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顎変形症治療の現在と歯科医師の役割

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Title 顎変形症治療の現在と歯科医師の役割

Author(s) 髙野, 正行

Journal 歯科学報, 123(2): 83‑94

URL http://doi.org/10.15041/tdcgakuho.123.83 Right

Description

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顎変形症治療とは

わが国の顎変形症治療は,近年著しく進歩してお り,安定した治療成績が得られるようになってきて いる。顎変形症とは,上顎骨や下顎骨あるいはその 両方の大きさや形態,位置などの異常や上下対向関 係の偏位などにより,顎顔面の形態異常や咬合異常 をきたし,合わせて美的不調和を示すものとされ る。そのため,歯槽骨内の歯の移動だけでは歯列や 咬合を十分に改善させることができず,顎矯正手術 を併用する必要が生じる。この一連の治療は外科的 矯正治療ともよばれる(図1)。

顎変形症にはその発生時期をもとに分類すると,

症候群のように生下時やそのすぐ後に症状の見られ るもの,患者さんの発育に伴って症状が顕著となる もの,外傷や手術により変形が生じるもの,などが 挙げられるが,症例として最も多くの割合を占める のは顎の発育障害によるものである。これは早けれ ば小児期や10歳代前半から顎の過成長や劣成長によ る咬合の偏位が生じ成長とともに症状が進行するも のが多い。

顎変形症による障害としては,咬合の偏位のため に上手く噛めない,話しにくい,顎が痛む,また下 顎が小さいことにより気道が狭窄していびきや睡眠 時無呼吸症が生じるなどのさまざまな機能障害とと もに,外見上でも顔貌の変形によるコンプレックス などの心理社会的障害などが挙げられる(表1)。

顎変形症治療の変遷

近代医学において初めての顎変形症手術とされて いるのは,米国で口腔外科の父と呼ばれる Hullihen が,1849年に小児期の熱傷による瘢痕に伴う下顎の 変形に対して,V 字型骨切術を行って歯槽部の骨を 後退させた手術である(図2)。上顎では1859年に von Langenbeck が,鼻咽腔腫瘍の切除のために口 腔内より上顎水平骨切りに正中分割を加えた骨分割 から鼻咽腔の病変に到達する手術を行っており,そ の後1864年に,Cheever が鼻外側と上唇正中の皮 膚切開から,まずは上顎半側の,次に上顎両側の down−fracture による骨 切 り 術 を 行 い 現 在 の Le Fort Ⅰ型骨切りの先駆けとなった。

その後,二次的な顎変形症だけではなく成長に 伴って生じる発育障害による顎変形症についてもさ まざまな治療法が開発された。局所麻酔下に手術さ れていた時代に下顎骨で多く行われていたのは線鋸 による単純な骨切り法で,Kostec̆ka 法はその代表

歯学の進歩・現状

顎変形症治療の現在と歯科医師の役割

髙野正行

東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座

キーワード:顎変形症,外科的矯正治療,口腔外科

(2023年5月8日受付,2023年6月12日受理)

http : //doi.org/10.15041/tdcgakuho.123.83

連絡先:〒101‐0061 東京都千代田区神田三崎町2−9−18

東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座 髙野正行 図1 外科的矯正治療

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的なものである(図3)。しかし,後戻りも多く改 善の余地が多くあり,下歯槽神経を避けてかつ骨の 断面積を増やすために斜めや階段状に骨切りを行う などの方法が試みられている。

このような状況のブレークスルーとなったのが,

下顎枝矢状分割術であった。チューリッヒ大学の Obwegeser は,1956年にはじめて全身麻酔下に口 内法でこの手術を成功させ,その適応の広さから70 年近く経った現在でも広く世界中で最も多く用いら れている(図4)。Obwegeser は1969年に,下顎枝 矢状分割術と併用した上下顎前同時移動手術を行 い,その有用性を報告した。そして1970年代中頃か らこの two­jaw surgery は,顎変形症に対する有 用な治療法として普及していった。さらに,米国の Convers(1970)と 英 国 の Henderson と Jackson

(1973)は鼻骨上顎複合体の発育不全に対して Le FortⅡ型骨切り術 を 行 い,フ ラ ン ス の Tessier は 1967年に Crouzon 症候群の症例に Le FortⅢ型骨切

りを行った。

わが国の口腔外科と顎変形症治療の変遷

今から100年前にわが国ではじめて歯科医師によ る口腔外科学教室を開設したのは本学出身の遠藤至 六郎先生である。それまで,当時の東京歯科医学専

門学校では口腔外科の講義を東京帝国大学医学部な どから教授を招いて行っていたが,これ以降完全に 歯科医学の中で独立した口腔外科となり他の歯科医 学学校もこれに追従していった(図5)。

遠藤先生は新潟県三島郡寺泊に儒教学者の六男と して生まれた。19歳で東京歯科医学院を卒業し,医 学教育の最先端であった東京大学で聴講生として研 鑽を積んだという。のちに遠藤先生は満鉄大連病院 に佐藤運雄先生の後任として着任した。当時の満鉄 大連病院は東洋一の大病院として,ベッド5,000床 を有し3,000名の看護婦が勤務していた。1916年に 血脇守之助先生に東京歯科医学専門学校に呼び戻さ れ助教授に赴任した。翌年には教授となり,海外留 学を経て1923年に口腔外科部長に就任し,歯科医師 による広範囲の顎顔面領域の口腔外科臨床を実践し ていった(図6)。

先生は体格こそは小柄だが,さまざまな著作やエ ピソードを聞くととても熱血漢であったようであ る。遠藤先生とたった2人でこの口腔外科教室を開 設された大井 清先生はのちに,「遠藤先生は勉強家 で厳格で,しかも優しい方であった」その指導は「御 小言を受けなかったものは,一人もいなかったと思 表1 顎変形症によるさまざまな障害

うまく噛めない

発音しにくい,滑舌が悪い

歯に負担がかかる → 齲蝕,歯周病

あごの痛み,顎関節の雑音 → 顎関節症など

いびきや口呼吸,睡眠時無呼吸症

顔貌のコンプレックス → 社会適応性の障害

図2 口腔外科の父と呼ばれる Hullihen(左)と熱傷瘢 痕を伴う女性(中)に対するはじめての顎変形症手 術(右)

(Am J Dent So,9,157,1849,Oral and Maxillofacial Surgery,

62,1303−1307,2004より引用)

図3 Kostec̆ka による下顎枝水平骨切り法 局所麻酔下で Gigi saw(図左)を用いて行われていた。

(Oral surgery,Vol2,fifth edition,1969,

日顎変形誌14,153−169,2004より引用) 図4 Obwegeser による下顎枝矢状分割法

1956年に全身麻酔による口内法手術を報告した。

(Oral surgery,Vol2,fifth edition,1969,

Mandibular groeyh anomalies : Terminology- Aetiology Diagnosis-Treatment より引用)

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われる程はげしいものであった」「新しい助手や生 徒などは,小さくなってビクビクしながら毎日を過 ごしていたものである」と回想している。

日本の口腔外科で顎変形症治療が紹介されたのは 1930年代であったとされている。その後,戦前には Kostec̆ka 法などの局所麻酔の手術が行われていた との報告がある。第二次世界大戦の前後の報告例は 少ないが,1961年に日本歯科大学の園山 昇先生が 口腔法による下顎枝水平骨切りを報告している。し かし,下顎枝水平骨切り法は,術後にあと戻りや開 咬をきたしやすい欠点があったため,同時期には下 顎体一部切除法が多く行われていた。また,口外法 による下顎枝斜め骨切法,口内外からの下顎枝 L 字骨切り法,下顎枝弧状斜め骨切り法などの報告が 見られる(表2)。

そして本学口腔外科の髙橋庄二郎教授は欧州や米 国での知見をもとに,1969年に2例の下顎枝矢状分 割術を行ってこれを1971年に報告している(図7)。

また1975年に Le FortⅠ型骨切り術の手術例を報告

した。これ以降,顎変形症手術は多くの施設で行わ れるようになり,口腔内からの下顎枝垂直骨切り 法,顎骨延長法なども導入され,現在ではさまざま な骨切り法により多くの手術が行われている。また 本学の野間弘康教授らが本学千葉病院において1981

表2 わが国での顎変形症治療の変遷

・1932 中 村 平 蔵 教 授(現 医 歯 大)が Kostec̆ka 手 術 を行う

・1955 上野 正 教授(現医歯大)下顎骨体部骨切り 法を行う

・1961 園山 昇 教授(日歯大)口腔内からの下顎枝 水平骨切り法を紹介

・1971 髙 橋 庄 二 郎 教 授(東 歯 大)Saggital Splitting Method を行う

・1978 顎変形症研究会(のちに学会)が発足

・1979 大森清弘 教授,野間博康 教授(東歯大)下顎 枝矢状分割術 変法

・1990 矯正歯科と口腔外科による顎変形症の治療が保 険収載

図5 近代の歯科・口腔外科の発展

図6 (左)遠藤至六郎教授,(中)昭和初期口腔外科外来における臨床実習,(右)血脇 守之助先生の欧米視察に同行

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年に,Le FortⅡ型骨切りや著しい咬合不全を伴う Crouzon 症候群の患者に対して Le FortⅠ+Ⅲ型骨 切りを行いこれを報告している(図8)。

顎変形症治療導入の初期には,矯正治療を行わず もっぱら手術のみで治療していたが,次第に矯正歯 科医による術前術後矯正治療を併用して行われるの が一般的となった。1982年に顎変形症研究会が設立 され,1991年に特定非営利活動団体顎変形症学会へ と発展した。さらに1990年には顎変形症の歯科矯正 治療に対して国民健康保険が適応され,口腔外科と 矯正歯科の共同治療がより緊密に行われるようにな り,わが国の顎変形症治療はさらに広がりをみせて いった。

顎変形症治療の現在

本学においても手術件数は順調に増加して,それ

に伴って手術時間と出血量も減少している(図9〜

11)。顎変形症の治療は,口腔外科,矯正歯科,補 綴科をはじめとして多くの隣接医学の協力を得て,

看護師や歯科衛生士と協力して行われる治療であ り,特に口腔外科医と歯科矯正医は初診,治療計画 の段階から術前の矯正,周術期治療,入院手術,術 後矯正,術後の経過観察まで密接に連携して治療を 進めている(図12,13)。

そのために,院内で口腔外科と矯正歯科などによ るカンファレンスを行って,初診や手術直前の資料 を提示して治療計画を確認し合っている(図14)。

さらに,口腔外科学会の機会にハンズオンセミナー を行って,手術手技の向上や,治療計画の均てんを 図ってきた(図15)。また2008年からは,学外の歯 科矯正医や口腔外科医などを対象に,東京歯科大学 外科的治療勉強会を年1,2回開催して,医療連携 図7 髙橋庄二郎教授による初めての下顎枝矢状分割術

図8 野間弘康教授による Le FortⅠ+Ⅲ型骨切り術を行った Crouzon 症候群症例の報告

(日本顎変形症学会雑誌 2,97−99,1983より引用)

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図9 水道橋病院口腔外科における症例数と術中出血量(1990〜2016年)

(J Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and pathology,31,305−310,2019 より引用)

図10 顎矯正手術1次症例の手術件数の推移(2013〜2022)

東京歯科大学水道橋病院 大学移転後

図11 顎矯正手術1次症例の術中出血量の推移(2013〜2022)

東京歯科大学水道橋病院 移転後

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の向上と治療の質の向上を目指している(図16)。

われわれ口腔顎顔面外科学講座の研究テーマとし て,以前より口腔外科教室の研究として腫瘍,口唇 口蓋裂,顎変形症を掲げているが,近年はこれらに 急速に進歩するデジタルテクノロジーを用いてより

先進的な研究を目指している(図17,18)。顎変形 症治療においてもデジタルテクノロジーの応用が進 んでおり,セファロメトリック分析も従来のトレー ス用紙を用いた方法から,PC ソフトを用いたデジ タルのものに変化している(図19)。そしてさらに 3D 分析も加わろうとしている。手術に際しても3 D プリンターによる実物大立体模型を応用し,さら に PC 上でのシミュレーションはルーティンに用い られるようになった(図20)。この手法を用いた1 例を示す(図21〜24)。この技術の応用としては,

シミュレーションで得られた上顎の骨移動後の位置 を再現するサージカルガイドの作成を行い,より正 確で安定した手術を行えるようになった(図25)。

また,シミュレーションによる移動距離や形態に合 わせてカスタムメイドで作成されたチタンプレート を用いることが可能となっており,今後このような システムが増加してゆくと思われる(図26)。口腔 外科ではプログレス実習にシミュレーションと実物 図14 院内での口腔外科と矯正歯科との治療カンファレンス

患者背景の共有,治療計画の提示,手術の移動量や既往疾患などの確認な どを行う。

図12 外科的矯正治療のチーム 多くの診療科と連携して行われる。

図13 顎変形症の診断と治療計画

図15 学会・セミナーでのハンズオンコース

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図20 3次元立体模型から PC シミュレーションへの変化 図19 デジタル技術の発達に伴うセファロ分析の変化

従来のトレース用紙を用いた方法から,PC ソフトを用いたデジタルのも のに変化。

図17 口腔顎顔面外科学講座の研究テーマ 図18 Digital Technology の顎顔面外科への応用 図16 東京歯科大学外科的矯正治療勉強会

学外の矯正歯科医等との連携を目的に年1〜2回行ってきた。

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図23 顔面左右非対称による咬合不全の1例 治療後の顔貌写真

図21 顔面左右非対称による咬合不全の1例 治療前の顔貌写真

図22 顔面左右非対称による咬合不全の1例 手術前の3次元シミュレーション

90 髙野:顎変形症治療と歯科医師の役割

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大の下顎骨模型を用いた下顎枝矢状分割術の模擬手 術を行って知識と手技の理解がより深まるよう努め ている(図27)。また VR や AR テクノロジーを応 用したホロレンズや空間再現ディスプレイもまだ研 究段階ですが注目されている(図28)。さらに欧米 ではレーザーメスによるロボット手術が臨床応用の 段階になっている(図29)。

進歩する顔面修正手術の功罪

デジタルテクノロジーの先端として最近さまざま な分野で話題の AI 技術であるが,これを応用して 外傷などで大きく変形した顔面形態を再生する治療 法も報告され,ビッグデータをもとに男性らしい顔 立ち,女性らしい顔立ちを作成して修正する形成手 術も実際に海外では行われている。

このように,近年の医療技術の発達により,顔は

一生変わらないものから,容易に修正できるものと なりつつある。しかし多様性の時代となり,整った 顔の基準とは何か,誰もが分かりにくくなっている のも事実である。

本来,整った顔とは,当然のことながら審美と機 能を兼ね備えた機能美であるべきであり,われわれ の担当する下顔面領域でいえば単に美しく見える,

見た目がよく感じるだけではなく,顎運動,咬合,

咀嚼,呼吸などを司る機能を兼ね備えたものでなけ ればならないのは言うまでもない。そうであれば,

顎変形症治療において,われわれが歯科医師として 目指す目標も明確になってくるのではないだろう か。

遠藤至六郎著の新編口腔外科学診断学 第二版

(1939年発刊)の,第1篇 総論 第1章総説のな かで,先生は歯科医師の使命と担当範囲について以 図25 上顎の骨移動後の位置を再現するサージカルガイド シミュレーションをもとにカスタムメイドで作成する。

図24 顔面左右非対称による咬合不全の1例 治療前後の頭部エックス線規格写真

図26 カスタムメードのサージカルガイドとチタンプレート この製品はオンラインで海外に発注・設計され,3D 金属プリンターで作 成しデリバリーされる。

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下のように記述されている。

第3節 歯科医師の真使命と歯科医業の範囲

Ⅰ 歯牙並びに其の周囲組織,口腔粘膜,顎骨等の疾 患,及び口腔内外に現れた,それ等の続発疾患を診察 する。

Ⅴ 身体の保健,顔面美,咀嚼並びに言語の機能回復 に重大な関係のある口腔内外の歯性疾患並びに一部は 口腔内に現れた非歯性の奇形性疾患,歯性奇形等に対 して繊細優美な手術を施し或いは補綴装置を併せて制 作装着する。

(中略)

補綴は,顔面美,咀嚼機能,言語構成の三大重要機能 と密接不可分の関係にある。従って口腔手術者は,原 則として補綴に関する理論と臨床経験とを有するもの でなければ,手術の真の目的を達成し得ない。故に口 腔の手術は歯科医師が之を担当する事が患者の利益で あり,合理的である。

(原文は旧漢字カナ文体)

ここでいう補綴とは咬合または咬合治療と同意と 思われる。このように今日の顎変形症治療は咬合咀 嚼などの顎口腔機能の回復と不可分の関係にあり,

歯科医師の大きな役割の一つであるとすでにわが国 の口腔外科の創成期から看破されていたのである。

まとめ

顎変形症は顎口腔機能の障害,精神心理など健康 にさまざまな悪影響をもたらす。

歯科医師は顎口腔機能の専門職種であり,咬合の 偏位や顎変形症を見逃さず,成長や健康に及ぼす影 響を伝え治療を促す役割がある。

歯科医師である口腔外科医は,形態と機能のバラ ンスをもっとも良く知りうる者であり,顎変形症の 診断と治療に最適な立場にあるという自覚と責任を 図28 空間再現ディスプレイ

裸眼で立体画像を再現できる。

図29 レーザーメスによる手術用ロボットのデモ(スイ ス,バーゼル大学)

(口腔顎顔面外科学講座 渡邊 章准教授より提供)

図27 シミュレーションソフトと3D 模型による学生実習

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持って,他領域の専門家と連携しつつ,その任に当 たるべきである。

原稿を終えるにあたり,東京歯科大学学会の特別講演 の機会をいただいた井出吉信理事長,一戸達也学長,こ れまで口腔外科教室に在局中に親身にご指導ご鞭撻いた だいた,故髙 橋 庄 二 郎 教 授,故 重 松 知 寛 教 授,故 齋 藤 力教授,故髙野伸夫教授,野間弘康名誉教授,柿澤 卓名 誉教授,山根源之名誉教授,内山健志名誉教授,柴原孝 彦名誉教授,矢島安朝名誉教授,片倉 朗教授,野村武史 教授,そしてご協力いただいた口腔外科学教室医局員一 同,口腔顎顔面外科学講座員一同に心より感謝いたしま す。

参考文献

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東京,1999.

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歯科学報 Vol.123,No.2(2023) 93

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Orthognathic surgery and the role of dentists

Masayuki TAKANO

Oral and maxillofacial surgery, Tokyo Dental College Key words: Jaw deformity, Orthognanthic surgery, Oral and maxillofacial surgery

94 髙野:顎変形症治療と歯科医師の役割

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Referensi

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