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2.表象対象事実が危険に関する具体的な事実である場合

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<レジュメ>

2021年 3 月 13日 日本保険学会九州部会

危険の表象に関する告知義務違反における 因果関係不存在特則の適用方法

京都産業大学 吉澤卓哉

1.はじめに

① 損害保険契約における告知義務違反に関する規律 保険法 4条(告知義務)

保険契約者又は被保険者になる者は、損害保険契約の締結に際し、損害保 険契約によりてん補することとされる損害の発生の可能性(以下この章において

「危険」という。)に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたもの

(第28 条第 1 項及び第 29条第 1項において「告知事項」という。)について、事 実の告知をしなければならない。

保険法 28条(告知義務違反による解除)

1 保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知事項について、故意又は重大 な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、損害保険契約を 解除することができる。

2~4 (略)

保険法 31条(解除の効力)

1 損害保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

2 保険者は、次の各号に掲げる規定により損害保険契約の解除をした場合に は、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。

一 第 28条第 1 項 解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただ し、同項の事実に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限り でない。

二~三 (略)

※保険法 31条 2 項 1 号但書が損害保険契約における因果関係不存在特則

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② 保険法の立案作業時における論議

自動車保険における告知事項の一つに記名被保険者が保有する運転免許 証の色があるが、この告知事項に関しては常に因果関係不存在特則が成立して 保険者免責とはならないのではないかという問題提起がなされた。結局、結論は 出ず、解釈問題として決着した。

③ 仙台高判平成 241122日判時 2179141

告知事項:自動車保険における記名被保険者が保有する運転免許証の色 告知義務違反の対象たる事実:無免許であること

(酒酔い運転による運転免許取消処分)

保険事故:無免許運転かつ酒気帯び運転での交通事故

④ 研究の契機となった問題意識と研究の方法

議論が学説において噛み合わず、また、深まらないのは、運転免許証の色の 問題は次の2 つの論点が複合しているにもかかわらず、両者を区分せずに議論 しようとしているからではないか?

(ア)危険に関する事実の表象を告知事項とした場合に、因果関係不存在特 則をどう適用するかという論点

(イ)個別的な因果関係の存否を判断できない場合に、集団的な因果関係や 相関関係をもって因果関係不存在特則における因果関係を判断できるかと いう論点

そこで、上記(ア)のみの論点を抱える告知事項をまずは検討し、そのうえで、上 記(ア)および(イ)の論点を抱える運転免許証の色の問題を検討することにした。

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2.表象対象事実が危険に関する具体的な事実である場合

【図 0:防火適合表示制度】

「表示基準」の不適合(注 1 「表示マーク」(金(注 2または銀)が 交付されていない

当該ホテル・旅館等について「表示基準」中 の点検基準の1 または複数の安全性が 確保されていない

当該ホテル・旅館等は

事故の発生確率や発生強度が高い

当該旅館・ホテル等において保険事故発生

(注1)なお、「表示基準」に適合していても、「表示マーク」を申請していないこともあり得る。

(注2)「表示マーク(金)」は、「表示マーク(銀)」が 3年以上継続して交付されていることも

交付要件となる。

(注 0~図 2において、実線矢印は因果関係または因果関係の可能性を、点線矢印は 因果関係不存在特則において検討対象となる因果関係の不存在を示す)

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3.表象対象事実が危険に関する具体的な事実ではない場合

【図 1:運転免許証の色(運転未熟者)】

運転免許取得後 6 年以内 免許証は黄緑色(新規取得者)

または薄青色(初回更新者)

一般に、運転に習熟していない

一般に、事故発生確率が高い 当該記名被保険者が保険事故発生

【図 2:運転免許証の色(違反者・事故者)】

交通違反または人身事故惹起 免許更新後の色は薄青色 一般に、運転不注意傾向等の可能性あり

一般に、事故発生確率や事故発生強度が高い 当該記名被保険者が保険事故発生

4.結 論

Referensi

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般的である4。ただし、一定範囲内の親族以外の者が保険金受取人となるというだけでモ ラル・ハザードが格段に高まるわけではなく、あまりにも限定的な運用は、多様化する家 族関係などに応じた生命保険の利用の機会を奪うことにもなりかねない5。現行法の規定 は、モラル・ハザードの配慮しながらも、経済制度としての保険の効用を広げる規定であ ると評価できよう。