金曜の授業・・・翌週の水曜13:00まで レポートについての詳細は裏の記述を参照。
予告:6月14日(金)休講 ⇒ 6月15日(土)2時限に補講(予定)
はじめに ~自然科学とは~
科学(自然科学)ってなんだろう
理科(物理,化学,生物,地学)は好き・得意でしたか?
科学(または理科)に抱いているイメージは?(教科ではなく一般的な意味で)
難しい 楽しそう 自分とは関係ない 大事 役に立つ 危険 正しい 答えが一つ 人類を幸せにする 人類を滅ぼす ???
知っている科学者の名前は?
ニュートン,アインシュタイン,ファラデー,ガリレオ,
ダーウィン,メンデル,ワット,フレミング,キュリー,
湯川秀樹,益川敏英,大槻義彦,北野大, ???
自然科学概論A(原科)2019
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科学(自然科学)にはどんな分野がある?
生物学(Biology)
研究対象:
応用→
化学(Chemistry)
研究対象:
応用→
地学[地球科学,地球惑星科学](Earth Sciences)
研究対象:
応用→
天文学(Astronomy)
研究対象:
応用→
物理学(Physics)
研究対象:
応用→
数学(Mathematics) 自然科学?
研究対象:
応用→
哲学と科学
自然科学概論の英語科目名は,
Introduction to Natural Philosophy and Sciences 導入・入門 自然哲学 科学
哲学(Philosophy)・・・なぜ? どうして? 知りたい!
フィロ= 愛 ,ソフィ= 知 → 知を愛する学 知りたい・・・人間に固有の欲求,営み
対象は:人間,社会,自然,理念・観念,人間を超えた存在,
あらゆること・もの
自然について知りたい → 自然哲学(Natural Philosophy)
古代から中世では,科学は哲学の一分野だった
アリストテレス(ギリシャの哲学者 BC384-BC322)
著書:自然学(フュジクス)など
自然科学概論A(原科)2019
3 サイエンス(Science)
近代科学が成立(18世紀ごろ)して,哲学から独立していくと 科学はサイエンスと呼ばれるようになる
語源は,総合的な知識(スキエンティア)
知識を探求する営み
自然について知りたいこと,疑問に思っていることはありますか?
・
自然科学概論Aで学びたいこと 科学と人間・社会
現代において,科学はただ「知ること」にとどまらない 技術に利用できる科学 → 有益と有害の二面性
科学をコントロールするための人間力,社会の仕組み
生きること
広い意味の 科学
(哲学)
人文科学 人間とは 心,善,愛,
自然科学 生きる舞台 自然の中での役割
社会科学 他者との関係 集団,社会,
技術
≪知ること≫ ≪考えること≫
≪衣食住・インフラ・産業≫
応用・道しるべ
精密化・新手法
内的 外的
人間として
自然・環境
エネルギー 資源 食料
管理・防災 破壊・汚染 研究
欲
(欲求,貪欲)
自然科学概論A(原科)2019
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自然科学を人文科学・社会科学とあわせて学び,考えてほしい。
文学,歴史学,心理学,経済学,政治学,社会学,法学,・・・
さらには,科学を超えたもの(宗教など)との対話も。
物理学を主軸にして,自然科学について知り,考えたい なぜ物理学か?
自然科学の階層性
化学や生物学などの現象や法則は,
全て物理法則に基づいている。
生命現象の多くは,化学反応や タンパク質の合成や構造など 化学に基づいて理解できる。
だからといって,物理学があれば化学は不要とか,化学があれば生物学 が不要ということではない。(理解の仕方、価値観が異なる)
学習到達目標
① 科学で扱える問題と扱えない問題を区別できる。
② 科学リテラシーの必要性を理解できる。
③ 近代科学の特徴を説明できる。
④ 20世紀初頭に起こった自然認識の大きな変化を理解できる。
⑤ 科学・技術と社会との関係を主体的・批判的に考えることができる。
自然について知らなかったこと,不思議に思っていたこと,疑問に感じてい たことが,分かることは楽しい,うれしい。
物理学の面白さも知ってほしい。
科学を学ぶ意味はそれだけではない。
次回は,科学を学ぶ意味について考えたい。
☆次回授業の準備課題 ~あらかじめ準備しておき,次回指名されたら答える~
① 科学技術が,人間・社会・環境に害悪を与えた有名な事件(公害のような,
広範囲か,大規模か,長期間にわたるか,などの大事件)を2つ以上あげる。
(知らなければ調べてみて。)
② 科学者・技術者でなくても科学(理科)を学ばなければならない理由は何 だと考えるか。(調べなくてもよいので,素朴な自分の意見でよい。)
数学を 利用する 物理学
化学
生物学 地学 自然科学