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1956) - 重松恒信

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(1)

【海洋化学研究所

50

年史】

1956) 

重松恒信*

くはじめに> れていて、特にヒ素は今世紀初から興 本研究所関連者によって

1956

年まで 味をもたれ研究されていた。セレンに に取り上げられた微量元素は、

A g

(1939)

Al (1953)

As (1951)

Au (1938)

Be (1956)

Cr (1950)

Co (1953)

Cu (1940)

Li (1939)

Mo (1953)

Ni (1953)

Rb (1942)

Se (1953)

Th (1954)

V (1951)

W (1953) 

などである。これらの研究は、分析法 の開発やこれら元素の海水中の存在の 確認など、基礎ないし出発点となるも のが主で、その後、海洋化学的、ある いは分析化学的興味の趣くところにし たがって研究が発展している。更に分 析化学の進歩に伴って、より微量の、

また分析の困難であった多くの元素が 取り上げられてくるが、本稿ではこれ らの報告を羅列することはしないで、

むしろ初期に取り上げられた元素の数 例を挙げ、その後の研究の一例を付記 して、研究所の初期

(1946 1956)

の 業績紹介に代えたい。

まえにも文献の記載を省いたが

[l]

、 本稿でも取り上げたものは主として筆 者も関係したものである。重松恒信を 省いて誌名のみを記すことにした。

くヒ素、セレン>

ヒ素、セレンについてはすでに知ら

*理事・京都大学名誉教授

ついては余り検討されていなかったの で分析を試みた。当時の分析法では多 量の試料を必要とし、

201

の海水を用

い、共沈濃縮することを試みた。比較 的多量のFe (OH) 3担体を用いて共沈、

ついでセレンを硫化ヒ素と共に沈殿さ せ鉄を除くという面倒な方法になった。

これを溶解して、臭化水素と蒸留して、

留出したセレンをチオ尿素と反応させ、

呈色を比色することにより、海水中の セレンを

4 6 μg / l

とした

[2]

Wattenberg (1938)

4 μ g/1

なる値 を示しており

[3]

、この値とは良い一 致が得られた。

しかしその後の検討で、この値は極 めて大きいことがわかったが、この結 果の示すところは、海水試料そのもの か、試料の取り扱いが問題なのか、或 いは間違った方法を適用したのか、ブ ランク並びに添加実験で十分検討した 方法であるが、未だに明らかにするて だてがない。

海水中の微量元素濃度が多種発表さ れた

1900

年以後の濃度の経過年度によ る変化は、大部分の元素は大きく減少 傾向を示していて、我々の研究の場合

もこの例に倣うものが多い。

(54)   海 洋 化 学 研 究 第9巻第2号 平 成810

(2)

海水中の微量元素の濃度の減少と、

海産生物、魚などの微量元素濃度の増 加の傾向が類似していることから、微 量元素濃度の報告値が正しいとすると、

魚が海水から微量元素を急速に摂取消 費したのではないか、という論も可笑 しくはないのではないか、という記述 を見たことがある。

セレンの必須栄養素としての認識が 高まり、我々も分析法、環境での挙動 などの研究を進めている。本稿が分担 する年度の範囲を越えることになるが、

その後の研究の一例を述べて、前述の 値を訂正しておきたい [4]。

海水試料の採取、保管、分析試料の 調製など分析結果を左右する、重要で 困難を伴う、分析操作の検討が進めら れ解決されてゆく一方、高感度の定量 法の発展も著しい。けい光定量法の開 発と海水への適用の例であるが、セレ 化合物が発するけい光を利用して、不 溶懸濁粒子中のものと溶存のものの濾 過分別を行った試料について、溶存状 態のセレンの酸化状態を分別定量する 方法を求めた。溶液中のセレンは、

Se

(IV)

を水酸化鉄共沈させ、溶液中に 残った

Se (VI)

Te (III)

を担体と して還元共沈、各部を

DAN

を用いてけ い光定量して、これらの相互変化、分 布などを明らかにした。なお海水試料 を

2l

用いたが、更に高感度の分析法が 求められる。海水試料中のセレンは、

近海試料で

Se (IV)  0.01 0.05

Se (VI)  0. 03 0. 2  

μ 

g/1

程度であった。

ヒ素は生物学的典味が大きかったの か海産生物の研究が多い。海水の分析

Transactions of The R earch Institute of  (55)  o am bemiatry Vol.9, No.2, October 1 9 9 6  

を行ったが [5]、臭素で酸化して有機 物を分解、水酸化鉄共沈して濃縮、

Gutzeit

法(硫酸酸性下で金属亜鉛で

還元し、発生するアルシンを塩化水銀 紙片上で反応させ、生成ステインを比 較)で定量する面倒な方法を適用した。

1  21

の海水を用いて、

3 6

μ 

g/1

、場 所による変動の他、深さと共に多少増 加する傾向のあることを報告した [6]

ことを付け加えておく。

くクロム、モリブデン、

タングステン>

この頃の研究の主流は、分析法の開 発と応用、海水中の元素の存在の確認 であったと思っているが、同時に試料 の採取、処理の過程での損失、汚染の 重大性が明らかにされた時期でもあっ た。

クロム、モリブデン、タングステン を取り上げる。これらは海水中でアニ オンとして存在することが多いと考え られていた。水酸化物共沈による濃縮 を考える時、例えば水酸化物沈殿の生 成pHが重要である。詳細な検討は遅く

なったが [7]、モリブデン、タングス テンの水酸化鉄共沈にヘキサミンの加 水分解を利用する均一沈殿法を利用し て成功した [8]。初め通常の水酸化鉄 共沈、チオシアン酸法比色分析を適用 して〜

10

μ 

g/1

のモリプデン値を求め たが、更に均一沈殿による共沈、ジチ オール比色法を適用して、モリブデン とタングステンを同時に定量する方法 を求め、それぞれ9. 8  11. 4  

 

μ 

g/ 

l、

0.1  0.15 

μ 

g/1

という結果を得た。

当初、海水中のモリブデン量として、

(3)

鉄共沈、発光分光分析によって得られ た (1936) 値0.3μ g/lが一般に用いら れていた。先に述べた様に、一般に分 析法の進歩に従い微量元素濃度は小さ くなり、 2 μ g/ l  (1938)、0. 5  μ g/l 

(1940) などが報告されているが、モリ

ブデンは逆に〜10μ g/l にまでに増大 した元素の例である。

クロムについては、初めに存在状態 を明らかにしないまま、還元して鉄共 沈した後、クロム酸に酸化して分離、

比色定量して0. 04 0. 07 μ g/1 なる低 い値を報告したが

[9]

、その後、分析 法の検討を加え、 Cr (III) を水酸化ア ルミニウム共沈、次に溶液中に残るCr (VI) を還元して回収、それぞれをジ フェニルカルバジド法で比色定量して、

海水中のCr (III)  0. 01  O. 27 μ g/1、 Cr  (VI)  0.04 0.47 μ g/1、また懸濁 微粒子中に0. OOx  1  μ g/1のクロムを 見い出した。外洋では懸濁粒子は少<、

またCr (VI) の海水中での割合は試料

により 20 97%と大きく変動した。

る方法を開発して環境試料に応用した [12] ことを付け加えておく。ベリリウ ムに関する研究は余り多くはなく、宇 宙線と大気の反応によって生成する

10Be

の挙動に関するものが注目される。

アルミニウムは初め1.2  mg/1 (1937)  と大きい値が示されたが、京大・石橋 研では河合 (1952)、本島 (1952)、藤

永 (1952) ら [13] が日本海、瀬戸内

海などの試料について研究され、数 100 μ g/1、或は数μ g/1 と大きく変動 する事が明らかにされた。我々も 10

μ g/1程度と推定した [14] が、海水

中での状態、貯蔵中の挙動などは分析 化学的に興味深く、またけい光定量に 適した元素でもあるので、ケイ光試薬 の研究の進歩に従い海水の分析に適用

した。

比較的高感度の分析法としてルモガ リオンによるけい光法を海水の分析に 応用 [15]、海水中のアルミニウムの存 在状態(懸濁粒子の粒度分布、保存中 の変化など)について多くの知見が得 られた。海水試料5 15 ml を用いて分 くベリリウム、アルミニウム> 析可能であるが、更に高感度の分析試

けい光分析の高感度に着目、その開

発応用に取りかかり、海水へ初めに適 アルデヒドセミカルバゾン試薬に到達、

用したのはベリリウムである

[11]

。初 これをけい光試薬として、海水試料 に行った分析法では、 801 の海水試料 2  10 ml を用いて0.005 4 μ gのアル が必要であった。その上操作も面倒で、 ミ ニ ウ ム を 定 量 で き る 方 法 を 得 た 水酸化鉄共沈して捕集、水酸化ナトリ [15]。本法を操作簡単、迅速、高感度、

ウムで融解して冷水で抽出、モーリン 高精度のものと推賞したい。外洋深層 けい光法で定量した。瀬戸内海で0.38 水 中 の ア ル ミ ニ ウ ム 量 を 求 め た が μ g/1、白浜沖で0. 03 μ g/1 の値を得 5. 5 5. 6  μ g/1 であった。

たが、現在では一桁小さい値が用いら

れている。その後ベリリウムをアセチ くおわりに>

ルアセトンに抽出して吸光光度定量す 分析化学に関する一部分を取り上げ (56)  海 洋 化 学 研 究 第9巻第2号 平 成810

(4)

て、断片的紹介に終ったが、この時期 (1973)  712. 

の研究は次の時期 (1956 1966) に続 [5]  化研講演集、 (1951).

いて行く経過でもあるので、不完全は [  6]  Rec.  Oceanograph. Works,  J  ap., 5   やむを得ないことと許容願いたい。 (1960)  66. 

参考文献 [l]  本誌9 (1996)  3. 

[2]  Records of Oceanographic Works  in Japan,  1  (1954)  44. 

[3]  Z.  anorg.  Chem., 236  (1938)  339. 

[4]  分化、 26 (1977)  91 ; 分化、 22

The Research Institute of  (57)  Oceanochemlstry Vol.9, No.2, October 1996 

[7]  分化、 29 (1980)  58. 

[8]  化研報、 32 (1954)  199. 

[9]  化研報、 23 (1951)  59. 

[10] 化研報、 55 (1977)  429. 

[11] 化研報、 34 (1956)  210. 

[12] 分化、 11 (1962)  752. 

[13]  日化誌、 73 (1952)  380 ;  73 (1952)  491 ;  73  (1952)  783. 

[14] 化研報、 27 (1951)  42. 

[15] 分化、 9 (1968)  1092. 

[16] 分化、 27 (1978)  109. 

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