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解析概論II 広義積分の計算

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解析概論 II 広義積分の計算

桂田 祐史 2005 年 11 月 14 日

1 広義積分の計算手順

前回答案を提出してもらったが苦労した人が多かったので補足する。

「次の広義積分 Z Z

f(x, y)dx dyを求めよ」と要求されたら、以下の手順で考える。

(1) 積分範囲 Ω がどういうものか理解する。図を描くことを強く勧める。

(2) Ω は有界であるか、そうでないか(無限に広がっているか) 判別する。

(3) 被積分関数 f は Ω全体で定義されているか(分数だったら分母が 0 にならないか、対数 関数で真数が 0 になったりしないか)?f の値が有界であるか (その点に近づくと値が発 散するようなものはないか)?除外集合 N を見つけ、それが Jordan 零集合であることを 確かめる。

(4) Ω や f は極座標向きか?広義積分でない普通の積分の場合は、極座標向きかそうでない

かの区別は簡単だが (ほぼΩ の形が丸いかどうかで判断できる)、広義積分の場合はやや 微妙である。例えば全平面 R2 は、増大する正方形Kn= [−n, n]×[−n, n]で近似するの が良い場合もあれば、増大する円盤 Kn ={(x, y);x2+y2 ≤n2} で近似するのが良い場合 もある。

(5) 以上をふまえて Ω\N を近似する集合列 {Kn}n∈N を作る。これができるようになるには 絶対に練習が必要である(他人の解答を見るだけでは、まずできるようにならない)。

(6) もし f の符号が一定ならば、

Z Z

f(x, y)dx dy = lim

n→∞

Z

Kn

f(x, y)dx dy

をていねいに計算する (だけ)。f の符号が一定でない場合は、それを実行する前に絶対収 束であるかどうか、つまり

Z Z

|f(x, y)|dx dy = lim

n→∞

Z Z

Kn

|f(x, y)|dx dy <∞ であるかどうかをチェックする必要がある (これについては後述)。

1

(2)

例 1.1 Z Z

1

x2(1 +y2) dx dy, Ω = {(x, y);x≥1, y 1}.

まず Ωの図を描いてそれが有界でないことを理解しよう。被積分関数は分数関数であるが、Ω ではその分母は 0にならない。このΩ,f が極座標向きかそうでないかは、極座標変換した場 合とそうでない場合でどちらが簡単そうか予想することになる。この場合は極座標にしても簡 単にならず、そのまま素直に Fubiniの定理の形に持ち込むのがよさそうである1。そこで

Kn:={(x, y); 1 ≤x≤n, 1≤y≤n}

とおく (Kn の図も描いた方がよい)。S

n=1Kn = Ω であることは見やすい。被積分関数は Ω で正の値を取るので、後はひたすら計算である。

Z Z

1

x2(1 +y2) dx dy = lim

n→∞

Z Z

Kn

1

x2(1 +y2) dx dy= lim

n→∞

Z n

1

x2 dx· Z n

1

1 1 +y2 dy

= lim

n→∞

£−x1¤n

1 ·£

tan1y¤n

1

= lim

n→∞

µ 1 1

n

¶¡

tan1n−tan1

= 1·

³π 2 π

4

´

= π 4. 例 1.2 Z Z

1

(x2+y2)2 dx dy, Ω = {(x, y);x2+y2 1}.

これまた Ω の図を描いてそれが有界でないことを理解しよう。被積分関数は分数関数である が、Ωではその分母は 0にならない。この Ω,f は明らかに極座標向きである(境界は丸いし、

被積分関数も r だけの関数なので簡単)。そこで

Kn:={(x, y); 1 ≤x2+y2 ≤n2} とおく。S

n=1Kn = Ω である。被積分関数はΩで正の値を取るので、後はひたすら計算であ

る(計算ははしょって書くが、ヤコビアンは忘れずに…)。

Z Z

1

(x2+y2)2 dx dy = lim

n→∞

Z Z

Kn

1

(x2 +y2)2 dx dy = lim

n→∞

Z 2π

0

µZ n

1

1

(r2)2 ·r dr

= lim

n→∞2π Z n

1

r3 dr= 2π lim

n→∞

·

1 2r2

¸n

1

=π.

例 1.3 Z Z

1

x2+y2 dx dy, Ω ={(x, y);x2+y2 1}.

上の例と似ているが、Ω の中の条件の不等式の向きが逆だから、計算のやり方はまったく違 う。まず Ω は有界である。被積分関数は分数関数で、Ω はその分母を0 とする点 (ここでは 原点 O) を含んでいることに注意する。そこでN :={O}とする。この Ω,f はやはり極座標 向きである (境界は丸いし、被積分関数もr だけの関数…)。そこで原点という「特異点」を さけて

Kn:={(x, y); 1

n2 ≤x2+y2 1}

1どういうことか分かりたければ、実際に両方ともやってみるとよい。

2

(3)

とおく (この Kn は良く出て来るので、人によっては紙の上に図を描かなくても頭の中に描 けるだろうが、まだ一度も描いたことがない人は是非とも描くこと)。なお穴を原点中心半径 1/n の円盤としたのは極座標との相性を考えたものである(例えば穴を四角くすると極座標に 変換した後に曲がってしまって困る)。S

n=1Kn= Ω\N である。被積分関数はΩ\N で正の 値を取るので、後はひたすら計算。

Z Z

1

x2+y2 dx dy = lim

n→∞

Z Z

Kn

1

x2+y2 dx dy = lim

n→∞

Z 2π

0

µZ 1

1/n

1 r2 ·r dr

= lim

n→∞2π Z 1

1/n

dr

r = 2π lim

n→∞[logr]11/n = 2π lim

n→∞logn=∞.

例 1.4 Z Z

1

xy dx dy, Ω ={(x, y); 0≤x≤1, 0≤y ≤x}.

これは Ωの図を描かないと始まらない(この Ω も頻出するものなので、人によっては頭の中 に描けると思うが、ミスを避けるためにも、また後の Kn をどうするか考えるためにも、紙 の上に実際に図を描くことを強く勧める)。Ω が縦線集合あるいは「横線集合」であるという ことに気づいて、

Z 1

0

µZ x

0

dy

dx,

Z 1

0

µZ 1

y

dx

dy という変形が自然と頭に浮かぶよう になっていなくてはならない(そうでなかったら、広義積分という前に Fubini の定理の練習 が必要)。Ωは三角形だから、もちろん有界である。被積分関数は分数関数で、Ω はその分母 を 0 とする点 (ここでは x 軸上の点 (x,0) (x [0,1]) — それ全体を N とおく) を含んでい ることに注意する。この Ω,f は明らかに極座標向きではない。N の点という「特異点」をど う避けるかが問題であるが、「横線集合」上の Fubini の定理を使うことを念頭に

Kn:={(x, y); 1

n ≤y≤1, y ≤x≤1}

とおく。この Kn の図をじっくり眺めて、確かに N に属する点という特異点を避けることが 出来ていることに注意しよう。S

n=1Kn = Ω ではなく、S

n=1Kn = Ω\N である(慣れない と分かりづらくて当然の結果なので、あせらずゆっくり考えること)。被積分関数は Ωで正の 値を取るので、後はひたすら計算。

Z Z

1

xy dx dy = lim

n→∞

Z Z

Kn

1

xy dx dy= lim

n→∞

Z 1

1/n

µZ 1

y

1 xydx

dy

= lim

n→∞

Z 1

1/n

1 y ·£

2x1/2¤1

ydy= 2 lim

n→∞

Z 1

1/n

¡y1/2−y¢ dy

= 2 lim

n→∞

µ 1 1

√n µ

1 1 n

¶¶

= 2.

2 被積分関数の符号が一定でない場合 — 絶対収束と主値積分

2.1 状況説明

被積分関数 f の符号が一定である場合の広義積分 Z Z

f(x, y) dx dy の定義は既に述べた が、符号が一定でない場合は、集合列 {Kn} の取り方によって lim

n→∞

Z Z

Kn

f(x, y) dx dy が異

3

(4)

なる2可能性があり、難しい3。この問題に対処する方法は大きく分けて二つある。

1. 以下に説明する意味で「絶対収束」する広義積分を扱う。

2. Ω が典型的な場合 (例えば全空間のように対称性のある場合など) に、集合列 {Kn} の 選び方を具体的に指定する (主値積分)。

2.2 絶対収束

広義積分 Z Z

f(x, y) dx dy が絶対収束するとは、f の絶対値 |f| が広義積分可能なことを いう4。それは任意に選んだ近似列 {Kn}n∈N に対して

(1)

Z Z

|f(x, y)| dx dy= lim

n→∞

Z Z

Kn

|f(x, y)| dx dy <∞

(収束すること)と同値である。このとき任意の近似列 {Kn} に対して lim

n→∞

Z Z

Kn

f(x, y)dx dy が共通の極限値を持つことが証明できる。その値を

Z Z

f(x, y)dx dy とする:

(2)

Z Z

f(x, y)dx dy:= lim

n→∞

Z Z

Kn

f(x, y)dx dy.

式 (2) だけみると、符号が一定の場合と同じだが、それが矛盾ないことを保証するために、

(1) という条件をチェックする、ということである。

以上の話は無限級数 P

n=1an の収束・発散理論と符合するところが多い。

例 2.1 Z Z

e−xcosxy dx dy, Ω ={(x, y);x≥0, 0≤y≤1}

を考えよう。これは被積分関数の符号が一定でない。この問題を解くには、まず絶対収束する ことを確かめる必要がある。これは

Z Z

¯¯e−xcosxy¯

¯dx dy= Z Z

e−x dx dy <∞

を示せと言うことで特に難しくはないだろう (計算すると値は 1であることがわかる)。

2収束したり、収束しなかったり、収束しても極限が違ったりしうる。念のために繰り返しておくと、符号が 一定の関数に対してはこういうことはなく、任意の近似列に対して収束発散と極限値は共通する(だから一つの 近似列で計算すれば十分)。

3近似列の取り方は無限にあるので、具体的に計算をするのは不可能であるから

4|f|0 以上の値しか取らず、符号は一定であるので、一つの{Kn}について収束すれば、別の{Kn0}につ いても同じ値に収束する(発散する場合も同様)。

4

Referensi

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