【解説】
甘味タンパク質の構造機能相関
ソーマチンから見えてきたこと
桝田哲哉
甘味は基本5味のなかで,最も親しみのある魅力的な味であ る.甘 味 を 呈 す る 食 品 は 好 ん で 食 べ ら れ,「甘 い も の は 別 腹」という現象も多くの人が経験している.しかしながら糖 質の過剰摂取が生活習慣病や齲歯の一因と考えられているた め,低カロリー甘味料の開発や,摂取後に血糖値の上昇を伴 わ な い 甘 味 料 の 開 発 が 注 目 さ れ て い る.新 規 甘 味 料 の 開 発 は,甘味物質の構造活性相関を土台にして,行われてきた背 景がある.本稿では甘味タンパク質ソーマチンの甘味発現部 位,構造活性相関を中心にほかの甘味タンパク質の知見を交 え近年のトピックスについて概説する.
甘味を呈するタンパク質
精製されたタンパク質は一般的に無味,無臭である が,例外的に甘味を呈するタンパク質が存在する.これ までに6種類のタンパク質(ソーマチン,モネリン,ネ オクリン(クルクリン),マビンリン,ブラゼイン,卵 白リゾチーム)が甘味を呈すると報告されている(1〜5)
(表
1
).これら6種類のタンパク質については,すでにその立体構造が明らかになっているが,甘味タンパク質 間に共通して存在するアミノ酸配列や構造の特徴などは 見いだされていない(図
1
).甘味タンパク質の多くは,卵白リゾチームを除き,熱帯雨林に自生する植物に由来 する.甘味強度についてはショ糖との相対比(モル比,
重量比)や,ヒト官能検査による閾値法により同定され ており,ソーマチンやモネリンはショ糖に比べモル比で 10万倍,重量比で3千倍と非常に強い甘味を呈する.こ れら甘味タンパク質はいずれも天然甘味料 (Natural Sweeteners) である.天然の甘味料としてはほかに
の葉に含まれるステビオシドやレバウデ オシドA,ブドウやメロンに含まれるエリスリトール,
甘草の根に含まれるグリチルリチンなどがあるがいずれ も低分子物質である(4, 5) (表1).一方,合成甘味料とし ては,サッカリン,アスパルテーム,アセスルファム K,スクラロースが挙げられるが,いずれも強い甘味を 呈することから「高甘味度甘味料」とも呼ばれ,食品,
飲料に広く用いられている.
Structure‒Activity Relationships on the Sweet-Tasting Protein : Studies on the Sweet-Tasting Protein, Thaumatin
Tetsuya MASUDA, 京都大学大学院農学研究科
甘味タンパク質ソーマチンの特徴 ソーマチンは西アフリカ原産の植物
Benth の果実から単離される.陽イオン交換 クロマトグラフィーの溶出パターンから少なくとも5つ の バ リ ア ン ト(ソ ー マ チ ン a, b, c, I, II) が 存 在 し,
ソーマチンI,ソーマチンIIが構成成分の大半を占める.
ソーマチンはヒスチジン以外の19種のアミノ酸を構成 成分とする207アミノ酸残基からなる一本鎖タンパク質 であり,分子量22,000,等電点が12,分子内に8つのジ スルフィド結合をもつ.ソーマチンの微生物生産が長年 困難であったのは,このジスルフィド結合の多さに一因 があるかもしれない.ソーマチンIおよびIIのアミノ酸 配列を比較すると,4カ所のアミノ酸残基の相違が見ら れる.46番目,63番目,67番目,76番目のアミノ酸残 基が異なるが,ソーマチンIではこの順でアスパラギ ン,セリン,リジン,アルギニンであり,ソーマチンII ではリジン,アルギニン,アルギニン,グルタミンであ る.このようにソーマチンIIのほうが全体として塩基性 度が高い.
ソーマチンは甘味料のみならず,タンパク質結晶化の モデルタンパク質としても広く利用されており,現在ま でプロテインデータバンク (PDB) には40種類ほどの構 造が登録されている.それら構造の多くは,ソーマチン IとIIの混合物や,精製ソーマチンIであり,分解能が1 Åを切る高分解能のソーマチンIの構造解析も行われて いる.近年,筆者らも大型放射光施設SPring-8におい て分解能が0.9Å前後の構造解析に成功し,また初めて ソーマチンIIの構造を明らかにした.ソーマチンは3つ 図1■甘味タンパク質の構造
上段左から,ソーマチン (3al7), モネリン (3mon), ブラゼイン
(2brz), 中段左からネオクリン (2d04), マビンリン II (2ds2), 下段 左から,鶏卵リゾチーム (2vb1), ガチョウリゾチーム (153l). 括 弧内はPDB番号.α-へリックスを赤色,β-ストランドを黄色で示 す.図はpymolで作成した.
表1■甘味タンパク質,甘味物質の特性
分子量 等電点 甘味度1 構造 到達分解能 (Å)2
甘味タンパク質
ソーマチン 22,000 12 1,600‒3,000 (100,000) β-sandwich ; 11 β-strands in 2 sheets 0.94 (2vhk)
モネリン 11,100 (二量体) 9.3 3,000 (100,000) α and β;α‒β (×4) 1.15 (2o9u ; MNEI)
ブラゼイン 6,500 5.0 2,000 (40,000) β-hairpin and 2 adjacent disulfides NMR (2brz)
マビンリンII 12,400 (二量体) 11.3 110 (4,000) all α; 4 helix 1.7 (2ds2)
ネオクリン 25,000 (二量体) 7.5‒9.5 550 (20,000) β-prism II ; 4-stranded sheets (×3) 2.76 (2d04)
リゾチーム 14,500 11 20 (700) α and β;α+β motif 0.65 (2vb1)
天然甘味料
ステビオシド 318.45 210
レバウデオシドA 967.01 242
エリスリトール 122.12 0.7
グリチルリチン 822.94 93‒170 高甘味度甘味料
サッカリン 183.19 400‒700
アスパルテーム 294.30 200
アセスルファムK 201.24 200
スクラロース 397.64 600
ネオテーム 378.47 6,000‒10,000
シクラメート 201.22 30‒50
1甘味度はショ糖に比べ重量比で示す.括弧内はモル比.2到達分解能,括弧内はPDB番号を示す.
のドメインからなり,コアドメインであるドメインIは 典型的な11個の
β
-ストランドで構成されている(アミ ノ酸残基1 〜53, 85 〜127, 178 〜207).残りの2つのド メインはジスルフィド結合に富むドメインIII (アミノ 酸 残 基54 〜 84) と ド メ イ ンII (ア ミ ノ 酸 残 基128 〜 177)を含んでいる(図2
).SCOP (Structural Classifi- cation of Proteins) においてソーマチン様タンパク質(thaumatin-like protein) スーパーファミリーに分類さ れている.高分解能構造解析を行うことにより,異方性 温度因子 (anisotropic temperature factors) を考慮した 構造の精密化が可能となり,多くのアミノ酸残基におい て,水素原子の存在も確認できた(6).また異なるpHに
おける高分解能構造データの比較により,pH変化に伴 うタンパク質の揺らぎ,構造変化をも追跡することも可 能となっている(7).
ソーマチン発現系の構築,ソーマチンプレ配列が発 現効率に与える影響
成熟型のソーマチンは207アミノ酸残基からなるが,
前駆体としてN末端に22アミノ酸残基からなるプレ配 列とC末端に6アミノ酸残基からなるプロ配列を有する
(図
3
).これらプレ,プロ配列は植物においては成熟過 程で除去される.また,酵母 においても プレ,プロ配列を含む植物由来のソーマチン遺伝子を用 いて発現を行うとプレ配列が除去される.近年,の発現系において,プレ配列ならびにプロ配列 の影響について検討が行われ,プレ配列を用いるとN末 端が正しくプロセスされ,かつ発現量が大幅に増加する 結果となった.一方,プロ配列は除去されず,植物とは 違う機構で発現されることが示唆された.培養条件の検 討,マルチコピー株が作製され,発現量も1 Lあたり 100 mgと大きく改善されている.麹菌での発現では,
甘味を呈する組換え体ソーマチンの大量取得に成功して いるが,N末端が正しくプロセスされず配列の異なる複 数のタンパク質が発現されている.またトランスジェ ニック植物による発現も試みられており,ジャガイモ,
トマトなどでの発現が行われている.
甘味タンパク質の構造活性相関
1. ソーマチンの甘味発現部位の探索,構造活性相関 ソーマチンの甘味発現部位の同定はアミノ酸残基側鎖 の化学修飾により古くから検討されてきた.初期の知見 では,アルギニン残基ではなくリジン残基の正電荷が甘 味にかかわり,チロシン残基も甘味にかかわっていると 考えられていた(8).しかしこれら化学修飾の解析では修 飾残基の同定,構造変化の有無についての検討は十分な されず,後年リジン残基をピリドキサール5リン酸で化 図2■ソーマチンの構造
上段左,ソーマチンのcartoonモデル.ドメイン I, II, III, をそれ ぞれ赤色,緑色,青色で示す.黄色は変異体の結果から甘味発現 に重要であると指摘された,Lys67, Lys137, Tyr169 を stick mod- el で示している.上段右,ソーマチンとモネリン双方に反応する 抗体のエピトープ.認識部位を赤色で示し,Asp21, Phe80 を stick model で示す.Arg82を青色で示す.下段,甘味に影響を与 えた残基 2オーダー以上の甘味低下が見られた残基 Lys67, Arg82 を赤色で,1オーダー程度の甘味低下が見られた残基を青 色で示す.下段右図は左図(クレフト中心)を垂直軸に対し −90 度回転させクレフト面を側面から描く.
図3■ソーマチンの核酸配列 ソーマチンIの核酸配列,プレ配列
(22アミノ酸残基)を橙色,プロ配列 をピンク色で示す.4カ所の実線赤色 はソーマチンIとIIで配列が異なる箇 所を示し,破線赤色は113番目の残 基を示す.植物ではプレ配列,プロ 配列双方除去されるが,酵母におい てはプレ配列のみ除去される.
学修飾した1残基修飾体の分離,同定が行われ,5つの リジン残基 (Lys78, Lys97, Lys106, Lys137, Lys187) の 重要性が指摘された(9).またこれら修飾体の負電荷をア ルカリフォスファターゼで除去すると,Lys106以外は 未修飾と同様の甘味閾値に戻ったが,クレフト内部に存 在するLys106については,負電荷を除去しても甘味が 減少したままであり,その側鎖構造が甘味発現に重要で あるとの結果が得られた.それぞれの修飾体のCDスペ クトルによる解析では,未修飾ソーマチンと顕著な構造 の違いが見受けられず,クレフト構造を含む面に広く存 在するリジン残基の正電荷が,受容体とmulti-point in- teractionしているとの報告がなされた.化学修飾法で は,意図したアミノ酸残基のみの修飾や,修飾体を単離 するのに多くの労力がかかるのが欠点である.
部位特異的変異体によるソーマチンの甘味発現部位の 解析は,変異を行う部位としてまずソーマチンIとIIと で配列が異なる箇所に検討がなされた(9).その結果によ るとSer63とArg76の変異は甘味に影響を与えなかった がLys67の変異により甘味が減少した.K67Eの場合,
植物ソーマチンIと比べ 〜50%, K67A の場合20%以下 であった.そのほか Lys137, Asp113, Tyr169 の変異に より甘味が減少したとの報告がある.これら残基はいず れもドメインIIとドメインIIIが寄り合った位置に存在 している(図2).次に,ピリドキサール5リン酸による 化学修飾の結果をもとに,酵母 を発現系と して検討がなされた(10, 11).まず重要性が指摘されてい たクレフト構造を含む面に存在する塩基性アミノ酸残基 に焦点が絞られ,変異体が作製された.リジン残基変異 体では特にK67Aの甘味が19.3倍,K67Eでは33.3倍低 下 し た(図2).そ の ほ か の 変 異 体 (K19A, K49A, K106A, K163A) では1.6倍から4倍程度の甘味の低下で あった.化学修飾の結果から重要性が示唆されていた Lys106の変異体K106Aでは3.1倍の甘味低下に留まり,
先のピリドキサール5リン酸の化学修飾の結果(5.8倍)
と少し結果を異とした.ピリドキサール5リン酸を用い た化学修飾の場合,かさ高い芳香環がリジンの
ε
-アミ ノ基側鎖に導入されるため,リジンをアラニンに置換し た部位特異的変異体と比べ,ほかのアミノ酸残基側鎖な どに局所的な影響を与えることも考えられ,化学修飾と 部位特異的変異との実験結果について注意を払う必要が あると考えられる.Lys106の近傍に存在する塩基性ア ミノ酸残基について立体構造上で検討すると,9Å離れ たところにLys49のε
-アミノ基が位置している.しかし ながらK49A変異体では3.1倍程度の甘味低下であった ためほかの残基の関与が推測された.そこで塩基性アミノ酸であるアルギニンに注目すると,Lys106から10 〜 11Å離れたところにArg82とArg79の側鎖が位置して おり,それら変異体について検討がなされた.その結果 R79A変異体では,3.8倍,R82A変異体では,24.4倍甘 味が低下し,これまでアルギニン残基がソーマチンの甘 味に寄与しないという化学修飾の報告と大きく結果を異 とするものとなった.R82A変異体の結果からそのほか のアミノ酸置換体について検討がなされ,R82K変異体 で5.3倍,R82Q変異体で22.4倍甘味が低下し,負電荷を 導入したR82E変異体ではおよそ200倍甘味が低下する 結果となった(図2).R82E変異体の甘味低下は後述す るほかの甘味タンパク質の変異による甘味の低下に比べ 極めて著しい低下であった.R82Q変異体とR82E変異 体の甘味強度の違いも興味深い点であり,Arg82の側鎖 はソーマチンの強い甘味を決定づける要因であると考え られる.これまでのソーマチン I, II の高分解能構造解 析より,甘味発現に重要な2残基である,67番目と82 番目のアミノ酸残基の側鎖のフレキシビリティーが高い ことが明らかとなっており,この揺らぎが甘味受容体と の相互作用に重要な役割を果たしていると考えられる.
部位特異的変異体を用いた研究以前にはモノクローナ ル抗体を用いた甘味発現部位の探索もなされていた.
ソーマチンに対して作成された抗体が,モネリンとも交 差して反応し,その逆の現象(モネリン抗体もソーマチ ンと交差する)も確認されていた(12, 13).つまり抗体が 認識する部位が甘味発現部位であるとの発想から,双方 のエピトープの探索がなされた.その結果,この交差抗 体はソーマチンの19-KGDAALDAGGR-29と77-CKRF- GRPP-84を認識していた(図2).このエピトープのな かには,アスパルテーム様の構造 (Asp21-Phe80) が見 いだされており,興味深いことに,ソーマチンの強い甘 味を決定づける残基であるArg82もこのペプチドのな かに含まれている.受容体と甘味タンパク質との相互作 用には分子表面に存在する(ソーマチンの場合はクレフ トが含まれる面)複数のアミノ酸残基が寄与していると 考えられるので,抗体が認識する抗原決定基(エピトー プ)とオーバーラップしていたのは,ごく自然な結果と も捉えることもできる.
2. モネリンの特徴,甘味構造活性相関
ソーマチンが一本鎖タンパク質であるのに対しモネリ ンは44アミノ酸からなるA鎖と50アミノ酸からなるB 鎖が非共有結合したヘテロ二量体タンパク質である(図
4
).モネリンは非共有結合したヘテロ二量体であるため 加熱に対して極めて不安定である.モネリンは比較的小さいタンパク質であるので,A鎖,B鎖のそれぞれのポ リペプチド鎖をペプチド固相化学合成し,両者を混合す ることで再構成させたモネリンアナログを用いた解析が 行われている点がほかの甘味タンパク質と大きく異な る(14).アスパラギン酸残基をアスパラギンに置換した アナログが作製され,甘味に与える影響が検討された結 果,B鎖の7番目に存在するAspをAsnに置換したアナ ログが甘味を消失した.このアナログはCDスペクトル で天然モネリンと同様の波形を示した.AspB7近傍の アミノ酸残基についても検討がなされ,IleB6, IleB8, GlyB9 の重要性も指摘された(図4).興味深いことに,
このモネリンB鎖の甘味発現部位,Ile-Asp-Ile配列は,
ソーマチンの配列100番目から102番目 (Ile-Asp-Ile) に も存在している.ソーマチンの場合これら残基は分子内 部に存在する
β
-ストランドに位置しており,直接甘味 受容体との相互作用には関与しないと思われるが,甘味 発現に必須な立体構造保持に重要な役割を果たしている 可能性も挙げられる.この点については今後の検討課題 であると言えよう.部位特異的変異体を用いた甘味発現部位の同定では,
2つのペプチド鎖を遺伝子工学的手法により結合させた 一本鎖モネリンが用いられている.立体構造上A鎖のN 末端とB鎖のC末端が近傍に位置しているため,A鎖の N末端 (Arg1) とB鎖のC末端 (Glu50) を直接結合させ た94アミノ酸残基からなる SCM(15) とA鎖とB鎖の間 にグリシンとフェニルアラニン2残基のスペーサを導入 した96残基からなるMNEIの2種類の一本鎖モネリン が作製された(16) (図4).固相ペプチドによる構造活性 相 関 の 結 果 を 基 に 検 討 が な さ れ,R86E (ArgA36),
R70E (ArgA20) 変異体では100倍から25倍甘味が低下 す る 結 果 と な り,Asp72 (AspA22) を 含 む Arg86, Arg70 で形成される領域が重要な役割を果たすことが 明らかとなった(17) (図4).またモネリンのC末端には Pro-Val-Pro-Pro-Proという連続したプロリン残基が分子 表面に存在する.これらPro残基を順次欠損させた変異 体を作製しその甘味強度を検討したところ,Pro残基が 減少するにつれ甘味も減少することがわかった.この時 点ではpreliminaryなCD解析が行われ,わずかな2次構 造変化が見られたという報告であったが,近年,MNEI 変異体のX線構造解析の結果から,このC末端のPro残 基が甘味に与える影響についても議論されている(18). また,SCMの変異体の解析より,Glu2 (GluB2), Asp7
(AspB7), Arg39 (ArgB39) の3残基が甘味にかかわり,
なかでもAsp7とArg39の2残基に変異が導入されると モネリンの2次構造および3次構造の安定性と甘味に影 響を与えると報告されている(19).
3. ブラゼインの甘味構造活性相関
ソーマチン,モネリンなど甘味タンパク質の多くは塩 基性タンパク質であるが,ブラゼインは等電点が5の酸 性タンパク質である.甘味強度はショ糖に比べモル比で 4万倍,重量比で500から2,000倍と報告されている.果 実中にはアミノ酸残基54残基と53残基の2種類のブラ ゼインが存在している.前者は80%を占め,N末端がピ ログルタミン酸化されている.後者はピログルタミン酸 が欠如している.54アミノ酸残基中,約50%のアミノ 酸残基が極性アミノ酸残基である(Asp 5残基,Arg 2 残基,Glu 4残基,His 1残基,Lys 7残基,Tyr 6残基,
Ser 2残基).ブラゼインは甘味タンパク質のなかでは最 も小さく(分子量約6,500),分子内に4つのジスルフィ ド結合を有し,80度,4時間の加熱でも安定である(20). ブラゼインの構造はNMRで決定され,3つの逆並行
β
- ストランドと一つのα
-へリックスから構成されること がわかった(図1).また近年,分解能1.8ÅのX線結晶 構造解析もなされ,NMRで得られた構造との相違点も 指摘されている(21).ブラゼインの発現はstaphylococcal nuclease をN末端に融合させた大腸菌発現系や酵母発 現系を用いて行われている.ブラゼインの甘味‒構造活 性相関の研究においても多くの変異体が作製され,N末 端とC末端を含む領域と,Arg43を含むフレキシブルな ループがブラゼインの甘味発現にかかわることが報告さ れた(22).後年さらに25種類の変異体を用いた解析によ り,C末 端 領 域 と,Asp29-Arg33, Glu36, Tyr39-Arg43 が甘味に大きく影響することが示された(23) (図5
).ま 図4■モネリンの構造モネリンは44アミノ酸からなるA鎖と50アミノ酸からなるB鎖が 非共有結合したタンパク質である.A鎖を赤色,B鎖を青色で示 してある.一本鎖モネリンはB鎖のC末端とA鎖のN末端を直接 結合させたSCMとB鎖とA鎖の間にグリシンとフェニルアラニン の配列を挿入したMNEIが知られている.右図,モネリンの甘味 発現にかかわる残基 2オーダー以上の甘味低下が見られた残基
(B鎖:Ile6, Asp7, Ile8, Arg39, A鎖:Arg36) を 赤 色 で,1オ ー ダー程度の甘味低下が見られた残基を青色で示す.C末端のPro‒
Pro-Pro配列を水色で,変異により甘味が強まった残基Tyr65(A 鎖Y13)を黄色で示してある.
たLys18とAla19間にジペプチドArg-Ileを挿入すると,
甘味が消失することが示され.ジペプチドの挿入で Cys16-Cys37のジスルフィド結合が変化し,間接的に Glu36の構造に影響を与えていることが明らかとなって いる.近年,His31, Glu36, Glu41 をそれぞれ Arg, Asp, Ala に置換した2残基変異体 (H31R-E36D, H31R-E41A, E36D-E41A), 3残基変異体 (H31R-E36D-E41A) が作製 され,いずれもwild-typeに比べ甘くなると報告されて いる(24).また高分解能NMRにより,甘味に寄与する Tyr11の温度依存的な構造変化を追跡した興味深い報告 もある(25).
4. ほかの甘味タンパク質の構造活性相関
これまで,ソーマチン,モネリン,ブラゼインについ て甘味構造活性相関について紹介してきたが,そのほか にマビンリン,ネオクリン,リゾチームが甘味を呈す る.マビンリンについては2008年に立体構造が決定さ れ,ほかの甘味タンパク質とは異なり,
β
-ストランドを 含まずα
-へリックスのみから構成されることがわかっ た(図1).しかしながら,変異体作製による甘味部位 の同定,構造活性相関の観点からの研究はまだ十分な結 果を得られていない.ネオクリンについては,それ自身 甘味を呈するが,酸味を呈する物質を味わうと甘味に変 える「味覚修飾タンパク質」であり,すでにその観点か ら多くの変異体の検討がなされており,これらについて は,総説を参照されたい(26).リゾチームについても,多くの化学修飾体,部位特異的変異体が作製され,溶菌 活性に重要な残基Glu35とAsp52が存在する面とは反対 の面に散在している5つの塩基性アミノ酸残基 (Lys13, Lys96, Arg14, Arg21, Arg73) が甘味発現に重要である
ことがわかった.また,これらそれぞれの残基の甘味に 対する貢献度について検討がなされ,Lys13とArg14は いずれかの残基があれば甘味を保持できるが,そのほか の残基は相加的な役割を果たしているとの知見が得られ ている(27).
甘味受容体
1999年cDNAサブトラクション法により,味覚組織 に特異的に高発現している味覚関連遺伝子のスクリーニ ングが行われ,新規の7回膜貫通型のGタンパク質共役 型受容体 (GPCR) 遺伝子 (T1R1, T1R2) がクローニン グされた(28).その後,ヒトゲノムデータベースからヒ ト第1染色体1p36領域にあたるBACクローンの塩基配 列がスクリーニングされ,新規な遺伝子 (T1R3) がク ローニングされた(29〜32).T1RsはGPCRファミリーの サブグループCに属するが,このグループの特徴として 細胞外のN末端部分が大きなドメインを形成している ことが挙げられる(図
6
).T1Rsはおよそ500アミノ酸 残基からなる細胞外ドメイン (NTD), その下流に50ア ミノ酸残基ほどのシステインリッチ領域 (CRD) を有 し,さらに300アミノ酸残基からなるC末側膜貫通領域(TMD) を有する(図6).その後の研究により,T1R1- T1R3のヘテロ二量体はうま味受容体をT1R2-T1R3のヘ テ ロ 二 量 体 は 甘 味 受 容 体 を 形 成 す る こ と が わ か っ た(33, 34).甘味受容体T1R2-T1R3は,糖類,アミノ酸,
ペプチド,合成甘味料,甘味タンパク質を認識する.以 下に主な甘味物質について受容体上での結合,応答に係 る部位について概説する.
低分子甘味物質の受容体結合部位の探索
甘味物質は糖類から合成甘味料,甘味タンパク質にい たるまで構造特性は大きく異なる.これまでの実験結果 から甘味物質に対する応答は生物種によって異なること が知られている.代表例としてマウスやラットなどの げっ歯類は,ヒトが甘味を感じることのできる甘味タン パク質(ソーマチン,モネリン,ネオクリン,ブラゼイ ン)や合成甘味料のアスパルテーム,ネオテーム,シク ラメートなどを認識しない.一方でシュクロースやグル コースなどはヒトを含めげっ歯類も感知することができ る.そこでこの種間の甘味物質に対する感受性の違いを 利用して,ヒト由来甘味受容体やマウス由来甘味受容体 をHEK293細胞などの培養細胞で強制発現させ,甘味物 質にどのような応答性を示すのかを調べることにより,
図5■ブラゼインの構造
ブラゼインは54アミノ酸残基からなる.N末端がピログルタミン 酸化されたバリアントが80%を占める.甘味発現にかかわる残 基,Lys6, Lys30, Arg33, Glu36, Arg43, Tyr54 を赤色,Lys5, Tyr8, Lys15, His31, Asp50 を青色で示す.部位特異的変異により甘味が 強くなった部位については黄色で示す.
受容体のどの領域が甘味物質の結合や応答に関与してい るのか検討された.ヒト型T1R2-T1R3は,ラット型 T1R2-T1R3で応答性が見られないアスパルテームや ソーマチン,モネリンなどの甘味タンパク質に対して応 答が見られた.次にヒト型T1R2とマウス型T1R3を組 合せた受容体 (hT1R2-mT1R3) を作製し,応答性を検 討したところ,マウス型T1R2-T1R3に対して応答が見 られなかったアスパルテームに対し応答が見られたこと から,アスパルテームの応答はヒト型T1R2が必要であ ることが示唆された(35).この結果についてはT1R2遺伝 子をノックアウトしたマウスに,ヒト型のT1R2遺伝子 を導入すると,本来マウスが感じえない甘味物質(モネ リン,ソーマチン,アスパルテーム,アセスルファム K,グリチルリチン)に対して反応を示した で の実験によっても検証されている(36).次に受容体内の 応答に係わる領域をさらに特定するため,ヒトとラット のT1R2,T1R3遺 伝 子 か らN末 端 側 細 胞 外 ド メ イ ン
(NTD) とC末端膜貫通ドメイン (TMD) を置換したキ メラレセプターを作製し,検討したところ,アスパル テームとネオテームの応答にはヒト型T1R2のNTDが 必要であることが示された(37) (図
7
).さらに,ヒト由 来T1Rsのアミノ酸配列とマウスおよびラット由来 T1Rsのアミノ酸配列とを比較し,ヒトのアミノ酸配列 を基に受容体の点変異体を作製し検討がなされた.その 結果アスパルテーム,ネオテームに対する応答には,ヒ トT1R2のSer144およびGlu302が重要であることが示 された.さらに近年,T1R2-T1R3の甘味受容体モデル を用い,低分子甘味物質(アスパルテーム,D-トリプト ファン,サッカリン,アセスルファムK,スクラロース)との応答に関する受容体のアミノ酸残基が詳細に特 定されており,アミノ酸誘導体,スルファミン酸類,糖 アナログの3種の構造が異なる甘味物質がどのような選 択性で受容体の応答に寄与しているか精緻に検討が行わ れている(38).一方シクラメートはヒト型T1R3のTMD が関与していることが同様の実験で示されている.以上 のことから,甘味受容体T1R2-T1R3には多くの甘味物 質に対するリガンド結合部位が存在し,さまざまな構造 をもつ甘味物質に対して幅広く対応していると考えられ る.
甘味タンパク質の甘味受容体応答部位の探索 先述の種間の甘味物質に対する感受性の違いを利用 し,モネリンの応答にはT1R2が,一方ブラゼインは T1R3が関与していることが見いだされた(39).さらにブ
図6■甘味受容体
上図:甘味受容体のサブユニットは およそ500アミノ酸残基からなる細 胞外ドメイン (NTD), その下流に50 アミノ酸残基ほどのシステインリッ チ領域 (CRD) を有し,さらに300ア ミノ酸残基からなるC末側膜貫通領 域 (TMD) を 有 す る.Cartoon図 は グルタミン酸受容体 (2e4u) アドレ ナリン受容体 (3p0g) の構造をもと に,modeller (9.10) を用いて作製し た.下図:Wedge model.ドメイン の 配 置 が「Open」 型 (左) と
「Closed」型(右)の平衡状態にあり,
リガンド存在下では活性状態を示す
「closed-open/A」 の 構 造(右 側) に なる.低分子甘味物質の場合,結合 部位に結合し活性型となるが,甘味 タンパク質の場合,低分子甘味物質 の結合部位ではなく,受容体に楔
(wedge) を打ち込むような様式で活 性状態になる.
図7■甘味受容体と甘味物質の相互作用部位
ラ ゼ イ ン の 認 識 に は ヒ トT1R3のCRDに 存 在 す る Ala537とPhe540が関与していることが明らかとなっ た.また,この部位における変異体が,わずかではある が低分子甘味料(ショ糖,D-トリプトファン,サッカリ ン,アスパルテーム)やモネリンに対する受容体活性に 影響を与えていたことから,T1R3のCRDが甘味受容体 として機能するうえで重要な役割を担っていると示唆さ れている.また,ネオクリンの応答にはヒトT1R3の NTDが(40),ソーマチンの応答にはヒトT1R3のCRDが かかわっていると示唆され,近年CRD中の5つのアミ ノ酸残基が応答に重要な役割を担うとの結果が得られて いる(41, 42) (図7).
甘味受容体モデルを用いた甘味タンパク質とのドッ キングシミュレーション
T1Rsは現時点でそれらの立体構造は決定されていな いが,甘味受容体と同じファミリーに属する代謝型グル タミン酸受容体 (mGluR) については構造が決定されて いる.グルタミン酸受容体はホモ二量体からなり,N末 端側にあるLB1とLB2ドメインの間にグルタミン酸を 結合する.通常リガンド物質非存在下では,ドメインの 配置が 「Open」 型と 「Closed」 型の平衡状態にあり,リ ガンド存在下では活性状態を示す 「closed-open/A」 の 構造に,アンタゴニスト存在下では非活性状態である
「open-open/R」 に柔軟に構造を変化させる(図6).こ の構造を鋳型としてT1R2-T1R3のモデルが構築され,
甘味物質との応答や活性化モデルが提唱されている(43). このモデルでは,甘味タンパク質の正電荷部位と,
T1R3細胞外ドメイン中央部の負電荷部位とが静電的相 互作用することによって,T1R2-T1R3の活性化状態を 安定化している.甘味タンパク質間には配列相同性や構 造類似性はないが,その表面上にくさび (wedge) の様 な構造的特徴をもち,T1R3中央部に大きくはまり込む ことができる.この甘味タンパク質‒甘味受容体の結合 モデルは wedge model と呼ばれている(図6).甘味 タンパク質の研究において,甘味発現に関与しているア ミノ酸残基は,甘味タンパク質分子表面上の比較的広い 範囲に存在していることが明らかになっており,甘味受 容体との相互作用には分子表面の広い範囲が関与すると
いう “wedge model” を間接的に支持するものとなって
いる.モネリンの甘味発現について受容体とのドッキン グシミュレーションに基づき検討がなされた(18).受容 体 と 相 互 作 用 す る と 予 測 さ れ る 面 の 縁 に 存 在 す る Met42 (Met42B), Tyr63 (TyrA11) と,中央に位置し て い る Tyr65 (TyrA13), 甘 味 に 寄 与 す る 酸 性 残 基
Asp68に着目し変異体を作製した.その結果,グルタミ ン酸に置換した変異体 (M42E, Y63E, Y65E) やD68R変 異体はいずれも甘味が減少した.一方,アルギニンに置 換した変異体 (M42R, Y63R) も甘味が減少したが,正 電荷を増加させる置換よりも負電荷を増加させる置換の ほうが甘味に与える影響が強い傾向があった.一方,
Y65R変異体ではwild-typeより1.6倍ほど甘味が強くな る結果となった.このように受容体とのドッキングモデ ルを用いることで,さらに甘いタンパク質をデザインす ることも可能であると期待される.しかしながら相当数 の変異体タンパク質やアナログの構造活性相関の結果を もとに受容体のモデル構造の有用性が導き出されている のも現況である.
このwedge modelとは別に,ブラゼイン変異体の データを参照にして受容体とのドッキングシミュレー ションが行われ,ブラゼインはT1R2のNTDにも結合 しうることが示された(44).さらに「より甘い」ブラゼ イン変異体の作製も試みられている(44).甘味が強く なった変異体 (E41A, D50K, D29A/E41K, D29N/E41K, D29K/E41K) ではそれらアミノ酸残基の側鎖は受容体 モデル上では酸性アミノ酸と相互作用すると考えられる ため,電荷の反発を減少させる変異により甘味が強くな る.またY54Wの変異により甘味が強くなるのは,54 番目の側鎖が受容体の疎水ポケットと相互作用する環境 下にあり,より疎水性が増加する変異が甘味増加に適し ていると考えている.しかしながら,D40AやD40Kの 変異体では,結果として甘味が増加したが,この残基は 受容体と直接相互作用しているとは考えられておらず,
変異を行うことでブラゼイン自身の局所構造を安定化さ せることにより甘味が増加したとの見解をしている.近 年,ブラゼイン変異体と甘味受容体との相互作用につい ては,ブラゼイン,受容体双方の部位特異的変異体によ る解析も試みられており,甘味タンパク質のなかでは最 も構造活性相関の情報が多いタンパク質である(45). ソーマチンの場合も,同様にドッキングシミュレーショ ンがなされたが,モネリン,ブラゼインに比べ変異体の 情報がまだ少なく,精度高い相互作用解析は困難な状況 下にある(46).多くの甘味物質はT1R2のNTD領域と相 互作用する一方で,ソーマチン,ブラゼインの応答には ヒトT1R3のCRD領域,ネオクリンはT1R3のNTD領 域が重要であると報告されており(図7),T1R3は新規 甘味料創出のターゲットとなり得る可能性を秘めてい る.
受容体モデルから予想される結果と受容体発現細胞を 用いた応答実験の結果との間には,検討を要する点が
多々ある.たとえば分子量の大きいタンパク質が,本当 に細胞膜に近いCRD領域と相互作用しているのか,単 に情報伝達過程に影響を与え応答性を変化させているの ではないかという点である.また,受容体モデルで用い られるmGluRがホモ二量体であるのに対して,甘味受 容体がヘテロ二量体であり,かつそれらの配列の相同性 が26%程度であることを鑑みると,現行のモデルが実 際の構造を厳密に反映しているかという点である.いず れにせよ甘味受容体の構造が明らかになり,各甘味物質 に対する受容認識機構が明らかになることが待たれる.
おわりに
本稿では甘味タンパク質ソーマチンを中心に甘味タン パク質の構造,甘味活性相関を中心に述べてきた.ソー マチンは単に甘味を呈するだけでなく,苦味や渋味を抑 制する作用や,風味を増強する作用をもつことも知ら れ,非常に興味深いタンパク質であり,これら多彩な機 能についても筆者らは研究を開始している.甘味受容体 の発見以降,甘味物質がどのように受容体を活性化し,
「甘い」という情報を伝達しているかについて多くの研 究がなされているが,甘味受容体をはじめとする味覚受 容体が舌上だけでなく,消化管などにも発現しており,
消化管ホルモンの分泌制御,トランスポーターの発現に も深く関与していると報告されている(47〜49).今後甘味 タンパク質の詳細な構造情報をもとに受容体の活性化機 構を精査することで,新規な甘味料のデザインも可能に なるかもしれない.さらにタンパク質は糖類に比べ低カ ロリーであり,ショ糖代替甘味料の可能性をも有してい る.しかしながら,ショ糖特有の味質や物性をもつ甘味 料は,再現されておらず,今後新規な甘味料をデザイン するうえで重要な検討課題であると言えよう.
謝辞:本総説で紹介したソーマチンの構造解析の一部は大型放射光施設 SPring-8 (BL26B1, BL38B1) で 行 わ れ た(課 題 番 号:2009A1096, 2009B1379, 2010B1064, 2011B1073, 2012A1048, 2012B1067).
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プロフィル
桝田 哲哉(Tetsuya MASUDA)
<略歴>1994年京都大学農学部食品工学 科卒業/1996年同大学院農学研究科食品 工学専攻修士課程修了/1998年同大学食 糧科学研究所助手/2001年同大学大学院 農学研究科食品生物科学専攻助手/2006
〜 2007年カリフォルニア大学ロスアンゼ ルス校医学部客員研究員/2007年京都大 学大学院地球環境学堂助教(併任)/2012 年同大学大学院農学研究科食品生物科学専 攻助教<研究テーマと抱負>味覚関連タン パク質の構造生物学的解析,食品(タンパ ク質,糖類)の受諾性,構造特性を明らか にしたいと思っていますが 甘く ないで す<趣味>迷酒と珍味を楽しむ(健康に気 をつけながら).寺社探訪(健康祈願).熱 帯魚飼育(飼い主に似て小太りです)