岡山理科大学紀要第37号Appl71-l78(2001)
DO制御下での活性汚泥の有機物および窒素除去
岸本民也*.長尾_孝**
*岡山理科大学理学部生物化学科
**岡山理科大学自然科学研究所
(2001年11月1日受理)
1.緒甘
活性汚泥法における排水処理の初期の目的は、有機物 を酸化分解し排水中のBOD(生物化学的酸素要求量)を 下げることであった。1900年代になって活性汚泥を各々 嫌気および好気状態に順次することで、排水中のNH4-N 成分が酸化(硝化)および還元(脱勤されN2ガスとな り窒素成分が除去されることがわかった')。また、リン成 分が汚泥中に蓄積されリンを蓄積した汚泥を排出するこ とでリンの除去ができことなども明らかとなってきた2)。
この様な活性汚泥の種々の機能の中で窒素除去法は、活 性汚泥を嫌気.好気に順次繰り返す必要がある。このた めには両DO(溶存酸素)条件に合わせた槽を複数用意 するか、単一槽でも条件に合わせてDOを変化をさせる 必要がある3A)。
_方、活性汚泥フロックを微生物の球体と考えると、
微生物フロック外部は好気状態であるが、微生物の呼吸 や有機物の酸化およびNH4=Nの硝化で酸素が消費され、
フロック内部は嫌気状態となる句。このため微生物フロッ ク外部では有機物の酸化除去とNHTNのNo2-Nおよび Nq-Nへの硝化、続いて微生物フロック内部で脱窒が行 われる。活性汚泥フロックの相当直径が大きいとき、あ るいは液のDO濃度が低い時には酸素が汚泥内部まで浸 透できず、この様な活性汚泥微生物による脱窒反応が進 行する6)。
活性汚泥による有機物・窒素を単一の槽で同時に行わ せる場合、硝化.脱窒は反応槽中の有機物濃度およびDO 濃度に密接に関わる。本研究は有機物と窒素処理を効果 的に行わせる目的で、可能な限りのDOをコントロール し低曝気を行いながらDOや有機物負荷qVM比)など の条件を種々変えて硝化.脱窒の実験を行ったものであ
る。
1-1有機物および■豪除去の問■点
下水中における汚濁物質は殆ど有機物である。有機物 は活性汚泥フロック表面で好気性微生物により酸化分解 される。一方、窒素成分はアンモニア態窒素(NH4FN)
およびタンパク質などの有機態窒素(Org-N)として存 在する。Org-Nは分解してNH4-Nとなる。窒素除去は 硝化および脱窒の2段階で行われるが、二段階の反応過 程を進行させるには次の相受け入れない条件がある。
1、活性汚泥フロック表面での過剰な有機物負荷は硝 化反応を阻害する。
2、活性汚泥内部での脱窒反応は水素供与体としての有機 物が必要であるが、汚泥フロック表面での酸化分解や前 項の硝化を進めるための有機物の低負荷は脱窒を抑制す
る。
3,汚泥フロック表面での効果的な有機物分解や硝化は高 いDO濃度を必要とするが、その結果汚泥フロック内へ の酸素浸透厚さが増大し、汚泥内部の嫌気部分が減少し て脱窒を抑制する。
以上の3点から液中のDOを制御することは、より効果 的な有機物と窒素除去を行う上で重要な要素となる。
2.実験装丘および方法
活性汚泥はT1ablelに示す基質で、タイマーを用い 嫌気・好気を6時間のサイクルで交互に行い、1年以上 馴養した。実験にはMLSS(活性汚泥中の乾燥微生物濃 度)約3000mg/0に調節したものを用いた。実験装 置をFig.1に示す。曝気槽(1)は20ビーカーを用い、
この中に活Mt汚泥混合液を入れスターラー(撹桴子5cm、
172
岸本民也・長尾_孝300rpm)で撹桴した。活性汚泥の曝気はコンプレッサー
にサンプルを採取して全窒素濃度〈PN)、有機物濃度は 全有機炭素(TOC)で測定し、各々のDOにおけるF
NとTOCとの関係を求めた。ここで、PNは全陰窒Tablel汚泥馴寶基質組成 GIucoscO、557~11.509/l NaNO3O250
MgSO40.OO5 Caq20.010 KHzP040.315
素計、TOCはTOC計、No3-NとNo2-Nはイオンク ロマトグラフィーおよびNH4-Nは陽イオンクロマトグ ラフィーを用いて測定した。なお、窒素源として硝化を 目的とした時にはNH4Cl、脱窒を目的としている時には
NaNo3を添加した。液のDOはその濃度を検知して電磁パルプで曝気を
ON・OFFして調節するため、ある程度の幅を持つ。F1g2は液のDO濃度の変化である。実験中のDOは 目的とするDOが高いほどコントロールの幅が大きくな ったが、ある程度以上ではこの幅もほぼ一定となった。
液のDOの値は幅の最高値で示した。また、液のDO濃
度の変化の幅はグルコース濃度に影響されなかった。1:曝気槽2:散気ボール 3:DOコントローラー4:DOセンサー 5:コンプレッサー6:電磁パルプ
7:スターラー
Fig.1実験装置
(5)から空気とボンベから窒素ガスを液のDOに応じ て直径2cmのエアレーションポール(2)に交互に 吹き込みDOを調節した。DOはDOセンサー(4)
とDOコントローラー(3)と電磁パルプ(4)を連動し 0.0~1.2mg/0に調節した。液の温度は20℃一定で ある。pHはHClとNaOHを用いpH6.5~8.5に調 節した。
実験はDOが安定してから基質(glucose、CaCl2、
MgSO4、IGI2PO4)およびNq-Nを添加し、30分毎
3.結果および考察
実験の目的から窒素除去は硝化と脱窒の両反応を同時
に考える必要がある。
DOI、/l】
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-0.0 gIucoBO82.59列、O;0.0mg八 MLSS:3210mg八 9町c08082.59ハ
、O:0.OZCj4nPハ HLSS:3210,泪八 畝uco“32.SM DO3qlO-OZSmgn
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DO:0.10-0.35mg′I MLSS83610mg/I
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glucose35.59'1
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Flg2Doの制御状態
DO制御下での活性汚泥の有機物および窒素除去
173
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T(h)
Fig.3硝化反応の経時変化
の時V・NH4FNは0.68mg/g-IvnJSS.hであった。
有機物がないときは酸素が使用されないので、特にDO の上昇とともに汚泥フロック内に浸透するDO浸透厚さ が大きく、硝化菌の存在する部分が多くなる。F/Mの 上昇と共に硝化速度は減少するが、DOが高い程V・
NH4-Nの減少する幅は大きいものとなりF/M=Oと O70mg-TDC/g-lvLSSでの減少量を比較すると Dひ6.5,5.0,2.0,05mg/0で各V・NH4-Nは0.30, 0.16,0.11および004mg/g-lvⅡSS.hであった。
F/M比の小さい部分では硝化が一層すすみF/M比が大 きくなるに従い有機物の硝化への影響が顕著に現れてく るものと思われる。
有機物量の増加と共に有機物の酸化に用いられる酸素 量が多くなるが、汚泥フロック中に浸透できるDO浸透 厚さは減少する。また、DO浸透厚さに限界があるので 硝化速度は一定となる。その時、酸素濃度が高い程、有 機物量の小さい部分の有機物の酸化は大きく、DO浸透 厚さが大きくなり、硝化に関与する部分が多くなるため と考えられる(特に本実験の場合、DOを調製する方法 は液中の酸素濃度が不足に応じて供給することも影響す る)。ここで硝化および脱窒速度を比較する目的でD+0.3 mg/0での脱窒について示した。この結果、F/Mの増 加と共に脱窒速度は上昇するが、F/M比がO7mg-TDC/
3-1硝化反応
硝化は酸化反応であることから液中のDO濃度と、硝 化菌が独立栄養細菌でもあることから有機物濃度に大き く影響される7)。F1g3はF/M刑mg-TDC/g-IvⅡSSか らDひ06.5mg/0におけるNH4-Nの経時変化の一例 である。NH4-N濃度は比較のため初期値との比で示して いる。DeOOmg/0では酸素の供給がなく硝化反応は 進まず、反対に増加傾向にある。嫌気状態のために好気 性細菌が分解されOrg-NからNH4-Nへの変化してい るものと考えられる。また、DO濃度が上がるにつれて 硝化反応速度は大きくなる。すでにDGO5mg/0で 硝化が行われている。F/M=Omg-TDC/g-IvLSSでは 有機物の酸化のための酸素は不要で、好気性微生物の呼 吸だけに用いられる。このためフロック内部まで酸素が 浸透すると考えられ、低DOでも硝化反応が起こる。こ のように液中の有機物濃度(F/M比)で硝化速度は大き く影響され、特にDOが高くF/M比の小さい部分での DOの影響が顕著である8)。
FYg4はNH4-N減少速度(V・NH4FN)および脱窒
速度(V・T-N)に与えるF/Mの影響をDO別に示し ている。当然、DGOOmg/OではどのF/M比にお いても硝化しない。F/M=Omg-TDC/g-lvLSSにお いてDOの増加と共に硝化速度は上昇し,ひ6.5mg/0□
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岸本民也・長尾_孝
174
ければならない。硝化と脱窒はDO濃度およびF/M比 に関して全く逆の反応となるが、各反応が同時に進行す るのは活性汚泥中に嫌気と好気部分が存在するためであ る。これらの相互関係からDOの最適値を調ぺる目的で 硝化と同じ方法でNo3-Nの脱窒反応について調べた。
FYg5はDO濃度を0.0,0.5、および1.0mg/0に 変化させたときのNo3-N、NO2-N、およびPNの経時 変化を示した。DO=0.0mg/0は一般の嫌気性脱窒の 場合と同じである。すなわち添加したNq-Nは1.0時
間後にはほぼなくなり、反対にNq-Nはピークを示し
た。1時間以後の'PNは全てNo2-Nであり、No2-N は次第に減少した。一方、TOCは嫌気条件下でも微生 物の増殖や脱窒のための水素供与体に利用・処理された。同様にそれぞオTのDO濃度を05,10mg/0に調節し たものについてDO=0.5mg/0ではT-Nはほとん
ど減少しない。しかし、NO3-NはNq-Nへ還元され
た。NO3-NはNo2-Nに比較して酸素との結合力が g-lvmSSより大きい部分では一定となることを確認している。
F/M比の上昇での脱窒速度の増加について、脱窒菌 は従属栄養細菌でありF/M比の上昇とともに水素供与 体が増加し脱窒速度が大きくなる.さらに有機物の酸化 分解で活性汚泥表面での酸素使用量が多くなり、フロッ ク内への酸素が浸透する厚さが減少し、嫌気部分が増加 するためである。
また、有機物が増加しても脱窒速度が一定となるのは、
有機物が汚泥フロック内に浸透できる厚さが限界となる ためと考えられる。ここで本来菌の自己分解で水素供与 体が供給されるためF/M$mg-TOC/g-IvⅡSSでの V・PNはOmg-T-N/g-mSS.hとはならない が、ここでの実験ではそれに近い値となった。硝化速度 に比較して脱窒速度は極めて大きく、窒素除去は硝化が 律速となり、硝化されたNq-NおよびNo2-Nは速やか に脱窒されるからであると考えられる。
1.2
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00.1
FHg4
硝化および脱窒速度に与えるF/M比の影響
3-2HH■反応
排水からの窒素除去プロセスは前述の通り硝化・脱窒 の両反応で達成され、相互関係から最適条件を設定しな
弱く、液中の酸素が比較的高くてもNq-NからNo2-
Nへの反応が進行すると思われる。しかしNO3-Nから No2-Nへの還元も1.5時間後には停止した。これは液
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DO制御下での活性汚泥の有機物および窒素除去
175
合も同様で脱窒反応速度はより遅くなる。
さらにDO=1.0mg/0では、TOCの酸化や微生 物の呼吸に必要な酸素は殆ど曝気で補給され、さらに汚 TDCが減少し、必要となる水素供与体の不足によ
中の
るものと考えられる。
mg/0の場 mg/0ではDO=0.5
また、DO=07
05050505050544332211(ミロE)z‐函。z・z0m。z・z0杵 1000
900 800 700一
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00.511.522.53
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0505050554433221{ミワE)工画。z・z0⑭◎Z
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98
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00.511.522.53
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●NO3-N(mg/|)
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50505050544332211{二口E〉z,“。z・Z‐の。z・Z岸
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Fig.5各DO濃度における窒素成分およびTOCの経時変化
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岸本民也・長尾-孝
176
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Fig.6硝化および脱窒速度とDOの関係
泥フロックの好気部分が多くなり、嫌気部分が少なくな るのでPNNo3-N、NO2-Nは微生物の細胞合成に利 用される程度のゆっくりとした変化を示した。一方、
ToCの処理量はDOが高い程多くなるが、DOが0.2 mg/0以上でも減少し、小さいDO濃度で処理された。
DOの上昇と共に窒素除去量が次第に少なくなり、脱窒 のための水素供与体に利用される量も減少し、ToCの 酸化も限界となるためと考えられる。
N/g-IvLSS.hであった。また、有機物濃度が増え ると硝化速度は下がり、F/M=0.3およびO7g-
TOC/g-MLSSでは大きな差はなく、V・NH4=NはO4
mg-NHTN/g-lUSS.hであった。脱窒はDOが低く有機物濃度が高い程、脱窒速度は 大きくなり、DOの上昇に従い急激にV・T-Nは減少す る。Fig.4でも示したように、脱窒に対する有機物濃度の 影響はF/M=O7g-TDC/g-lvLSS以上(DO=0.3mg/
0)ではV・PNはほぼ一定となるが、そオ1以下の有 機物濃度では急激に脱窒速度は減少する。F/M=O27g- TOC/g-IvLSSより大きい場合でDGO15mg/0で は、V・T-Nは1.O-L2mg-FN/g-IVnSS.hであ った。一方、F/M刑.19-,0C/g-mSSでは同じDO でもV・PN訓.75mg-FN/9-1VⅡSS.hと少し低 い値となった。好気部分の増加と水素供与体の減少によ ると考えられる.
硝化・脱窒の両方から窒素除去を考えると、V・NH4FN はV・PNに比較して極めて小さいため、両反応が同時 に進むDOおよびF/M比について硝化が律速となる。
3-3硝化・脱窒における最適DOおよびF/M 硝化と脱窒反応は関与する菌の性質により最適なDO およびF/Mがある。Fig.6は各F/M比での嫌気にお ける脱窒速度(V・PN)と好気における硝化速度(V・
NH4FN)である。なお硝化速度(V・NH4FN)はFYg4の 値をDOに対してプロットしたもので脱窒との比較の目 的で示した。
硝化についてDOが大きく有機物濃度が小さい程V・
NH4-Nが大きく、F/M刊.Og-TOC/g-IvLSSのとき DG6mg/OでV・NH4-Nは概ねO6mg-NH4-
DO制御下での活性汚泥の有機物および窒素除去
177
例えば、F/M刑.39-mC/g-MISS以上ではDO=1.0 mg/lのときV・NH4-Nは約O2mg-NH4-N/g-
MSS.hでV・′PN=LOmg-TN/g-IvLSS.
hであり、この条件であれば速やかに窒素除去が進むと 考えられる。
TOC:全有機炭素濃度[mg/0]
NH4-N、NO3-N、Nq-N、Org-N、TLN:
アンモニア態、硝酸態、亜硝酸態、有機態窒素 濃度および全窒素濃度[mg/0]
V・TLN:全窒素減少速度(脱窒速度)
[mg-'PN/g-lmJSS.h]
V・NHTN:アンモニア態窒素減少速度
(硝化速度)[mg-NH4-N-N/g-lUSS.h]
桔践
DOを制御することによる活性汚泥の窒素除去につい て、DOおよびF/M比の最適条件を調べた結果次の 知見を得た。
1、活性汚泥による硝化反応はDOとF/Mに大きく 影響され、得にF/Mが小さい部分(O3mg-ToC/g- lvLSS)DOの影響が顕著である。
3DOが比較的小さい部分でも硝化が進行しF/Mが O7mg-TDC/g-lvnJSSのときDG0.5mg/0で硝 化速度(V・NH4FN)は0.2mg/g-IvLSS.hとなっ
た。
3、活性汚泥による脱窒反応においてもDOおよびF/M に強く影響される。DGOmg/0では脱窒が全て行 われるが0.5mg/lのとき、NO3-N→NO2-Nまで の反応であった。
4、活性汚泥による硝化および脱窒が同時に行われる DOは概ね0.2~0.3mg/0程度であると考えられ
る。
参考文献
1)大場ら:下水道協会誌,VOL32,No.36,p、67- 76(1995)
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(1984)
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5)M・Beccarietal.:Wat・Res・VoL26,No.8,
plO99-1104(1992)
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8)AAzimietaL:Wat・Res.,VOL25,No.4,
p41腓423(1991)
使用記号 DO:
MISSI F/M:
溶存酸素濃度[mg/0]
活性汚泥中の乾燥微生物濃度[g/0]
有機物負荷量[mg-IDC/g-MLSS]
岸本民也・長尾-孝
178
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TamiyamSmvIOrO*andKazutalKaNAGAO**
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(ReceivedNovemberl,2001)
Thcsimultaneous1℃movalofolgmicsUbstmteandnitlDgenbyuseofactivabedsludgcwassmdied underDOcontrolnlcremovalHuxofolgmicsubstratewashighmcascofhigllDOconcentlation,
whelBasolganicsUbstlatewasrcmovedevenundcrtmccDOconcentmtion.Inthenitlogenremoval,
thcmtliHcationtookplaccwhcnDOconcentratlonwashi8mandF/Mratiowaslow,andtlle
dcnitriHcationtDokplaccunderrevcrscconditions,dcpcndingonthecharacteristicsofnitliiimgand
denitlifiningbacteliaHoweverthcnitlihcationwasobscrvcdcvcnundcrlowDOCO2mg/1)andthc
nitriHcationratewasO3mgNH4とN/g-MLSSBoththemtlihcationanddcnitrincationwcrenoted
underDOconcentrationof0.2-03mg/1also