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Academic year: 2024

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(1)

研究速報

幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

の退化検出性能の 比較

金谷 健一(正員) 松永 力††

Comparing Degeneracy Detection Performance of the Geometric AIC and the Geometric MDL

Kenichi KANATANI,Regular Memberand Chikara MATSUNAGA††,Nonmember

岡山大学工学部情報工学科,岡山市

Department of Information Technology, Okayama University, Okayama-shi, 700-8530 Japan

††(株)朋栄放送システム開発部,佐倉市

Broadcast Division, FOR-A Co. Ltd., Sakura-shi, 285-0802 Japan

あらまし 幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

の退化 の検出性能を実験的に比較し,幾何学的

MDL

のもつ 一致性は必ずしも望ましい性質ではなく,両者は相補 的な性格をもつことを指摘する.

キーワード 幾何学的当てはめ,モデル選択

,

幾何 学的

AIC

,幾何学的

MDL

,退化の検出

1.

ま え が き

誤差のある画像データに内在するモデルの比較のた めに「幾何学的

AIC

」と「幾何学的

MDL

」が提案さ れている

[4]

.これらはそれぞれ統計学における赤池の

AIC [1]

Rissanen

MDL [9]

に対応している.統 計学では観測数が漸近変数となるのに対して幾何学的 応用ではノイズレベルが漸近変数となるので,

AIC

MDL

の導出をそれに応じて変換すると幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

が得られる

[4]

統計学では

MDL

AIC

より優れるという見方が 多いが,これはその「一致性」

(

真のモデルを選ぶ確 率が観測数無限大で

1

に収束する

)

のためである

[2]

. このため,幾何学的当てはめにおいても

MDL

に対応 する規準が望ましいのではないかという疑問が以前か らあった.本論文では幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

を用いた退化検出の実験を行い,結論として,幾何学 的

MDL

は一致性をもつものの,それが必ずしも望ま しい性質ではなく,両者は相補的な性格をもつことを 指摘する.

2.

退化の検出

画像データをシーンに関する拘束条件

(

物体は剛体 運動をする等

)

から解析する場合,条件が退化した場 合

(

例えば運動が

0

である等

)

には計算が破綻する.厳 密な退化でなくても退化に近いと計算が不安定になる.

このような場合にモデル選択によって退化を検出し,

退化を記述するモデルに切り換えれば計算が安定化さ れる

[3].

ここでは数学的に等価で最も簡単なプロトタ イプについて数値実験を行う.

3.

平面上の直線と円の検出

x

軸に原点で接して

y

軸方向の半径が

50

,離心率が

1/β

の楕円上に

x

座標が等間隔の

11

個の点をとり,

x

y

座標に期待値

0

,標準偏差

σ

の正規乱数誤差を 加えて,直線,円,楕円を最適に当てはめた(計算は 文献

[3], [6], [7]

に従った).図

1

β = 2.5

σ = 0.1

の場合の一例である.

直線,円,楕円はどれも

1

次元で,自由度はそれぞ れ

2, 3, 5

であるから,当てはめの残差を

J ˆ

とすると,

文献

[4]

の式

(13), (35)

より

N

点に対する幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

はそれぞれ次のようになる.

G-AIC

l

= ˆ J

l

+ 2(N + 2)σ

2

G-AIC

c

= ˆ J

c

+ 2(N + 3)σ

2

G-AIC

e

= ˆ J

e

+ 2(N + 5)σ

2

G-MDL

l

= ˆ J

l

− (N + 2)σ

2

log

³ σ L

´

2

G-MDL

c

= ˆ J

c

− (N + 3)σ

2

log

³ σ L

´

2

G-MDL

e

= ˆ J

e

− (N + 5)σ

2

log

³ σ L

´

2

(1)

添字の

l

c

e

はそれぞれ直線,円,楕円を意味す る.これを

β

をいろいろ変えながら計算し,幾何学的

AIC

及び幾何学的

MDL

が小さいモデルを選ぶ.

L

は データのスケールを指定する基準長であり

[4]

,サイズ

512 × 512

の画像を想定して

L = 600

とした.

2(a)

σ = 0.01

の場合に

β = 0

の近傍で独立に 誤差を変えて

1000

回試行し,直線と判定された割合

(%)

である.誤差がなければ

β = 0 |

0%

β = 0

100%

となる.誤差があるとき幾何学的

AIC

β = 0

にピークをもち,直線

(β = 0)

を楕円

(β = 0) |

と区別

1 楕円と円と直線の当てはめ Fig. 1 Fitting a line, a circle, and an ellipse.

電子情報通信学会論文誌 D–II Vol. J85–D–II No. 9 pp. 1497 – 1499 20029 1497

(2)

電子情報通信学会論文誌2002/9 Vol. J85–D–II No. 9

0 20 40 60 80 100

-0.02 -0.01 0 0.01 0.02

[%]

β G-AIC

G-MDL

0 20 40 60 80 100

-0.02 -0.01 0 0.01 0.02

[%]

β G-AIC

G-MDL

(a) (b)

2 幾何学的AIC(実線)と幾何学的MDL(破線)による直線の検出率(%).(a)

知のノイズレベル,(b)推定したノイズレベル

Fig. 2 The ratio (%) of detecting a line by the geometric AIC (solid line) and the geometric MDL (dashed line) using (a) the true noise level and (b) the estimated noise level.

0 20 40 60 80 100

0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3

[%]

β G-AIC

G-MDL

0 20 40 60 80 100

0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3

[%]

β G-AIC

G-MDL

(a) (b)

3 幾何学的AIC(実線)と幾何学的MDL(破線)による円の検出率(%).(a)

知のノイズレベル,(b)推定したノイズレベル

Fig. 3 The ratio (%) of detecting a circle by the geometric AIC (solid line) and the geometric MDL (dashed line) using (a) the true noise level and (b) the estimated noise level.

する能力が高いが,直線

(β = 0)

でも一定の割合で楕 円と認識する.それに対して幾何学的

MDL

は直線

= 0)

を直線と判定する割合が誤差が小さいと

100%

に 近いが,楕円

(β = 0) |

でも広く直線と認識する.

2(a)

では誤差の標準偏差

σ

に真の値を用いたが,

これを一般モデルである楕円の当てはめの残差から文 献

[4]

の式

(38)

を用いて推定したものが図

2(b)

であ る.ばらつきが増大しているが,やはり同じ傾向が見 られる.

3

は同様に

σ = 0.01

の場合に

β = 1

の近傍で円 と判定された割合

(%)

である.誤差がなければ

β = 1 |

0%

β = 1

100%

となる.誤差があると

β < 1

の短い弧は楕円弧か円弧かの区別が難しいが,幾何学 的

AIC

は明確に円

(β = 1)

を楕円

(β = 1) |

と区別す る.ただし円

(β = 1)

でも一定の割合で楕円と認識す る.これに対して幾何学的

MDL

β < 1.1

のすべて の楕円をほとんど常に円と認識する.

4.

空間直線の検出

xyz

空間の

xy

面内の長方形領域

[0, 10] × [−1, 1]

11

点をランダムにとり,

y

軸方向に

A

倍に拡大する.

各点の

x

y

z

座標に期待値

0

,標準偏差

σ

の正規 乱数誤差を加えて,平面及び直線を最適に当てはめる

(計算手順は文献

[3]

に従った).

A

をいろいろ変えな がら幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

を計算し,平面 が直線に退化しているとみなせるかどうかを判定する.

平面は

2

次元,空間直線は

1

次元であり,自由度は それぞれ

3, 4

であるから,当てはめ残差を

J ˆ

とする と,文献

[4]

の式

(13), (35)

より

N

点に対する幾何学 的

AIC

と幾何学的

MDL

はそれぞれ次のようになる.

G-AIC

l

= ˆ J

l

+ 2(N + 4)σ

2

G-AIC

p

= ˆ J

p

+ 2(2N + 3)σ

2

G-MDL

l

= ˆ J

l

− (N + 4)σ

2

log

³ σ L

´

2

1498

(3)

レ タ ー

0 20 40 60 80 100

-0.1 -0.05 0 0.05 0.1

[%]

A G-AIC

G-MDL

0 20 40 60 80 100

-0.1 -0.05 0 0.05 0.1

[%]

A G-AIC

G-MDL

(a) (b)

4 幾何学的AIC(実線)と幾何学的MDL(破線)による空間直線の検出率(%).

(a)既知のノイズレベル,(b)推定したノイズレベル

Fig. 4 The ratio (%) of detecting a space line by the geometric AIC (solid line) and the geometric MDL (dashed line) using (a) the true noise level and (b) the estimated noise level.

G-MDL

p

= ˆ J

p

− (2N + 3)σ

2

log

³ σ L

´

2

(2)

添字の

l

p

はそれぞれ空間直線及び平面を意味する.

ここでは

L = 1

とした.

4(a)

σ = 0.01

の場合に

A = 0

の近傍で独立 に誤差を変えて

1000

回試行し,直線であると判定さ れた割合

(%)

である.誤差がなければ

A = 0 |

0%

A = 0

100%

となる.誤差があるとき幾何学的

AIC

は直線

(A = 0)

を平面

(A = 0) |

と区別する能力が高 いが,直線

(A = 0)

でも一定の割合で平面と認識す る.それに対して幾何学的

MDL

は直線

(A = 0)

を 直線と判定する割合が誤差が小さいと

100%

に近いが,

平面

(A = 0) |

でも広く直線と認識する.図

4(a)

では 誤差の標準偏差

σ

に真の値を用いているが,これを一 般モデルである平面の当てはめの残差から文献

[4]

の 式

(38)

を用いて推定したものが図

4(b)

である.ばら つきが増大しているが,やはり同じ傾向が見られる.

5.

む す び

以上より,幾何学的

AIC

は退化モデルを非退化モ デルと区別する能力が高いが,退化の場合でも一定の 割合で非退化モデルを選ぶ.それに対して幾何学的

MDL

が退化を退化と判定する割合は誤差が小さいと

100%

に近づく.これが

MDL

の一致性に対応する性 質である.

しかし,一致性の代償として幾何学的

MDL

は退化 でない場合も幅広く退化と判定し,幾何学的

AIC

と比 べてより安全側に偏っている.これは幾何学的

MDL

のモデル自由度に対するペナルティが幾何学的

AIC

より大きいことから当然である.

このことから,幾何学的

MDL

の一致性は必ずしも 望ましい性質ではなく,データの精度が比較的高く,

敏感に退化を検出するのが望ましい場合には幾何学的

AIC

が適していることがわかる.一方,データの精度 が低くても誤差に左右されずより安全な退化モデルを 選ぶことが望ましい場合には幾何学的

MDL

が適して いる.幾何学的

AIC

と幾何学的

MDL

を用いたカメ ラ校正

[8]

や運動物体数の推定

[5]

でも同様の現象が見 られる.

謝辞 本研究の一部は文部科学省科学研究費基盤研 究C

(2)(No. 13680432)

によった.

文 献

[1] 赤池弘次, “情報量基準AICとは何か—その意味と将来へ の展望,”数理科学, no.153, pp.5–11, March 1976.

[2] 韓 太舜,小林欣吾,情報と符号化の数理,培風館, 1999.

[3] K. Kanatani, Statistical Optimization for Geometric Computation: Theory and Practice, Elsevier Science, Amsterdam, The Netherlands, 1996.

[4] 金谷健一, “幾何学的当てはめにおけるモデル選択,”信学 (A), vol.J84-A, no.11, pp.1385–1393, Nov. 2001.

[5] K. Kanatani and C. Matsunaga, “Estimating the number of independent motions for multibody seg- mentation,” Proc. 5th Asian Conf. Comput. Vision, Melbourne, Australia, vol.1, pp.7–12, Jan. 2002.

[6] Y. Kanazawa and K. Kanatani, “Optimal line fitting and reliability evaluation,” IEICE Trans. Inf. & Syst., vol.E79-D, no.9, pp.1317–1322, Sept. 1996.

[7] Y. Kanazawa and K. Kanatani, “Optimal conic fit- ting and reliability evaluation,” IEICE Trans. Inf. &

Syst., vol.E79-D, no.9, pp.1323–1328, Sept. 1996.

[8] C. Matsunaga and K. Kanatani, “Calibration of a moving camera using a planar pattern: Optimal com- putation, reliability evaluation and stabilization by model selection,” Proc. 6th Euro. Conf. Comput. Vi- sion, Dublin, Ireland, vol.2, pp.595–609, June 2000.

[9] J. Rissanen, Stochastic Complexity in Statistical In- quiry, World Scientific, Singapore, 1989.

(平成1437日受付)

1499

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