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EDLC を用いた独立型太陽光発電システムにおける蓄電手法の一検討

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成25年度)

テーマ4 小課題番号4.2

EDLC を用いた独立型太陽光発電システムにおける蓄電手法の一検討

キーワード(独立型太陽光発電,二次電池,EDLC) 米盛弘信 荒井純一**

小林 幹***

1.はじめに

近年,地球温暖化な どの環 境問題が社会的に意識 されている。それに伴い, 化石燃料などを使わずに 発電できる自然エネルギー を利用した発電設備が増 加1)している。なかでも太陽光発電(Photo-Voltaic:

PV)システムが注目されている。PV システムには

大きく分けて系統連系型と独立型の2タイプがある。

系統連系型は,一般的に太 陽光からの日射を受けて いる時間帯に発電を行い, 余剰電力(消費電力より も上回る発電量)があれば 電力会社に売ることがで きる。独立型は,太陽光パ ネルから発電した電力を 二次電池に蓄電することで 夜間などの日射の当たら ない時間帯でも電力の供給 を行うことができる。し たがって,独立型は災害時 などの系統が寸断された 場合でも非常用電源として有効に使える。

しかし, PV システムにも様々な改善すべき課題 がある。太陽光発電は,太 陽からの日射量によって 発電量が変化するため,雲 などの天候による影響が 大きく,条件によっては電 力回収が全くできない場 合がある。電力変換装置( インバータ)を使用する 場合は,インバータの変換 可能電圧に到達しなけれ ば電力を扱えない。一方, 電力変換装置を使用せず 二次電池に充電する際,太 陽光パネルの発電電圧が 二次電池の充電電圧に達し ていなければ充電が不可 能である。また,二次電池 への蓄電ではバッテリの 充放電回数増加がすること で性能が著しく低下して しまう。したがって,天候 によって太陽光パネルの 出力電力が不安定になる PV システムへ二次電池を 直接利用することに問題点 を指摘 できる。現在,こ れらの課題に対する解決方法が求められている。

本研究の目的は,独立型 PV システムの課題であ る二次電池の充放電回数が 増加することによる性能 低下を低減し,システムを 長期にわたって安定運用 することである。さらに鉛 蓄電池で今まで回収でき なかった電力を回収し,積 算発電量を向上させる。

そこで,二次電池と等価交 換できるものとして注目 さ れ て い る 電 気 二 重 層 コ ン デ ン サ (Electric Double

Layer Capacitor : EDLC) に 着 目 し た 。 筆 者 ら は , EDLC を用いて二次電池の 負担を軽減できる充電シ ステムを構築することが最終目的である。

本報告では,先の研究 2)で 提案した充電方式の改 善を行うために鉛蓄電池の 劣化を抑える電流制限回 路を導入する。そして,電 流制限回路を追加した際 の評価・検討を行う。

2.EDLCによる蓄電部の 改善

表1に蓄電部として用いられる鉛蓄電池と近年需 要が拡大しているEDLCの 特徴比較を示す。鉛蓄電 池 の 充 放 電 回 数 は , 約 300 回 で あ る の に 対 し て , EDLCは10万回以上の充放 電が可能である。したが って,蓄電部にEDLCを採 用することは,独立型PV システムを安定的かつ長期 運用する際の重要な選択 肢といえる。しかし,エネ ルギー密度の点でみると EDLCは鉛蓄電池と比べ約1/10倍と低いため大電力 には不向きである。すなわ ち,鉛蓄電池との併用,

もしくは小電力用途の際に 大きなメリットがあると 考えられる。

3.提案するシステム

EDLCを用いた蓄電部の改 善として文献 4などが 報告されており,補助蓄電部にEDLCが使用されて いる。本研究では,EDLC を主蓄電部として使用し ており,蓄電状態でEDLCに鉛蓄電池を接続するこ とが特徴である。図 1に本研究で構築した独立型PV システムの概要を示す。屋上には実験用の PV モジ * :サレジオ工業高等専門学校機械電子工学科,**:工学院大学工学部電気システム工学科

***:工学院大学 名誉教授

表1 EDLCと鉛蓄電池の 比較3)

EDLC 鉛蓄電池

電極材料 活性炭 PbO2,Pb 電解液 有機溶媒 水溶液 蓄電方法 化学反応なし 化学反応あり 充放電回数 10万回以上 約300回

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成25年度)

テーマ4 小課題番号4.2 ュールと全天日射計を設置した。PVモジュールは,

YMT社製 “MSP15W12V”( 出力15W),全天日射計 は英弘電機社製“MS-602”を 使用した。屋内の制御盤 にある充電コントローラ(MPPT)は Well See社製

“SS-MPPT-15L” , 電 流 セ ン サ は U_RD 社 製

“HCS-20-10-AP”を使用した 。蓄電部は,神戸電機社 製の鉛蓄電池(12V-11Ah) を 1個,EDLCはニチコ ン社製“EverCAP” (2.5V-1000F)を24個(6直列4 並列接続)使用する。負荷は,巻線抵抗 4Ω とし,

放電電流は 3A とした。MPPT と負荷の間について いるタイマを用いて,夜間(19:30~3:00)の発電 しない時間帯に放電をする ように設定する。また,

HIOKI社製“MEMORY HiLOGGER 8430”を使用して 電圧,電流,日射量をロギングする。

本報告では,先に提案したEDLCと鉛 蓄電池を図 2 に示す自作の切り替え回 路によって接続する方式

(以下,提案法と称す)と 鉛蓄電池単体(以下,従 来法と称す)の充放電特性の比較し,EDLC と併用 することで有効性を検討する。

Power Storage Load Timer MPPT

PV

図1 システム概要

51kΩ

3.6kΩ 10kΩ

15V 15V

EDLCの電圧

Pb Battery EDLC

100Ω

MPPT

図2 切り替え回路

3.1 蓄電部の改善案

図3に示すように提案法 はEDLCと鉛蓄電池 を条 件によって接続を切り替え ることで鉛蓄電池の性能 低 下 を 低 減 す る こ と を 目 的 と し た 方 式 で あ る 。 図

3(a)の場合は EDLC を主要 蓄電部とし,鉛蓄電池は

接続していない状態とする。EDLC が満充電になっ たときに図3(b)のように鉛 蓄電池とEDLCを接続し てEDLCから鉛蓄電池へ電 力を供給する。

MPPT

Battery Timer

EDLC

PV

Load

Power Storage

Switching Circuit

(a) EDLCが満充電でないと き

MPPT

Battery Timer

EDLC

PV

Load

Power Storage

Switching Circuit

(b) EDLCが満充電のとき

図3 システム改善案

3.2 システム切り替え条 件

図4にシステムの切り替えフローを示す。提案す る蓄電部の改善案は,図2の自作した切り替え回路 によりEDLCと鉛蓄電池を 切り替えてエネルギー回 収するシステムである。切 り替え条件は,以下のと おりである。

(3)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成25年度)

テーマ4 小課題番号4.2

① EDLC を基本蓄電部として 充電。このとき,鉛 蓄電池はEDLCと接続しな い 。

② の状態でEDLCの電圧を測 定し,満充電のとき に鉛蓄電池を並列接続して充電。

③ の状態で負荷に接続したEDLCの電圧が11V未 満のときに鉛蓄電池とEDLCを切り離して①の 状態に戻る。

以上のように鉛蓄電池の使 用頻度を下げることで 性能低下の改善を期待する。

Start

EDLC電圧

  EDLC とバッテリ 切り離し EDLC とバッテリ

並列接続 EDLC のみ接続

EDLC 電圧

充電完了(14V)

電圧維持

(14V~11V)

充電未完了 (14V未満)

電圧低下

(11V未満)

図4 EDLCと鉛蓄電池の 切り替えフロー

4.提案法の改善

先の研究で提案したシステム 2)は,EDLC と鉛蓄 電池を切り替え回路で接続 し,エネルギー回収を増 強するシステムである。表 2に従来法と提案法を 3 ヶ月間動作させたときの鉛 蓄電池の内部抵抗を示す。

表 2 を見ると提案法の鉛蓄 電池の方が約 3mΩ内部 抵抗が高いことがわかる。これは,EDLC と鉛蓄電 池を接続したときに過渡な 充電電流が流れるため,

長期運用した際,鉛蓄電池 に過負荷がかかり劣化し たと考察できる。そこで,電流制限が可能な DC-DC

コンバータ回路を追加することでEDLCから鉛蓄電 池に流れる電流を制御する 。電流制限をかけること で鉛蓄電池の負担を軽減し ,劣化が抑えられると考 えられる。ここで,導入す る電流制限回路の性能を 評価する必要がある。本報 告で用いる電流制限回路 は 株 式 会 社 日 新 テ ク ニ カ 製 “LM2596 Buck Converter”である。

表2 従来法と提案法の鉛蓄電池の内部抵抗

鉛蓄電池の内部抵抗 [mΩ]

従来法 提案法

初期値 28.50 28.30

3ヶ月後 33.44 36.95

4.1 実験方法

電流制限回路の有無を比 較するために実験を行う。

図5に実験用の充電システムを示す。ここでは,簡 単化のために PV モジュールを直流安定化電源で模 擬 し た 。 直 流 安 定 化 電 源 は ,KIKUSUI 社 製

“PWR400R” を 使 用 し た 。 蓄 電 部 は ,EDLC

(2.5V-1000F) を 6 直 列 接 続 し た も の と 鉛 蓄 電 池

(12V-11Ah)1個を切り替 え回路 1により並列接続 できるものを使用する。以 上の条件で蓄電部の電圧 と 蓄 電 部 に 流 れ る 電 流 を HIOKI 社 製 の デ ー タ ロ ガ ー で 測 定 す る 。 本 実 験 で は , 直 流 安 定 化 電 源 か ら EDLCに充 電する。直流安 定化電源を14Vに設定し てEDLCを満充電にする。切り替え回路1を用いて 満充電の状態のEDLCを鉛 蓄電池と並列接続された 状態にする。蓄電部内(EDLC と 鉛蓄電池)の充放 電特性を測定することで電 流制限回路の評価を行う。

Battery +

+ +

EDLC

Current Limiting

Circuit

Current Censer

Current Censer

DC Regulated

Power Supply

Switching Circuit 1

Switching Circuit 2

+

図5 充放電制御システムの構成

(4)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成25年度)

テーマ4 小課題番号4.2 4.2 実験結果

図6に電流制限回路の有無による充放電特性を示 す。図6 (a)より,切り替え 直後にEDLCから鉛蓄電 池に過渡的な電力を供給し ていることがわかる。こ れは切り替えした際に過大 な電流が鉛蓄電池に流れ るためである。一方,図 6(b)は切り替え直後からほ ぼ一定の電力で鉛蓄電池に 電力供給しているため,

過渡な電流を抑制できてい ることがわかる。また,

双方の鉛蓄電池における充 電電力を比較したところ 電流制限回路なしでは約 1.42 Wh,電流 制限回路あ りでは約1.41Whである。EDLCの放電電力と鉛蓄電 池の充電電力から変換効率を算出したところ90%以 上であり,電流制限回路に よる損失がほとんどない ことがわかる。したがって ,電流制限回路を導入す ることで鉛蓄電池の負担軽減が期待でき,独立型PV システムの長期運用にも有効であると考えられる。

5.まとめ

本報告では,先の研究で提 案した充電方式 を改善 するため,鉛蓄電池の劣化 を抑える電流制限回路を 導入した充電システムの評 価・検討を行った。その 結果,EDLC から鉛蓄電池 への充電時に起こる過渡 的な電流を制限することが 可能であることを示した。

今後は,本報告で提案した 電流制限回路を付加し たシステムを長期運用した 際の発電データと蓄電部 の劣化具合を測定すること でシステムの有効性を検 討する予定である。

謝 辞

本 研 究 は,文 部 科学 省 私立 大 学戦 略 的 研 究基 盤 形成 支 援 事 業 に よ り実 施 して い る。関 係各 位 に 感 謝致 し ます 。また , 独 立 型 太 陽 光 発 電 の 実 験 に 協 力 い た だ い て い る サ レ ジ オ 工 業 高 等 専門 学 校 専 攻 科 佐藤 雅 史 君 に感 謝 い た し ま す 。

参 考 文 献

1) エ リ ッ ク ・ マ ー テ ィ ノ ー 他 ,「 自 然 エ ネ ル ギ ー 白 書 2011 要 約 版 Renewables 2011 Global Status Report」,

(2011)

2) 佐 藤 雅 史, 米 盛 弘信 , 小林 幹 :「 独 立 型PVシ ス テ ム に お け る 蓄 電 方 法 の 改 善 に 関 す る 検 討 」,2012 年 ( 第 30回 )電 気 設備 学 会全 国 大 会講 演 論 文 集,pp.345-346,

(2012)

3) 西 野 敦,直 井勝 彦 ,「 電 気化学 キ ャ パ シタ の 開発 と 応 用 Ⅱ 」, シー エ ムシ ー 出 版,pp.28,(2007)

4) 川 口 博 嗣 , 黒 川 浩 助 , 野 崎 洋 介 「 電 気 二 重 層 キ ャ パ シ タ を 組 み 込ん だ 独立 型 太陽 光発 電 シ ス テム 」,電 気学 会 電 力 ・ エ ネル ギ ー部 門 大会 ,(2000)

(a) 電流制限回路なし

(b) 電流制限回路あり

図6 電流制限の有無による充放電特性の比較

Referensi

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