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国立大学法人豊橋技術科学大学 Press Release

2021年12月15日

<概要>

豊橋技術科学大学の後藤太一助教らの研究チームは、半導体であるシリコン(Si)と磁 性絶縁体であるイットリウム鉄ガーネット(YIG)を組み合わせた基板を用いると、チッ プのように小型化しても、スピン波を広帯域かつ高強度で励起および検出が可能な素子が 実現できることをシミュレーションで示しました。スピン波は、電流を流さない磁性絶縁体 中を伝わることから、次世代超低消費電力デバイスへの応用が期待されています。同時に、

一般に広く使用されている半導体デバイスとの融合が検討されており、本研究はこれに向 けた基盤技術および材料開発の指針になると考えられます。

本研究は,豊橋技術科学大学の博士前期課程2年森冠太、博士後期課程1年髙口拓己、後 藤太一助教、中村雄一准教授、リム・パンボイ教授、井上光輝客員教授、信越化学工業株式 会社の渡邊聡明主席研究員、サンクトペテルブルグ電気工科大学のウスティノフ・アレクセ イ教授が共同で行ったものです。

<詳細>

スピン波は、電気を流さない磁性絶縁体であるイットリウム鉄ガーネット(YIG)の中 を流れることから、次世代の超低消費電力デバイスへの応用が期待されています。スピン波 を使った論理演算素子などの実証が、ロシア、ドイツ、アメリカ、および日本といった世界 各国で進められています。豊橋技術科学大学では、このスピン波デバイスをより小さくし、

チップサイズに小型化する研究を進めています。スピン波デバイスを小型化する際には、ス ピン波を励起する素子構造を小さくする必要があります。

研究を進めていく中で、単純にこれまでの構造を小さくするだけでは、励起できるスピン 波の周波数帯域が狭く、かつ、強度が小さくなることが分かってきました。これには、スピ ン波の励起素子の電極構造が関係しています。スピン波の励起素子は、2つの電極とYIG によって構成されています。広い周波数帯域、かつ、高強度なスピン波を励起するには、こ の2つの電極をYIG膜の表面と裏面に形成する必要があることが分かりました。

しかし、最近のスピン波デバイス研究におけるYIG膜の厚さは数マイクロメートルから ナノメートル台であり、割れてしまうなどの理由から、単純に膜の両端面に電極を作れない ほど薄くなっています。

そこで、本論文では、厚さ1マイクロメートルのYIG膜を半導体であるシリコン(Si)

スピン波を広帯域化および高強度化する素子構造を確立

—半導体と磁性体を融合した超低消費電力なスピン波回路実現に貢献—

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上に、金属層(Metal)を介して、接着した、YIG-On-Metal(YOM)構造 を提案しました。YOM基板を使うと、YIGのウラ面には電極がすでに形成されているた め、オモテ面に、もう片方の電極を作るだけで、スピン波励起素子を作ることができます。

この構造をシミュレーションすると、従来の電極構造に比べて、周波数帯域が広く、かつ、

強度が大きく、性能指数が2倍以上大きなスピン波励起素子が実現できると分かりました。

図の名称:提案したスピン波励起・検出構造の概略図。

図の説明:上部の電極と金属層の間に磁性絶縁体があり、全体がシリコン基板上にある。

<今後の展望>

提案したYOM構造は、Si基板上に形成されることから、磁性体を用いたスピン波デバ イスと半導体を用いた電子デバイスとの融合研究を加速すると考えています。今回のシミ ュレーション結果をもとに、実際のYOM基板およびスピン波素子を、SiとYIGの両方 の材料開発を得意とする信越化学工業株式会社、スピン波素子開発を得意とするサンクト ペテルブルグ電気工科大学、および豊橋技術科学大学の共同で開発を行う予定です。最終的 には、スピン波素子の得意とする機能により、半導体を用いた電子回路の苦手とする機能を 補い、総合的に優秀なデバイス・システム開発を目指しています。

<論文情報>

本研究は、次の論文で報告されました。無料ダウンロードが可能になっています。

・Kanta Mori, Taichi Goto, Toshiaki Watanabe, Takumi Koguchi, Yuichi Nakamura, Pang Boey Lim, Alexey B. Ustinov, Mitsuteru Inoue, “Broadband excitation of spin wave using microstrip line antennas for integrated magnonic devices”, Journal of Physics D: Applied Physics, https://doi.org/10.1088/1361-6463/ac3f10 .

本研究は、次の支援を受けて実施されました。

・日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究(B)No.20H02593、基盤研究(A)

No.19H00765、挑戦的研究(開拓)No.20K20535

・日本学術振興会二国間交流事業 No.JPJSBP120214807

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・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)No.20002157-0

・電子回路基板技術振興財団

・中部電気利用基礎研究振興財団

本件に関する連絡先

広報担当:総務課広報係 岡崎・高柳 TEL:0532-44-6506 FAX:0532-44-1270

Email: [email protected]

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