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福岡教育大学 障害学生支援センター 平成29年度 活動報告書

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福岡教育大学 障害学生支援センター 平成 29 年度

活動報告書

(2)

福岡教育大学 障害学生支援センター 平成 29 年度活動報告書

目次

1. 福 岡 教 育 大 学 障 害 学 生 支 援 セ ン タ ー に つ い て ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1

2. 平 成 2 9 年 度 障 害 学 生 支 援 セ ン タ ー 活 動 報 告 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・4

3. 理 解 ・ 啓 発 活 動 、 開 催 セ ミ ナ ー な ど ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1

4. 障 害 学 生 支 援 に 関 す る 授 業 担 当 教 員 ア ン ケ ー ト 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 3

5. 障 害 学 生 支 援 セ ン タ ー 平 成 2 9 年 度 年 間 ス ケ ジ ュ ー ル ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・2 1

(3)

1

1.福岡教育大学障害学生支援センターについて 1-1.支援体制

福岡教育大学での障害学生支援に関する組織は、平成21年11月に「障害学生支援室」として開

設され、平成27年8月から「障害学生支援センター」として発展・拡充し、障害学生支援センターが中

心となって、健康科学センター、大学教員、各担当部署、附属学校などと連携を取りながら障害のある 学生の支援を行っている。

図1-1 障害学生支援のための連携体制

【障害学生支援センター構成員】

センター長 1名

(4)

2 副センター長 1名

専任教員 1名

障害学生支援コーディネーター 2名

事務補佐員 1名

1-2.支援学生数

平成29年度に障害学生支援センターのスタッフとして登録した学生は85名であった。平成28年度

(77名)と比べると7名増加している。

平成29年度に登録した学生の学年、所属は表1-1の通りである。

表1-1 支援学生の学年・所属

(5)

3

大学院 2年 3名 大学院 専攻 教育心理学領域 1名

特別専攻科 1名 社会科教育領域 1名

学部 4年 20名 教職実践専攻 1名

3年 10名 特別専攻科 1名

2年 26名 学部(3年生以上)初等 国語 5名

1年 25名 社会科 1名

中等 数学 1名

家庭 1名

特別支援 15名

共生社会 福祉社会教育 4名

環境教育 1名

芸術 音楽 1名

美術 1名

学部(2年生以下)初等 17名

幼児教育 2名

中等 国語 3名

数学 2名

理科 2名

英語 1名

音楽 2名

特別支援 22名

合計 85名

学年 所属

(平成30年3月31日現在)

(6)

4

1-3.障害学生在籍数

障害学生支援センターでは、平成30年3月現在、8名(視覚障害学生1名、聴覚障害学生4

名、病弱・虚弱学生1名、発達障害学生1名、精神障害学生1名)の障害学生を支援している。

障害種ごとの在籍数は表1-2の通りである。また、配慮の内容例は、2-1から2-4に示すとおりである。

表1-2 障害学生在籍数

1-4.障害学生支援センターの利用状況

平成29年度の障害学生支援センターへの来室者数は年間で合計1959名であった(図1-2)。パ

ソコンテイク関係での来室が最も多く、バリアフリーマップの作成や障害学生支援センターで管理している パソコンの更新等の作業、手話の勉強会等がそれに続いた。その他には書類の提出等が含まれている。

1年 2年 3年 4年 合計

視覚障害 1名 1名

聴覚障害 2名 2名 4名

病弱・虚弱 1名 1名

発達障害 1名 1名

精神障害 1名 1名

合計 1名 0名 3名 4名 8名

(7)

5

図1-2 障害学生支援センターへの来室者数とその内訳

2.平成 29 年度 障害学生支援センター活動報告 2-1.視覚障害学生支援

①授業等の配付資料の電子データでの提供、拡大資料の作成

視覚障害学生が授業・教員採用試験対策講座等で使用する配付資料を、授業担当教員から事 前に電子データにより提供を受けた。学生は電子データを自身のタブレット端末に取り込み、適宜自分の 見やすいサイズに拡大して資料を閲覧する形で受講してもらった。また、電子データでの提供を受けていな い資料や直接書き込みをしたいと申し出があった資料については、障害学生支援センターで拡大資料を 作成し、学生に提供した。

②支援機器の貸し出し

学生の希望に合わせた支援機器を貸し出した。障害学生支援センターで貸し出しを行っている支援

622, 32%

200,

196,

10%

10%

175, 77, 4% 9%

689, 35%

テイク

作業

手話

相談

字幕

その他

(8)

6 機器は、表2-1の通りである。

表2-1 支援機器(視覚障害学生支援)

③授業担当教員に対する授業の際の配慮願いの提出

視覚障害学生が受講する授業の担当教員に対して、主な配慮点をまとめた文書を送付した。具体

的には、講義で使用する資料の事前提供、単眼鏡やiPad等の支援機器の持ち込みの許可、試験時

の時間延長の依頼を記載した。

④教育実習での配慮

附属小学校で教育実習を行う視覚障害学生がいたため、教育実習における配慮願いを作成し、実 習校に送付した。依頼した配慮内容は、資料の電子データによる事前提供や拡大印刷および印刷機の 使用、支援機器の持ち込みの許可の依頼やコミュニケーション方法に関する情報を記載した。また、障害 学生支援センターの職員が実習開始前や期間中に赴き、実習担当教員と情報共有や助言、支援計 画の見直しを行いました。

2-2.聴覚障害学生支援

(9)

7 ①授業での情報保障(パソコンテイク、ノートテイク、手話通訳)

利用学生が希望するすべての授業にパソコンテイク(1コマにつき3名)を配置した。利用学生にはタ

ブレット型パソコンを貸し出し、無線LANを使用して教室内の離れた場所にいても情報を得ることができ

る方法を採用している。自分の受講しやすい場所で受講をしたいという学生の要望に応えた支援を行うこ とができている。

平成29年度の聴覚障害学生のパソコンテイク配置授業数は、表2-2の通りである。

表2-2 パソコンテイク配置授業数

②支援機器の貸し出し

学生の用途に合わせた支援機器の貸し出しを行った。代表的なものとして、パソコンテイクで使用する ためのタブレット型パソコンを1人に1台ずつ(計4台)を年間通して貸し出した。また、音声認識アプ

リの入ったタブレット端末を聴覚障害学生の指導教員に貸し出し、ディスカッションが中心となるゼミの際

(10)

8 に使用してもらった。

③視聴覚教材への字幕挿入

聴覚障害学生が受講する授業で使用する視聴覚教材に字幕を挿入しており、作成した視聴覚教材 は図書館で管理している。

平成29年度に字幕挿入した視聴覚教材は合計9本で、302分(5時間2分)であった。

図2-1 平成29年度字幕挿入依頼本数

図2-2 平成29年度 字幕挿入時間

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

本数 0 1 0 2 3 1 0 0 1 1 0 0 0

1 2 3

4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 時間(分) 0 25 0 50 60 25 0 0 69 73 0 0

0 10 20 30 40 50 60 70 80

(11)

9 平成28年度は64本で1945分(32時間25分)であったのに比べ、依頼本数・挿入時間は大き

く減っている。その要因として、聴覚障害学生が3・4年生であり、受講授業数自体が少なくなったことが

挙げられる。

④授業担当教員に対する授業の際の配慮願いの提出

聴覚障害学生が受講する授業の担当教員に対して、主な配慮点をまとめた文書を送付した。具体

的には、講義中のFMマイクの装着、視聴覚教材を使用する際の事前申請、PCテイカーの配置および

テイカーへの資料提供の依頼を記載した。

⑤行事や式典での情報保障

入学式や卒業式において、障害のある学生だけでなく、式典に参加される保護者等のためにパソコン テイカー(支援学生)を配置し、スクリーンに文字情報として棟家居している。また、福岡県手話の会連 合会に手話通訳者派遣の依頼をし、パソコンテイク・手話通訳により、誰もが式典の内容を理解できる

ような情報保障を行った。

2-3.病弱・虚弱学生支援

①授業担当教員に対する授業の際の配慮願いの提出 当該学生の症状・ニーズに合わせた配慮事項を提出した。

②駐車場の確保

当該学生から身体面での負担軽減や疲労回避のため自家用車での通学・学内乗り入れ許可の要

(12)

10 望があり、関係部署との調整を行った。

2-4.発達障害学生支援

①授業担当教員に対する授業の際の配慮願いの提出

当該学生が受講する授業の担当教員に対して、主な配慮点をまとめた文書を送付した。

②時間管理・持ち物管理スキル指導

当該学生のニーズに合わせて定期的に面談を行い、スケジュールの確認や持ち物の管理スキルの指導 を行った。

2-5.精神障害学生支援

①授業担当教員に対する授業の際の配慮願いの提出

当該学生が受講する授業の担当教員に対して、主な配慮点をまとめた文書を送付した。

2-6.支援登録学生対象入門講座

障害学生支援センターでは、支援スタッフとした登録した学生に対して、入門講座を行っている。入門

講座は1講座あたり1時間半程度で講師は支援スタッフとして登録して1~2年程度活動している学

生が担当している。平成29年度のノート・パソコンテイク入門講座、視聴覚教材字幕挿入入門講座の

実施回数および人数は以下の通りである。

◯ノート・パソコンテイク入門講座17回

(13)

11 1回の講座に1~3名程度の学生が参加し、合計24名の参加があった。

図2-3 ノート・パソコンテイク入門講座実施回数・人数

◯視聴覚教材字幕挿入入門講座 18回

1回の講座に1~3名程度の学生が参加し、合計27名の参加があった。

図2-4 視聴覚教材字幕挿入・入門講座実施回数・人数

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

人数 0 10 0 3 5 0 1 0 2 1 2 0 回数 0 5 0 2 4 0 1 0 2 1 2 0

0 2 4 6 8 10 12

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

人数 0 11 0 6 5 0 0 2 2 1 0 0 回数 0 7 0 4 4 0 0 1 1 1 0 0

0 2 4 6 8 10 12

(14)

12

2-7.支援活動反省会

前・後期終了後に2回、支援活動の反省会を開催し、その学期に行われた支援活動に関する反省

や支援をする際に難しかったこと、その改善点などについて意見交換が行われた。反省会では支援スタッ フ同士でのアドバイスがなされることもある一方で、実際に支援を受けている障害学生も参加しているた め、「自分だったらこうして欲しい」など、障害学生自身の経験やとらえ方を話してもらえる場面もあり、次 年度以降の支援活動の改善につながっていくものと考えられる。

また、パソコンテイクの技術向上を目的としたタイピングチェックを年に2回行っている。パソコンテイカーと

して登録した当初とタイピング力を比較することで、技能が向上していることを実感し、支援活動への意欲 が向上する学生が多い。また、学生同士の競争意識が高まることによって、よりタイピング技能が向上す ると考えられる。

写真2-1 反省会の様子 写真2-2 タイピングチェックの様子

2-8.バリアフリーマップの作成

平成26年度より支援スタッフによる大学内のバリアフリー状況調査およびバリアフリーマップの作成を

(15)

13 行っている。平成29年度には、これまでに調査が十分に行われてこなかった箇所に加え、改修工事によっ

て新たに必要になった箇所の調査やマップの改訂作業を行った。行なわれた調査を元に大学内のバリア フリー化が行われている。また、作成されたバリアフリーマップは入学式の際に新入生全員に配布され、ま た障害学生支援センターのホームページ上に随時更新している。

写真2-3 学内調査の様子

図2-5 学内バリアフリーマップ

(16)

14

2-9.しゅわ弁

学生が企画する手話の勉強会(しゅわ弁)を毎週木曜日のお昼休みに開催した。講師となる学生 がプログラムを考え、今年度は、各回でテーマを決め、テーマに沿った手話表現を使ってコミュニケーションを

とるなどの活動を行った。毎週8~10名程度の参加者があり、熱心に手話でコミュニケーションをとろうと

する姿が見られた。

写真2-4 しゅわ弁の様子

(17)

15

3.理解・啓発活動、開催セミナーなど

3-1.障害学生修学支援ネットワーク拠点校としての活動

福岡教育大学は独立行政法人日本学生支援機構障害学生支援ネットワーク九州・沖縄地区の拠 点校として、障害のある学生に関する相談・見学の申し込みを受け付け、情報提供等を行った。

他大学等からの相談受付 8件(大学8件)

見学 8件(大学6件、特別支援学校1件、企業1件)

3-2.九州・沖縄地区国立大学法人障害者支援に関する大学間連携プログラム

平成29年9月14日(木)13:00~18:00

九州大学箱崎キャンパス 箱崎理系地区

21世紀交流プラザⅠ 1階多目的ホール

九州・沖縄地区国立大学法人障害者支援に関する大学間連携プログラム「パソコン・ノートテイク基 礎研修」が九州大学と福岡教育大学の共催で行われた。その中で本学特別支援教育講座の太田富 雄教授が「パソコン文字通訳基礎」と題した講演を行った。

写真3-1 太田教授による講演の様子

(18)

16

3-3.長崎大学アクセスサポーター特別研修会および障がい学生支援室公開講 演会

平成30年3月16日(金)17:00~18:30

長崎大学 グローバル教育・学生支援棟 文教スカイホール 長崎大学障がい学生支援室主催で行われた公開講演会において、本学障害学生支援センターの 学生スタッフが情報保障者としてパソコンテイクを行った。また、公開講演会の前には、本学の永井障害 学生支援コーディネーターおよび支援スタッフの学生が講師として、アクセスサポーター特別研修会「パソコン

ノートテイク研修」を行った。

3-4.障害学生修学ミニガイドの作成

障害のある学生が教育実習を行う際に、教育実習の受け入れ校はどのような配慮をすればよいのか、

大学側はどのような支援を行うことが可能なのかを実習校の教職員に提供することを目的として、「障害 学生修学支援ミニガイド―教育実習のサポートマニュアル―」を作成し、他大学に配布した。また、本冊 子は本学障害学生支援センターのホームページに掲載している。

(19)

17

(20)

18

4.障害学生支援に関する授業担当教員アンケート 実施の目的

今後の障害学生支援の充実や方向性を検討するため、障害のある学生が受講する授業の担当教 員へアンケート調査を実施し、障害学生支援センターで提供している合理的配慮や取り組みの有効性に ついて検討した。

方法

平成28年度前期・後期において本学で開講された授業のうち、障害学生が受講した授業の担当教

員90名(常勤55名、非常勤35名)を対象に、2018年1~2月にかけて、郵送法によるアンケート

調査を実施した。そのうち、42名から回答が得られた(回収率46.7%)。なお回答者は常勤教員16

名(45.5%)、非常勤講師17名(48.6%)であった。

結果および概要

各質問項目の結果は以下の通りである。

問① 担当した授業(障害のある学生が受講した授業)について

担当した授業において障害のある学生の障害種(複数回答)を尋ねたところ、視覚障害40件、聴

覚障害64件、肢体不自由3件、病弱・虚弱6件、発達障害4件、精神障害1名、不明1件であ

った。本年度は視覚障害学生および聴覚障害学生に対する支援件数が104件と、全体の87%を占め

た(図4-1)。

(21)

19

図4-1 支援件数

また、授業を担当している障害学生へ行った配慮について、選択するように求めた結果を図4-2~図

4-4に示す。

視覚障害学生への配慮として「教材の拡大(18件)」が最も多く、「教室内座席配慮(7件)」が 続いた。

40

64

3 6 4 11

視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 病弱・虚弱 発達障害 精神障害 障害名不明

1 1

7 1

2 2

3

18 5

0 5 10 15 20 25

その他 学習指導 教室内座席配慮 学外実習配慮 TA等の活用 ノート・PCテイク 時間延長・別室受験 教材の拡大 教材のテキストデータ化

視覚障害

(件)

(22)

20

図4-2 視覚障害学生に行った配慮

聴覚障害学生への配慮では、「ノート・PCテイク(25件)」が最も多く、続いて「FM補聴器/マイク使 用(13件)」であった。

図4-3 聴覚障害学生に行った配慮

5 1

1 4 1

2

13 1

4

25 4

3

0 5 10 15 20 25 30

その他 学習指導 出席に関する配慮 教室内座席配慮 使用教室配慮 学外実習配慮 FM補聴器/マイク使用 TA等の活用 視聴覚教材字幕付け ノート・PCテイク 手話通訳 教材のテキストデータ化

聴覚障害

4 3

5 1

1 1

0 5 10 15 20 25

その他 出席に関する配慮 教室内座席配慮 専用机・椅子確保 FM補聴器/マイク使用 時間延長・別室受験

視覚障害・聴覚障害以外

(23)

21

図4-4 視覚障害・聴覚障害以外の学生に行った配慮

なお、すべての障害種における配慮の中で、「ノート・PCテイク」が昨年同様、本学において最も件数が 多かった。昨年度と比較すると、「教室内座席配慮」はその件数を大きく伸ばした。学生の障害種が多 様化する中で、必要な配慮も多様化していると考えられる。

問② 障害学生支援センターが提供している支援(パソコンテイク、字幕挿入、情報提供等)は適切 であったと思いますか。

上記について尋ねたところ、図4-5のような結果が得られた。回答者全体では、「とてもそう思う」が30

名、「少しそう思う」が7名で、すべての回答者から肯定的な回答が得られ、障害学生支援センターで行

っている配慮に一定の評価が得られたと考えられる。

図4-5 障害学生支援センターが提供した支援は適切だったと思うか

問③ 障害のある学生への配慮は、授業の達成目標という観点から見て十分だと思いますか。

(24)

22 上記について尋ねたところ、図4-6のような結果が得られた。回答者全体では、「とてもそう思う」が22

名と最も多く、次いで「少しそう思う」が11名であった。これらの結果から、障害学生支援センターで提供

する配慮は、授業の目標を達成するために十分なものであったと考えられる。その一方で、自由記述とし て、「場合によっては観点のブレが生じる可能性があると感じた。」、「実技指導時は、移動しながら話すこ とが多いため、うまく詳細が伝わらないことがあった。」とあるように、評価の観点や具体的な場面での配 慮の方法などについて、授業担当教員に対して詳細に説明していく必要性が示唆された。

図4-6 障害学生への支援は授業の達成目標という観点から見て十分だと思うか

問④ 障害のある学生に授業を行うことで、授業のユニバーサル化が進んだと思いますか。

上記について尋ねたところ、図4-7のような結果が得られた。回答者全体では、「とてもそう思う」が6

名、「少しそう思う」が13名であった一方、「あまりそう思わない」と回答した人数は8名であり、「あまりそ

う思わない」と回答した割合が昨年同様3割程度であった。

10 10

3 12

0 5 10 15 20 25

全くそう思わない あまりそう思わない 少しそう思う とてもそう思う

常勤 非常勤

(25)

23

図4-7 障害学生に授業を行うことで、授業のユニバーサル化が進んだと思うか

問⑤ 障害のある学生へ授業を行っていくうえでFDが必要だと思いますか。

上記について尋ねたところ、図4-8のような結果が得られた。回答者全体では、「とてもそう思う」が19

名、「少しそう思う」が13名であり、授業担当教員はFDの実施を求めていることが明らかとなり、次年

度以降、FD研修などの機会を充実させる必要性が示された。

図 4-9 障害学生に授業を行ううえで、FDが必要だと思うか

問⑥ 障害のある学生への支援を行うにあたってうまくいかなかった授業はありますか。

5 12 6

3

9 4

0 5 10 15 20 25

全くそう思わない あまりそう思わない 少しそう思う とてもそう思う

常勤 非常勤

2 9

13

4

4

6

0 5 10 15 20

全くそう思わない あまりそう思わない 少しそう思う とてもそう思う

常勤 非常勤

(26)

24 上記について尋ねたところ、図4-10のような結果が得られた。回答者全体でみると「毎回あった」が3

名、「しばしばあった」が2名、「たまにあった」が18名、「全くなかった」が16名であった。授業を行うにあ

たってうまくいかないことがほとんどなかったと考えている授業担当教員がいる一方、ほぼ毎回うまくいかな かったと感じている教員も一定数存在した。このことから、障害学生支援センターと授業担当教員が密に 連携を取りながら、配慮内容を検討していく必要性が示唆された。

図4-10 障害学生の支援を行うにあたって、うまくいかなかった授業があったか

問⑦ 障害のある学生が自分の必要な配慮事項について、能動的に先生方に伝えたと思いますか。

上記の問いに対して、図4-11のような結果が得られた。「とてもそう思う」が7名、「少しそう思う」が24

名、「あまりそう思わない」が10名、「全くそう思わない」が4名であった。昨年度の調査では、「あまりそう

思わない」の回答が最も多く、また「合理的配慮を要する学生がどの学生なのかわからなかった」という回 答があったことを受けて、学生に対して授業の初回に配慮依頼文書を手渡すよう指導を行った。そのため に肯定的な評価が増えたものと考えられる。

9 10 1

3

7 8 1

0 5 10 15 20

全くなかった たまにあった しばしばあった 毎回あった

常勤 非常勤

(27)

25

問4-11 障害学生が自分に必要な配慮事項を能動的に伝えていたか

問⑧ 障害学生支援センターより送付した、障害のある学生への配慮依頼文書は十分に理解されまし たか。

上記について尋ねたところ、図4-12のような結果が得られた。「とてもそう思う」と回答した教員が26

名、「少しそう思う」が14名であり、配慮依頼文書はおおむね理解されていた。しかし配慮依頼文書だけ

でなく、障害学生支援センターで発行しているミニガイドを参照していただくなど、文書による配慮依頼だけ でなく、必要に応じて追加の説明を行う必要があると考えられる。

図4-12 配慮依頼文書は十分に理解できたか

2 6

12 4

2

4

7 3

0 5 10 15 20

全くそう思わない あまりそう思わない 少しそう思う とてもそう思う

常勤 非常勤

11 14

3

12

0 5 10 15 20 25 30

全くそう思わない あまりそう思わない 少しそう思う とてもそう思う

常勤 非常勤

(28)

26 問⑨ 障害のある学生への支援を行うにあたって、工夫した点について記述してください。

上記について、障害種別にまとめたものを表4-1に示す。「初回と2回目の授業後に本人に内容と授

業の理解度について話し合いの機会を持った」、「分かりにくいことがないか不安がないか質問(声かけ)

をするようにした」、「個別に話をし、何か問題があれば気軽に相談に来るよう声かけした」、「授業内容や 方法について要望がないか質問した」というように、授業の前後で当該学生に声かけを行い、学生の要 望に応じて授業改善を行っていることがうかがわれた。

表4-1 支援を行うにあたって工夫した点

(29)

27

・プリント類をA4からA3へ拡大し、毎回の授業前に渡していた。

・配布資料の拡大コピー

・弱視の学生が読みやすい字体やコントラストを心掛けた。

・絵本の読み聞かせの際に、絵を書画カメラを使って拡大した。

・資料を作る時に、内容が多くなりすぎないようにした。

・モニターや板書に近づいてノートをとることを許可した。

・板書を見やすいように工夫して書いた。

・学生を一番前列の中央に座席配慮した。

・授業内で学生がパワーポイントを使用して発表する際に、支援学生に配慮するよう指導した。(アニ メーションの切替スピードなど)

・初回と2回目の授業後に本人に内容と授業の理解度について話し合いの機会をもった。

・板書の文字を可能な限り大きくし、判読しやすいようにした。

レポートについて ・課題のデータでの提出を許可した。

話し方について ・多少ゆっくり話すように気を付けた。

・単文でゆっくり話すよう心掛けている。

・ゆっくりはっきり話すように配慮した。

・実技の授業のため、個別評価・指導の際にゆっくりと話す・口元が見えるようにする、後で筆記して 確認するなど理解の度合いを確認できるようにした。

・ノートテイクを考慮し、できるだけ簡潔に整理して話すよう心掛けた。

字幕のスライドを用いたりゆっくりと話した。

・プリント、スライドを活用して授業を行った。

・課題や授業の内容、目標などをまとめた書類を作成しグループ毎に配布、ノートテイカーの学生に 追加資料として配布した。

・実技中心の授業で内容の手順などに関しては資料を用意している。

・ゆっくり話すだけでなく、反応を確認しながら授業を行った。

・FM補聴器/マイクが授業の途中で反応を確認するよう努めた。

・テキストに書かれた箇所を扱う場合は頁や行を改めて伝え、ノートテイクをしなくて済むようにした。

・理解できるまで十分な時間を取っていた。

・他の学生が発表する時は、板書するようにした。時間の変更、レポート提出なども板書するようにし た。

授業の進め方につい

・授業中、情報保障が行いやすいようにPPなど望ましい提示に際し、情報量が過度に多くならないよ うにするとともに提示する時間を十分に確保するようにした。

・板書を見やすいように工夫して書いた。実技であったので手順などを分かりやすいように目の前で やって見せるなどした。授業の前後に分かりにくいことがないか不安がないか質問(声掛け)するよう にした。

・配布資料を詳しくして流れをつかみやすくし、口頭のみの説明をできるだけ避けた。

・個別に話をし、何か問題があれば気軽に相談に来るよう声掛けした。

・授業内容や方法について要望がないか質問した。

・障害のある学生の様子に常に注意して授業を進めた。

授業の進め方につい

視覚障害

聴覚障害

共通 発達障害 資料・教材について

授業の進め方につい

資料・教材について

授業の進め方につい

問⑩ 障害のある学生への支援を行うにあたって不安な点について記述してください。

上記について尋ねた結果を障害種別にまとめた(表4-2)。支援を行うにあたって不安な点として、障

害学生に支援を行うことで授業の進度に遅れが出てくるのではないか、適切に配慮を行えているのか、授 業内容を理解できているのかなどが挙げられた。障害特性によって授業担当教員とコミュニケーションをと

(30)

28 ることが難しい場合や時間的な制約によって授業の前後で話し合う時間を取ることが難しい場合も多 い。そのため、障害学生支援センターで障害学生の授業中の困難感などを聞き取り授業担当教員へ伝 え返すような取り組みを定期的に行う必要性が推察された。

表4-2 支援を行うにあたって不安だった点

聴覚障害

・実技を伴う演習の際は、安全面の配慮が難しかった。

・これまで感覚的に話していた内容を文字化してもわかるように気をつけることは、自分の思考の整理にも有 効であったが、学生と対話したり指導したりする量は確実に減少した。それが他の学生の質の低下につながら ないか不安だった。

・説明が早口で情報量も多いため、ノートテイカーに負担をかけてしまう。安易に「ここ」とか「これ」とか指示語 を使ってしまいがちだった。

発達障害

・言葉(教員の発言)による情報量については調整することが難しいと感じた。

・当該学生一人にだけスライド資料や朱入りのワークシートを配布するタイミングや渡し方に迷うことがあった。

共通

・障害の種類や程度によっては、配慮をしたい気持ちはあっても対応しきれないことも出てくると思った。

・自分が適切さを欠いているのににも関わらず学生は遠慮して困っていることを言い出せないのではないか 思った。

・不足している点に気付けていない可能性があること。

・今のところ問題は起きていないが今後どのような配慮が必要となるかがわからないので毎回うまく対応でい るか確信を持ちづらい。

・集中講義だったので、対象学生の理解度を図りにくかった。

・支援の効果があったかどうか不安である。

・要望を伝えるのが苦手な学生、質問するのが苦手な学生がいた場合、どうしても対応が不十分になるため、

この点に不安がある。

・障害のある学生の能力に考慮し、普通の学生たちの進度に遅れが出るのではないかとの不安がある。

本アンケート調査の結果をふまえて、次年度以降は教職員に対するFD研修会などの機会を充実や

授業担当教員との密な連携を図っていきたいと考える。また、大学における授業中の支援にとどまらず、

教育実習といった学外実習における支援や発達障害・精神障害といった多様なニーズのある学生への支 援がより一層求められるため、大学内の関係部署だけでなく、学外との連携も行っていきたいと考える。

(31)

29

5.障害学生支援センター 平成 29 年度スケジュール

平成29年4月~平成30年3月

平成29年

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

12月

平成30年

1月

4日

17・18日

22日

28・29日

14日

25日

28・29日

7日

30日

前期授業配慮願い作成・提出 入学式にて

手話通訳(福岡県手話の会連合会)、PCテイカー(支援学生)派遣 オリエンテーション期間(新入生サポート対応・支援学生募集)

オリエンテーションにてテイカー派遣

「障害学生修学支援ミニガイド-場面別配慮点-」を学内教員に配布

全国高等教育障害学生支援協議会 第3回大会(参加:教職員2

名)

オープンキャンパス 支援学生4名派遣

障害学生支援実務者育成研修会 基礎研修(参加:職員1名)

附属小学校での教育実習の際にテイカーおよび要約筆記者派遣(3名ず つ、15日間)

九州・沖縄地区国立大学法人障害者支援に関する大学間連携プログラム

(講演:太田、参加:教職員3名)

体制整備セミナー(福岡)(参加:職員1名)

PEPNet-Japan第13回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム

(32)

30 2月

3月

20日

16日

23日

28日

(参加:教員1名、学生1名)

大学コンソーシアム熊本 講演会(講師:太田)

専門テーマ別セミナー【4】(参加:職員1名)

障害者支援に関する大学間連携情報交換会 (参加:教職員3名)

「障害学生支援に関する授業担当教員アンケート調査」実施

就労への移行に関する情報交換会(福岡エリア)プログラム(参加:教職

員3名)

他大学の講演会へのテイカー派遣および交流会(職員1名、学生3名)

卒業式にて

手話通訳(福岡県手話の会連合会)、テイカー派遣

日本学生支援機構障害学生支援委員会(参加:教員1名)

Referensi

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