KSKQ第 三種郵 便物認可<サロン ・あべの>通巻5378号2006年12月 16円
一ノノIrIIノノ′爪rL▲什イー'.一
け‑が好きで'業界
紙の記者をしていまし
たが'目が見えにくく
なって検査を受けると
脳に腫癌が見つかり即
日入院しました。入退
院を繰り返し4回手術
を受けましたが'自分
の経験を活かすよう福
祉の勉強をしたいと思
い、大学・大学院で学び直し帳がもらえ ないことがわかりました。また'「セルフヘル
プ支援センタ
ー
」でいろいろな谷間で困っている人と出会い'こうした問題を
考えていくことが自分の仕事だと
自覚しました。サロン紙への連
載平成18年11月18日(土)'(サロン・あべの)1
1月の出会いは'平成16年4月〜18年8月のサロン
紙に﹃「谷間」にこだわり続け
て﹄を連
載していただいた赤松昭さん(
NPO法人大阪脳損傷者サポート
センター理事長・甲子園大学専
任講師)に同じテ
ー
マでお話していただきました。て'昨年 から大学の教員になりました。「す
べてはお互いの関係のなかで存
在する」という仏教の考え方
を学んでいたことが、今の福祉
の仕事につながっています。なぜ
「谷間」にこだわったのか自己
紹介若いころからお寺や仏教美術 頭部外傷を受けた人の会の立
ち上げに関わり'記憶障害で5分前
のことが思い出せない人でも「基準に合わない」と障害者手岡さんに声をかけていただ き「自分の体験をふまえ'
自分でしか書けないことを」と思
って続けました。読者の方から「
共感した」とお便りをいただき
'書いてよかったと思いました。
サロン紙に書いた「谷間」のな
かから'少しお話しま
す。*年金制度もともと軍人恩
給から始
KSK(〕節 TJ.挿郵便物認 可<サ ロン・あぺの>通 巻 .‑)37〜り3‑1)006年12月1(川
は看護師も家族も
24
時間することはできませんが'ヘルパーが
することに対して医師や看護師
の団体が反対して、なかなかで
きませんでした。
*地域間格差ヘルパーについ
ても大阪市内だとある程度は事
業所が選べますが'地方では社
協や農協ぐらいしかなく'医療
的ケアなどができない場合もあ
ります。地方では支援費の事業
所がないところもありました。
にもかかわらずその地域に空港
ができたりします。そういうこ とには予算がつきますが'高齢
者や障害者の生活への支援は進
まないのが実態です。
*司法と福祉交通事故で脳を
損傷Lt補償を求める裁判をし
ても、裁判官も弁護士も脳損傷
者の介護の現場を知らないので、
困難さがわかりません。
脳損傷者と「谷間」
脳損傷者がもつ「高次脳機能
障害」は手足の動作に大きな障
害はありませんが'記憶や地理
的な理解などに困難が
「谷間」にこだわると、
福祉が 見えてくる ・
・・と、赤松さん生
じ ま す。
そのため、
例えば' 商 社 マン で 事 故で脳損傷受をけ、身 だし な みの 手 順を 思い す出ができなのことい に 英 語は ベラ ベいラと う
人がいます。見た目では障害が
わかりませんが'仕事はできない Lt家族はギャップに悩んでし
まいます。また'障害程度区分の
認定調査で'できなくても「できる」と答えてしまい、必
要なサ
ー
ビスが受けられません。高次脳機能障害は、新聞など
には「医療の進歩で命が助かる
ようになって生じた」と書か
れることが多いのですが'実は
戦争や炭鉱事故で頭部に傷を負
った人の治療やリハビリは昔も
行われていたのに忘れられてい
たのです。それがまた注目され
るようになったのは'交通事
故で脳損傷者が増えたこともあ
りますが'リハビリの専門職が
アピールするようになったからで
す。制度も少しずつ変わってお
り、この4月には道府県ごとに●相談窓口を置くことにな
りました。(大阪では堺の身体
障害者福祉センターにあります)社会福祉の制度はだんだん 広がってきましたが'自分の求め
る支援がないと感じる人もたく
さんいます。「これが谷間だ」
と法律で決まっているわけでは
ないので'説明するのは難しいで
すが'自分がそのように感じる
ことが「谷間」だといえます。
役所は責任逃れで「谷間」だと
言い'当事者は「谷間」があるこ
とを責任追及に使います。「谷
間」はいろいろ使える
「マジックワード」なので'い
ざこざが起こることもあ
ります。サロン紙連載のまとめ
に代えて「谷間」とは何なのか サロン紙の連載は4回目の手
術を受けるため終了しましたが
'それに続くものを9月に刊行さ
れた本に書きました。そのなか
に「本
人
KSK(J第 三積載使物認ロJ<サ ロン・あべの>通巻.‑)378号20(川 隼12F日t川
えきれないということを'認識
しないといけないと思います。
参加者の自己紹介と意見交換 提供する側になるようNPOを
取りま心た。当事者の会でも専門
職が中心のところが運営は安定
しますが、当事者が主導しないと「谷間」はなくなりません。
参加者が自分自身の「谷間」も
含めて自己紹介Lt赤松さんか.
らコメントをいただきました。 ◎身体の臭いの問題でうつに
なった。「谷間」はどこにもある。 えてしまうので難しい。いつか
抜けることができるのか。
‑感情が安定するよう生活環境
を整えることが重要で、安定す
れば本人の希望に向かって進ん
でいけます。親は厳しく接して
しまうので'外に出て仲間を見
つけるとよいと思います。 ないもどかしさがある。
◎「谷間」も当事者が声をあげる
ことで解決できるとわかった。■‖"■
◎最重度の難病だが'命ある限
り何ができるか考えており'当
事者みんなの声を代弁している。
◎精神的な「谷間」をボランティ
ア活動に出会って乗り越えた。 ◎見かけで障害がわからないの
で障害者どうLでも「何でもでき
てよい」と言われて落ち込む。
‑「谷間」は本人が「どれだけ辛
いか」で生じるものです。障害の
重い・軽いで悩みの重さが違うわ
けではないので、比べることはや
めないといけません。 ◎以前'劇団をしていたことを
介護の仕事にも活かしている。 ◎政治も行政も「正義」が大事
で、それを市民がつくるのが民
主主義だ。「谷間」はそれを違う
形で言っているのだと思う。
=行政も事業所も「余計な仕事
はしたくない」ので新しいこと
ができません。研究者も当事者
の視点からものを言い'実際に
生活を高めていく役に立たなけ
れば意味がないと思います。
◎中途障害だが、新しいことを
勉強しながら頑張っている。
=「大阪脳損傷者サポートセン
ター」は10年ほど前に立ち上げ
ましたが'当事者もサービスを ●◎子どもが障害のため学校でい
じめを受けた。仲間と出会‑.つ機会
がなく活動に参加できない。 ◎福祉制度はすぐに使えないの
で「谷間に駆けつける」ボラン
ティアグループをつくった。
‑支援計画がないとサービスが
使えないという制度が根本的に
おかしいのですが'市民が動い
て'その成果をもとにして行政
と交渉していくことも重要です。
◎子どもが脳挫傷で「谷間」の状
態だが'親が世話をしすぎると甘 ◎「谷間」は紙一重でだれにでも
起こりうることだが、マジック
ワードなので「おかしい」と言え ◎市民は「本人の語り」をどのよ
うに受け止めればよいのか。
=すぐにすべての市民に理解し
てもらうのは難しいですが、当
事者が地域のなかで訴えていく
ことも大事です。まず福祉の専
門職に知ってほしいと訴えてい
ます。警察官など公権力の立場
にある人にも理解してもらえる
とトラブルが減ると思います。
(3)
ltSIくQ第 二三種郵便物認可<サロン・あぺの>通巻{)378号2006年12月16日
◎当事者どうLでも区別しよう
とする人がいるが'みんなで
引っ張り上げあうことが活動の
原点だ。「自分の居場所がない」
と思う人が多いので、サロンの
空気を伝えたい。
=当事者活動は「お互い弱みを さらけ出す」ことが原点です
が'要求運動などに取り組むと
そうした面を切り捨ててしまい
がちです。「大阪脳損傷者サ
ポートセンター」はNPOに
なってからも任意団体の部分も しています。「最終的に相手を追
い詰めない言葉」を使うこと'「最後に落とす」.Hとも関西なら
ではのよさで'大事なことだと
思います。 もっています。それを出しあい'
認めあいながら力をあわせてい
く。(サロン・あべの)はそうい
う場であり続けたいと'あらた
めて感じた出会いでした。(参加者19人原田仁)
残して'当事者どうしの活動をみんないろいろな「谷間」を
●●●●●●●●e●●●●○○●●●eee●○●eaeeee◎〇〇〇〇◎◎◎⑳⑳◎⑳◎◎◎⑳◎◎⑳◎◎⑳⑳◎◎⑳◎⑳◎◎◎⑳⑳◎◎◎⑳◎◎◎◎◎◎◎⑳
応えることを要求されるのであ
る。当然の(1)谷間‑全体的に捉えるということことながら'本人も家族もそのすべてに応
えきることができない。当事者
が直面する「谷問」と高次脳機能障害 この障害にまつわる様々のストーリー、あ
るいはその社会的意味を引き剥がしたとして
も'この障害のために生きづらさを感じてい
る人とその家族がいるのは変えようのない事実だ。紹介し美例のように、制度側
が要求する資格要件(手帳をもっている)を
クリアできなければサービスの利用は適わな
い。このように'障害を補うためのすべての
制度から利用の適格性を「証明」することを要求され'当事者はそのひとつひとつに「谷間」 とはこういうことなのだ、こうした当事
者にとっての「谷間」という言葉を、生活支
援の立場から捉えなおすと、そこに浮かび上
がってくるのは'人間を「全体的」に捉え'その
「
K SK(J第 =̲種郵便物認I,J<サ ロン.あぺの>通巻 .‑)37日号17006咋 12月 16H
その重要性を一層高めているといえるだろ
う。しかし'改革の名のもとに近年打ち出さ
れる社会保障施策は'必ずしもこうした方向
に添ってはいないようなのである。
(2)谷間‑行政の責任 援法もこの域を脱するものではない。そうし
た制度の根幹に手をつけずして'「谷間」の問
題は決してなくならないのだ。一刻も早く'
障害者の機能状態ではなく、生活者として何
が必要かに重点を置く視点に基づいた制度設
計が必要だ。それを行うのが行政の「谷間」に
対する責任だと思う。 その語りに耳を傾けることだろうか。では'
例えば次のような語りに研究者は太刀打ちで
きるだろうか。問われるのは研究技法ではな
く、人間としての蓄積なのかもしれない。
そもそも「谷間」という言葉は安易に使わ
れすぎている。前述したように'主体的側面
からみれば「谷間」はあって当たり前のもの
で'この谷間を埋めるのが社会保障制度の本
来的な役目のはずだ。なのに、国の政策担当
者が谷間のあることを公然と認める。確かに
便利な言葉かもしれない。「谷間なんです」と
言えば'その間題がいかにも「当初想定し層
なかった事態」「たまたま施策の死角に陥っ
た不幸なケ
ー
ス」であるかのような印象を与え'そこには行政が負うべき責任が見えてこ
ないのだ。何故はっきりと、「制度の不備で
適切なサービスを受けることができない方が
います」と言えないのだろうか。現在の障害
者福祉制度は手帳の交付にしろ、サービスの
給付基準にしろ、医学モデルに基づいて構築
されている。新たに制定された障害者自立支 (3)谷間‑当事者にとってのリアル
専門家が定義づけ、診断・援助する。マス
コミが目をつけ'悲劇性のあるストーリーで
紹介する。代議士が取り上げ、議場で訴える。
行政が対抗施策を講じ'そして実施する。こ
うして周囲がめまぐるしく動いている間も'
当事者‑障害を自覚している者'そうでない
者。現実を悲嘆している家族'そうでない家
族Iは日々の日常を引き受け、生きていかざ
るを得ない。個々のケ
ー
スによってその濃淡は様々だが'その生のプロセスは平坦でない
ことは確かだ。しかし'マスコミも政治もそ
して行政も'いろいろな弾を放ってきたが、
こうした当事者のリアルには遠く及ばない。
では、研究者にできることは何か。「真筆に」 先ず'歳をとりたる吾には、残された
時間が少な過ぎる。三十一歳[働き盛
り]で受傷して'現在四十二歳[中年真
盛り]だ二・・。歳には「誤魔化し」
は'通用しない。化粧もしない男には「尚更」だろう。人生を誤魔化して生き
て来た「ツケ」が溜まりに溜まっている
のが現状だろう。しかも'今の私には「働いて稼ぐ能力」も「借用して都合を
つける才」も無い。開き直って「蹴散ら
す」か?それには体力が必要だろう。
肉体の回復が待ち遠しいが‑・。儀為
らぬ。「人生を見くびったツケは高い」(本人
の語り)(﹃障害・病いとふつうのはぎまで﹄明石
書店より抜粋)
この「連載のまとめに代えて」は(サロン一あべの)
月の出会いのレジュメから転載
ll
(5)
KSKQ第 三縄郵便物認可<サロン・あべの>通巻5378F・3・2006年12J116日
「大津アパートにいた男の子はTだったの
かなあ」
と、父が夜、ふと母につぶやいたという。「大
津アパート」とは私が幼い頃に過ごしたア
パート。Tとは私の名前である。それを聞い
た母は心臓が止まりそうになったと言っていたが'アルツハイマ
ー
病の父にしてみれば' いつかは投げかけるはずの問いであった。「そうです。あれは私だったのですよ」と'私がそばにいたなら
、きっとすぐにでも答えただろうが'しかし
同時に、あれは本当に私だったのだろうかと
も思う。「大津アパート」のコンクリートの
階段を元気に駆け上がる「男の子」の記憶
は私にもほとんど残っていない。覚えていな
いという点では'私も父と同じなのである。
私の子どものころの写真はあまりない。私
の家にはカメラ
は無かったのである。たまにくる叔父が写真
をとってくれた。「ほら'これがお前だよ」と示してく
KSKQ第 1:.種郵便物認可<サロン・あべの>通巻 .T)378号2006年 12F]1tH=l
「邦子‑ん歳の手習い」はお休みです。 界している。当時の写真は一枚もない。息子
である私にも'父が幼いころ'どんな顔をし
ていたのか'どんな子どもであったのかを想
像することはできない。雪の深い山村で育っ
たという「男の子」は'父自身も覚えてはい
ないだろう。
しかし'父は母に'こうも言ったそうだ。「お母ちゃんは'いまどこにいるの?」。母の
目の前にいるのは'自分の母を心細く探して
いる幼い「男の子」だった。「男の子」は七〇
余年の年月を経てここに戻ってきたのである。「大津アパートの男の子」が果たして私
だったのかどうか'残る母の記憶が失われる
ときには'その問いの答えは彼岸のものとな
る。しかし'私もまた生を終えるころには'
その「男の子」の訪問を再び受けるのかもし
れない。●幼い二人の息子たちも'遠いとおい先には「松葉のアパートの男の子」に戻ることだろ
う。私が日々向かい合っているのは'そんな
七〇年後'八〇年後の「男の子」でもある。(知)
声で読書のお手伝い
音訳グルー プ 「糸で
んわ」の ご協力で (サ ロン ・ あべの)紙第245号の音
訳テー プが出来 ま した。
■音
訳テー プ文庫
(a) (サ ロン ・あべの)紙 は、第1号 よ り第245 号 までそ ろって います。
(b) (サ ロン ・あ
べの)十周年記念誌 「はあ と が、はろ‑ !」
(
C)絵本 「未知の記憶」(作 ・絵 中川勝彦) (d) 「ラジオたんば」放送 「(サ ロン ・あべの)
平成7年5月の出会 い」放送分(3
0
分) (e)エ ッセー集 「逃 げた 『ヨナ』〜ボ ランテ ィ ア活動の
周辺〜」(岡本栄一著 ‑糸でんわ 音訳)
(f)「キ ミたちだ け じゃ困 る
んだ〜 身障者 だけ で旅 した十余年〜」(山田誠19
95・2・ 2
2著 ‑糸でんわ音訳) (g) 「金子みすずへの旅」(島田陽
子著 ‑糸でん わ音訳DJ)
伽
「夕やけ空のオニヤ ンマ」(牧 口一二著 ‑糸 でんわ音訳)(i) 「ガベちゃん先生の 自立宣言」(曽我部教子 著‑糸でんわ音訳)
(j) 「セル フヘル プグループ」(岡知史著 ‑糸で んわ音訳DJ)
(k ) 「名物 天王寺かぶ ら」(猿 田博創作 難波 , 利三監修 ‑大
阪市立天王寺図書館 制作)
(1) 「知 らされな い愛 につ い
て」(岡知史著 ‑ぼ けっ と音訳)
叫 「愛 ひ と り旅」(奥 田真祐美著 ‑糸でんわ
(n)音訳)「奥 田真祐美 の シャンソン手
帳」(奥 田真祐 美著 ‑糸 でんわ音訳DJ)
(o)「もうち ょっ と知 っとく ? 私 たちの阿倍 野」(難波
りん ご著 ‑糸でんわ音訳DJ)
(p) 「猫 とシャンソン」(奥 田真祐 美著
‑糸でん わ音訳)
(q) 「ほんの少 しの神 に近 い部分」(岡
知史著 ‑ 糸でんわ音訳)
(r) 「動 くしずか に」(河野勝行 編 ・
著 ‑糸でん わ音訳)
(S)「た まごが ボ ン !」(稲垣恵雄
著 〒糸 でん わ音訳DJ)
(t)阿倍野 名所
旧跡 いろはが るた (猿 田博 ‑糸 でんわ音
(u)交わ りの訳)
なかで 〜ホームヘルパー残像〜
(加藤み ど りさん
を偲ぶ文章 を作 る会著 ‑ 糸でんわ音訳)
(V、冨 田慶子出演の 「ち ょっといい話」(朝 日放 送05.6.26と05.9.18)の録音テー プ ご希望の方には、ダビング、または貸 し出 し
をし ます
KSK(J第 二三穐郵 便物認可<サロン・あべの>通巻.5378号2OO6年12月16H
12月‑ルシア祭とクリスマスースウェー
デンも12月になると日が一番短くなります
。午前9時頃太陽が顔を見せ、午後3時頃に
は沈み始め、4時になるともう真っ暗です。
おまけに'毎日雪か曇の日ばかりなので'空
はどんよりと暗く'あまり気持ちのいいもの
ではありません。夏の頃とはまったく反対で
光がほとんどない世界です。そんな暗い雰囲気の
12月ですが、ルシア祭、クリスマス、大晦日という伝統行
事で'大忙しの月でもあります。クリスマス
の前の12月13日は冬至になり'毎年ルシ
ア祭が開かれます。当日は'聖女ルシアに選ばれた女の子が、頭にキャンドルの冠を被り '白いドレスを着て'「サンタ・ルチア」の
歌を歌いながら、星の精を伴い'ろうそくを
持って行進します。光への強い憧れがあるス
ウェーデンでは、このルシア祭はとても大切
な行事なのです。そして'女の子達にとって
は'聖女ルシアに選ばれたいという思いもあり
'選ばれた子達は'誇らしげです。昔は、聖
女ルシアは「金髪の女の子」に決まっている
風潮がありましたが、最近は差別的と考えら
れ'あまりこだわらなくなっているようです。私は、
12月13日は'ヴエクショーの大聖堂
に出かけ'寒い中1時間も外で待ち続けまし
た。驚いたことに'何時間も前から待ってい
る人達が多いのです。街中の人達が大聖堂に
集まったような感じです。ようやく教会のド
アが開き'中に入ったときには'ろうそくの
光に包まれ'とても幻想的に見えました。聖
歌隊の歌も心に響く素敵な声で'日本では風習のない行事を体験すること
ができた喜びでいっぱいでした。H月半ばから街もクリスマス用のイルミネーション
で飾られ'クリスマスの1週間前には'サン
タクロースの格好をした人達が演奏しながら
街を行進し、各都市には'クリスマス・マー
ケットが並ぶので、歩くだけで暗い雰囲気の冬を忘れ'わくわくした
気
持ちなに
KSKQ第 三種郵便物認可<サ ロン・あべの>通巻r)378号2006年12月16日
が'家や納屋の床下に住み込み、家族を守っ
ている小さな妖精です。
人々は'クリスマスは家族と過ごすため、
一斉に帰省します。12月24日が近づくと電車
の予約もできない'交通もスウェーデンにし
ては珍しく混雑します(日本の帰省ラッシュ
ほどではありませんが)。電車の中は'お土
産を抱えた人たちでいっぱいです。ほとんど
のお店は'イブはお昼頃で閉めてしまいま
す。私は'クリスマス前はストックホルムの
クリスマス。マーケットを楽しみ、24日は、
ヴエクショ
ー
のクリスマス礼拝に参加していました。スウェーデン語の「きよしこの夜」
を歌い'過ごすクリスマスは日本の騒々しさ
とはかけ離れた'とても静かなものでした。
スウェーデンの人々にとって'クリスマス
は「家族と一緒に過ごすもの」という伝統的
な家族のお祭りです。キャンドルの温かい光
の中で'語らいながら'手作りのハム'「ヤ
ンソン氏の誘惑」という名の伝統料理'ミー
トボ
ー
ルなどのクリスマスの伝統料理を食べ、テレビで放送されるディズニーアニメを
家族と一緒に見て'ゆったりとくつろぐ‑・
御節料理を食べ、家族でテレビを見ている、
日本のお正月の風景に似ているのかもしれま
せん。お父さんは'子ども達にプレゼントを
渡すため'トムテにならなければいけないの で大変だそうですが。
日本の豪華なイルミネーションに囲まれ、
美味しいケ
ー
キ、ご馳走を食べて過ごすというものと全然違います。決して豪華ではない
けれど'素朴で人の優しさ・温かさが伝わる
スウェーデンのクリスマスは、日本人が忘れ
かけているものを思い出させてくれるような
気がします。「家族を大切にすること」。スウ
ェーデンのクリスマスには'家族に対する優
しさと思いやりが感じられ'とても幸せな気
分になります。
そうやって家族と過ごし、12月31日の大晦
日は'友達'家族と朝までパーティーをして、
日付が変わる0時近くになると、花火を打ち
上げ、カウントダウン げ'「ゴツトニットオ
ー
ル!(あけましておめでとう‑・)」と言いあう声が聞こえ始
め、新しい年を迎えます。元日は寝不足を解
消しているのでしょう。「年が変わった」と
いう感覚もなく、お店も当たり前に開き'普
通に過ごすのです。
人に対する思いやりと優しさを忘れないよ
うに・・・この時期になると'スウェーデン
の人々がくれた小さな幸せを思い出します。
では'皆様も素敵なクリスマスをお過ごしく
ださい。小さなトムテに出会えるかもしれま
せん。「グッ
ユ ー
ル!(メリー
クリスマス‑・)」(清原舞)が始まります。雪の
中、澄んだ夜空にあち
こちで打ち上げられ
る花火は'一言では言
い表せないくらいと
てもキレイなのです。
でも'パーティーでお
酒に酔っぱらった人
達が適当に花火を打
ち上げているだけで
すが。みんなで雪の
中'一斉に空を兄上
ルシア寮(聖歌隊) ‑ヴェクショー大聖堂にて
K SlくQ第 三種郵便物認pJ<サロン・あぺの>通巻.5378巧2006年12月 1til]
「 こ ん な 」 障 害 者 負 担 、軽 減 へ 自立を 法禰 正予 算で 一時 的に 欝・毒 は27日'鮮 卑
覇福祉サービ スを利用
する麻の自己毒
今 ・年4 負担
を一時監ったことに つ いて'自己 月から願 剛で朝とな 面する 笹
を今出違丙に尊 大す. る方針を決農 。監署 の畠を盛り 込んだ陣
自立支援法「補正予算で一時的に」‑・?
障害者自立支援法は'今年の4月から障害
者福祉サービスと医療の応益負担が始まりま
した。その問題点はこのコーナーでも再三書
かせていただきました。そして10月からは'
それに加えサービス利用計画案に基づく支給
決定のシステムが導入され'地域での障害者
の生活に多大な影響を与えつつあります。ま
た福祉施設においても運営危機を招いていま
す。そんな中10月31日障害者自立支援法成立
1年目のこの目に東京で'全国的な抗議行動
が再度行われました。この時のスローガンは「出直してよ!障害者自立支援法」という
もので'この法律そのものを見直して欲しい
という私たちの叫びでした。この日の全国行
動には私たちの団体からも参加しましたが、
参加者が1万5千人という大規模なものにな ったようです。そして現在も障害者自立支援
法に関する緊急要望書を厚生労働大臣宛に出
そうとしていますLt署名活動も合わせて行
っています。
そんな中、日月28日付け朝日新聞朝刊に「障害者負担、軽減へ」という見出しで今年
度補正予算で一時朗に軽減する措置を今年度
内に導入するという内容の記事が掲載されま
した。私はこの見出しを見て思わず、てっき
り1割負担の応益負担の中止や作業所などの
働く場から徴収されるサ
ー
ビス費の中止にやっとなったのだと思いこんだのですが'横の
小見出しを見てがっくりしましたd「補正予
算で一時的に」なんて'何というごまかしで
しょう‑・そんな二時的な問題で済ます厚生
省の態度が逆に見え見えになったような気が
しました。
最近の、教育基本法の見直し案などが考え
告暑自立毒 法に「記等 腎癌て」との 批判川高 まつていること を受けt ,08庄皮革止予翼 に負担 藁を盛り込 む。法
律施行から1年も たた
ずに整正を迫ら れ
た?蔓 と
して検討されるのは'
低所姐署に対する自己
魚藁の追加や
'陣藁への補助
の城南など。予骨塊塀
は月内をめどに財務省と厚生労働省が静める。ただ、陣缶暑白立支援法自体を見直嘉書は今のところない。障憲祉の自己負担謝合は従来'本人の所得など負担髄力に応じて決められ、低所得者の在宅サービスなどは無料だった。今年4月からは、受けたサービスの1朝を原則として負担するようになり、陪審者の家計を直撃している。大阪障忠暑センターが全国 の空 暑 22 96 世 帯を 対象 に行 った 嗣茸 だ と' 55% の世 帯が 「自 己 急 が月 1万 円以 上増 え た」 と寧 し、 86% が制 度見 直し を求 めて いる 。 補正 予算 轟で はこ のほ か' いじ めの 緊急 重態 調 査や 要 、学 校の .耐競花 など を盛 り込 む。予義侠は05層 垂 止予昇(患甘兆LD219億円)とは墓だなる見通しで'08年度ヨ初予算で29兆す‑0億円を見込んでいた薪敵国膏発行額は2兆円軽重する方向で墾芦している。11月28日付 け朝 日新聞朝刊
られているこの国の動きは'どんどん弱者切
り捨ての方向で'危ない方向に行っているの
ではないかと思うのですが、みなさんはどう
思われますか?
(10)
KSlく(J節 三縄郵便物認 可くサ ロン・あべの>通巻 .‑).37813‑2006年12月1tHl
例によって この1年 をふ り返 ってみた
いと思 う。今年 もいろんな ことがあった が、中で も次の ことが忘れ られない。
5月 の始め、梅 田のデパー トへ寺田み
のる氏 (水彩画家)の
「旅のスケ ッチ展」を観
に行 った。寺田氏 は毎
日新聞の夕刊 に週 に1
度 「あなた と歩きたい」
というタイ トルで、 日 本はもとよ り世界各地 の 景 勝 地 を巡 っ て ス ケ ッチ し、その下 に感 じた ことを書いてお ら れる。
デパー トの会場 には 百点ほどの作品が展示 されていたが、 どれ も
らどこで も見かけるよ うなお っちゃん と いう感 じだった。
寺田氏 はいろいろとお話 をしなが ら絵 筆 を持 って何か描 いてお られた。最初 は 分か らなかったが 「こ
晴れのち晴れ 9 9
この 1 年をふリ返って
稲 垣 恵 雄
瑞々 しくて配色 もよ く、
臨場感 にあふれ ていた
。
ち ょうど会場のサ ロン室で寺田氏 のお 話 とサイン会があったので私
も参加 した。
寺田氏はとて も気 さくな人で、失礼なが の人、ええ顔 し
たはる
わ」と言いなが
ら、私 の似 顔 絵 を描 い
て 下 さ って い るで は な
い
か。その似顔絵
はゴマ塩 頭の丸顔で、目は細 く
て獅子鼻でおまけに歯のぬけたところま
で見 事 に描かれていて私 に そ っ く りの
顔 だ った。
寺田氏のお話 とサイ ン 会が終
わると、その絵 を私 にプレゼ ン トして
下 さった。
帰宅す ると、その似顔絵 を額 に入れて
居間に飾 る ことに した。全 く思 いが けないことだっただけに
本当にうれ しかった。
これで今年の宝物がまた一つ増えた。
KSIくく〕第 二三種郵便物認可<サ ロン ・あべの>通巻 5378号 2006年12月16日
1月はどこのサロンの、どのテー マがお
気に入 りですか。いい出会いしませんか。 内日 時 :容 :1月27日 (土) 未定
場 所 :西淀川区民ホール
問い合わせ先 :西淀川区在宅サー ビスセ ンター
℡ 06‑6494‑0635 中本 ℡ 090‑9864‑96
78
. 九. iIL T g 九 日∵.
日
放 那+.' 穐 郎 使 物 認 可 (
‥ 他 日 托
‥ け
) ■「サ
ロン淀川」1月の出会い 日 時 :1月2
1日 (日)午語1時30分〜4時 内 容 :紙芝居
で伝えるプラス思考の生き方
‑100%プラスの人はいません。マ イ ナスがあるから人間 らしい気持ちに
なれ るのです ‑
.ゲ ス ト:田中孝和氏 (千里山 ・紙芝居文化協 会 サンタ倶楽部)
閑社茂
夫氏のアコーディオンと紙芝居 のコラボ
レーション 会 費 なし
場 所 :淀川区在宅
サービスセンター 「やす らぎ」
[大阪市淀川
区三国本町2‑14‑3]
問い合わせ先 :・淀川
区社協 (ボランティア ・ビュー ロー)℡ 06‑6394‑2900 E‑mail:sora
■
「サロン ・にし」1月の出会い 日 時 :1月1
3日 (土)午後2時〜4時 内 容 :「書き初め
」を楽 しもう ! 会 費 :な し
場 所 :西区在宅サー
ビスセ ンター第‑会議室 大阪市西区新町
4‑5‑14 (西区役所隣) 地下鉄‑西長堀駅
4 ‑ A
号 出口か らす ぐ 市バス‑地下鉄西長堀駅か らす ぐ℡ 06‑6539‑8075
問い合わせ先 :関口 ℡090‑42◆81‑5641
『「サロン ・にしよど」1月の出会い ■「ウ
イズ東淀川」1月の出会い 日 時 :1月
14日 (日)午後1時30分〜4時 内 容 :介助
犬 とは ? 今後の課題について 介助犬 トレ
ーナーと介助犬希望者が詳 し くお話 しま
す。兵庫介助犬協会のPR犬ア ル トも参
加 し、デモンス トレーショ ンを 行います。グッズ販売も行います
ので、
皆様のお越 し
をお待ちしています。
会 費 場 所 な しギ
ャラリーNOVA 自由空間
533‑0032大阪市東淀川区淡路5‑10‑7 連 絡 先 :ー06‑6320
‑7036 ギャラリーNOVA 自 由空間
問い合わせ先 :鈴木昭二
℡ ・EAX06‑6340‑3082
■
「サロン北」1月の出会い 日 時 :1月20
日 (土)午後2時〜4時30分 内 容 :日本ライ トハウスでの経験談と手作 りヘ
ルマンハープについて ヘルマンハ
ープのミニコンサー トがあり ます (たけ
のこ) ゲ 不 ト:伊藤光子さん 場 所 :障害者福
祉作業所セ ンター 「たけのこ」 [大阪市北区本庄東2‑6‑11 宝来堂
ビ ル
1階、本庄川崎公園北側、緑色のテ ン ト
のあるピル]
会 費 :な し
問い合わせ先 :サ ロン北 ・事務局、担当‑谷口政美
℡06‑6372‑8074
ER
O6‑6372‑88671
■「サロンいたみ」‑1月の出会いはお休みです
<サ ロ ン ・あべ
の
>VOL.246
発行 :平成18 (2006)
年1 2
月16
日 定価¥100
編 集 人
:<サ ロ ン ・あべ の>運 営 委 員 会 表 題 :中西利 香 ・筆 文 中イ ラス ト :石 田美 禰 子
事務 局 :〒
54
5 ‑0021
大 阪市 阿倍野 区阪南 町6‑3‑26
冨 田慶 子 方 < サ ロ ン ・あべ の >TEL・FAX06 ‑6
691 ‑1 028
郵 便 振 替 口座 :サ ロ ン ・あべ の0095 0‑ 9 ‑ 269 41
印 刷 :セルフ社 〒
5 4
6‑0 0 4
4東住吉区北田辺町
4 ‑ 2 3 ‑ 2
ミスターD
ビル2FT
EID6 ‑ 6 7 1
9‑ 8 21 2
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