鉱物採集から観察
B308024 瀬川 大司
1 はじめに
鉱物版活動をするにあたって試料調達と、観察は必要不可欠である。今回は去年と今年の 鉱物班の活動を振り返り、鉱物試料の調達方法とその加工、観察についてまとめるものであ る。
2 道具、器具
ハンマー、鏨、斧?、回収用コンテナ、グラインダーおよび削り器、
鉄粉(目の粗いものから細かいものまで)、カーボンパウダー、ガラス板、
スライドガラス、瞬間接着剤、顕微鏡、偏光板
3 方法
3.1 採取方法
これは簡単だ。何処となりから適当に見繕って持ってくればよいのである。鉱山跡地 やら河川やらからいろいろな種類、この場合色や、目の細かさを基準に選ぶとよい。
必ずしも鉱物が表面に出てきているということはない。もしかしたらカチ割った中身の 方が観察するに値する場合がある。片っぱしからカチ割ろう!どんどんカチ割った先に これぞ!と思う一品に出くわすことがある。これは回収用コンテナに入れておく。
無事に採集できたら、コンテナに採取日時と採取場所を記録しておこく。後で分らな くなる。すごく困る。
3.2 加工方法
1) チョイス
まずどれを削って観察するか決めなければならない。他人と被るのなんて、まっ ぴらごめんだ。単に複数人で加工するのであれば観察試料のレパートリーは多い ほうがいい。楽しいので。この際に気を付けなければならいのが、崩れやすいのは やらないこと。ここがポイントだ。
2) 切断
次にグラインダーで石を薄く切る作業をするためにある程度の大きさにしておく。こ れは簡単にできる。(ハンマーでぶったたくなどする。)
いよいよ本格的な加工に入る。まず石がずれないように万力(付属)で固定する。
後はスイッチを入れてゆっくり押し込めば切断されていく。このときに端から切ろうと するとめんどくさいことになる。料理するわけではないので真中からまず 1 回ある程 度まで切る。次に石を少しだけ平行にずらして切ると真中に薄くスライスされた資 料が残る。(図1)
図 1 石の切断
このようにして 10 円玉から 500 円玉くらいの大きさ(厚さを含む)に切りだす。切り 出す際は歯と試料の間に水を流し、ほこり、摩擦などを軽減する。
3) 削り
まずは薄くしなければならない。これに尽きる。グラインダー(削り器)のほうに削 りようの鉄粉を少々振りかけて水で延ばす。ここに切り出した試料を乗せてスイッ チを入れる。この時の力加減は各々感じて調整する。力ずよく押し付ければよく 削れるが、試料が割れる。最初は目の粗い粉から徐々に目の細かい物へと変え ていく。蛍光灯に透かして光が透るようになるまで行う。
4) 接着
スライドガラスに接着剤で試料を張り付ける。このとき接着剤の量に気をつける。
意外に少なくてよい。
5) 仕上げ
接着後乾燥した物をガラスの板の上で最終研磨する。この工程は十分に薄く できているものは必要ない。これで加工は完成である。
鉱物試料
1回目の切断
鉱物試料
2回目の切断
薄くスライスさ れた部分が残る
3.3 観察方法
使う機器としては以下の図のような顕微鏡である。(図2)
雲母など大きなものであれば、肉眼で偏光板を用いて屈折率の変化を確認できる。
図2 顕微鏡とその説明
またこの装置で観察した際、鉱物の組成が気になってしょうがないので、以下のような 図でおおよその分類ができる。(図 3)
図 3 結晶の形と性質
これらを参考にしてケント紙などに記録する。
4 おわりに
採取した土地の地質的な条件や成り立ちからどのような成分の石が取れるかよく調べてか ら採取した方がいい。また標本はいつ、どこで採取したのか、誰が加工したのかわかるようにし ておくと今後の活動にいいと思われる。
また、ケント紙などを用いてスケッチし、採取した土地の地質学的データと照合できるようなレ ポートが書けるように活動していきたい。
5 参考文献
ニューステージ地学図表 2008/12/10 株式会社浜島書店 pp17-24 特に図2及び図3はp24の A 及び B を引用した。