Ⅰ 国際関係
03・01 中曽根弘文外相が温家宝中国首相と会談(北京)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝 鮮)のミサイル発射準備の表明について「人工衛星」でも国連決議に違反すると表明、
9日、朝鮮人民軍参謀部は発射に対する日米韓の迎撃行為には「報復戦を開始」との声 明発表、12日、北朝鮮が国際民間航空機関(ICAO)などに「人工衛星ロケット」打ち上 げに必要な資料提出と発表、26日、北朝鮮が打ち上げを国連安保理に提起すれば核開発 再開で対抗する構え表明、27日、日米韓が3ヵ国会合で打ち上げが北朝鮮の弾道ミサイ ル関連活動を禁じた2006年の安保理決議1718に違反するとの認識で一致(ワシントン)
EU臨時首脳会議が世界的な経済危機への対応について欧州全体の通貨安定の強化、各 国間の協調を重視した自動車産業の救済などを確認(ブリュッセル)
02 イスラエル軍の攻撃で破壊されたパレスチナ自治区ガザの復興支援国際会議で日米欧な どが44億8100万ドル(約4360億円)の拠出表明(シャルムエルシェイク〔エジプト〕)
ラブロフ = ロシア外相が2009年12月に失効する米国との第1次戦略兵器削減条約
(START 1)に代わる新たな核軍縮条約では核弾頭数だけでなくミサイルなど戦略核の 運搬手段の数も制限すべきだとの考えを表明
03 IMFがインドやパキスタン、アフリカなどの低所得国は世界金融危機の打撃により2009 年に少なくとも合計250億ドル(約2兆4000億円)、最悪の場合は1380億ドルの追加資 金が必要になると試算した報告書を発表
04 国際刑事裁判所(ICC、ハーグ)がスーダン西部のダルフール紛争をめぐり戦争犯罪と 人道に対する罪などでバシル = スーダン大統領への逮捕状を発付、スーダンは拒否
05 NATO外相理事会が東欧での米ミサイル防衛(MD)計画やグルジア紛争をめぐり悪化
した対ロシア関係の正常化で一致(ブリュッセル)
06 クリントン米国務長官とラブロフ外相が会談(ジュネーブ)、START 1に代わる新たな 核軍縮条約について2009年内の合意を目指す方針で一致
11 国際捕鯨委員会(IWC)中間会合が日本の沿岸捕鯨の本格再開と調査捕鯨の縮小・廃止 を盛り込んだ作業部会の妥協案を協議、最終調整続行で合意し閉幕(←9日、ローマ)
国連経済社会局が世界人口が発展途展途上国の人口増などで2012年の早い時期に70億 人を超え2050年には90億人を突破するとの推計値を発表
14 20ヵ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が世界経済の成長回復のため財政出 動などを続け政策協調を進めていくことを確認した共同声明を採択(ホーシャム〔英国〕) 15 OPECが定例総会で目標生産量の引き下げを伴う本格的な追加減産の見送りを決定(ウ
ィーン)
17 ウッド米国務省報道官代行が北朝鮮が米国の食糧支援を今後は受け取らないと米国側に 通告してきたと発表
19 IMFが3月時点の世界経済見通しを公表、日本の2009年の実質成長率を前年比5.8%減と
Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別 2009年3月1日−31日
本蔵 一茂・吉田 昌樹 編 和田 真人 (共同通信)
し1月末時点の予測(2.6%減)から3.2ポイントの大幅下方修正、2009年の世界全体の 成長率も0.5―1.0%減とし1月末予想の0.5%増からマイナス成長へ修正
22 第5回世界水フォーラムが「安全な飲料水や衛生環境の確保は人間の基本的な要求」と の声明を採択し閉幕(←16日、イスタンブール)
23 WTOが2009年の世界の輸出が前年比9%減と金融危機による需要の減退で戦後最大の落
ち込みになるとの予測を発表
24 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が2008年に世界25 ヵ国で少なくとも2390人の死刑が執行されたとする報告書を発表
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が2008年に難民申請した人数が前年比12%増の38
万2700人と2年連続で増加と発表、アフガニスタン、ソマリアの人道状況の悪化が主因
ILOが日本で失業保険の給付を受けてない失業者の割合は77%で先進国のなかで最悪の 水準であるとの報告書を発表、米国は57%、ドイツやフランスは10%台
26 IAEA事務局長の後任選挙で立候補した天野之弥ウィーン国際機関代表部大使とミンテ
ィ南アフリカIAEA担当大使は有効得票を得られず27日の投票でも有効得票に達せず2 人とも落選、30日、立候補受け付けをあらためて開始
WTOが金融・経済危機を背景に2008年秋以降に日本を含む23ヵ国・地域が約80の貿易 制限などの措置をとったとする報告書を発表、日本はコンニャクイモの輸入が急増し緊 急輸入制限(セーフガード)の発動基準を上回り自動発動
27 ロシア、中国と中央アジア4ヵ国でつくる上海協力機構(SCO)の主導によりアフガニ スタン情勢を話し合う国際会議開催(モスクワ)
30 アラブ連盟首脳会議がICCが逮捕状を出したスーダンのバシル大統領を支持する宣言採択 31 世界銀行が3月時点の世界経済見通しを発表、2009年の世界全体の経済成長率が前年比
1.7%減と戦後初めてマイナス成長になると予想
日米など約70ヵ国と国連、NATOなどがアフガニスタン安定化に向け閣僚級会議開催
(ハーグ)、オバマ米政権の新包括戦略に呼応し支援拡大の方針を表明し閉会
Ⅱ 日本関係
03・03 東京地方検察庁特捜部が西松建設から違法な企業献金を受け取ったなどとして政治 資金規正法違反の疑いで小沢一郎民主党代表の公設秘書の大久保隆規容疑者ら3人を逮 捕、24日、同法違反の罪で同容疑者と西松建設前社長を起訴、小沢代表が党役員会と常 任幹事会で起訴されたことを陳謝し政権交代実現に向け代表を続けたいと表明し了承 04 定額給付金の財源を確保する2008年度第2次補正予算関連法が衆議院本会議で再可決、
成立、自民党の小泉純一郎元首相は欠席
国際協力機構(JICA)がイラク北部のクルド人自治区に同国内で初めて事務所を開設 05 財務省が発表した2008年10―12月期の邦人企業統計によると製造業の経常利益は前年
同期比94.3%減の3976億円で比較可能な1955年4―6月期以降で最大の下げ幅を記録、
輸送用機械と情報通信機械の輸出不振が主因
09 財務省が発表した1月の国際収支速報によると経常収支が1728億円の赤字、世界的な景 気悪化で自動車や半導体などの輸出が大幅に落ち込んだのが主因で赤字は13年ぶり 11 日銀が2月の国内企業物価指数(2005年=100、速報)を発表、前年同月比1.1%の下落、
下落率は5年8ヵ月ぶりの大きさ
12 日本政府が北朝鮮のミサイル発射について4月4日から8日までの日本海側への発射計画 を確認、19日、麻生太郎首相が発射の場合は単独追加経済制裁を検討する考えを表明、
27日、浜田靖一防衛相が自衛隊に日本領域内に落下する場合に備えミサイル防衛(MD)
システムによる初の破壊措置を命令
内閣府が2008年10―12月期のGDP(季節調整値)改定値を発表、実質で前期(7―9月 期)比3.2%減、年率換算で12.1%減となり戦後2番目のマイナス幅
13 浜田靖一防衛相がソマリア沖海賊対策で海上自衛隊の護衛艦を派遣するため自衛隊法に 基づく海上警備行動を発令、14日、海上自衛隊護衛艦2隻が出港
15 与謝野馨財務相がG20の財務相・中央銀行総裁会議でアジアの民間企業による環境関連 事業を後押しするため50億ドル(約4900億円)規模の新たな支援制度を創設と表明 18 広島で被爆した23人が起こした原爆症認定訴訟で広島地方裁判所が5人を原爆症と認定、
うち3人について国に計99万円の賠償を命令、一連の訴訟で国家賠償の認定は初めて 23 成田空港で米貨物大手フェデックスの貨物機MD11が着陸に失敗し炎上、乗員2人が死
亡、同空港での航空機死亡事故は開港以来初めて
国土交通省が1月1日時点の公示地価を発表、商業地、住宅地の全国平均がともに3年ぶ りにマイナスに、東京、大阪、名古屋の三大都市圏に上昇地点はなし
野球の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で日本が韓国を5―3 で破り2連覇を達成(ロサンゼルス)
27 当初予算として過去最大の総額88兆5480億円に上る2009年度予算案が参院本会議で 野党の反対で否決、その後両院協議会を経て衆院の優越を定めた憲法規定に基づき成立 29 千葉県知事選で森田健作元衆院議員が民主党など推薦の新人らを破り初当選
Ⅲ 地域別
●アジア・大洋州
03・01 ASEAN首脳会議が世界的な経済危機を克服するため域内の連携強化と東アジア地
域などとの経済協力の拡大で一致して閉幕(←2月28日、フアヒン〔タイ〕)
04 中国の2009年度予算案の国防費が前年度実績比14.9%増の約4806億元(約6兆9000億 円)に、21年連続で2桁の伸び率
05 中国の全国人民代表大会(全人代)開幕(→13日、北京)、温家宝首相が2009年は「経 済発展に最も困難な1年」と述べ積極財政による8%のGDP成長を目指す決意を表明 06 中国国家統計局が2008年に中国の国民1人当たりのGDPが経済発展の節目とされる3000
ドル(約29万円)を超えたと発表
スリランカ北部ムライティブ周辺で政府軍と反政府武装組織タミル・イーラム解放のト ラ(LTTE)の激しい戦闘が発生(→7日)、LTTEメンバー100人以上が死亡、10日、同 国南部マタラ県の集会でLTTEによるとみられる自爆テロがあり少なくとも14人が死亡、
閣僚3人を含む46人が負傷
08 北朝鮮で最高人民会議の第12期代議員選挙実施、9日、中央選挙委員会が金正日総書記 をはじめ687人が100%の賛成票を得て当選したと発表
10 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が「チベット動乱」から50年で声明を発表、
「高度の自治」を求める対中穏健路線「中道のアプローチ」の継続を表明
11 北朝鮮に拉致された田口八重子さんの長男と実兄が大韓航空爆破事件の実行犯で田口さ んから日本語を学んだ金賢姫元北朝鮮工作員と面会(釜山)
13 温家宝首相がすでに表明している4兆元(約57兆円)の景気対策に加え新たな景気対策 の準備を表明、8%の経済成長の達成に自信示す(北京)
17 金英逸北朝鮮首相が中国を公式訪問(→21日)、18日、温家宝首相と会談(北京)、温 首相が6ヵ国協議の早期再開を金首相に促す
20 梁光烈中国国防相が中国国防当局トップとして初めて空母建造の意思を明確に表明 22 中国青海省ゴログ・チベット族自治州で21日に約100人のチベット仏教僧侶を含む数百
人の市民らが警察署を襲撃したと新華社が報道
23 韓国検察当局が盧武鉉前大統領の有力後援者から不正資金を受け取ったとして李明博大 統領側近の元大統領広報企画秘書官を逮捕
26 マレーシア最大与党の統一マレー国民組織が党大会でアブドラ首相に替わる党総裁にナ ジブ副首相を無投票で選出(クアラルンプール)
27 パキスタン北西部の部族地域カイバル地区ジャムルードのモスク(イスラム教礼拝所)
で自爆テロがあり住民ら少なくとも70人が死亡、100人以上が負傷
30 パキスタン東部ラホール近郊の警察訓練施設を武装した男らが襲撃、警官ら22人が死 亡、100人以上が負傷
●中近東・アフリカ
03・02 ギニアビサウ軍兵士が首都ビサウの大統領公邸でビエイラ大統領を射殺、3 日、ペ レイラ国会議長が暫定大統領に就任
03 クリントン米国務長官が訪問先のイスラエルでの記者会見で対立関係にあるシリアに米 高官 2 人を派遣し「予備的な対話を始める」と表明
06 イスラム教シーア派国家イランのナテクヌーリ元国会議長の「(スンニ派の)バーレー ンはかつてイランの 14 番目の州だった」との発言にシーア派の勢力拡大を警戒するスン ニ派のイスラム諸国が反発、スンニ派のモロッコがイランとの国交断絶を発表
08 イラク駐留米軍がイラクに展開する約 14 万人のうち 1 万 2000 人が 9 月末までに撤退する と発表、オバマ政権による 2010 年 8 月までの戦闘部隊撤退の第一陣
イラクの首都バグダッドの警察学校で自爆テロ、警察官ら 28 人が死亡、57 人が負傷 10 バグダッド西部の市場で視察中の部族指導者や治安当局関係者を狙い自爆テロ、軍人や
警察官など 33 人が死亡、46 人が負傷
11 アサド = シリア大統領、ムバラク = エジプト大統領、サバハ = クウェート首長がアブド ラ = サウジアラビア国王と会談(リヤド)、シリアと穏健アラブ諸国との和解への動き 12 バグダッドの裁判所が 2008 年 12 月に記者会見中のブッシュ米大統領(当時)に靴を投
げつけ外国の賓客に対する暴行罪に問われたイラクのテレビ局記者に禁固 3 年の判決 14 マダガスカルでラベロマナナ大統領の退陣を求め数千人規模のデモ(アンタナナリボ)、
17日、ラベロマナナ大統領が軍に権限を移譲、18日、軍が野党指導者ラジョエリナ氏 に全権を移譲、20日、アフリカ連合(AU)がクーデターとしてマダガスカルの加盟資 格を停止、21日、ラジョエリナ氏が暫定政府の大統領に就任
15 イエメン東部ハドラマウト州の観光地シバームで爆弾テロ、韓国人観光客ら 5 人が死亡、
韓国人 3 人が負傷、16 日、イエメン治安当局がイスラム過激派組織メンバー 12 人を拘 束、27 日、国際テロ組織アルカイダ系の「アラビア半島のアルカイダ」が犯行声明 16 ハタミ前イラン大統領が 6 月の大統領選への出馬を撤回と側近が発表
18 オルメルト = イスラエル首相がイスラム原理主義組織ハマスなどが約 3 年前に拉致した イスラエル兵の解放に向けた「捕虜交換」交渉が不調に終わったと発表
19 サバハ = クウェート首長がナセル内閣総辞職を受け国民議会を解散、2 ヵ月以内に総選 挙実施
パレスチナ自治区ガザ市の人権団体パレスチナ人権センターがイスラエルが行なったガ ザ地区への大規模攻撃による死者が 1417 人と発表、うち 926 人が一般市民
20 スーダンの主要反政府組織「正義と平等運動」がスーダン政府との和平交渉停止を発表 22 2008 年 5 月に開かれたアフリカ開発会議(TICAD)の支援計画の進捗状況を確認する日 本政府主催の閣僚級フォローアップ会合が世界的な経済危機による「アフリカへの深刻 な悪影響に懸念を表明する」との共同声明を採択し閉幕(← 21 日、ハボローネ)、中曽 根弘文外相が新たに約 4 億 9330 万ドル(約 473 億円)の支援実施を表明
23 南アフリカ政府が首都ヨハネスブルクで開催される平和会議(27 日)に出席予定のダラ イ・ラマ 14 世の査証(ビザ)発給を拒否
イラクのディヤラ州ジャラウラでクルド人の葬儀中に自爆テロ、25 人死亡、45 人負傷 24 イスラエルの中道左派政党の労働党が右派リクードのネタニヤフ党首が率いる政権に参
加を決定、31日、国会の承認でネタニヤフ政権発足、和平プロセスの停滞は必至 26 バグダッド北部シャアブ地区で自動車爆弾によるテロ、20 人が死亡、35 人が負傷
●欧 州
03・04 EU欧州委員会が世界的な金融危機の再発防止のため域内全体を監視する新たな金 融監視機構の設置を柱とする規制強化案を加盟国に提示
05 欧州中央銀行(ECB)が主要政策金利を引き下げユーロ導入以来最低の1.5%に
07 英大手金融グループのロイズ・バンキング・グループが約2600億ポンド(約36兆円)の 不良債権を対象に将来発生する損失の一部を英政府が肩代わりする「損失保証制度」の 適用を政府へ申請
北アイルランドのベルファストの英軍基地前で発砲事件があり英兵2人が死亡、4人が 負傷、8日、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の分派「真のIRA」が犯行声 明、9日にはクレイガバンで警察官が射殺されIRA分派「IRA継続派」が犯行声明、23 日、警察官殺害で17歳の少年を殺人容疑で起訴
11 サルコジ=フランス大統領が1966年に脱退したNATO統合軍事機構への完全復帰を宣 言、17日、国民議会(下院)が承認し議会承認手続き完了
ドイツのシュツットガルト近郊の学校で卒業生の男が銃を乱射、15人を殺害し自殺 12 スイスが実質的なゼロ金利政策を導入するとともに民間企業が発行する債券の買い入れ
などによる量的緩和政策も同時実施すると発表
13 欧州自動車工業会が発表した2月の欧州28ヵ国の新車登録台数は前年同月比18.3%減の 96万8159台で10ヵ月連続の前年割れ
17 ローマ法王ベネディクト16世が就任以来初めてのアフリカ歴訪(→23日)
19 フランス全土で雇用維持や最低賃金の底上げなどを要求する120万人の大規模スト 20 EU首脳会議が米国が求める追加財政支出を拒否することや経済危機対策を盛り込んだ
共同声明を採択、米欧の溝が決定的に(←19日、ブリュッセル)
21 ジュルチャーニ = ハンガリー首相が金融危機で支持率急落、辞意表明
22 ドイツの自動車大手ダイムラーがアラブ首長国連邦(UAE)政府系ファンドのアブダビ 投資庁から19億5000万ユーロ(約2500億円)の出資受け入れを表明、同投資庁の出資 比率が9.1%となりダイムラーの筆頭株主に
24 フランスのモラン国防相が1960―96年に同国がアルジェリアのサハラ砂漠と南太平洋 で実施した核実験の被害者を救済する補償法案を公表、フランスで同様の法案は初めて チェコ下院がトポラーネク政権に対する不信任案を可決、26日、同首相が辞意表明 29 モンテネグロで議会選(1院制、定数81)、ジュカノビッチ首相が率いる民主社会党など
与党連合が過半数を上回り勝利
●独立国家共同体(CIS)
03・01 ウクライナで激しい対立を続けてきたユーシェンコ大統領とティモシェンコ首相が7 月1日まで「休戦」することで合意
03 ウクライナ最高会議(議会)が対ロシア強硬派のオグリスコ外相の不信任案を可決 メドベージェフ = ロシア大統領が東欧でのMD計画を米国が見合わせる代わりにロシアが 核開発を続けるイランに長距離ミサイル開発を断念させるとの取引には応じない姿勢を示す 05 ロシアとグルジアが2008年8月の南オセチア紛争後に停止したビザの相互発給業務を再開 10 ロシア政府系の天然ガス独占企業ガスプロムとハンガリー開発銀行がロシアから黒海を経 由し欧州に至る天然ガスのパイプライン「サウスストリーム」の一部を建設するための合 弁会社を設立することで合意
12 ロシアの原子力企業「アトムエネルゴプロム」が2日間で組み立てて稼働できる移動式の 小型原子力発電所を5年後に世界で売り出す計画を明らかに
15 セチン = ロシア副首相(エネルギー問題担当)が産油国による協調減産など原油価格下落 を防ぐために産油国間の幅広い分野での協力強化を提案、2009年秋モスクワで産油国によ る国際会議を開催する考えを明らかに
18 アゼルバイジャンで大統領の連続3選を禁じる憲法の改正の是非を問う国民投票実施、19 日、パナホフ中央選挙管理委員会委員長が憲法改正への賛成が約90%に上ったとの中間集 計を発表、改憲は承認されたとの見方を示す
25 石田徹資源エネルギー庁長官がガスプロムのミレル社長と会談、両者は技術研究分野での 協力に関する合意文書に署名
●北 米
03・01 マレン米軍統合参謀本部議長がイランが核兵器を製造するのに十分な濃縮ウランを 現在も保有しているとの認識を表明
02 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が発表した2008年12 月期決算は純損失が992億8900万ドル(約9兆7000億円)に達し米企業史上最大の赤
字額、同社の破綻を防ぐため米政府と連邦準備制度理事会(FRB)は最大300億ドルの 資本増強の支援策を発表、16日、オバマ米大統領がAIGによる経営幹部への高額のボー ナス支給は「暴挙」と憤りをあらわにしガイトナー財務長官に阻止を命じたと表明、17 日、長官はボーナスと同額をAIGから政府に返還させる考えを表明
オバマ大統領がセベリウス = カンザス州知事を厚生長官に指名、米政府の15省の閣僚指 名が完了
03 オバマ大統領がブラウン英首相と会談(ワシントン)、世界経済危機に対処するため4月 のG20の第2回首脳会合(金融サミット)の成功に向け各国の協調行動を強化すること で一致
米調査会社オートデータがまとめた2月の米新車販売台数は前年同月比41.4%減少、40%
超の下落はデータがある1980年以降初めて
06 米労働省が発表した2月の雇用統計(季節調整済み)によると失業率は前月より0.5ポイ ント高い8.1%に悪化、1983年12月(8.3%)以来25年2ヵ月ぶりの高水準
10 オバマ大統領が潘基文国連事務総長と初会談(ワシントン)、8月に大統領選を予定して いるアフガニスタンの安定化を目指し国連との連携を強めていくことで一致
米司法当局が日米など多くの投資家が被害に遭った巨額詐欺事件をめぐりマドフ = ナス ダック元会長を11の容疑で訴追したと発表
12 楊潔 中国外相がオバマ米大統領と会談(ワシントン)、世界経済危機の克服に向けた 協力を確認
13 米司法省がグアンタナモ米海軍基地のテロ容疑者収容施設の新たな運用基準を発表、今 後は国際テロ組織アルカイダやイスラム原理主義勢力タリバンに多大な協力をした者だ けを拘束対象とし収容者を「敵の戦闘員」とはみなさないと規定
14 オバマ大統領がルラ = ブラジル大統領と会談(ワシントン)、金融サミットに向けた取 り組みや金融危機による信用収縮の拡大、台頭する保護主義対策について協議
15 米航空宇宙局(NASA)がスペースシャトル・ディスカバリー打ち上げ、若田光一さん が国際宇宙ステーションで日本人初の長期滞在へ
18 FRBは金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き今後6ヵ月間で最大3000 億ドル(約29兆円)の長期国債を買い入れる方針を決定
ウッド米国務省報道官代行がオバマ政権が同性愛者や性同一性障害者らに対する差別な どの人権侵害根絶を世界に呼びかけた2008年12月の国連宣言に賛同すると発表、ブッ シュ前政権の方針を転換
米商務省によると金融危機の影響で米国の2008年資本収支は外国の対米投資が前年比 70.9%減、米の対外投資も95.9%減と共に大幅減少
20 米議会予算局が2009会計年度の財政赤字を過去最大の1兆8450億ドル(約166兆円)に 上ると予想、オバマ大統領が2月に提出した予算教書(1兆7520億ドル)より悪化 オバマ大統領がイラン指導者と国民に向けたビデオ演説で関係正常化に強い意欲を表明 23 ガイトナー財務長官が金融安定化策の柱となる不良資産買い取りの具体策を発表、官民 出資の投資基金が金融機関から不良資産となった住宅ローンや証券化商品を当面5000 億ドル(約49兆円)、将来的に最大1兆ドル規模で買い取る内容
25 米国防総省がオバマ政権で初めてとなる中国軍事動向に関する年次報告書を公表、初の
国産空母建造への動きや海南島の新たな潜水艦基地に警鐘を鳴らし軍事費や装備近代化 に関するいっそうの透明性向上を要請
27 オバマ大統領がアフガニスタンへの1万7000人規模の米戦闘・支援部隊増派に加えアフ ガン国軍・警察の自立に向けた4000人規模の米訓練部隊を今春に派遣、米外交官ら文 民も大幅増強することを柱とする包括戦略を発表
30 オバマ大統領が経営危機に陥った自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライス ラーへの追加支援策を発表、GMのワゴナー会長兼最高経営責任者は引責辞任
●中南米
03・02 キューバの最高指導機関である国家評議会がペレス外相を交代させラヘ副議長を閣 僚評議会(内閣)書記から外すと発表
04 チャベス = ベネズエラ大統領が世界最大の穀物商社(メジャー)米カーギルのベネズエ ラ国内の生産拠点を接収し国有化するよう命令、19日にはスペイン系の銀行バンコ・
デ・ベネズエラを国有化すると発表
09 モラレス = ボリビア大統領がCIAが同国のエネルギー政策に干渉したと批判、これに加 担したとしてラパス駐在の米国大使館書記官に国外退去を命令
10 南米諸国連合(UNASUR)に加盟する12ヵ国が軍事面での協力などを進める南米防衛 評議会を創設(サンティアゴ)、合同軍は持たず平和維持部隊や人道支援部隊の人員調 整、防衛システムや軍事技術の向上が目的
15 エルサルバドル大統領選で野党の旧左翼ゲリラ政党ファラブンド・マルティ民族解放戦 線(FMLN)のフネス候補が当選
18 アリアス = コスタリカ大統領とエルサルバドルのフネス次期大統領がキューバ革命後に 断絶したキューバとの国交を回復する考えを相次いで表明
25 クリントン米国務長官がメキシコの麻薬犯罪について米国内に麻薬の需要があることや 麻薬密輸組織が使用している武器が米国から流入していることを認めメキシコ政府と協 力して対処する考えを表明(メキシコ市)
26 ブラウン英首相がルラ = ブラジル大統領と会談(ブラジリア)、金融危機で深刻な打撃 を受けている貿易金融を「少なくとも1000億ドル(約9兆8000億円)拡大する必要があ る」と表明
1968年にメキシコ市で学生集会に軍が発砲し多数が死傷した事件でメキシコの連邦裁判 所が大量虐殺容疑で自宅軟禁状態にあった当時内相のエチェベリア元大統領に対する公 訴を証拠不十分として棄却した下級審判決を支持すると決定、元大統領の無罪が確定
国際問題 第581号(電子版) 2009年5月号 編集人『国際問題』編集委員会
発行人 野上 義二
発行所 財団法人日本国際問題研究所
〒100−6011 東京都千代田区霞が関3−2−5 霞が関ビル11階 電話 03−3503−7262(出版・業務担当)
http://www.jiia.or.jp/
*本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する 機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。
*論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。
*電子版最近号
08年4月号 焦点:国連安保理の機能変化 08年5月号 焦点:不透明感を増す世界経済 08年6月号 焦点:洞爺湖サミットと地球環境―気候変動を中心に 08年7・8月号 焦点:政情不安と大統領制の行方 08年9月号 焦点:活発化する人の国際移動 08年10月号 焦点:外交構想とシンクタンクの役割 08年11月号 焦点:ASEANの可能性
08年12月号 焦点:世界の食糧問題の現在 09年1・2月号 焦点:日本外交の基層 09年3月号 焦点:オバマ新政権の危機対応戦略 09年4月号 焦点:二頭体制ロシアの現在