9 社会貢献
(1)社会への貢献
1)社会との文化交流等を目的とした教育システムの充実度
【現状の説明】
表Ⅰ−9−1に示す公開講座は、平成14年度までは本学単独で実施していたが、平成15年 度より、行政(名古屋市南区)との共催、学内他部署(創造製作センター)の協力により「金属 工房『銀のスプーンをつくろう』」「親子ものづくり教室」を実施している。
平成16年度は、本学独自の公開講座として「ハンドボールを楽しもう」を実施している。ま た、平成15年度より、日本宇宙少年団の事務局となり年間に数回のイベントを学内・学外で実 施している。
地域行政(名古屋市、知多市など)の要請による地域イベントへの参加も積極的に行っている。
環境デーなごや、南区魅力発見フェスティバル、伊勢湾水理環境実験センター一般公開、建設技 術フェア、知多市ふれあいプラザまつり、南区交通安全キャンペーン、身体障害者施設のイベン ト等への各研究室、学生会、各サークル単位の参加も積極的に推進し、毎年、参加件数を増加さ せている。
表Ⅰ−9−1 社会との文化交流を目指した公開講座
年度 講 座 名 参加者数
「パソコンを作ろう」
「親と子の金属工作」
「親と子の建築教室」
平成12年度
金属工房 「銀のスプーンを作ろう」
―
親子理科教室(3コース) 190 平成13年度
「銀の装身具造り」 19
親子理科教室(3コース) 87 平成14年度
金属工房 「銀のスプーンを作ろう」 16 親子ものづくり教室(4コ−ス) 52 平成15年度
金属工房 「銀のスプーンを作ろう」 16 親子ものづくり教室(4コ−ス) 84 金属工房 「銀のスプーンを作ろう」 18 平成16年度
公開講座 「ハンドボールを楽しもう!」 40
【点検・評価】
講座の増設および行政(名古屋市南区)との共催事業を増加させた事により地域との交流機会 を増加させてきたことは評価できる。
また、講座「親子ものづくり教室」、「ハンドボールを楽しもう」はNHKニュースでも紹介さ れ、本学の社会貢献を広く社会にアピールできた事も評価できる。
2)公開講座の開設状況とこれへの市民の参加の状況
【現状の説明】
表Ⅰ−9−2には、本学で実施している公開講座が示してある。平成10年度より大学院の特
平成15年度より実施しているAAオープン講座(新入生向けのエンカレッジ教育として、学 内・外の講師により1年次前期のカリキュラムに合わせて開講)は、一般社会人にも開放してい る。愛知県生涯学習推進センター、名古屋市生涯学習推進センター、名古屋市南区役所、知多市 ふれあいプラザなどの要請による学長、教員の出張講座を実施している。
表Ⅰ−9−2 公開講座
年度 講 座 名 英語絵本の読書会
やさしい中国語会話と現在の中国雑感
機械製図 「図面の見方・読み方」・機械製図 「図面の読み方・描き方」
機械製図 「CADを用いた図の読み方・描き方」
一級建築士受験対策講座 電検3種受験対策講座
非破壊検査技術者試験 「第1種技量認定試験:超音波検査」講座 平成12年度
溶接技能講習会
名古屋市南生涯学習推進センター大学連携講座
「パソコン講座」 インタ−ネットを楽しもう
「パソコン講座」 WORDを征服しよう
「パソコン講座」 EXCELをはじめよう 知多市中部公民館大学連携講座
「スポ−ツを考える」「快適な住まいを考える<色・熱・臭い>」
IT講座
「総合科目Ⅰ」 危機管理と人間力・「総合科目Ⅱ」 危機管理と人間力 機械製図 「図面の見方・読み方」・機械製図 「図面の読み方・描き方」
2級機械設計技術者試験対策講座・3級機械設計技術者試験対策講座 電験3種受験対策講座
平成13年度
溶接技能講習会
名古屋市南生涯学習センター共催講座(委託) 「パソコン講座:エクセル基礎講座」
名古屋市昭和生涯学習センター支援講座:
レッツまちづくり(委託) 「チラシ・HPづくり」
知多市ふれあいプラザ共催講座 「水ロケット教室」
名古屋市生涯学習推進センター大学連携講座 「街の診方、直し方」
機械製図 「図面の見方・読み方」・機械製図 「図面の読み方・描き方」
3級機械設計技術者試験対策講座・2級機械設計技術者試験対策講座 平成14年度
電験3種受験対策講座 AAオ−プン講座(25講座)
名古屋市南生涯学習センター共催講座 「年賀状をつくろう!」
機械製図 「図面の見方・読み方」・機械製図 「図面の読み方・描き方」
平成15年度
3級機械設計技術者試験対策講座・2級機械設計技術者試験対策講座 AAオ−プン講座(7講座)
地域連携講座 「コンピュータを利用した芸術の世界」
機械製図 「図面の見方・読み方(入門編)」・「図面の読み方・描き方(応用編)」
平成16年度
3級機械設計技術者試験対策講座・2級機械設計技術者試験対策講座
【点検・評価】
AAオープン講座の一般参加者はまだ少数であるが、学長の講座には民放ラジオのパーソナリ ティー、ディレクター等も参加した。出張講座は、各行政、市民より好評を得ている。
3)教育研究上の成果の市民への還元状況
【現状の説明】
建築学科の教授による平成15年度の「学生による街づくり提案」は、本学と名古屋市南区、
地域企業との連携により、学生のアイディアを地元の工場やヨットハーバー等に提案している。
また、機械工学科の助教授によるドライビングシミュレーターによるハンズフリー実験の結果 は、学会やマスコミを通じて、広く社会に公開している。
表Ⅰ−9−3に示すように、地域行政(名古屋市、知多市など)の要請による出張講座や地域 イベントへの参加も、多くの教員や学生の協力により積極的に参加している。
表Ⅰ−9−3 出張講座等
年度 講座名
平成14年度 知多市ふれあいプラザ共催講座「アメリカの現代絵本、朗読とお話し」
名古屋市生涯学習推進センター大学連携講座「数学点景 〜数学って何やってるの?」
平成15年度
出張PC講座(名古屋市教育研究推進事業):
「ホームページビルダー、エクセルによる成績処理」
名古屋市生涯学習推進センター大学連携講座
「地球を読む旅 〜世界はどこからどこへ?〜」
知多市ふれあいプラザ共催講座「PCビックリ画像”秘伝”講座」・
「地球環境に優しい発電システム」・「地震と建物の構造に関する基礎知識」
平成16年度
出張PC講座(名古屋市教育研究推進事業):
「ホームページビルダーを使ったホームページづくり」
【点検・評価】
「学生による街づくり提案」は、本学と名古屋市南区、地域企業との連携のあり方を確立し、
また、マスコミや地域イベントを通して広く公開された。平成16年度の文部科学省「現代的教 育ニーズ取組支援プログラム」に採択されたことも高く評価できる。
特に、ドライビングシミュレーターによるハンズフリー実験の結果は、警察やマスコミにも広 く取り上げられ、全国ネットレベルでの本学の教育研究成果還元の事例として高く評価できる。
その他にも、教員の積極的な協力により研究室単位での地域イベントへの参加が増加している ことは評価できる。
【長所と問題点】【将来の改善改革に向けた方策】
公開講座への参加者の増加と、マスコミによる本学の取り上げられ方、また、地域行政からの 講師派遣要請が増加していることは、地域の本学に対する社会貢献への期待が高まっていること の表れであろうが、これに応ずるパワーは本学教員および学生のボランティア精神に頼るところ が大きい。講座開講に係る経費は大学と行政の限られた予算から捻出されていて、参加者への負 担を増加させることも難しい状況であるから、ボランティア精神による実施を前提とはするもの の、事業継続のためには事業実施経費(諸経費、講師料等)を増額して行く必要があると考えて いる。
(2)企業等との連携
1)企業等との共同研究、受託研究の規模・体制・推進の状況
【現状の説明】
産学連携活動を質的に高めるため平成12年4月産学連携共同研究センタ−およびその事務 部門のリエゾンオフィスを設立した。表Ⅰ−9−4に、過去6年間の外部研究資金導入実績を示 す。
表Ⅰ−9−4 外部研究資金導入実績 (千円)
官 企業 民間財団 合計
平成11年度 25,800 31,460 5,630 62,890 平成12年度 39,500 33,360 5,930 78,790 平成13年度 25,200 36,050 2,400 63,650 平成14年度 76,430 38,690 3,180 118,300 平成15年度 92,690 39,540 1,670 133,900 平成16年度 87,566 64,078 3,328 154,972
【点検・評価】
平成13年度に落ち込みがあるものの、全体としては順調に増加してきている。
【長所と問題点】
長所としては、平成14年度以降の導入額が、平成11年度対比で2倍以上に増加しているこ とが挙げられる。なお、教員1名当りの導入額は、平成11年度に約66万円であったものが、
平成16年度には約150万円に到達しており、既に学内配分研究資金を越えている。
問題点としては、学科間で導入実績に大きな違いがあることが挙げられる。例えば、機械系、
建設系の寄与率が高く、一方情報系、教養系の寄与率が低い。さらに、教員間でも導入実績に大 きな違いがある。
【将来の改善改革に向けた方策】
全体として導入額を増やすためには、大学としてさらに研究力を向上させ、学外から見て魅力 あるシーズを育てる必要がある。そのためには学内競争的研究資金の増額やその効率的投入等の 対策が必要と考えられる。さらに、研究負担の大きい教員の教育負担や役職負担等に配慮する必 要がある。将来的には、教員を研究主体の教員と教育主体の教員に分けることにつながるものと 考えられる。
2)特許・技術移転を促進する体制の整備・推進状況
【現状の説明】
特許出願・登録実績を表Ⅰ−9−5に示す。
表9−5 特許出願・登録実績
年度 出願件数 登録件数 平成11年度 1 1 平成12年度 0 0 平成13年度 2 0 平成14年度 2 1 平成15年度 1 1 平成16年度 2 0
【点検・評価】【長所と問題点】
出願実績についてであるが、若干前進の兆しはあるもののまだ数件/(約100名の教員)の レベルであり少ないものと考えられる。
【将来の改善改革に向けた方策】
平成15年度には、昭和41年度に初めて制定・施行された発明規程の内容を大幅に見直し、
新しく制定・施行した。新しい発明規程では、特許報奨金制度を導入する等発明を大切にする環 境作りに力を入れているので、今後特許出願・登録に関しては、量的にも質的にも改善されるも のと期待される。また、技術移転については、早期に規程を制定し体制を整備する必要がある。
3)産学連携に伴う倫理綱領の整備とその実践状況
【現状の説明】
平成12年の産学連携共同研究センターの設立と同時に産学交流倫理基準を制定した。
【点検・評価】【長所と問題点】
自主、公開、平和、誠実の4原則遵守の考えで進めてきたが、現在までのところ確実に守られ ており特に問題はない。
【将来の改善改革に向けた方策】
しばらくは現状の倫理基準で進める。