• Tidak ada hasil yang ditemukan

PDF 化石燃料価格の変動が日本のERoEI に及ぼす影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

Membagikan "PDF 化石燃料価格の変動が日本のERoEI に及ぼす影響"

Copied!
12
0
0

Teks penuh

(1)

【 論 文 】

化石燃料価格の変動が日本の ERoEI に及ぼす影響

石 田 葉 月

Abstract

 本研究では,化石燃料(石炭を除く)価格の変動が日本経済に与える影響について,貿易を通じたエネ ルギー資源のERoEI という視点に基づいて検討した。日本における石油および経済関連の時系列データに よる分析の結果,日本経済は,石油価格の変動に対してGDPの石油効率が変動することによりERoEI の 低下を緩和しようとする機能(完全ではないにせよ)を有することがわかった。しかし,ある時期(1984 年第4期)を境に,その機能は大きく弱まった。また,石油と天然ガスを合わせたデータを用いて同様の 分析を行った結果,石油と同じような結果が得られた。むしろ,ERoEI の低下を緩和しようとする機能は,

石油単体でみた場合よりも小さいことが明らかとなった。

Keywords: 化石燃料,ERoEI,共和分

1. は じ め に

 化石燃料価格の変動に対して頑健な経済システムを構築することは,多くの国々にとって重要な 課題だろう。とりわけ,化石燃料のほとんどを輸入に頼っている日本は,化石燃料への依存を少し でも減らそうと,40年も前から国を挙げて取り組んできた。1973 年の秋の中東戦争をきっかけに 原油価格が急騰し,日本は,安価な石油に大きく依存して成り立っていた経済構造の変革を余儀な くされた。それまでの日本経済は,大まかにいえば,化石燃料(主に石油)を節約するための技術 を持たなかったし,その開発の誘因もなかった。しかし,翌

1974

年から,日本は官民を挙げて,

石油集約的な経済からの脱却を目指し,長期的に取り組んできた。その取り組みは,相対的に安価 な他の化石燃料(石炭,天然ガス)への転換のみならず,エネルギー効率の向上や非化石エネルギー の研究開発,法制度の整備にまで及んだ。国の主導による省エネルギー及び代替エネルギーの研究 開発計画は,1974 年

7

月から本格的に始められ,サンシャイン計画,ムーンライト計画,そして ニューサンシャイン計画と名称を変えながらも

2000

年まで継続した。また,1980 年には「新エネ ルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が発足し,以後,民間企業や大学の研究機関の連携下 において,エネルギー関連の研究開発をリードしてきた。

 こうした取り組みが一定の効果を挙げたことは疑いがない。事実,1974 年と比べると,2010 年

における

GDP と化石燃料消費の比(以下,化石燃料効率)はほぼ 2

倍となった。また,化石燃料

Corresponding author. Tel. : +81 24 548 8439

Email address: [email protected]-u.ac.jp (Hazuki ISHIDA)

(2)

を含めたエネルギー消費そのものの節約技術も進み,単位エネルギーあたりの

GDP は,アメリカ

や欧州の約

2

倍と,先進諸国のなかでもトップレベルとなった。石油危機にともなう原油の高騰に より,経済成長率は一時的にはマイナスに転じたものの,すぐに継続的な経済成長を実現させた。

 より詳細な時系列分析に基づく既存研究も,日本経済が石油価格の変動に対して脆弱でないこと を示している。例えば,Jimenez-

Rodriguez and Sanchez

(2004)は,VAR モデルを用いた実証分析 に基づき,石油価格の上昇は

GDP

に悪影響を及ぼさないことを示した。また,Nagano and Sugie

(2006)

も同様の結論に至っている。

 しかし,化石燃料の輸入価格の変動が経済に与える影響について議論する際には,GDPよりも

ERoEI(energy return on energy invested)

に注目すべきであることが指摘されている(Hall et al.,

2008, 2009)。ERoEI

とは,1単位のエネルギー投入から何単位のエネルギーが得られるか,を表す

無次元の指標である。化石燃料を獲得するためには化石燃料を投入する必要があるという単純な事 実は,ある時点で利用可能な化石燃料のうち幾らかを,次期の化石燃料獲得のためにリザーブして おかなければならいことを意味する。そうでなければ,継続的に化石燃料を利用し続けることはで きない。どれだけをリザーブしなければならないかを決めるのが

ERoEI

であり,その値が小さい ほど,化石燃料獲得以外の用途(すなわち,「自由」に使える分)に向けられる割合が少なくなる。

実質的な経済的繁栄を支えるのは,明らかに,「自由」に使えるエネルギー資源がどれだけあるか ということであるから(Cleveland et al., 1984 ; Hall et al., 2008, 2009),ERoEI が大きいエネルギー 資源ほど有用性が高い。

 以上を踏まえ,本研究では,日本における化石燃料の

ERoEI

に着目し,化石燃料価格との関係 性について,時系列分析に基づいて検討した。

2.ERoEI と経済

 経済的繁栄においてエネルギー資源が欠かせないものであることは,疑う余地がない。人間に限 らず,質の良いエネルギー資源を大量に確保できた個体や集団は,生存競争において優位となるだ ろう。しかしながら,エネルギー資源は,ただ単に大量に存在すればよいというわけではない。エ ネルギー資源を獲得するためには,多かれ少なかれ,いくらかのエネルギーを投入しなければなら ない。

 1単位のエネルギー投入から何単位のエネルギーが得られるかを示す指標は,

ERoEI と呼ばれる。

ERoEI

を正確に見積もることは一般に難しいが,その値が意味するところの重要性は直感的にも

明らかである。たとえば,

ERoEI が 10

であるようなエネルギー資源に依存している経済を考えよう。

この経済が持続的であるためには,毎期,利用可能なエネルギー資源のうち

10

分の

1

をエネルギー 獲得のためにリザーブしておかなくてはならない。そうでなければ,次期において利用可能なエネ ルギー資源は減少するからである。

 もしも,ERoEI が

2

であるなら,利用可能なエネルギー資源の半分を次期エネルギー獲得のた めに取っておかなくてはならないことになる。すなわち,ERoEI が大きなエネルギー資源ほど,エ ネルギー資源獲得以外の用途(要するに,様々な財・サービスの生産)に利用できる余裕が多いた
(3)

め,他のすべての条件が同じであれば,ERoEI がより大きなエネルギー資源を利用できる経済社 会ほど繁栄するポテンシャルが高いといえよう。

 ERoEI が

1

であるようなエネルギー資源は,たとえ物理的に大量に存在していようと,経済的 な意味では存在しないのと同じである。なぜなら,その時にはもはや,エネルギー資源を

1

単位獲 得するのに同量のエネルギー資源を投入せざるを得ず,エネルギー資源はエネルギー資源獲得のた めという用途以外に使用する選択肢がないからである。

 実際には,あるエネルギー資源についての

ERoEI

を厳密に求めることは簡単な作業ではない。

というのも,「エネルギー資源獲得のために必要なエネルギー資源」をどの範囲まで含めるのかの 線引きが,必ずしも明確ではないからである。たとえば,採掘現場における投入エネルギーだけを

考慮して

ERoEI

を求めた結果(mine-

mouth ERoEI),それが僅かに 1

を超えていたとしても,実

際にはそのエネルギー資源は使い物にならないだろう。なぜなら,エネルギー資源を採掘したあと,

そのエネルギー資源が実際に消費者に利用されるまでには,精製や輸送といった過程を経る必要が あるからである。当然,エネルギー資源の精製や輸送の際にも,いくらかのエネルギー資源を必要 とする(Hall et al., 2009)。

 したがって,実際には,mine-

mouth での ERoEI

1

よりも十分に大きい必要がある。どれだけ の値があれば十分なのかを一般的に示すことは困難であるが,Hall et al.(2009)

は,おおよその目

安として,最低でも

3〜5 程度の水準が必要であるとしている。また, ERoEI

の値がその「危険水域」

に近づいたか否かを示すことも必ずしも容易なことではない。ただ,少なくとも,ERoEIが低下 し続けているエネルギー資源に大きく依存する経済が持続的でないことは確かであろう。

 さて,現代社会の経済的繁栄を支えているエネルギー資源は化石燃料である。化石燃料は,日本 における一次エネルギー供給熱量の

8 割を占めており,そのうちの半分は石油が占めている。石油

は,次のように,多くの長所を持つエネルギー資源である。すなわち,ストックタイプであるため 人間側の都合に合わせて採掘できることや,エネルギー密度(質量あたり,体積あたり,とも)が 大きいこと,液体であるため輸送が容易であること,エネルギーを解放するための装置が単純なも ので済むこと(輸送機器の燃料源として圧倒的に石油が利用されている理由がこれである),など が挙げられる。これらの特性に加えて,石油を利用することの長所は,採掘及び分離精製が比較的 容易であることである。すなわち,このことは,石油をエネルギー資源として利用するために投入 しなければならないエネルギーが少なくて済むことを意味している。しかしながら,石油の

ERoEI

は,採掘が進むほど一般に

ERoEI が低下する傾向がある。これは当然といえば当然のことであり,

化石燃料の宿命ともいえよう。採掘や精製の限界費用が小さい油田ほど先行して開発されるであろ うし,採掘が進むほど,アクセスが容易で質のよい油田が枯渇していくのは自然なことであろう。

実際,たとえばアメリカ国内で産出される石油の

ERoEI(mine

-

mouth で評価)

は,1930 年代には

100

を超えていたが,現在では

20

程度にまで低下している(Hall et al., 2003 ; Cleveland, 2005)。

ERoEI

の低下は採掘のエネルギーコストを高めるので,価格を押し上げる要因のひとつとなるだ

ろう。もっとも,石油価格を押し上げる要因は,ERoEIの低下ばかりではない。仮に採掘の限界 費用がゼロであったとしても,枯渇性資源の価格はホテリング・ルールに従って上昇することが理 論的に示されているし,中国やインドといった大国における急速な経済成長は石油の需要曲線を上

(4)

方にシフトさせていくだろう。すなわち,供給面及び需要面の両方から鑑みても,石油価格の長期 的上昇傾向は避けられないと思われる。

 ところで,日本のように,石油をほぼ

100

パーセント輸入している国にとって,ERoEIはどの ように定式化されるのだろうか。Hall et al. (2009)が示しているように,エネルギー資源の輸入国 も,エネルギーの獲得にエネルギーの投入が必要である,という制約から逃れることはできないこ とに変わりはない。今,石油の輸入価格をP,輸入量をQ とすれば,日本はそれと引き替えに少 なくともPQ だけの付加価値に相当する財・サービスを輸出しなければならない。当然,それらの 財・サービスを生産する際には,いくらかの石油(I)を必要とするはずである。すなわち,Iだけ の石油を投入して,Qだけの石油を得ているのである。したがって,PQIの比をkとすれば,

PQ=kI (1)

という関係が成り立つ。石油の輸入における

ERoEI

は,Q/I=k/P ということになる。実際には,

輸出された財・サービスのうち,どれが石油輸入と引き替えになっている部分であるかを区別する ことは困難であるため,kを正確に見積もることは難しい。そこで本研究では,Hall et al. (2009)

の考えに従い,GDPと石油消費量との比(石油効率)をkとして代用する。

 さて,ERoEI の定義(=k/P)から明らかなように,石油の

ERoEI

は,石油効率が一定ならば,

石油の輸入価格に反比例する。石油価格の上昇による

ERoEI

の低下を和らげるためには,石油効 率が上昇しなくてはならない。市場メカニズムは,一般に,石油価格の上昇に対して,財・サービ ス生産の石油集約度を低下させるようなインセンティブを与えるだろう。石油効率の向上は,次の

3

つの要因により成し遂げられる。すなわち,石油以外の化石燃料へのシフト,再生可能エネルギー を含む非化石エネルギーへのシフト,そして,省エネルギー型システムへのシフトである。とりわ け,1973年の石油危機を境に,日本は官民を上げてこれらのシフトを促進するための技術開発に 巨額を投じ,石油価格の高騰に対して頑健な経済システム作りを目指してきた。直感的に考えて,

同じ付加価値を生産するのに石油以外を利用する選択肢が多いほど,石油効率は石油価格に対して 弾力的に変化すると考えられる。石油価格が上昇(下降)したら石油効率も上昇(下降)する場合,

本研究では,その経済は石油に関して頑健である,と呼ぶことにしよう。頑健性の程度は,石油価 格が

1%

上昇(下降)した場合に,石油効率が何

%

上昇(下降)するかによって測るものとする。

 ところで,石油危機以降,日本は脱石油依存のための取り組みのひとつとして,天然ガスによる 石油の代替を進めてきた。一次エネルギーに占めるシェアをみると,石油は

1970

年には

70

パーセ ントであったのに対し,2010 年には

45

パーセントを下回った。その代わりに,1970 年にはほと んど無視できるほどのシェアしかなかった天然ガスは,2010 年には

20

パーセントほどを占めるよ うになった。なお,石炭のシェアは,1970年以降,20パーセント前後を推移し,ほとんど横ばい であった(資源エネルギー庁,2011)。

 石油から天然ガスへのシフトは,エネルギー資源確保の安全保障面や,単位熱量あたりの温暖化 ガス排出量を削減するという意味では評価されるべきだが,どちらも枯渇性資源ということには変 わりない。したがって,本研究では,石油単体についての分析に加えて,石油と天然ガスを合わせ た分についても同様の分析を行った。

(5)

 Figure 1 は,日本における石油および石油+天然ガスの

ERoEI(すなわち,k

-

P 比)の経年推移

を示したものである。グラフから明らかなように,石油及び石油+天然ガスともに,石油危機後し

ばらくは

ERoEI

値は低迷し,石油に至っては最小で

6

を下回った。Hall et al. (2009)によれば,

ERoEI

値は最低でも

3〜5

程度の水準であることが望ましいとされているので,我が国の石油に関

する

ERoEI

は,一時的であったにせよ,「危険水域」に近づきかけたわけである。その後,1980

年代の後半から

ERoEI

の上昇がみられるが,これは主に石油価格の下落による。しかし,2000年 代に入り,石油価格が再び上昇し始めるとともに,ERoEIも低下してゆき,石油については

2008

年に

10

を下回った。その前年は

20

に近い値を示していたことを考えると,ERoEIの変動は極め て大きいといえよう。ただし,このグラフだけからでは,日本経済が,石油あるいは石油+天然ガ スの輸入価格における変動に対して頑健か否かを判断することはできない。石油(石油+天然ガス)

に関する頑健性は,石油(石油+天然ガス)の輸入価格の変化を原因として,石油(石油+天然ガ ス)効率が変化したか否か,という因果性をもって論じられるべきだからである。したがって,本 研究では,石油(石油+天然ガス)の輸入価格と石油(石油+天然ガス)効率の

Granger

因果性に ついて検討した。

3. デ ー タ

 分析に用いたのは,1973年から

2010

年までの,四半期の時系列データであり,自然対数により 変換した。石油,天然ガスの供給量(熱量換算),及び

CIF(cost, insurance and freight)

価格は,

Figure 1: Annual ERoEI for oil and oil/gas in Japan

freight)

価格は、資源エネルギー庁による公表データを用いた。また、GDPについては、内

閣府による公表データを用いた。なお、化石燃料価格及び

GDP

はデフレータにより、2000 年価格基準により実質化した。石油+天然ガス価格は、それぞれの

CIF

価格を、それぞれ の供給量によって重み付け平均したものを用いた。また石油(石油+天然ガス)効率は、

実質

GDP

と石油消費量(石油+天然ガス消費量)の比を取ることにより算出した。なお、

日本は、石油および天然ガスをほとんどすべて輸入に頼っており、国内消費量=輸入量と 考えてほぼ間違いはない。

4. Methodology and empirical results

非定常の時系列変数間の相関性を明らかにする際に通常の回帰分析を行うと、「見せか けの相関」が起こりうる。これを防ぐために、まずは、時系列データの定常性をチェックす る必要がある。スタンダードな方法として、まず、augmented Dickey-Fuller (ADF)単位根 テスト

(Dickey and Fuller, 1979)、及び、Phillips-Perron (PP)

単位根テストを行った

(Phillips

and Perron, 1988)。その結果、Table 1

が示すように、石油効率、石油価格、石油・天然ガ

ス効率、石油・天然ガス価格のすべてについて、レベルにおいては非定常の帰無仮説を棄 却できず、一階差分については棄却できた。このことから、すべての変数について、

I (1)

であると判断した。

しかしながら、ADFテストや

PP

テストは、期間内に構造変化がある場合には正しい結 果をもたらさない可能性がある。石油危機以降、日本経済とエネルギーとの関わりに構造 変化がなかったとアプリオリに考える理由はない。そこで、先の単位根検定に加え、構造 変化を考慮に入れた

ZA

単位根テスト

(Zivot and Andrews, 1992)

による検定も行った。そ

の結果

Table 2

が示すように、構造変化を考慮に入れても、すべての変数について

I(1)

あることが見出された。

Figure 1  Annual ERoEI for oil and oil/gas in Japan注1

注1 グラフは,第3節で示したデータを用いて著者が作成した。

(6)

資源エネルギー庁による公表データを用いた。また,GDPについては,内閣府による公表データ を用いた。なお,化石燃料価格及び

GDP はデフレータにより, 2000

年価格基準により実質化した。

石油+天然ガス価格は,それぞれの

CIF 価格を,それぞれの供給量によって重み付け平均したも

のを用いた。また石油(石油+天然ガス)効率は,実質

GDP

と石油消費量(石油+天然ガス消費量)

の比を取ることにより算出した。なお,日本は,石油および天然ガスをほとんどすべて輸入に頼っ ており,国内消費量=輸入量と考えてほぼ間違いはない。

4. 方法と結果

 非定常の時系列変数間の相関性を明らかにする際に通常の回帰分析を行うと,「見せかけの相関」

が起こりうる。これを防ぐために,まずは,時系列データの定常性をチェックする必要がある。ス タンダードな方法として,まず,augmented Dickey-

Fuller

(ADF)

単位根テスト(Dickey and Fuller, 1979),及び,Phillips

-

Perron

(PP)単位根テストを行った(Phillips and Perron, 1988)。その結果,

Table 1

が示すように,石油効率,石油価格,石油・天然ガス効率,石油・天然ガス価格のすべて

について,レベルにおいては非定常の帰無仮説を棄却できず,一階差分については棄却できた。こ のことから,すべての変数について,I(1)であると判断した。

 しかしながら,ADFテストや

PP

テストは,期間内に構造変化がある場合には正しい結果をもた

Table 1 Results of ADF and PP unit root tests

Variables ADF PP

Levels First differences Levels First differences

Oil efficiency −1.844(2) −4.659(6)** −1.894(10) −19.469(10)**

Oil price −1.126(8) −4.387(8)** −2.314(3) −8.534(10)**

Oil/gas efficiency −1.771(7) −4.602(6)** −1.729(9) −18.260(11)**

Oil/gas price −1.547(6) −4.749(6)** −1.979(1) −7.417(9)**

*, ** indicate significance at the 5%, 1% levels, respectively.

The numbers in parentheses are the lag order.

The lag selection for ADF tests is based on AIC criteria.

Truncation lags are for the Newey-West correction of the PP tests in parentheses.

Table 2 Results of ZA unit root tests

Variables Levels First differences

Test value Break point Test value Break point

Oil efficiency −4.618(7) 1980Q3 −6.184(6)** 1986Q3

Oil price −4.115(4) 1985Q4 −5.529(5)** 1981Q3

Oil/gas efficiency −4.041(2) 1985Q1 −8.189(4)** 1986Q3

Oil/gas price −2.869(4) 1994Q2 −8.314(3)** 1983Q1

*, ** indicate significance at the 5%, 1% levels, respectively.

The numbers in parentheses are the lag order.

The lag selection is based on AIC criteria.

(7)

らさない可能性がある。石油危機以降,日本経済とエネルギーとの関わりに構造変化がなかったと アプリオリに考える理由はない。そこで,先の単位根検定に加え,構造変化を考慮に入れた

ZA 単

位根テスト(Zivot and Andrews, 1992)

による検定も行った。その結果 Table 2 が示すように,構造

変化を考慮に入れても,すべての変数について(1)I

であることが見出された。

 次に,石油効率(石油+ガス効率),石油価格(石油+ガス価格)間における共和分関係の有無 を調べるために,Johansen-

Juselius

(JJ)

テストを行った(Johansen and Juselius, 1990)。共和分検定

は,次のような

VAR モデルに基づいて行った。

(2)

ここで,X は時系列変数ベクトル,n は定数項ベクトル,P は係数行列,pはラグ数,そして e は 期待値ゼロの散乱項を表す。ラグ数は,

AIC

(Akaike’s information criterion)

により決定した。Eq.

(2)

を変形することにより,次のような誤差修正項モデル(VECM)

が得られる。

(3)

ここで,D

は一階差を表す。また, % != ip=1%i-I,かつ, i j ip

= 1

C -

!

= +

%

j

である。 % ! の階数

= ip=1

%

i-I をチェックすることにより

, 時系列変数間における長期的関係の有無を知ることができる。

 Table 3 に,JJ 共和分テストの結果を示す。まず,石油については,trace eigenvalue 統計量,及

maximum eigenvalue 統計量ともに,共和分関係が存在することが示唆された。また,石油+ガ

スについては,trace eigenvalue および

maximum eigenvalue

統計量ともに,5パーセント有意水準 値を下回っていたものの,そのp値はそれぞれ

0.059,0.079 であり,やはり,共和分関係があるも

のと判断した。

 ところで,JJ 共和分テストは,共和分関係の安定性を保証するものではない。このことを確かめ るため,Hansen の安定性テストを施した(Hansen, 1992)。その結果,Table 4 が示すように,石油 および石油+ガスの両者について,変数間の長期的関係は不安定であることがわかった。これらの 結果は,効率と価格の関係において,対象期間内に構造変化があったことを示唆している。

 構造変化を考慮に入れた共和分関係を明らかにする方法として,Gregory-

Hansen 共和分テスト

がある(Gregory and Hansen, 1996)。この方法により,変数間においていつ構造変化が起こったのか,

内生的に決定される。Table 5 に,Gregory-

Hansen テストの結果を示す。

Xt Xt i t i

p 1

n e

= + -+

=

%

i

!

Xt i Xt i X

i p

t t

1 1

= +n + 1+e

D CD

= -

-

%

-

!

Table 3 Results of JJ cointegration tests

Cointegration rank Trace test Maximum Eigenvalue test

Statistics Critical valuea Statistics Critical valuea

Oil None 17.142 15.495 15.697 14.264

At most 1 1.445 3.841 1.445 3.842

Oil/gas None 14.983 15.495 12.979 14.264

At most 1 2.004 3.841 2.004 3.841

a5% Critical value

(8)

 Gregory-

Hansen テストでは,3

つのモデル,すなわち,C,C/T,C/S を想定する。C はレベル シフト,C/T はトレンド項付きレベルシフト,そして

C/S はレジームシフトにそれぞれ相当する。

Table 5

は,Gregory-

Hansen テストの結果を示す。この結果から,石油および石油+天然ガスの両

者について,1984 年頃に,輸入価格と効率との長期的関係において構造変化があったことが認め られる。

 Granger によれば,2変数間の共和分関係の存在は,変数間において,少なくともどちらか一方

向への

Granger 因果性があることを示唆している。Table 6 および Table 7 は,石油および石油+ガ

スそれぞれについて,誤差修正項モデルを用いた

Granger 因果分析の結果を示している。これらの

結果から,石油および石油+ガスともに,価格から効率に対する長期的な因果関係が存在すること

Table 4 Results of Hansen’s stability tests Model

Oil Oil/gas

Lc 1.368(<0.01) 1.678(<0.01)

MeanF 8.089(<0.01) 5.842(0.020)

S upF 10.863(0.089) 10.705(0.095)

p-values are given in parentheses.

Table 6 Results of Granger causality test for oil

F statistics t statistics

Dependent variables

Short-run Long-run

Efficiency Price ECT

Efficiency 1.811 −2.862**

Price 3.368* 1.573

* Significant at the 5% level.

** Significant at the 1% level.

Table 5 Results of Gregory-Hansen tests

Models ADF* Zt* Za*

Statistics Year of break Statistics Year of break Statistics Year of break Oil C −4.387 1983Q2 −4.362 1983Q3 −34.081 1983Q3

C/T −5.182* 1981Q2 −5.621** 1981Q1 −50.128* 1981Q2 C/S −5.067* 1983Q4 −7.065** 1984Q4 −72.478** 1984Q4

Oil/gas C −4.826* 1981Q1 −4.693* 1981Q1 −38.128 1981Q1

C/T −6.207** 1981Q1 −6.135** 1981Q1 −59.485** 1981Q1 C/S −5.283* 1984Q4 −5.279* 1984Q4 −45.586 1983Q3 * Significant at the 5% level.

** Significant at the 1% level.

(9)

が見出された。すなわち,石油および石油+ガスについて,輸入価格の変動に対する日本経済の頑 健性がみとめられた。

 次に,頑健性の程度をみてみよう。Table 8 及び

Table 9 は,それぞれ,石油及び石油+天然ガス

における,輸入価格と効率とのあいだの長期的関係を,fully modified ordinary least squares (FM-

OLS),dynamic ordinary least squares

(DOLS),そして

canonical cointegrating regression

(CCR)に より評価した結果を示している。これらの手法は,非定常時系列変数間の長期的関係を明らかにす るためにしばしば用いられる(Philips and Hansen, 1990 ; Stock and Watson, 1993 ; Park, 1992)。

 ダミー変数は,構造変化があった

1984

年第

4

期以降を

1,それより前の時期を 0

とした。まず,

石油についてみると,Table 8 が示すように,構造変化以前においては,石油効率の石油輸入価格 Table 7 Results of Granger causality test for oil/gas

F statistics t statistics

Dependent variables

Short-run Long-run

Efficiency Price ECT

Efficiency 2.067 −3.153**

Price 2.307 1.705

* Significant at the 5% level.

** Significant at the 1% level.

Table 8 Estimates from cointegrating regression for oil

FM-OLS DOLS CCR

PR 0.586(6.012) 0.541(5.469) 0.456(5.802)

DummyPR −0.384(−3.616) −0.393(−3.755) −0.267(−2.779)

Intercept 5.596(7.334) 5.931(7.627) 6.595(10.772)

DummyIntercept 3.697(4.497) 3.746(4.591) 2.792(3.801)

R-squared 0.808 0.911 0.835

Adjusted R-squared 0.804 0.903 0.832

t-values are in parentheses.

Table 9 Estimates from cointegrating regression for oil/gas

FM-OLS DOLS CCR

PR  0.329(7.307)  0.400(8.763)  0.314(8.467)

DummyPR −0.251(−4.931) −0.326(−6.551) −0.236(−5.329)

Intercept  7.806(25.188)  7.311(23.087)  7.911(31.195)

DummyIntercept  2.176(6.314)  2.697(7.917)  2.073(6.983)

R-squared 0.869 0.869 0.871

Adjusted R-squared 0.866 0.866 0.868

t-values are in parentheses.

(10)

弾力性は,0.46〜

0.59

程度だった。しかしながら,構造変化以降の弾力性値は

0.27〜0.39 程度減

少し,0.15〜0.2 程度まで落ち込んだ。

 同様に,石油+天然ガスについてみてみると,Table 9 が示すように,構造変化があった時期よ り前の弾力性は

0.31〜0.4 程度であり,石油のそれよりも小さい値であった。また,構造変化以降

については,石油と同様に弾力性は小さくなり,0.07〜0.08 程度まで落ち込んだ。

 石油単体でみた場合よりも,石油+天然ガスでみた方が頑健性が小さいという結果は,天然ガス は石油を部分的に代替することが可能である一方で,石油と天然ガス以外のエネルギー資源へ依存 度をシフトさせることがいかに困難であるかを示唆している。というのは,仮に,石油と天然ガス をなるべく使用しないで

GDP の水準を維持したり高めることが容易であれば,石油と天然ガスの

輸入価格が高まれば,石油と天然ガス依存からの脱却が進み,石油+天然ガス効率が高まるはずだ からである。しかも,1984 年以降は,ほとんど頑健性が失われているといってもよい。

5. ディスカッション

 本研究における分析の結果,1984 年を境に,化石燃料(石炭を除く。以下同)の輸入価格と

GDP の化石燃料効率との関係性において構造変化がみられた。1980 年代における化石燃料に関す

る大きな動きといえば,OPEC 以外の原油生産量が増加し,原油取引市場が各国で開設され,原油 価格の決定の場は

OPEC

から市場へと移ったことが挙げられる。1983 年には,WTI 先物が

NYMEX に上場され,そこでの価格は世界中の原油取引市場に影響を及ぼし,原油価格の指標となっ

ている。ただ,このような出来事が,どのようにして先の構造変化に影響を及ぼしたのかについて は,今のところはっきりしない。

 しかしいずれにせよ,近年の日本においては,化石燃料の輸入価格の変動に対して,GDP の化 石燃料効率が「反応」しなくなってきたことは確かである。更に懸念すべきは,近い将来,化石燃 料価格の急速な上昇が起こり得る,ということである。世界全体の年間原油生産量は,これまでの ところ右肩上がりだったが,新たな油田の発見については既にピークを過ぎている(EWG, 2008)。

原油の年間産出量のピークは,油田開発のピークに遅れてやってくると考えるのが自然であり,そ の時期については

2020 年代という見方が多い(Almeida and Silva, 2009)。こうした危機を,化石燃

料以外のエネルギー資源を開発することによって回避できると楽観視する際にも,注意が必要であ る。GDP の化石燃料効率は,GDP と化石燃料消費量との比によって定義されているので,もしも 化石燃料以外のエネルギー源へのシフトが進めば,化石燃料効率は高まるはずである。既に述べた ように,石油危機以降の日本における化石燃料効率の向上は疑う余地がないが,本研究結果により,

とりわけ近年,その向上速度が化石燃料価格の上昇に追いつかなくなったことが明らかとなった。

すなわち,非化石エネルギーの開発をこれまで以上に進めない限り,化石燃料における

ERoEI

の 低下を食い止めることができない,ということである。

 一次エネルギー供給源のシェアをみる限りでは,いわゆる再生可能エネルギーの開発の余地は十 分にあるようにみえるかもしれない(水力を除くと,シェアは現在

3%

程度)。しかし私は,再生 可能エネルギーが今後,大きく化石燃料を代替していく可能性については懐疑的である。何故なら,
(11)

再生可能エネルギー及びその利用を支えるストレージ技術を見渡すと,化石燃料と同様のエネル ギー密度を実現することは困難だからである(Trainer, 2007)。

 結局のところ,化石燃料依存からの脱却を図るためには,経済成長路線そのものを見直す必要が あるように思われる。実際,既存研究において,化石燃料は経済成長のために不可欠であり,非化 石エネルギーが化石燃料に替わり経済成長を牽引するエネルギー資源になっていないことが示され ている(Ishida, 2011)。

6. お わ り に

 本研究は,石油危機以降,石油の輸入価格の変動が日本経済にどのような影響を与えたのか,貿 易を通じたエネルギー資源の

ERoEI

という視点から検討した。日本における石油および経済関連 の時系列データによる分析の結果,日本経済は,石油価格の変動に対して

GDP の石油効率が変動

することにより

ERoEI

の低下を緩和しようとする機能(完全ではないにせよ)を有することがわ かった。しかし,ある時期(1984 年第

4

期)を境に,その機能は大きく弱まったことがわかった。

また,石油と天然ガスを合わせたデータを用いて同様の分析を行った結果,石油と同じような結果 が得られた。むしろ,ERoEI の低下を緩和しようとする機能は,石油単体でみた場合よりも小さ いことが明らかとなった。

References

Almeida, P., Silva, P.D., 2009. The peak of oil productiontimings and market recognition. Energy Policy 37, 1267- 1276.

Cleveland, C.J., 2005. Net energy from the extraction of oil and gas in the United States. Energy 30, 769-782.

Cleveland, C.J., Costanza, R., Hall, C.A.S., Kaufmann, R., 1984. Energy and the U.S. economy : A biophysical perspective. Science 225, 890-897.

Dickey, D.A., Fuller, W.A., 1979. Distribution of the estimation for autoregressive time series with a unit root. Journal of the American Statistical Association 74(386), 427-431.

EWG, 2008. Crude OilThe Supply Outlook. Energy Watch Group, revised edition february 2008 Edition.

Gregory, A.W., Hansen, B.E., 1996. Residual-based tests for cointegration in models with regime shifts. Journal of Econometrics 70, 99-126.

Hall, C., Tharakan, P., Hallock, J., Cleveland, C., Jefferson, M., November 2003. Hydrocarbons and the evolution of human culture. Nature 426, 318-322.

Hall, C.A.S., Balogh, S., Murphy, D.J.R., 2009. What is the minimum EROI that a sustainable society must have ? Ener- gies 2(1), 25-47.

Hall, C.A.S., Powers, R., Schoenberg, W., 2008. Peak oil, EROI, investments and the economy in an uncertain future. 

In : Pimentel, D. (Ed.), Biofuels, Solar and Wind as Renewable Energy Systems. Springer, The Netherlands, Ch.

5, pp. 109-132.

Hansen, B.E., 1992. Tests for parameter instability in regressions with I(1) process. Journal of Business and Eco- nomic Statistics 10, 321-336.

Ishida, H., 2011. Causal relationship between fossil fuel consumption and ecohnomic growth in Japan : a multivariate approach. Discussion Papers in Economics and Business, Osaka uinversity.

Jimenez-Rodriguez, R., Sanchez, M., 2004. Oil price shocks and real GDP growth : empirical evidence for some OECD

(12)

countries. European Central Bank Working Paper Series (362).

Johansen, S., Juselius, K., 1990. Maximum likelihood estimation and inference on cointegrationwith applications to the demand for money. Oxford Bulletin of Economics and Statistics 52(2), 169-210.

Nagano, M., Sugie, S., 2006. Oil price shocks and aggregate macroeconomic behavior in East Asia. Journal of Mitsubi- shi Research Institute 46, 34-51.

Park, J.Y., 1992. Canonical cointegration regressions. Econometrica 60, 119-143.

Philips, P.C., Hansen, B.E., 1990. Statistical inference in instrumental variables regression with I1 processes. The Review of Economic Studies 57, 99-125.

Phillips, P., Perron, P., 1988. Testing for unit root in time series regression. Biometrica 75, 335-346.

Stock, J.H., Watson, M.K., 1993. A simple estimator of cointegrating vectors in higher order integrated systems. 

Econometrica 61, 783-820.

Trainer, T., 2007. Renewable Energy Cannot Sustain a Consumer Society. Springer, The Netherlands.

Zivot, E., Andrews, D., 1992. Further evidence on the great crash, the oil price shock, and the unit root hypothesis. 

Journal of Business and Economic Statistics 10, 936-954.

資源エネルギー庁,2011.エネルギー白書.

Referensi

Dokumen terkait

ション・メディアとして加わることになり、既存の社会ネットワークが強められたり、新しい 社会ネットワークが形成して既存の社会ネットワークに追加するなど、社会ネットワーク全体 を補完する結果となるのかもしれない。それに対して、社会性が低く、元々の社会ネットワー クが小さい人は対人的な接触が苦手なため、匿名で顔も出さずにできるインターネットでのコ

1 ソルベンシー規制が生保会社の資産運用に及ぼす影響 ---資産側デュレーションと金利感応度の関係を中心にして--- 専修大学商学部 小藤康夫(こふじやすお) 1 生保危機の元凶と具体的対応策 (1)逆ざや問題の発生 わが国の生保業界は1990年代後半から2001年初頭にかけて未曾有の生保危機に

神戸女子短期大学 論攷 第66巻 1-6(2021) 要 旨 食塩の過剰摂取と高血圧症には密接な関係があることが知られている。また、世界 的にも日本人の食塩摂取量は多く、我が国の健康増進のために減塩対策は大きな課題 である。そこで、本研究では味覚感度の高い若年者を対象に二種類の官能評価を実施

色名単語の表記がストループ干渉へ及ぼす影響 仲田 汐里 (行廣 隆次ゼミ) Jensen & Rohwer(1966)は、ストループ効果(ス トループ干渉)について以下のような解釈をして いる。ストループ効果とは、Stroop(1935)が発見 した現象であり、文字と色という 2 つの属性が競 合しているような刺激を提示したときに、書かれ

これらの理論では説明できないと指摘している。 佐々木(2010)でも述べているように期待効用理 論は自然の状態の確率分布をもとにして効用の期 待値を考える理論であり、主観的期待効用理論は 自然の状態の確率に主観的確率を仮定して考える 理論である。しかし、フレーミング効果の本質 的問題は、Allais のパラドックス(Allais, 1953) や Ellsberg

緒言 食べることは生きるために欠かせないだけでなく、食を充実することで栄養状態、社会、心 理面の状況改善につながるということもいわれている。「健康日本21」の “栄養・食生活”の 分野においても、日々の栄養や食生活が人々の健康において重要な役割を占めていることが考 えられる。高齢化の進展にともない地域における一人暮らし高齢者の数も増加している。高齢

はじめに コンクリート部材の中の強度は、一般的に上部が 小さく、下部が大きいとされている。理由として、 上部は密度の小さい水が上昇して水セメント比が大 きくなり、下部には骨材が沈降することが考えられ る。また、締固め時に再振動を行った場合には、骨 材下面にブリーディングによって生じる空隙や空気 泡の減少によっても強度が増加すると考えられる。

1 はじめに オプションの理論価格を求めるBlack-Sholes モデル以下BSモデルは多くの専門家がオプ ション価格分析に利用しているが、実際に市場に出回っているオプションの取引量が急増した とき、理論価格との差がどのように変わるのかを検証した。市場に異常事態が起きたとき、取 引量が増えて流動性が上がり理論値に収束するという見方もあれば、市場の急変によって投資