はじめに
パンの製造工程は,基本的にまず小麦粉,水,食塩,
砂糖,ショートニング,イーストなどの原料を混ぜて練 るミキシングから始まり,発酵,仕上げ(分割,丸め,
ねかし,整形・型詰め),ホイロ(最終発酵),焼成から 成る.最初のミキシング工程は,製パン工程の中で重要 な工程の一つであり,パン生地はしだいに硬さを増し,
粘弾性をもった生地(ドウ)に変化していく.この生地 の状態が,その後の発酵や仕上げなどでの機械耐性に影 響するだけでなく,焼き上げたパンの品質を左右するた め,ミキシングを最適な状態に制御することが製パン工 程上必須である.このミキシングの役割は,パン生地中 の成分を均一に分散・水和させるとともに,小麦粉タン パク質の相互作用によるグルテンの形成を促進させるこ とにある.粘弾性を示すパン生地の物性は,小麦粉に特
異的なタンパク質であるグリアジンとグルテニンの2種 類のタンパク質が相互作用して形成されるグルテンネッ トワーク構造によるものであり,ミキシング中のパン生 地は,グルテンネットワークの形成に伴い,ピックアッ プ段階(材料に水などを加えて生地になっていない状態), クリーンナップ段階(生地としてつながった状態), ファイナル段階(生地を伸ばすと薄く滑らかに伸びる状 態),オーバーミキシング段階(生地に弾力がなく湿り 気と粘着性がある状態)へと変化する(図1).通常製 パン工程では,その後の工程やパンの品質にとって最適 なファイナル段階を見極め,生地のミキシングを終了す ることが重要とされている.
本稿では,製パンのミキシング工程において最適とさ れるファイナル段階のパン生地の挙動について,新たな 視点から,非破壊分析法(共焦点レーザー顕微鏡,フー リエ変換型赤外分光法)を用いて,小麦粉タンパク質と
セミナー室
食品加工の科学と工学—小麦粉製品を例として-2ミキシングによるパン生地のタンパク質と 油脂の相互作用とタンパク質の変化
福留真一 *1,西辻泰之 *
1,隈丸 潤 *
1,松宮健太郎 *
2,松村康生 *
2
*1株式会社日清製粉グループ本社,*2京都大学大学院農学研究科
図1■ミキシング中のパン生地の状 態
(a)ピックアップ段階,(b)クリー ンナップ段階,(c)ファイナル段階,
(d)オーバーミキシング段階.
油脂(ショートニング)との相互作用やタンパク質の二 次構造変化の可視化に取り組んだ事例について紹介する.
パン生地中の小麦粉タンパク質と油脂の相互作用 製パンに用いられるショートニングなどの油脂の役割 には,生地物性の改善,パン体積の改善,テクスチャー の改善,風味の改善,栄養素の増大および保存性の向上 などがある.パン生地のミキシングにおいて,ショート ニングなどの可塑性を有する油脂を加えると,油脂は生 地中のグルテンに沿って薄膜状に伸展し,グルテン同士 の潤滑油の役割を果たすことでパン生地の伸展性が向上 する(1).また,小麦粉由来の脂質が製パン性に影響する ことも知られている.小麦粉に含まれる約2%の脂質 は,その約半量が遊離型,残りはタンパク質との結合型 として存在するが,遊離型の脂質は,ミキシングにより パン生地が形成されると50%以上が結合型に変化す る(2).このように,油脂と小麦粉タンパク質との間の相 互作用について報告はあるが,小麦粉タンパク質と油脂 との直接的な結合性に関する研究は少ない.
これまでに生地中の成分間の相互作用について,多く の可視化技術の応用が検討され,小麦粉生地の微細構造 も可視化されてきている.しかし,光学顕微鏡観察(明 視野顕微鏡,偏光顕微鏡,蛍光顕微鏡)は特に高倍率に おいて解像度に限界があり,走査型電子顕微鏡は解像度 には優れるが,前処理にて化学的,物理的損傷が生じる.
これらの観察手法に対し,近年細胞や組織などの構造観 察に用いられている共焦点レーザー顕微鏡は,非破壊で 解像度に優れ三次元情報の再構築が可能な観察手法であ る.
そこで,共焦点レーザー顕微鏡を用いたパン生地中の 成分間の非破壊観察に取り組んだ.小麦粉,水,食塩,
ショートニングからなるモデル配合で,ファイナル段階 にミキシングされた生地にて蛍光標識された小麦粉タン パク質とショートニングを観察する手法を取ったが,一 般的にタンパク質の蛍光標識に用いられる酸性フクシン は,ショートニングを蛍光標識するナイルレッドと蛍光 波長が近似しているため,個別に観察することが困難で ある.そのため,小麦粉タンパク質の主要成分であるグ リアジンおよびグルテニンを,各々の一次抗体と反応さ せ二次抗体にAlexa Fluor 488で蛍光標識された抗ラ ビット抗体を用いることで,ショートニングと個別に観 察する手法を取った.グリアジンおよびグルテニンの標 識に用いた抗ラビット抗体のAlexa Fluor 488の励起に はArレーザー(波長488 nm)を,油脂の標識に用いた
ナイルレッドの励起にはグリーンHe‒Neレーザー(波 長543 nm)を用いた.
蛍光標識による生地中のグリアジンとショートニング,
グルテニンとショートニングの各々の画像を図2,図3 に示す.図2より,グリアジンは糸状の網目構造を取っ ており(図2a),ショートニングは層状に分散している のではなく,数μm 〜数十μmの球状の油滴粒子として 分布していた(図2b).グリアジンとショートニングの 合成画像(図2c)から,多くの油滴粒子が網目状のグリ アジンの組織構造の表面に付着,あるいは膜中に取り込 まれた状態で分布しており,グリアジンの組織構造の間 質部に分散している油滴粒子は僅かであることが確認さ れた.一方,図3よりグルテニンはグリアジンよりもや や太い膜状の網目構造を取っており(図3a),ショート ニングの画像(図3b)との合成画像(図3c)より,グ リアジンとショートニングの合成画像(図2c)に比べ,
グルテニンの膜中に取り込まれた状態の油滴がやや多く
図2■蛍光標識された生地中のグリアジンとショートニングの 共焦点レーザー顕微鏡による観察画像
(a)グリアジン,(b)ショートニング,(c)aとbの合成.
図3■蛍光標識された生地中のグルテニンとショートニングの 共焦点レーザー顕微鏡による観察画像
(a)グルテニン,(b)ショートニング,(c)aとbの合成.
存在し,また,膜全体にショートニング由来の微小な粒 子が分布していることも確認された.これまでにパン生 地中において極性脂質はタンパク質マトリックスや気泡 壁および一部粒子の表面に,非極性脂質は主として粒子
(デンプン粒および小油滴と推定される)の表面に局在 していること(3)が報告されていること,また,グルテン 網目構造に局在する極性脂質とショートニング由来の脂 質結晶との相互作用による,パン生地のガス保持力の増 大と気泡の安定性についての報告(4)などから,図3cで 観察されたグルテニン膜中に取り込まれた油滴粒子は,
パン生地の伸展性やガス保持力あるいは気泡の安定性と 関連すると考えられる.
パン生地のミキシングに伴うタンパク質の二次構造 変化
粘弾性の性質を示すパン生地の物性は,ミキシング過 程でグリアジンとグルテニンの2種類のタンパク質が相 互作用して生じたグルテンネットワーク構造に起因する ことはすでに述べたが,グルテンネットワーク構造の基 本モデルは,SH‒SS交換反応によるSS結合によるもの と,疎水結合,水素結合,イオン結合などの非共有結合 によるものの2つに大別できる(5).製パン性を検討する うえで,グルテンネットワークの特性は重要な品質パラ メーターとされ,これまで数多く研究が行われてきた.
成分分析により,ミキシングによる生地中のSH基の減 少(6)やグルテニンに起因する1%SDS可溶性タンパク量 の増加(7),生地の酢酸不溶性タンパク質画分中に含まれ る高分子量タンパク質のミキシングによる低下(8)などが 報告されている.また,パン生地の形成に伴うタンパク 質の二次構造の変化についても,非破壊分析として赤外 分光技術などを用いたHMWグルテニンサブユニットの 構造変化に伴うβ-ターンからβ-シートへの構造変化(9), 生地の粘着性に関与する重要な因子としてβ-シート構造 の増加とα-ヘリックス構造の減少(10)などの報告がある.
これらのミキシングに伴う生地中のタンパク質の二次 構造の変化は,タンパク質やデンプンあるいは多糖類な どの小麦粉成分間での,水分含量の変化にも影響を与え ており,タンパク質の構造変化による水分子のアクセス ビリティの促進に伴うタンパク質の水和と可溶化(11), パン生地への加水率とβ-シートの増加との関係(12)など についても報告がある.このように,パン生地のミキシ ングによるタンパク質の化学的な性状変化や二次構造の 変化について研究がなされているが,ミキシング工程に おける生地のファイナル段階でのタンパク質の性状,特 に二次構造の変化と水の結合状態の変化についての検討
は少ない.そこで非破壊分析としてフーリエ変換型赤外 分光法を用い,パン生地中のタンパク質に起因する赤外 吸収スペクトルを解析する手法にて,ミキシングに伴う 生地中のタンパク質の二次構造の変化の定性・定量に取 り組んだ.
小麦粉,水,食塩からなるモデル配合にて,ミキシン グ工程でのクリーンナップ段階,ファイナル段階,オー バーミキシング段階の生地を調製した.フーリエ変換型 赤外分光法による赤外吸収スペクトル測定は,分解能 4 cm−1,積算回数50回,測定波数範囲400 〜4,000 cm−1 測定条件で行い赤外吸収原スペクトルを得た.タンパク 質の赤外吸収スペクトルには,ペプチド主鎖カルボニル 基C=Oの振動に帰属される強い吸収バンド(アミドI バンド)が現れる.各段階のパン生地の赤外吸収強度の 変化は,アミドI(1,600 〜1,700 cm−1)領域と水の特性 吸収帯に認められた.水分補正後の赤外吸収スペクトル
(図4)から明らかなように,アミドI領域では,クリーン ナップ段階,ファイナル段階,オーバーミキシング段階 となるに従って,赤外吸収スペクトルは顕著に増加した.
ミキシングに伴って生地中で起こる化学変化として,タ ンパク質と水との水素結合の増大,タンパク質の低分子 化,タンパク質の二次構造変化などが考えられる.そこ で,得られた赤外吸収スペクトルの解析を行い,アミドI 領域のタンパク質の二次構造(α-へリックス,β-シート,
β-ターン,ランダムコイルなど)について比較を行った.
タンパク質の二次構造解析には,カーブフィッティング 法を用いた.タンパク質中のアミドIバンドは,NHの 変角およびCNの伸縮振動などを伴ったペプチド結合部 のグループ振動中のC=O伸縮振動によるものであり,
α-へリックス,β-シート,β-ターン,ランダムコイルな
図4■各ミキシング段階における生地のアミドI領域の赤外吸 収スペクトルの比較
どの分子構造に基づく吸収バンドが複数重なり合ってい る.カーブフィティング法は,各成分の吸収バンドを分 離し各々の吸収バンドの正確な位置や面積も計算できる ため,重なり合う吸収バンドの定性や定量分析に有効な 手段であり,タンパク質の二次構造の研究に利用されて いる.カーブフィティング法にて分離した各々の吸収バ ンドを各二次構造(13)に従って帰属させ,そのピーク面 積比から含量比を算出した.各ミキシング段階(クリー ンナップ段階,ファイナル段階,オーバーミキシング段 階)におけるβ-シート(分子間,分子内),β-ターン,
α-ヘリックスおよびランダムコイルの構成比を図5に示 す.生地のミキシングの進行に伴って,β-ターンおよび α-ヘリックスは減少したが,分子間β-シートと分子内β- シートは増加した.また,ランダムコイルは,クリーン ナップ段階に比べてファイナル段階で大幅に減少し,そ れ以降はほぼ定常状態であった.ω-グリアジンの吸水 に伴ったランダムコイルからβ-シートへの変化(14)やグ リアジンの伸張によるβ-ターンからβ-シートへの変化に ついての報告(9)もあり,ファイナル段階までの急激な変 化が認められた分子間β-シートとランダムコイルの構成 比は,パン生地の形成において重要な役割を果たしてい る可能性がある.また,分子間β-シートと分子内β-シー トの増加のパターンにも特徴があり,パン生地の形成に 伴い分子内β-シートは増加したが,分子間β-シートの ファイナル段階以降の増加は僅かであった.これらか ら,ミキシングにおけるパン生地のファイナル段階(生 地を伸ばすと薄く滑らかに伸びる状態)からオーバーミ キシング段階(生地に弾力がなく湿り気と粘着性がある 状態)に至る生地性状の変化に,分子内β-シートと分子 間β-シートの増加の違いが関係していると考えられた.
また,ファイナル段階以降で分子間β-シートの増加が緩
やかになったことは,ファイナル段階以降では,グルテ ニンマクロポリマー(フェルラ酸などを介したタンパク 質とアラビノキシランなど糖との複合体)の増加に伴い グルテニンの一部が再重合によってグルテニンマクロポ リマーに取り込まれることが報告されており(15),結合 状態の変化によって分子間β-シートの増加が影響を受け たのかもしれない.以上のように,生地の形成過程にお けるタンパク質の二次構造の変化については,さらなる 検討が必要である.
パン生地の形成に伴う生地中の不凍水(結合水)の 変化
フーリエ変換型赤外分光法を用いたパン生地の形成過 程におけるタンパク質の二次構造の解析から,パン生地 形成中に水の結合状態が変化してタンパク質の二次構造 の変化に影響を及ぼしている,および/またはタンパク 質の二次構造が変化して水の結合状態の変化に影響を及 ぼしていることが考えられたため,さらに示差走査熱量 計を用いパン生地中の結合水量の変化を分析した.示差 走査熱量分析では,降温してから昇温した際の,生地中 の自由水の融解に伴う熱量と蒸留水(100%自由水)で の熱量との差から不凍水量を算出し,小麦粉成分と結合 している結合水量とした.各ミキシング段階にある生地
(クリーンナップ段階,ファイナル段階,オーバーミキ シング段階)の結合水量を図6に示した.生地中の結合 水量はファイナル段階までは微増し,オーバーミキシン グ段階では急激に増加し,自由水の減少が推察される.
これらには,分子内βシートの変化が関与していると思 われる.一方,ミキシングによってタンパク質の構造変 化により水分子のアクセスビリティの促進とこれによる タンパク質の水和が促進される報告(11)やグルテニンマ
図5■各ミキシング段階における生地 中のタンパク質の二次構造の構成比
(左)クリーンナップ段階,(中央)ファ イナル段階,(右)オーバーミキシング 段階.
クロポリマー構成成分中のHMWグルテニンが解重合す るとの報告(16)もある.これらのことから,ミキシング によるパン生地の形成過程における水の結合状態の変化 は,ミキシングによる分子内β-シートの変化,および/
またはグルテニンマクロポリマー構成成分の性状変化に よってもたらされている可能性が考えられる.
おわりに
小麦粉は,パン,麺,菓子など,さまざまな食品に加 工されて喫食される.これら小麦粉二次加工品の品質 は,小麦粉の特性とその加工方法によって大きく左右さ れる.最適な二次加工条件の多くは,技術者が視覚,触 覚,味覚,臭覚,聴覚などを駆使して経験的に見いださ れたものが多く,小麦粉成分と二次加工性(製パン性)
との因果関係についての理化学的機構にはいまだ不明な 点も多い.本稿では,パンの品質を左右するパン生地の ミキシングに伴う油脂などの副原料の挙動,小麦粉中の タンパク質の挙動について,非破壊分析法による可視化 に取り組んだ事例を紹介したが,本研究の取り組みにあ たっては,製パン工程における各工程の条件やその品質 を大学の研究者の方としっかりと共有して進めていくこ とが非常に重要であった.大学との共同研究により,ミ クロな視点から理化学的解析手法で得られた新たなエビ デンスは,マクロな視点では見落としがちな食品の加工 技術の基礎・基盤技術を支えるとともに,新たな加工技 術の開発にも寄与するものと期待している.
謝辞:本稿で紹介した研究の遂行にあたり,京都大学大学院農学研究科 農学専攻品質評価学分野の林 由佳子准教授,水谷由記子様,ならびに 本研究にご協力くださった方々に感謝いたします.
文献
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プロフィル
福留 真一(Shin-ichi FUKUDOME)
<略歴>1984年京都大学農学部食品工学 科卒業/同年日清製粉株式会社入社/1998 年博士(農学)京都大学/現在,株式会社 日清製粉グループ本社R&D・品質保証本 部基礎研究所所長<研究テーマと抱負>小 麦粉加工食品の美味しさの追求とそれを通 じた健康の維持・増進に取り組んでいきた いと思っています<趣味>日曜大工,ドラ イブ,ハイキング
西辻 泰之(Yasuyuki NISHITSUJI)
<略歴>2009年京都大学大学院農学研究 科農学専攻修了/同年日清製粉株式会社入 社/現在,株式会社日清製粉グループ本 社R&D・品質保証本部基礎研究所に在籍
<研究テーマと抱負>小麦がもつ力を活か した製品開発につながる基礎・基盤研究に 取り組んでいきたいと思います<趣味>バ スケットボール,映画鑑賞
図6■各ミキシング段階における生地中の不凍水(結合水)の 変化
隈 丸 潤(Jun KUMAMARU)
<略歴>1997年九州大学大学院農学研究 科食糧化学工学専攻修了/同年日清製粉株 式会社入社/現在,株式会社日清製粉グ ループ本社R&D・品質保証本部QEセン ターに在籍<研究テーマと抱負>食品の安 全性を担保するため,消費者視点での品質 保証,および微量成分分析の精確さと技術 の向上に取り組んでいきたいと思います
<趣味>映画鑑賞,読書,バドミントン 松宮健太郎(Kentaro MATSUMIYA)
<略歴>2005年京都大学農学部資源生物 科学科卒業/2009年同大学大学院農学研 究科博士課程中退/同年同大学大学院農学 研究科助教/2014年京都大学博士(農学)
取得<研究テーマと抱負>農産物の評価と 改良を行うための研究を行っている.エマ ルションやサスペンション等の分散系食品 を対象に研究を行うことが多い.最近は作 物の遺伝的背景や栽培条件と,原料素材の 食品加工における品質の関係性を明らかに するような研究に興味がある.また,さま ざまな植物素材から高度な加工機能性を引 き出したいと考えている<趣味>寺社仏閣 巡り
松村 康生(Yasuki MATSUMURA)
<略歴>1979年京都大学農学部農芸化学 科卒業/1984年同大学大学院農学研究科 博士課程修了(農学博士)/同大学食糧科 学研究所助手,同大学大学院農学研究科助 教授を経て,2004年より同大学大学院農学 研究科教授<研究テーマと抱負>農産物を 中心とする原料素材の加工適性の評価と改 善,作物の栽培条件や加工・貯蔵条件によ る成分変化,分散系食品(エマルション,
サスペンション,泡沫など)の安定性の予 測と安定化要因の解明,微粒子やナノファ イバーなど新規素材の食品利用,香気成分 と食品マトリックスの相互作用.ヒトが美 味しさを評価するとき,味,香り,物性が どのように相互に影響しあっているのか,
興味をもっています.アカデミアと産業界 の連携(互いの立場を尊重し,互いのメ リットを引き出せるような関係の構築)に 何らかの形で貢献できればと考えています
<趣味>音楽鑑賞・演奏,読書,愛犬との 散歩