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D i g e s t - 1 0 . 0 3 . 2 3 - 日本国際問題研究所

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目次

1.START後継条約...1

2.北朝鮮問題...1

3.イラン核問題...2

4.米国の欧州配備核戦力...2

5.米国の核戦略・政策...2

6.中国の核配備...3

7.非核三原則...3

8.日本の原子力平和利用...3

1.START後継条約

3月13日の米露両大統領によるSTART後継条約に関する電 話会談の結果、条約の大枠で合意に至ったとみられ、ロシア側 は「具体的な署名の日程を考えることができる段階に至った」

と述べた1

3月18日には米露外相会談がモスクワで行われた。条約の最 終的な合意も期待されたが、共同記者会見で、クリントン米国 務長官は「進展があり、近く妥結する」と、またラブロフ露外 相も「条約交渉は最終局面に入っている」と述べるに留まった。

条約交渉の妥結が遅れている要因の一つとみられるミサイル 防衛に関して、ラブロフ露外相は、13日の米露大統領による電 話会談の前、ロシアの核抑止力を脅かすような米国による欧州 へのミサイル防衛配備を認めることはできないと述べていた2。 またロシアのDmitry Rogozin・NATO大使は、ロシアは戦略攻 撃兵器の削減とミサイル防衛の開発をリンクするよう試みてお り、「もし我々の懸念に適切に対応されれば、ミサイル防衛に 関する協力の可能性に向けた、より決然たるステップを取るこ

1 Peter Baker, “Obama and Medvedev Talk about Arms Treaty,”The New York Times, March 13, 2010 <http://www.

nytimes.com/2010/03/14/world/europe/14start.html>, accessed on March 16, 2010.

2 “Russia will not Accept U.S. Threat to Its Nuclear Deterrent—Lavrov,” RIA Novosti, March 10, 2010

<http://en.rian.ru/russia/20100310/158150859.html>, accessed on March 15, 2010.

とができる」と発言していた3。さらに、ロシア議会には、START 後継条約とミサイル防衛との関連性が明記されない限り、条約 の批准に賛成しないという主張もある4

2.北朝鮮問題

北朝鮮が、中距離弾道ミサイル(IRBM)のための独立した 師団を新設したことが確認された。北朝鮮のIRBM「ムスダン」

の射程は2800~4800kmとされ、沖縄やグアムなどの米軍基地 の攻撃に用い得る。IRBM師団の新設は、ミサイルの配備数が 増えたこと、また完全な運用能力に達したことを示していると 分析されている5。なお、北朝鮮の弾道ミサイル戦力に関しては、

韓国の金泰栄国防相が、「ノドン」や「スカッド」などの短・中 短距離弾道ミサイルを1000基以上保有していると発言した6

***

国際危機グループ(ICG)は、3月15日に発表した報告書で、

北朝鮮が国際的な制裁強化や同国による誤った政策選択などに よって動揺しており、北朝鮮指導部の突然の亀裂の可能性も、

低いであろうが皆無ではないとした(そうした兆候は権力闘争 やクーデター、政権崩壊などが明らかになるまで、外部からは 観測できない)。また、バランス・オブ・パワーは北朝鮮に不利 にシフトしており、北朝鮮指導部が戦争の開始を決断すること はないだろうが、ハードカレンシーの獲得に必死になっており、

外貨獲得の源が消える中で、政権が生き残りのために、拡散活 動に手を染める可能性もあると指摘している7

3 “Russia Cautious on Missile Defense Cooperation with West,”RIA Novosti, March 11, 2010 <http://en.rian.ru/russia/

20100311/158163133.html>, accessed on March 15, 2010.

4 『毎日新聞』2010年3月19日。

5 Bruce Klingner, “New North Korean Missile Unit Reflects Growing Missile Threat,” WebMemo, The Heritage Foundation, no.2831 (March 11, 2010).

6 『時事通信』2010年3月17日。

7 “North Korea under Tightening Sanctions,”Asia Briefing, International Crisis Group, no.101 (15 March 2010).

財団法人日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター

軍縮・不拡散問題ダイジェスト

Vol.1, No.7(2010年3月23日)

主任研究員 戸 﨑 洋 史

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3.イラン核問題

イラン核問題に関する安保理での新しい制裁決議の採択に向 けた動きが続いている。

Alexander Stubbフィンランド外相は3月13日、安保理決議の 採択に失敗した場合でも、EU内には単独でイランに制裁を課 すとのコンセンサスがあると発言した8。また、Bernard

Kouchner仏外相は同日、制裁決議は6月より前に採択される可

能性はあるが、確実ではないとの見通しを示した9

中国は、依然として従来の主張を変えておらず、Yang Jiechi 外相は3月16日のミリバンド英外相との会談でも、イラン核問 題に対する懸念は高まっているとしつつ、制裁では問題を根本 的に解決することはできず、平和的交渉を通じて解決すべきだ と述べた10

その中国は、最終的には制裁決議の採択には反対しないであ ろうが、議論を引き延ばすとともに、制裁の内容をできるだけ 弱めようとする―中国企業が大きな取引を行っている革命 防衛隊参加の組織・企業に対する制裁の拒否など―と見られ ている。また中国は、イラン、ならびにイラン核問題に対する 脅威認識を強めるペルシャ湾岸諸国の双方から、制裁との関連 で働きかけを受けており、米国もイラン産石油への中国の依存 度を下げるために湾岸諸国に中国への石油輸出を増やすよう促 しているとされる11

米露間も、当然ながら一枚岩ではない。上述した3月18日の 米露外相会談後の共同記者会見では、クリントン国務長官は、

「イランに対して明確なメッセージを送るため、現時点でいか なるプロジェクトも前に進めるのは時期尚早だ」として、ロシ アが支援するイランのブシェール原発を今年夏に稼動させると するロシアの方針を批判した。これに対してラブロフ外相は、

「計画は完了するだろう」と明言した12

8 “EU Could Impose Sanctions on Iran: Finland's Stubb,”

Reuter, March 13, 2010 <http://www.reuters.com/article/

idUSTRE62C17D20100313>, accessed on March 16, 2010.

9 “U.N. Iran Sanctions May Take until June: Kouchner,”

Reuters, March 14, 2010 <http://www.reuters.com/article/

idUSTRE62D0OK20100314>, accessed on March 16, 2010.

10“China More Concerned about Iran, Wary on Sanctions,”

Reuters, March 16, 2010 <http://www.reuters.com/article/

idUSTOE62F04O20100316>, accessed on March 17, 2010.

11 Stephanie T. Kleine-Ahlbrandt, “Why China Drags Its Feet on UN Sanctions against Iran,”The Christian Science Monitor, 11 March 2010 <http://www.crisisgroup.org/home/

index.cfm?id=6581>, accessed on March 17, 2010.

12Mark Landler, “Iran Dispute Becomes Focus of Clinton’s

こうしたなかで、研究炉用ウラン(濃縮度20%)とイランの 低濃縮ウラン(3~5%)1.2トンのイラン国外での交換に関する IAEA提案に対して、イランのサレヒ副大統領兼原子力庁長官 は、イラン国内で同時に交換する方法であれば、IAEA案の通 りに1.2トンを一度に輸送する用意があると発言した13

またDavid H. Petraeus米中央軍司令官は、3月16日の米上院 軍事委員会公聴会で、イランの核兵器開発のペースは遅れてお

り、2010年中に核兵器を取得することはないであろうとの見方

を示した。

4.米国の欧州配備核戦力

米国の欧州配備核戦力の撤去に関するドイツ等の提案につい て、米国のダールダーNATO大使は、オバマ政権下で策定中の 核態勢見直し(NPR)では、いかなるオプションをも排除する ような決定はなされないだろうと述べ、米国がこの問題で早期 に決定を下すことはせず、NATO内での協議を優先しているこ とを示唆した14

米ヘリテージ財団のMcNamaraとSpringは、米国による欧州 配備核兵器の撤去は、大西洋間の安全保障を分かつことができ るとのメッセージを送るものとなり、さらにロシアに対しても

「特権的利益圏」(sphere of privileged interest)追求の白紙小 切手を与えるものにもなり得るとして批判している15

5.米国の核戦略・政策

3月16日、米国防総省のミラー筆頭国防副次官補は米下院軍

事委員会戦略小委員会の公聴会で、策定中の「核態勢見直し」

Russia Trip,” The New York Times, March 18, 2010

<http://www.nytimes.com/2010/03/19/world/europe/19diplo.h tml>, accessed on March 19, 2010.

13『共同通信』2010年3月17日; “Iran Ready for Nuclear Fuel Exchange Inside Country,” Malaysian Mirror, March 17, 2010 <http://www.malaysianmirror.com/foreigndetail/10- foreign/34079-iran-ready-for-nuclear-fuel-exchange-inside-co untry>, accessed on March 19, 2010.

14 “US Cautious on Removing Nuclear Arms from Europe,”

The New York Times, March 15, 2010 <http://www.nytimes.

com/aponline/2010/03/15/us/politics/AP-US-Nuclear-Weapon s-Europe.html>, accessed on March 16, 2010.

15 Sally McNamara and Baker Spring, “President Obama Must Not Remove Nuclear Weapons from Europe,” Web Memo, The Heritage Foundation, March 4, 2010

<http://www.heritage.org/Research/Reports/2010/03/Preside nt-Obama-Must-Not-Remove-Nuclear-Weapons-from-Europ e>, accessed on March 17, 2010.

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(NPR)に関して、「核兵器のない世界」の究極的な目標とと もに核兵器の役割および数を削減するための具体的なステップ を提供すること、ならびに核兵器が存在する限りsafe, secure and effectiveな核戦力を維持すること、ならびに同盟国および パートナーへの保証および抑止を強化することを重要な目的と していると述べた。また新しいNPRの下でも、「核の三本柱」

(ICBM、SLBM、戦略爆撃機)の維持が明記されることを明

らかにした16

米国の核戦力に関しては、米国の核安全保障局(NNSA)が

2011~15年に、B-61核爆弾の近代化―B-61の既存の5つのモ

デルを2つのモデル(B-61 Mod 11(地中貫通型核爆弾)および 多目的のMod 12)に転換―を進めるため、20億ドル近くの 予算の割り当てを検討していると伝えられた。近代化計画は、

現在のところ承認されていないとされる17

6.中国の核配備

米国のシンクタンク「プロジェクト2049研究所」が、中国の 核兵器の管理・配備の状況に関する報告書を発表した。主要な 論点は下記の通り。

 中国共産党中央軍事委員会(CMC)は、中国の核弾頭 に対する厳格な管理を維持しており、核弾頭は平時には 第二砲兵師団のミサイル基地とは別の場所に置かれて いる18

 核弾頭ストックパイルが大幅に増加していないにもか かわらず、弾道ミサイル・インフラは拡大しており、こ のことは第二砲兵師団の通常攻撃ミッションが拡大し ていることを示唆している19

 中国の核兵器・弾道ミサイル基地、関連施設は、敵の攻 撃に耐えうるよう、山中などに建設されている20

16 James N. Miller, “Statement,” Before the House of Representatives, Committee on Armed Services, Subcommittee on Strategic Forces, March 16, 2010.

17 Otfried Nassauer, “The Nuclear Arsenal in Europe:

Washington Mulls Modernization of Aging Bombs,” Spiegel Online, March 15, 2010 <http://www.spiegel.de/

international/germany/0,1518,683682,00.html>, accessed on March 17, 2010.

18Mark A. Stocks, “China’s Nuclear Warhead Storage and Handling System,” Project 2049 Institute, March 12, 2010, p.2.

19Ibid., pp.2-3.

20Ibid., pp.3-10.

7.非核三原則

岡田外務大臣は、3月17日の衆議院外務委員会で、「鳩山内 閣は非核三原則を堅持する」と強調しつつ、「緊急事態が発生 して、核持ち込み、一時的寄港を認めないと日本の安全が守れ ないという事態が発生したとすれば、その時に政権が命運をか けて決断し、国民に説明するということだ」、「日本国民の安 全が危機的状況になったとき、原理原則をあくまで守るのか、

例外を作るのかはその時の政権が判断すべきことで、今、将来 にわたって縛ることはできない」と答弁した21。鳩山政権が非 核三原則を維持するとの立場については、同日、平野官房長官 が記者会見でも強調した22

8.日本の原子力平和利用

電気事業連合会は、3月15日に、プルトニウム保有量(2009 年末時点)23と、六ヶ所再処理工場で回収されたプルトニウム の利用計画24を公表した。昨年末時点で、日本のプルトニウム 保有量は27.8トンとなっている。

21『読売新聞』2010年3月17日。

22『時事通信』2010年3月17日。

23電気事業連合会「プルトニウム所有量(平成21年末時点)」 2010年3月15日<http://www.fepc.or.jp/about_us/pr/sonota/

__icsFiles/afieldfile/2010/03/15/0315_shiryo2.pdf>、2010年3 月19日アクセス。

24電気事業連合会「六ヶ所再処理工場回収プルトニウム利用計 画(平成22年度)」2010年3月15日<http://www.fepc.or.jp/

about_us/pr/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/03/15/shiryo1_0 315.pdf>、2010年3月19日アクセス。

(財)日本国際問題研究所

軍縮・不拡散促進センター

〒100-6011

東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 霞が関ビル11階 TEL:03-3503-7558 FAX:03-3503-7559 Homepage:http://www.cpdnp.jp/

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