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質量分析法を利用したRNA‒タンパク質複合体のトータル解析

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生体内ではRNAとタンパク質は,お互いに相互作用し合い RNA‒タンパク質複合体としてさまざまな生理機能を発揮す る.その際,タンパク質が翻訳後修飾でその機能が制御され ているのと同様に,RNAは転写後修飾によって機能が制御 さ れ て い る.RNAに も100種 類 を 超 え る 転 写 後 修 飾 が 知 ら れ,RNAの生体内での真の機能をこれらの修飾情報を知る ことなく理解することはできない.ここに,RNA‒タンパク 質複合体のトータル解析の必要性がある.本稿では,最近開 発された質量分析法とゲノムワイドな検索エンジンを基礎と した直接的なRNA解析法を紹介し,プロテオミクスの手法 によるタンパク質の直接解析法と合わせたRNA‒タンパク質 複合体のトータル解析について概説する.

はじめに

タンパク質の解析の歴史をさかのぼると,1956年に フレデリック・サンガーがインスリンのアミノ酸配列を 決定し(1),タンパク質がアミノ酸で構成された物質であ

ることが明らかになって以来,そのアミノ酸配列の決定 と立体構造解析はタンパク質の機能を理解するための必 須な工程となった.しかし,タンパク質のアミノ酸配列 の解析は,当時用いられていたEdman分解の効率の悪 さや感度の悪さなどさまざまな問題点を抱え,労力と時 間を要する非常に非効率な仕事であった.にもかかわら ず,このEdman分解を基礎とする解析法はおよそ40年 間使われ続けられ,タンパク質のアミノ酸配列解析が飛 躍的な発展を遂げるのは,Mass Spectrometry(質量分 析)法の進歩があってのことである.質量分析法は,19 世紀末のオイゲン・ゴルドシュタインよる陽極線(カナ ル線)の発見と,その後のジョセフ・ジョン・トムソ ン,フレデリック・アストンらがカナル線に電磁場をあ て得られた偏光放物線の観察から,質量値の異なる同位 体の存在を発見したことから始まる.実際にタンパク質 のアミノ酸配列決定に用いられるのは20世紀の終わり から今世紀の初めにかけてであり,この間1世紀もの時 間を要した.アミノ酸配列の分析を可能にした質量分析 法での大きな進歩は,記憶に新しいが,2002年のノー ベル化学賞を受賞した田中耕一氏のマトリックス支援 レーザー脱離法とジョン・フェン氏のエレクトロスプ

【解説】

Comprehensive Analysis of RNA‒Protein Complex Using Mass  Spectrometry-Based Technology

Keiichi  IZUMIKAWA,  Hideaki  ISHIKAWA,  Harunori  YO- SHIKAWA, Toshiaki ISOBE, Nobuhiro TAKAHASHI, *1 東京農 工大学,*2 JST CREST,*3 ダンディー大学,*4 首都大学東京

質量分析法を利用したRNA‒タンパク質複合体のトータル解析

泉川桂一 * 1 , 2 ,石川英明 * 1 , 2 ,吉川治孝 * 3

礒辺俊明 * 2 , 4 ,高橋信弘 * 1 , 2

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レーイオン化(ESI)法の開発によってなされた.特 に,溶液内の試料を高電圧下でイオン化させるESI法を 用いたシステムはタンパク質のような高分子化合物の安 定的かつ連続的なイオン化には最適な方法であった.こ れらのイオン化法を利用した質量分析法は,タンパク質 の大規模な解析というプロテオミクスのトレンドを作り 出し,飛躍的な発展を遂げ,現在では一度の分析で 10,000種類以上ものヒトのタンパク質を網羅してしまう ほどの技術革新に結びついている(2).これらの技術は,

リン酸化やアセチル化など数百種類存在すると言われて いる翻訳後修飾の大規模解析も可能とし,さらにはタン パク質複合体を高純度で単離するプロテオミクス特有の エピトープタグ法/免疫沈降法の開発と相まって,タン パク質複合体のネットワークの解明へと進んでいる.酵 母菌タンパク質の網羅的ネットワーク解析では,すべて のタンパク質は細胞内で約500種類のいずれかのタンパ ク質複合体の構成成分として機能することが示されてい る(3)

一方でRNAに関する研究は1950年代後半から始ま り,時をあまり経ずしてtransfer RNA(tRNA),ribo- somal RNA(rRNA),messenger RNA(mRNA)が発 見され,セントラルドグマのなかでRNAの役割はDNA の情報をタンパク質へ伝達することであると考えられる ようになった.しかし,トーマス・チェックらによるリ ボザイムの発見によって,RNAもタンパク質と同様に 触媒活性をもち,生体反応に積極的に関与していること が 明 ら か と な り,生 命 の 起 源 をRNAと 考 え るRNA ワールド仮説(4)とも相まってRNAに対する概念が変 わっていった.そのRNAの解析方法としては,1980年 代からX線結晶解析や核磁気共鳴解析を用いた構造生 物学的手法が,そして1990年代後半から質量分析法を 利用した解析法が導入され,RNAを生体内のあるがま まの状態で解析する直接解析法によってヌクレオシド,

ヌクレオチド,またはオリゴヌクレオチド解析が行われ るようになった.これらの直接解析によって,tRNAや rRNAの転写後修飾も含めた詳細な化学構造が決定され た.また,構造生物学的方法では,2000年にトマス・

スタイツらによって,RNAとタンパク質の巨大な複合 体である細菌由来のリボソームの立体構造が解明され

(5, 6).このリボソームの解析は,RNA‒タンパク質

(リボヌクレオプロテイン:RNP)複合体の直接解析と いう意味では最終到達点の一つと言える.しかし,これ らはいずれも細胞内での存在量が非常に多いRNAの解 析であったと同時に,これらに要した労力と時間を考え ると,これまでの直接解析法は,より存在量が少なくか

つより多様性に富んだほかのRNAの解析に適用するに は,極めて多くの困難が伴うことになる.そのことに よって,より存在量が少なく多様性に富んだRNAの解 析は,逆転写酵素とPCR法に基づいたDNAの高速シー クエンサーを用いた間接的な解析法によって取って代わ られることになる.この方法は極めて強力であり,

mRNAだけでなくmicro RNA(miRNA)やゲノムのほ ぼ全領域から転写されるほかの長鎖非翻訳RNA(long  RNA) な ど を 含 む 微 量 なnon-coding RNA(ncRNA)

の大規模なRNA解析を容易とし,最近では,ほぼすべ てのRNA解析は,この間接的な方法で行われるまでに なったと言っても過言ではない.この強力な解析法は,

多くの新たな知見を得ることに役立てられ,近年の生命 科学の発展に大きく貢献したことは間違いのない事実で ある.しかし,この方法には,RNAを生体内で働く状 態で見ることができないという間接的解析法であるがゆ えの限界がある.そこで,ここでは,RNAとタンパク 質の生体内でのあるがままの状態で解析するという原点 に立ち返って,RNAとタンパク質が織りなす機能形態 としてのRNP複合体の解析について概説したい.

RNP複合体解析の現状

1. タンパク質に結合するRNAの同定法

RNP複合体の直接解析について述べる前に,まずは 現在行われているRNP複合体解析の主な手法について 見てみたい.RNP複合体解析にまず必要なのはどのタ ンパク質がどのRNAに結合しているかを同定すること である.今まではこの目的には,RNA結合タンパク質 をbait(釣り餌)として,これに結合するRNAを回収 して同定するという方法が使われてきた.この場合,

RNA結合タンパク質は,RNAのほかに,RNAに結合 する特性をもつ複数のタンパク質とも結合する.このた め,単一のタンパク質を標的とし,複合体を回収したと しても,複数のRNAと複数のRNA結合タンパク質が 含まれ,実際に標的タンパク質がどのRNAと直接的に 結合しているかはわからない.そこで,細胞へのUV照 射によってRNAとタンパク質を細胞内で架橋し,標的 のタンパク質と直接的に結合するRNAを回収するUV- CLIP(UV架橋免疫沈降)法が使われることになる(7). そして,この方法と高速シークエンサーを組み合わせる ことで,RNA結合タンパク質に直接結合したRNAの大 規模な同定が可能となった[(high-throughput sequenc- ing) HITS‒CLIP](8).さらに,HITS-CLIPを改良し,よ り架橋効率の良い手法として開発されたのが,Photoac-

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tivatable-Ribonucleoside-Enhanced(PAR)-CLIP(9)と iCLIP(10)である.PAR-CLIPは,4-thiouridine(4-SU)あ るいは6-thioguanosine(6-SG)などの光励起性リボヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 を 細 胞 内 でRNAに 取 り 込 ま せ,

365 nm波長のUV照射で架橋を行った後,標的タンパク 質に結合したRNAを単離して,高速シークエンサーで 同定するという手法である(図1A).この方法では架橋 効率が上がるだけでなく,UV照射を受けた4‒SUと6‒

SGが逆転写反応時にT→C, G→Aへと変換された状態 で検出されるので,高速シークエンサーでの分析の際 に,タンパク質と結合するRNAの箇所に塩基の変換が 検出されることになる.これによりRNAのどの塩基で タンパク質と結合しているかが同定できる.これらの手 法はRNA結合タンパク質の解析に用いられ,現在では RNA結合タンパク質に結合するRNA解析の常套手段と なっている.UV照射によりRNAとタンパク質を架橋 させる方法は,当初mRNAを標的とした手法として開 発されたが(7),その後,核小体低分子RNA(snoRNA)

結合タンパク質であるNop1, Nop56, Nop58, Rrp9とU3  snoRNAと の 結 合 部 位 の 特 定 や(11),Argonautとmi- croRNAの結合部位の特定(12)などncRNAにも適応さ れ,RNAの大きさにかかわらず,応用可能な方法であ る.ま た,こ れ ま で に 報 告 さ れ たHITS-CLIP, PAR- CLIP, iCLIPの結果はデータベース化され,RNA結合タ

ンパク質と結合するRNAや,RNAに結合したRNA結 合タンパク質は,結合部位も含め,このデータベースで それぞれの側から容易に検索できる(13)

2.RNAの転写後修飾解析法

次にRNP複合体解析に必要とされるのは転写後修飾 の解析である.RNAの転写後修飾としては,古くは真 核生物mRNAの5′cap修飾(14),tRNAのアンチコドン部 のwobble base修飾,rRNAの擬ウリジン修飾をはじめ として,これまでに100種類以上のRNA修飾が見いだ され,たとえば,tRNAでは93種類,rRNAでは31種 類,mRNAでは13種類見いだされている(15, 16).ここで は,最近,特に注目を集めている転写後修飾であるアデ ニンのN6-methyl化(m6A)の解析法について触れて おきたい.この修飾は,真核生物のmRNAやncRNAで 多く見られ,それらの安定性や分解などのRNA代謝に 深く関与している.このm6Aのゲノムワイドな解析手 法としては,m6A-seq法(17)とそれを改変したPA-m6A- seq法がある(18).前者は架橋操作を除いてほぼ同じなの でPA-m6A-seq法について述べるが,この方法では,ま ず上述のPAR-CLIP同様,光励起性リボヌクレオシド類 似体である4-SUを細胞に取り込ませ,oligo(dT)を用 いてmRNAを回収し(mRNA内のm6A解析の場合), 抗m6A抗体で免疫沈降する.次に,免疫沈降したm6A 図1PAR-CLIP法,PA-m6A-seqの概略図

(A)PAR-CLIP法の概略図:1)4-SUを取り込んだRNP複合体をUV照射で架橋する.2)免疫沈降で精製しRNaseにより断片化し5′端,

3′端にadaptorを付加させる.3)電気泳動で分離したオリゴヌクレオチド‒タンパク質をProtease Kで分解し,オリゴヌクレオチドのみ単 離する.4)オリゴヌクレオチドの5′端,3′端にadaptorを付加後,逆転写反応によりcDNAを合成し,高速シークエンサーで塩基配列を決 定する.(B)PA-m6A-seqの概略図:1)4-SUを取り込んだRNAをoligo(dT)カラムで精製する.2)抗m6A抗体で免疫沈降し,UV照射 でクロスリンクスする.3)RNase T1により断片化し5′端,3′端にadaptorを付加させる.電気泳動で分離した後,抗体をProtease Kで分 解し,オリゴヌクレオチドのみを単離する.逆転写反応によりcDNAを合成し,高速シークエンサーで解析する.   

(4)

を含むRNAを365 nm波長のUV照射で架橋し,RNase  T1で断片化したm6Aを含むオリゴヌクレオチドを回 収・解析することでm6A修飾をもつmRNAをゲノムワ イドで解析する(図1B).m6A-seqとPA-m6A-seqは,

細胞内量の少ないmRNAのm6A修飾を特定できるとい う点においては優れた方法である.一方でこのような手 法は,m6A修飾の場合,これに対する抗体があること で始めて分析可能となる解析方法であり,特異性の高い 抗体がなければそのほかのRNA修飾解析には適応でき ないという問題点が挙げられる.このほかのRNAの転 写後修飾の解析法として,bisulfide sequencing法を用 いたRNAの5-methylcytosine(5 mC)修飾解析法(19)が 挙げられるが,これもまた,特定の修飾を標的とした解 析法である.ほかの方法として,RNAをNuclease P1 で断片し,リン酸基を除いてヌクレオシドの状態にし,

修飾を含むヌクレオシドとして分析するヌクレオシド解

析法(20, 21),RNaseT1, RNaseAなど種々の部位特異的な

RNaseで断片化するが修飾があった場合に切断に抵抗 性が生じることを利用し分析するオリゴヌクレオチド解 析法(22),tRNAやsiRNAなどのサイズのRNAを消化せ ずに完全長のRNAをそのまま分析する方法(23, 24)が挙げ られる.

機能プロテオミクスからリボヌクレオプロテオミク スによるRNP複合体解析へ

先に触れたように,生体内ではタンパク質は単独では なく,複数のタンパク質と複合体を形成して働くため,

この複合体を単離し,その構成タンパク質を質量分析法 で同定することを目的とした機能プロテオミクスという 分野が発達してきた.この機能プロテオミクスで使われ るタンパク質複合体単離法としては,1種類のbait(釣 り餌)タンパク質にタグとTEVプロテアーゼによる切 断配列を融合させ,プロテアーゼによる切断と親和性ク ロマトグラフィーあるいは免疫沈降を組み合わせて2段 階で精製を行うTEV法,2種類のタグを異なるbaitタ ンパク質にそれぞれ付加し2段階の精製操作を行うダブ ルタグ法,複合体の形成段階にかかわるタンパク質を 次々とbaitとして用いるリバースタグギング法などがあ る.初期の機能プロテオミクスでは,これらによって単 離したタンパク質複合体を,一次元,または二次元電気 泳動ゲル上で構成タンパク質へと分離後,染色されたそ れぞれのタンパク質を切り出しゲル内でペプチドに分解 し,ゲルから抽出されたペプチドをMALDI-TOF/MS などで分析するペプチドマップ法が使われていた.しか し,微量なペプチドの分離法として微流量の高速液体ク

ロマトグラフィー(nano-LC)が発達し,これとESI法 によるイオン化と質量分析法を組み合わせたnano-LC- MS,そして,ペプチドイオンをさらに断片化して質量 値を測定するタンデム質量分析法(MS/MS)を組み合 わせたnano-LC-MS/MSが一般化され,タンパク質複合 体の構成成分の分離操作を行うことなく複合体を丸ごと ペプチドまで分解し解析するショットガン法が進歩し,

その解析は飛躍的に容易になった(2)

筆者らの研究グループではこれまで,上記の機能プロ テオミクスの手法を使い,ヒトのリボソーム生合成にか かわる数十種のタンパク質をbaitとしたリバースタギン グ法でのリボソーム前駆体の単離を行い,ショットガン 法を適用することで300種以上のリボソーム生合成にか かわるタンパク質の同定と,生合成段階に安定的に存在 する少なくとも5種類のリボソーム前駆体の同定に成功 してきた.特にリボソーム合成過程に形成される複合体 は,40Sから90Sの沈降係数をもつほどの巨大複合体で,

これらの複合体の構成成分は300〜400種類にもなり,

質量分析を基礎とする機能プロテオミクスの手法なくし てはその解析は不可能であったと言える(25).一方で,

この解析を通して,RNP複合体であるリボソーム前駆 体には何百ものsmall nucleolar RNA(snoRNA)が含 まれ,さらにrRNA前駆体も多くの転写後修飾を受けて いるにもかかわらず,これらを無視した解析を行わざる を得ないことを思い知らされる.すなわち,ヒトのリボ ソーム生合成にかかわるsnoRNAの種類や,その過程 でsnoRNAとrRNA前駆体が受ける転写後修飾について の情報は機能プロテオミクスの手法では全く得られない ということである.酵母菌や細菌に比べ,ヒトのリボ ソーム生合成過程ははるかに複雑で,ヒトの細胞に固有 のsnoRNAがかかわりrRNA前駆体の転写後修飾も異な りより複雑な制御が行われていることは明白であった.

しかし,これらsnoRNAの種類や転写後修飾に関する 情報は,かつて酵母菌や細菌のリボソーム生合成の解析 から得られた知見とその類似性という観点からなぞる形 でしか得られなかったのである.

これらのわれわれの経験に加え,snoRNAやrRNA前 駆体だけでなく,RNAのスプライシングに関与する small nuclear RNA(snRNA),そ し てmiRNAやpiR- NA, XistやNEAT1などのlong RNA,あるいは多様な 非翻訳RNA(ncRNA)の存在が明らかになり,それら の多くがタンパク質と複合体を形成して機能することも 明らかになった.しかし,相変わらずRNP複合体のタ ンパク質は直接解析されるが,RNAは間接的な手法で のみ解析されているという状況は変わらなかった.それ

(5)

ばかりか,miRNAやsnRNAなどを含むncRNAに関す る報告は,ヒトゲノム計画の完了と,次世代型の高速 シークエンサーの開発とも相まって2004年以降増加の 一途をたどり,miRNAに関する報告だけでも2014年は 8,000報を超えるなど日増しに増加している(図2 ncRNAを中心としたRNA研究は,今後ますますタンパ ク質とのかかわりのうえで機能を理解する必要性が増し ていくと予想される.このような背景から,われわれ は,RNP複合体中のタンパク質だけでなくRNAについ ても生体内に存在するままの状態を質量分析法により直 接解析するための技術開発を試みてきた.

質量分析法を用いたRNAの直接解析

従来から質量分析法はRNA解析に用いられていた が,そのほぼすべての場合においては特定されたRNA の転写後修飾を解析することが目的であった.それは,

RNAはわずか4種類のヌクレオチドの組み合わせから なる塩基配列をもつために,一つのオリゴヌクレオチド の質量分析で得られる塩基配列情報だけでは,ゲノム上 の同じ配列をもつ複数の領域に帰属される可能性が高

く,それがゲノム上のどの領域でコードされたRNAか ら由来するかを特定することができなかったためであ る.これに対し,タンパク質の場合には,20種のアミ ノ酸の組み合わせからなる配列情報を得ることができる ために,質量分析から得られるスペクトル情報からだけ でも由来するペプチドがゲノム上のどの遺伝子から由来 するかを特定することができる.事実,タンパク質解析 においては,質量分析によるスペクトル情報からタンパ ク 質 を 同 定 す るMASCOT(Matrix Science社),Se- quest(Thermo  Fisher  Scientific 社),Andromeda

(Max Planck Institute)(26)などの検索ソフトウェアがす でに一般に使われている.一方,RNAについては,先 に述べた理由から,こうしたデータベース検索ソフト ウェアすら存在せず,RNAの質量分析によるスペクト ル情報からRNAを同定することは困難であると考えら れていた.

そういった背景のなかで,2009年に,RNAの質量分 析情報から同定を行う検索ソフトウェアが2つのグルー プからほぼ同時に報告された.一つは,南デンマーク大 学のKirpekarらの研究グループによるRRM(27)と呼ばれ る検索ソフトウェアである.RRMは得られたオリゴヌ 図2Non coding RNAに関する投稿論文数 の推移(上)と,tRNA, rRNA, sn/snoRNA, 

miRNAに関する投稿論文数の推移(下)

(6)

クレオチドのMSデータセットをゲノム上やRNAデー タベース上にマッピングし評価するため,従来のタンパ ク質解析でいうと,ペプチドマスフィンガープリンティ ング(PMF)法に相当する.もう一つは,理化学研究 所の中山/首都大学東京の礒辺らの研究グループによっ て 開 発 さ れ たAriadne(28)で あ る.AriadneはMS/MS データの解析に対応しているため,オリゴヌクレオチド の塩基配列を特定でき,加えて,ゲノム上にマッピング したオリゴヌクレオチドセットの密度を評価する2段階 目のパラメーターを用いてRNAのゲノム上での非予見 的同定を可能にしている.こちらは,配列の解析という 観点からたとえて言うならば,従来のタンパク質解析の MS/MSイオンサーチに対比できるかもしれない.さら に,AriadneはMS/MS解析データを用いいくつかの転 写後修飾の同定も可能としている.これらのほかにも,

OMA & OPA(29)やRoboOligo(30)な ど のRNAのMS/MS 解析データに対応した検索ソフトウェアの開発も進めら れているが,Ariadneは質量分析情報からRNAのゲノ ムワイドな非予見的同定とその転写後修飾の同定までを 一度の解析で可能とする現存する唯一の検索ソフトウェ アと言える.新たな検索ソフトウェアの開発が世界中で 進められつつあることから,今後は質量分析による RNA解析を行う研究者にとっては多くの選択肢が与え られ,その解析の環境がより整っていくことが期待され る.

RNP複合体の直接的トータル解析

前章で述べたような質量分析法の進歩とAriadneの開

発は,RNAの非予見的な直接解析を可能とした.ここ では実際にRNP複合体の直接解析がどのように行われ るのかを述べたい.精製されたRNP複合体は,まずタ ンパク質とRNAに分離される.タンパク質は,LC- MS/MSを用いて,従来のプロテオミクスの手法に沿っ て行う.タンパク質の同定法と翻訳後修飾の解析に関し てはすでに多くの実験書や解説書があるのでここでは触 れない.問題はRNAの解析である.複数のRNA種が 混在するようであれば,HPLCで分離してからRNaseで 消 化 す る か(31),変 性UREA-PAGEな ど で 分 離 し,

SYBR goldなどで染色後,目的とする染色ゲルバンド を切り出し,In-gel digestion法を用いてRNaseでオリ ゴヌクレオチドに消化してからLC-MS/MS解析を行

(22, 32)(図3.このように実験手順としては非常に単

純であり,従来のタンパク質解析と同等の方法論で解析 が可能となる.

次に,この方法でRNP複合体を解析した例を紹介し たい.まず,RNP複合体を単離し,そのタンパク質成 分とRNA成分を非予見的に同定した例としては,酵母 菌のスプライセオソームの構成成分の一つであるLsm3 をBaitとして単離したRNP複合体の30種のタンパク質 と4種類のsnRNAsを同定したものがある(22).ただ,こ の例についてはすでに別の総説に紹介されているので,

詳細については原著論文あるいはそちらを参照された い.ここでは,ある標的タンパク質に結合するRNP複 合体から単離したRNAの転写後修飾も含めた解析例を 紹介したい.この例では,単離したRNP複合体を変性 UREA-PAGEで 分 離 し,In-gel digestion法 に よ り RNase T1で消化したのち,LC-MS/MS分析を行い,そ 図3RNA‒タンパク質(RNP)複合体の トータル解析の手順

細胞,組織内から精製したRNP複合体から タンパク質,RNAをそれぞれ単離する.タ ンパク質はプロテアーゼで分解し,ペプチド セットを質量分析(MS/MS)する.Mascot,  Sequest, Andromedaなどによりタンパク質 の 同 定,お よ び 翻 訳 後 修 飾 を 解 析 す る.

RNAはRNaseで分解し,断片化したオリゴ ヌクレオチドセットを質量分析(MS/MS)

する.得られた質量スペクトルをAriadneで 塩基配列の決定とゲノム上へのマッピング解 析し,RNAおよびその転写後修飾を同定す る.   

(7)

の質量データを使ってAriadneで検索した.この場合,

結合してきたRNAから得られた質量分析のデータから 9種類のオリゴヌクレオチドの塩基配列を決定し,それ らのゲノム上のマッピングからミトコンドリア(mt-)

 tRNAGlnであることが判明した.Ariadneによる修飾解 析から,mt-tRNAGlnには複数の修飾が検出されたが,

なかでも同定したオリゴヌクレオチドの一つ30-AAU- UUUG-36には,34番目のウリジンが5-タウリノメチル 2-チオ化修飾(tm5s2U)を受け,AAUU(tm5s2U) UG であることが明らかとなった.さらに解析すると,LC で分離された同じAAUUUUGには,34番目のウリジン がtm5s2Uの修飾中間体である2-チオウリジン(s2U)を もつAAUU(s2U) UGや,未修飾のAAUUUUGが検出 された.これらの分子種のイオン化効率が一定であると 仮定し,質量分析によるスペクトル比からその存在比を 換 算 す る と,tm5s2U : s2U : U=5 : 5 : 1で あ っ た(図4 mt-tRNAGlnが転写されてから成熟する過程においては,

順次s2Uからtm5s2Uへと翻訳後修飾が進行することか ら,この結果は,この標的タンパク質が転写されたばか りの未修飾の分子種,中間体であるs2Uをもつ分子種,

そして成熟したtm5s2Uをもつ分子種への移行過程のす べてで結合していることを示している.この解析のよう に,質量分析とAriadneによるデータベース解析は,

RNAの修飾の種類とその存在割合という情報の提供を 可能とする.今後,質量分析によるRNA修飾の解析 は,RNP複合体の生合成過程の解析だけでなく,RNA

修飾を標的とする疾患の判定あるいは代謝状態の判定で きる指標などに応用できるのではないかと考えられる.

新規U snRNA代謝経路の存在

本総説で述べたRNP複合体の直接的トータル解析の 有効性を示す例として,最後にスプライセオソームを構 成するU snRNP複合体の生合成の過程で,今まで知ら れていない品質管理経路が存在することを見いだした例 について少し詳しく触れたい.U snRNAはpre-mRNA のスプライシング反応にかかわる重要なncRNAであ り,従来の報告(33)においては比較的半減期が長く,安 定的に存在するRNAとして知られていた.その生合成 に関しては,脊髄性筋萎縮症(Spinal motor atrophy; 

SMA)の原因遺伝子産物であるSurvival of motor neu- ron 1 protein(SMNタンパク質)が関与することが発 見され,以来,精力的な解析によって,その全容が明ら かにされつつある(34).しかしながら,生合成過程にお ける品質管理機構の存在については長い間詳細な解析が なされていなかった.

U1 snRNPの生合成の中間段階でSMNタンパク質に 結合するU snRNAについて,質量分析法を用いたRNA 修飾解析を行ったところ,新規のU1 snRNA分子種

(U1-tfs)が発見された.このU1-tfsは通常のU1 snRNA より3′末端側で40塩基ほど短く,Smタンパク質を結合 するSmサイトと呼ばれる領域以降が存在しないこと,

図4LC-MS-Ariadneによるウリジンの修 飾解析

修飾を受けたAAUUUUGオリゴヌクレオチ ドをLCで分離し,質量分析計により溶離液 をそれぞれのイオンの質量値で検出した.

(A)5-タウリノメチル-2-チオウリジン,(B)

2-チオウリジン,(C)ウリジンのクロマトグ ラム   

(8)

そして5′キャップ近傍の構造が通常のU1 snRNAの前駆 体型・成熟型いずれとも異なり,モノメチル化キャップ

(m7G)ではあるが最初に転写されるアデノシンの塩基 部分にメチル化修飾(mA)を受けていることが明らか となった(35).従来知られていたU1 snRNAとU1-tfsの 構造の違いをまとめたものを図に示す(図5

U1 snRNAの生合成は,核内での転写に始まり,細胞 質への輸送,Smタンパク質との会合,それを契機とし たキャップのトリメチル化,トリメチル化の認識による 核への再輸送,核内での最終成熟という過程を経てなさ れる.この生合成過程においてU1-tfsがどの過程の中で 生じた分子種であるかが解析された.その結果,U1-tfs は従来から知られている生合成段階のうち細胞質側の初 期段階にしか存在せず,Smサイトを欠損しているため Smタンパク質との会合ができず,正常な生合成プロセ スに進むことができずに細胞質にとどまることが明らか になった.また,U1-tfsは細胞質のRNAの分解・貯蔵 の場所として知られているP-bodyに局在し,成熟でき ないU1-tfsがP-bodyで分解されることも明らかとなっ た(図5).すなわち,U1-tfsの同定が,生合成段階にお ける異常なU1 snRNAはU1-tfsという分子種を介して P-bodyへと運ばれ,そこで分解されるという経路の発 見に結びついた.質量分析法を用いたRNAの転写後修 飾解析の有用性を示す好例であると言える.

U1-tfsで発見されたmAはm6Aであると考えられて いるが,mRNAの場合,m6A修飾は細胞機能を調整す る際に厳密に制御されている.たとえば,細胞を再プロ グラミング化し多能性幹細胞を作製する過程でm6A修 飾を担うMETTL3は,m6A修飾を受けるmRNAと相 補性をもつmiRNAによってリクルートされる(36).この ことからもRNAの転写後修飾は部位特異的に厳密に制 御されている可能性が高いと考えられ,U1-tfsで見いだ されたmAがm6Aであるのか,その場合,U1-tfsが品

質管理経路に入るための目印として働いているのか,ど の段階でmA修飾が行われるのかなど,今後明らかにす るべき興味深い問題点が浮上している.

おわりに

これまでのRNP複合体解析では,タンパク質はタン パク質の側から直接的に,RNAはRNAの側からいった んDNAに変換され間接的に,と別個に解析されてき た.しかし,生体内ではタンパク質とRNAはお互いが 相互作用しそれぞれが翻訳後修飾,転写後修飾を受け RNP複合体として一体になって働いている.RNAの転 写後修飾の解析については,間接的な方法で解析する手 段も開発されてきたが,修飾RNAが逆転写反応の効率 に影響を及ぼすこと,転写後修飾に応じた個別方法を用 いる必要があることなど,多くの問題点が残されてい る.したがって,これらを生体内に存在するままの状態 で同じ次元で解析する手段の開発が必要とされていた.

このような状況下で,本総説で述べたように,質量分析 法を用いてRNAを直接的に解析する方法が開発され た.このRNAの直接解析法は,従来からの間接的方法 を補うことができ,今までの間接的解析法では得られな い情報が得られるようになった.この方法がさらに威力 を発揮するためには,微量なRNAの解析に対応するべ く高感度化すること,そして,タンパク質とRNAの結 合部位を架橋した場合,その架橋部位のペプチド-オリ ゴヌクレオチドを同定するための解析ソフトを開発する こと,などが必要とされている.今後の研究の発展によ り質量分析法を用いた方法が,mRNAやlong RNAなど 細胞内の微量なRNAの直接解析にも適用できるように なり,生体内の新たな機能の解明につながることを期待 したい.

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プロフィル

泉川 桂一(Keiichi IZUMIKAWA)

<略歴>2002年東京農工大学農学部応用 生物科学科卒業/2008年同大学大学院連 合農学研究科博士課程修了/同年同大学産 学官連携研究員/2011年同大学農学府特 任助教/2014年首都大学東京都市教養学 部理工学研究科特任助教/2015年東京農 工大学農学部グローバルイノベーション研 究機構特任助教/現在に至る<研究テーマ と抱負>RNAとタンパク質ネットワーク が作り出す遺伝子発現制御機構の解明<趣 味>週末サッカー観戦,キャンプ 石川 英明(Hideaki ISHIKAWA)

<略歴>1999年東京農工大学農学部応用 生物科学科卒業/2007年同大学大学院連 合農学研究科生物工学専攻修了/同年JST  CREST研究員(東京農工大学産学連携研 究員)/2011年ゲノム科学人材育成プログ ラム(東京農工大学特任助教)/2013年首 都大学東京(特任研究員)/同年東京農工 大学特任助教<研究テーマと抱負>リボヌ クレオプロテイン複合体の解析を介した生 命現象の探究<趣味>動画鑑賞,情報収集 吉川 治孝(Harunori YOSHIKAWA)

<略歴>2005年東京農工大学農学部応用 生物科学科卒業/2011年同大学大学院連 合農学研究科博士課程修了/同年同大学博 士研究員/2014年ダンディー大学博士研 究員<研究テーマと抱負>リボソームはな ぜそしてどのように2つのサブユニットに 分かれるのかを質量分析を駆使して解明し たい<趣味>旅行先(できればきれいな ビーチ)でのおいしいビール<所属研究室 ホ ー ム ペ ー ジ>http://www.lamondlab.

com/

礒辺 俊明(Toshiaki ISOBE)

<略歴>1970年東京都立大学理学部化学 科 卒 業/ 同 大 学 院 を 経 て1974年 ス イ ス バーゼル大学生物研究所研究員/1976年 東京都立大学理学研究科助手/1991年助 教授/1999年教授/2001〜2005年東京大 学医科学研究所客員教授(兼任)/2012年 より首都大学東京(旧東京都立大学)特任 教授<研究テーマと抱負>プロテオミク ス/特に質量分析法を利用したタンパク質 とRNAの相互作用解析と生命科学研究へ の応用(http://test.applicats.co.jp/01/tmu/ 

isobe/index.html)<趣味>旅行

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高橋 信弘(Nobuhiro TAKAHASHI)

<略歴>1975年山形大学理学部化学科卒 業/1980年東京都立大学博士課程修了/

1981 年 Indiana  University  postdoctoral  fellow/1983 年 assistant  research  scien- tist/1987年東燃株式会社主任研究員・参 事研究員・グループリーダー/1997年東 京農工大学教授<研究テーマと抱負>筋萎 縮性疾患の発症機序の解明と治療法の開発

<趣味>Cooking & traveling

Copyright © 2015 公益社団法人日本農芸化学会 DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu.53.850

Referensi

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訳 の 抑 制 を 引 き 起 こ す7, 8(図2).2つ 目 の 経 路 は CCR4‒NOT複合体に結合している因子による抑制経路 である7.最近,CCR‒NOT複合体には,Cap構造分解 促進因子であるMe31B(ヒトではDDX6),および翻訳 開始因子eIF4Eと結合する4E-Tと呼ばれるタンパク質 が結合することが明らかになった.これらの因子をノッ