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PDF 国語科における教科教育法の授業をデザインする - 福島大学

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(1)

国語科における教科教育法の授業をデザインする

〜アクティブ・ラーニング型の学びと探究型の学びと〜

       太 田   孝 

は じ め に

 2022年より新高等学校学習指導要領(2018年 3月30日告示)が本格実施となり,このことによっ て新しい学習指導要領が小学校,中学校,高等学 校という一連の流れとして完成することになる。

 一方で,この新しい流れに対応できるように,

今後の教員養成システムをどのようにデザインし ていくのかという点が課題として認識される必要 がある。このことは即ち,大学における教員養成 課程の問題だけにとどまらず,教員の任命権者に よる教員採用制度,及び採用後の教員の研修シス テムという一連の連続した流れを,時代の変化に 対応して一連の教員育成システムとして改めてデ ザインしていくの必要性があるということでもあ る。

 振り返れば,ここ十数年にわたる教育改革にお ける改革の嚆矢とも言うべきものは,2012年に 発遣された『新たな未来を築くための大学教育の 質的転換に向けて〜生涯学び続け,主体的に考え る力を育成する大学へ〜』(以下,文部科学省

(2012)と記す。)であり,その内容の持つ意味と 意義は,2012年より十年を経た現在,その後の 時代の変化に合わせて再検証される必要のあるも のである。

 大学の学修においては,「アクティブ・ラーニ

ング」については,文部科学省(2012 : 37)に「教 員による一方向的な講義形式の教育とは異なり,

学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教 授・学習法の総称。学修者が能動的に学修するこ とによって,認知的,倫理的,社会的能力,教養,

知識,経験を含めた汎用的能力の育成を図る。」

と定義されており,同(2012 : 9-10)には「求め られる学士課程教育の質的転換」について「社会 の仕組みが大きく変容し,これまでの価値観が根 本的に見直されつつある。このような状況は,今 後長期にわたり持続するものと考えられる。この ような時代に生き,社会に貢献していくには,想 定外の事態に遭遇したときに,そこに存在する問 題を発見し,それを解決するための道筋を見定め る能力が求められる。」と記載された。

 今回の稿においておいては,大学での「アクティ ブ・ラーニング型」の学びが,学生が教員となっ て社会に出てからの学びに対して有効な連接とな ることを目指し,「アクティブ・ラーニング」の 手法で教師を目指す学生の「知識・技能」及び「指 導能力」の育成を行うことで,今後の小学校,中 学校,高等学校の教育の質の変化に寄与すること を試みるものである。

要旨: 2022年よりの新しい高等学校学習指導要領の本格実施に併せて,今後の教員養成システムをどのようにデザ インしていくのかという点が課題として認識される必要がある。大学の学修における「アクティブ・ラーニング」に ついては,文部科学省(2012 : 37)に記載があるが,今回の稿においておいては,大学でのAL型の学びが,教員と なって社会に出てからの学びに対して有効な連接となることを目指し,「アクティブ・ラーニング」の手法で教師の 育成を行うことで,今後の小学校,中学校,高等学校の教育の質の変化に寄与することを試みるものである。

【キーワード】  アクティブ・ラーニング型の学び 探究型の学び 螺旋型の展開 カリキュラム・マネジメント  学びの地図 

(2)

I部  大学における国語科教育法の受講生 から見えてくる問題の所在と対応方 針

1 現在の大学生における小学校,中学校,高等学 校の授業への認識

 今年度(2021年度)の本学における「国語科

教育法I」の授業において,その最初の時間にア

ンケートを行った。その中で,「これまでに受け た国語の授業を振り返って」として「良い意味で 印象に残った授業について(教材,学習内容,学 習方法,身についた力等)」について,小学校,

中学校,高等学校ごとに自由記述を行う欄を設け ておいた。そのアンケートにおいては,「〜を通 して,〜という力が身についた」という形態での 記述がほとんど見られなかったという点と小学 校,中学校,高等学校「アクティブ・ラーニング 型授業」への言及がほとんどなかった点が特徴で あった。例示としてではあるが,「先生が黒板に 書いたものを写して暗記してテストをするだけ だった」という記載さえあった。

2 問題の所在

 現在の大学学部学生の多くは,新しい教育思潮 としての「アクティブ・ラーニング型授業」には,

理念としての理解はともかく,授業の実践につい ては今までに受けてきた授業とは全く別なものと してイメージしており,同時にアクティブ・ラー ニングの具体的なイメージが持ててないと思われ る。一方で,溝上慎一監修の一連の「アクティブ ラーニング・シリーズ」の著作に指摘されるよう に,「アクティブ・ラーニング型授業」が有効に 行われるためには,従来からの「教育資産」が活 用や引き継ぎがうまく定着される必要がある。

 溝上慎一編(2018a : 13)には,「アクティブ・

ラーニング型授業」について「大学でも高校でも,

教育である以上は,授業の枠組みやルール,学習 内容は,基本的には教師が設定するものである。

何をどのように教えるかは,教師が考え決めるも のである。学習パラダイムが生徒学生を中心とし

た活動を目指すものだとしても,その基礎には教 授パラダイムがある」とする。

 今回の学生へのアンケートから見えてくるもの は,学生は,自分が小学校,中学校,高等学校で 受けてきた教育は,「アクティブ・ラーニング」

の教育とは対極をなすものであり,自らが教壇に 立つときには,全く未経験の教育思潮を基盤とす る新しい学習指導要領に基づく教育を行わなけれ ばならないという意識が見えてくる。このことは 即ち,溝上慎一編(2018a : 13)からすれば 「学 習パラダイム」と「教授パラダイム」をつなぐも のとして,授業実践的な「アクティブ・ラーニン グイング型演習」を行っておく必要性が極めて高 いということである。

 このことに伴い,以下の(1)から(6)の課題 への対応の必要性が見えてくる。

(1)  学生は,今までにアクティブラーニング型 の教育を受けてきたという意識が薄い。

(2)  (1)と併せ,学生にはアクティブ・ラーニ ング型の教育の具体的なモデルが欠如して いる。

(3)  アクティブ・ラーニングにおいては,今ま でに蓄積されてきた教育的資産を活用する ことが必要だという意識が薄い。また,蓄 積されてきた教育的資産の存在を知らな い。

(4)  アクティブ・ラーニングにはグループワー クによる対話が重要だという意識は強い が,指導のための具体的なイメージを持た ない。

(5)  今次の指導要領改訂で強調されている「カ リキュラム・マネジメント」の必要性及び 重要性が咀嚼されていない。

(6)  今次の指導要領改訂では「学びの地図」の 意識が必要であることが意識されていな い。

 今回のアンケートの対象者は,将来,中学校,

高等学校の国語科の教員免許状の取得を考えてい る学生であり,それぞれの回答は誠実であり,か つ真面目なものであった。だからこそ,このよう

(3)

な問題の所在に対し,「国語科教育法I」の授業 のデザインを通し,その問題の解決を試みようと したものが本稿である。

3 生涯学び続け,主体的に考える力を育てる教 師の育成を目指す「国語科教育法I

 本稿は,「国語科教育法I」の授業において,

受講生に「アクティブ・ラーニング型授業」を体 験する中で,学生が自らの成長を実感し,そこで 得た「学び」を,上級学年,教育実習,教員採用 試験,実際に教員となって実際に社会に出てから に連接しようという企図を持っての「国語科教育

法I」授業デザインの報告である。

 この授業における改善・工夫の事例として特徴 的なものを以下に挙げる。

 教材研究,指導案作成,模擬授業において,適 宜,段階を踏みながら,

①  グループワークの手法をできるだけ取り入れ ようとした。ただし,コロナ感染拡大防止の 観点から,学生同士が正対せず社会的距離を とる等の対策のため,付箋紙によるKJ法(付 箋紙の色を変えて,学生がグループ内で相互 によかった点,こうすればもっと良くなる点 のコメントを付することにより,作成した ワークシート等の資料や学習指導案,模擬授 業を相互に批正する手法),KP法(紙芝居 プレゼンテーション法,A4用紙にて手書き での簡易的シート作成して使用するプレゼン テーション法)等,学生同士による様々な動 的力学の相互作用の手法の導入を試みた。

②  リフレクションシートを活用し,次時にその 内容をまとめて振り返り,かつ,その後の展 開に生かした。具体的には,次時に前時の授 業内容の振り返り,リフレクションペーパー から必要と判断された前時内容の補足説明,

および発展的内容の教授,学生による代表的 な意見,感想,反省点等の抜粋をA4ペーパー にまとめ,毎時間配付・解説し,本時内容に つなげた。

③  15時間の授業展開の途中での提出物等(預

かっていたリフレクションペーパーも含む)

は,最終時間にまとまった形で返却し,新し い学習指導要領にある「学びの地図」が描け るように計らった。

④  今までに蓄積されてきた教育的資産を生かす ため,指導者側からのアドバイスの中に以下 のような観点を意識的に追加した。

  ○単元学習

   桑原隆(2018 : 210-211)「単元学習」(田近 洵一・井上尚美・中村和弘編著『国語教育指 導用語辞典〔第五版〕』教育出版)

  ○三読法

   鶴田桑原隆(2021 : 170)「読解指導」(髙木 まさき・寺井正憲・中村敦雄・山元隆春編著

『国語教育指導用語辞典〔第五版〕』明治図書)

4 指導上目標とするメルクマークについて   ─モチベーション向上のためのゴールの設定  前述の3における「生涯学び続け,主体的に考 える力を育てる教師の育成のために以下のような メルクマークを設定して授業を行うこととした。

(1) 今までに受けてきた教育の振り返り

(2) 教育実習までに付けたい力について

(3) 教員採用試験までに付けたい力について

(4) ※若手教員として付けたい力について

(5) ※中堅教員として付けたい力について

(6) 生涯学び続ける教員の在り方について  (1)から(6)の時点を想定し,「学び」の項目 を次のように考えた。

 実践を通して身につけたい力や観点の整理

(1) 教材研究

(2) 生徒理解

(3) 生徒の活動に対する評価の観点

(4) 他授業の授業評価の観点

(5) PDCAサイクルと授業改善の観点    ※指導用の知識・技能の習得I    ① 指導案を書く

   ② 模擬授業を行う   (③ 研究授業を行う)

   ※指導用の知識・技能の習得II

   ① KJ法による相互アドバイス(相互批正)

     ・良かった点

(4)

     ・こうすればもっと良くなる点       ※付箋として後に残す点を重視    ② KP法(紙芝居プレゼンテーション法)

     ・全体でのシェア      ・グループ内でのシェア

      ※A4用紙として後に残す点を重視    ③ グループワークに必要な観点と技法      ※かけ算として相互に高め合う点を重視

54における指導の上での留意すべき点として

(1) 「螺旋的・反復的」な繰り返しでの定着    参照: 文部科学省(2019b : 13)

(2) 「カリキュラム・マネジメント」の構造化    参照: 文部科学省(2019b : 4)

(3) 「学びの地図」に対する意識化    参照: 文部科学省(2019b : 2)

(4)  指導案作成における「ねらい」と「工夫」

の明確化

(5)  指導案作成及び模擬授業実施時における学 生相互の「学び合い」の構造化

(6) 授業評価の視点の明確化

   参照: 国立教育政策研究所「学習評価の在 り方ハンドブック」

6  演習教材の配当について

 A  ヘルマン・ヘッセ『少年の日の思い出』(光 村図書『国語1』※中学校1年の教材より)

 B  芥川龍之介『羅生門』(大修館『国語総合』

※高等学校1年の教材より)

 C  鈴木三重吉『ごんぎつね』(光村図書『国 語四』※小学校4年の教材より)

 D  「教育という営み」を漢字1文字で表す(中 間まとめとしての単発教材)

 E  単元「情報社会を生きる」(光村図書『国

語1』※中学校1年の単元より)

 F  『平家物語』−扇の的−(光村図書『国語2』

※中学校2年の教材より)

 G 教科書教材から自分が選んだ教材

 このAからGの演習用教材に対して,教材に 演習項目を対応させたものが以下の表1である。

1 演習用教材と「らせん型の学び」との関係        教材

演習と観点

A

B

C

D

E

F

G 指導案作成

 ・教材研究 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ※  ・生徒理解 ◎ ◎ ◎ ◎ ※  ・評価の観点 ◎ ◎ ※  ・PDCAサイクル ◎ ◎ ※  ・自案改善 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ※ 模擬授業実施

 ・他授業評価

 ・自授業改善

 従来の学校教育においては,所謂「インプット」

に意が払われたきたが,そのインプットされた内 容の ① 定着や ② 他の新しい場面での活用にお いては,「アウトプット」体験や「探究」活動の 実施こそが学びの活用の鍵となるものである。文 部科学省(2019b : 3)には「育成を目指す資質・

能力の明確化」の項に「生きて働く『知識・技能』

の習得」,「未知の状況にも対応できる『思考力・

判断力・表現力等』の育成」,「学びを人生や社会 に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」」

が掲げられている。(※アンダーラインは稿者注)

また,同(2019b : 3)の中の「『主体的・対話的 で深い学び』の項にある「キャリア教育の視点で 学校と社会の接続を目指す」とは,大学における キャリア教育の一環でもある「教科教育法」にとっ ても必須な視点であり,これらの指摘を強く意識 した上での授業デザインとなっている。

 また,これらのねらいを達成するため,太田・

髙橋(2020 : 18-19)に提案したように,学びの 定着と活用能力の育成のために「学び」とPDCA サイクルが二重螺旋の構造となるように「国語科

教育法I」の授業を実施した。

(5)

II部  大学の教職課程における国語科教育 法の実践例

 「国語科教育法I」の授業の実施にあたっては,

文部科学省(2012 : 37)の「アクティブ・ラー ニング」を援用し,「発見学習,問題解決学習,

体験学習,調査学習等が含まれるが,教室内での グループ・ディスカッション,ディベート,グルー プ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの 方法である」という活動を重視した。同文書の標 題にも引かれているが,大切にしたのは,「生涯 にわたって学び続ける力,主体的に考える力を 持った人材は,学生からみて受動的な教育の場で は育成することができない。従来のような知識の 伝達・注入を中心とした授業から,教員と学生が 意思疎通を図りつつ,一緒になって切磋琢磨し,

相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創 り,学生が主体的に問題を発見し解を見いだして いく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への 転換が必要である。すなわち個々の学生の認知的,

倫理的,社会的能力を引き出し,それを鍛えるディ スカッションやディベートといった双方向の講 義,演習,実験,実習や実技等を中心とした授業 への転換によって,学生の主体的な学修を促す質 の高い学士課程教育を進めることが求められる。

学生は主体的な学修の体験を重ねてこそ,生涯学 び続ける力を修得できるのである」であり,それ を重視しての授業デザインを行った。また,同

(2012 : 9-10)からは,「生涯にわたって学び続け る力,主体的に考える力を持った人材は,学生か らみて受動的な教育の場では育成することができ ない。従来のような知識の伝達・注入を中心とし た授業から,教員と学生が意思疎通を図りつつ,

一緒になって切磋琢磨し,相互 に刺激を与えな がら知的に成長する場を創り,学生が主体的に問 題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アク ティブ・ラーニング)への転換が必要である。す なわち個々の学生の認知的,倫理的,社会的能力 を引き出し,それを鍛えるディスカッションや ディベートといった双方向の講義,演習,実験,

実習や実技等を中心とした授業への転換によっ て,学生の主体的な学修を促す質の高い学士課程 教育を進めることが求められる。学生は主体的な 学修の体験を重ねてこそ,生涯学び続ける力を修 得できるのである」との記載を,この授業の実施 に活かした。

 このうち,「生涯学び続ける力を修得」するこ とをめざすことから,大学卒業後に「人材育成」

のための「研修」の機会でよく使われる知識・技 能を実地に使用した。また,その「知識・技能」

の定着のために,教材・使用場面を変えた上で何 度も繰り返した。併せて,その繰り返しの中で,

自己の知識・技能・運用能力の伸張を自覚するた め,リフレクションシート及び自己評価記入を含 むアンケートの使用を繰り返した。これに併せて,

稿末の参考文献に載る「ファシリテーション」や

「コーチング」の考え方や技法を使うことで,鈴 木克明(2021 : 81-91)のいう「行動変容として 研修の成果を定める」ことに務めた。また同

(2021 : 163)にあるように,「成長する学びに誘 う研修」として「成功体験を持ってもらい,やが ては自主的にその学び方を取り入れて継続しても らう」ことで,「『教えない研修』で学びを活性化 する仕組みを整える」ことを目指した。

1 国語科教育法授業での「自らの課題を発見し,

その課題の解決に取り組もうとする姿勢」の 育成

(1) 指導案の作成  ① 教材研究  ② 生徒理解  ③ 指導観

(2) 模擬授業の実施  ① 教材研究  ② 生徒理解

 ③ 他の模擬授業の見取り

(6)

2 演習用教材(実施配当順) と実際の活動

(1)  ヘルマン・ヘッセ『少年の日の思い出』 

    (光村図書『国語1』※中学校1年の教材     より) 

※第1回授業

 「国語科教育法I」メモ 自己紹介作成,パワー ポイント資料で授業内容の冒頭説明

 「少年の日の思い出」本文を配付

※第2回授業

 教材分析/授業構想メモ作成+グループ内でコ メントシート作成

 2ページ版の【学習指導案例書式例】

 ⇒その他,関係資料を電子データで送付

○リフレクションシート記載より(抜粋)

改善点についてのコメントが,新鮮であり,かつ作成 が難しかった。

構想メモ作成で,作品の持つ価値を自分で探すことは 改めて考えると難しい。

教材の研究の重要さを感じた。授業を「する」立場が 変化して大変かつ面白い。

グループの人との交流で自分の「良さ」見えた。他の 人「良さ」取り入れたい。

まだまだ,指導要領を読み込めていない。書き慣れて いないため苦労した。

時間内に早く読み,書ける週間を身につけたい。全体 像,ゴールが見えない。

構想を改めて考えたが,かなり読み込まないと教える ポイントがつかめない。

他の人が書いたのを読み新しい考え方や工夫に気づけ た。アドバイス,有効。

経験を積み重ねて,よりよく書けるようしたい。互い のコメント新たな視点に。

「こうすればもっと良くなる」など,言い方にも配慮 することが大切だと学んだ。

教材研究,他者の意見,自分の新しい気づき,指導法,

教材観,良い循環に刺激

「問い」はその授業,子どもの理解につながり,重要 であるため難しかった。

まだまだ理解し切れていないことがあった。来年の教 育実習に向け実践的に。

 …等

※第3回授業

 「少年の日の思い出」指導案作成+付箋紙でコ メント(KJ法改)

◎ 「カリキュラム・マネジメント」小学校・中学 校学習指導要領「総則」

「各学校においては,児童生徒や学校,地域の実 態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に教 育の内容等を教科等横断的な視点で組み立ててい くこと,教育課程の実施状況を評価してその改善 を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的 又は物的な体制を確保するとともにその改善を 図っていくことなどを通して,教育課程に基づき 組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上 を図っていくこと」

◎ 「学びの地図」小学校・中学校学習指導要領「総 則」

 ・ 今までの「学び」の内容と現在使える知識,

技能の確認が必要

 ・ 今の「学び」どこにつながるかを想定しての 従業構築の必要性

○リフレクションシート記載より(抜粋)

時間配分が難しい。慣れるまで何度も書き直すことに

…。何に重点を置くか。

前時の授業構想メモより変えて,大体は展開にあては まるよう変えたが,時間…

全体の見通しを持った上で1コマにできること。教材 研究,授業のねらい,構想…

身につけてほしいことがあっても,どう教えればいい のか,納得のいくねらいは…

どの時間まで何を理解させ…ゴールから逆算して考え る力が全然備わっていない。

一つの核となる問いにつなげるため,どんな展開,手 順か…まずは「まねぶ」

守破離という言葉にあるように優れた先例(指導案や 実践)を見て学びたい。

自分なりに教材を理解し価値を見つけ,それをどのよ うな指導方法で生徒に…

しっかり考えることで単元,授業のねらいも持ちやす くなる。慣れてきている。

小学校,しかもネットから例を見つけまねをしただけ なので1からは初めて…

今まで指導案は作ってきたがまだ時間はかかる。だい ぶ慣れてきて,数を…

次回の授業前に,改めて単元の教材観や指導案を捉え 直し,深く読み解釈。

まずは,児童に身につけさせたい力。「ねらい」がな いとわからない授業に…

まねることから始まり最後は自分のものに。いくつか の工夫のアイディアを…

 …等

(7)

※第4回授業

 主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラー ニング)(生涯にわたり能動的(アクティブ)に 学び続けるようにする)

知識,技能 ② 思考力,判断力,表現力 ③ 学 びに向かう力,人間性等(自主性)

ねらい

 ※何を定着させ何を将来使えるようにするか。

 ※今の「学び」はどこへ繋がるか。

 ※ 発問はどのようなものを行うか ※板書は何 をどう書くか。

 ※評価の観点はどこに置くか。

○リフレクションシートより記載より(抜粋)

指導案の時間を間違えて詰めすぎ時間がきつい。指摘 で良い指導案にしたい。

グループで回し読んで新しい視点考え方を得た。1 拠の提示,2考えの多様性

個人の意見・考え方をしっかり持ってから話し合いを することが重要

(最終シェアの段階で)他の校種の意見を聞いて,考 え方が広がった。

・ KJ法意見交換。効果的。どんな力を生徒に付けたいか。

指導案授業法学びたい。

活動あって学びなしにならないように子どもの見取 り。多くの人での指導案作成。

様々なアプローチと広い視野。良い点,改善点,時間 の余裕,目的,ねらい。

コメントをすることで客観的な観点が身につき,自分 を客観的に見れるように…

中学校教材を小学生に教える…「児童の実態にあわせ る」児童に伝わること大事…

グループに3年の方がいらっしゃり参考に。ねらい を決めてそれを実現する方法…

額縁構造を生かした指導案を考えました。・移動時間 を考えその場の発表が良い。

指導案作成難しい。グループワーク良い作業だと思っ た・多様性が印象的だった。

引き出しを増やし質的に良く時間的に素早く指導案。

教員採用試験授業備えたい。

◎キーワード

根拠・多様性・リライト・アフターストーリー・額縁 構造・個人の考え・KJ

目的と根拠・目的ねらいと指導の工夫丁寧さ・心情把 握・構造把握・評価規準

 …等

(2) 芥川龍之介『羅生門』(大修館『国語総合』

   高等学校1年の教材より) 

※第5回授業

 芥川龍之介『羅生門』 (多様な見方と考え方+

問題の把握,問題の解決の過程)

 グループとしての指導案の作成演習

  ①教材観(教材研究)  ※グループで共有   ②対象の生徒     ※グループで共有   ③指導案       ※各自で作成    ⇒次時,グループ全体ですりあわせ     参考 模擬授業についてのパワーポイント

資料の映写

   〇 成長は階段状に伸びる⇒やり続けると,

ある時点で急激に伸張する

○リフレクションシート記載より(抜粋)

羅生門指導案 まず,教材観,生徒観をグループで話 し合い 絞るのが難しい。

高校の時の授業 板書を写すだけで,眠くなってし まったり,記憶が無い。

調べてきて,教材価値,何を学ばせたいか,指導要領 の位置づけ,自信持てた。

生徒像が難しい 生徒が自分事として捉えるためにど うすべきか悩む。

教材観と生徒観が関わっている。もっと多くの時間を かけないといけない。

「ぶれない問い」が大事だと感じた。説明が迷わせる ことも。「ねらい」大事。

生徒の実態に合わせての授業。高校教材であり,高校 を目指しどんな授業を…

話し合いで「自分事として考える」というフレーズが 何度も出てきた。「方略」…

グループで最初にすりあわせ前よりやりやすい。うま く書けるようになりたい。

小学生に高校生の教材…詰め込みすぎない,ねらい明 確に,できること見つけて…

来週どんな指導案見ることができるか楽しみ。「学び」

がどうつながるかが大切。

少ない時間で子どもに力を付けさせることができるよ うねらいをはっきり…

次回共有することで自分になかった工夫を知ることが 楽しみ。

印象に残っていた作品だが,読み返して新たな感情。

経験,体験は大事。

◎キーワード

心情変化・下人の良心・アフターストーリー・丁寧な 説明・何を教えたいか。

どんな能力を身につけさせたいか・教材価値・自分事・

ねらい・深い学び

…等

(8)

※第6回授業

 芥川龍之介『羅生門』(指導案は何のために作 成するか 教材研究 生徒理解⇒良い授業)

 模擬授業準備のための確認   (パワーポイントスライド+

   評価の視点についてのプリント配付)

  ①  指導案(前時及び学習課題として各自で 作成を持ち寄る)

  ②  グループ全体でKJ法によるコメント⇒

すりあわせ

  ③ グループ全体で一つの指導案を作成

○リフレクションシート記載より(抜粋)

慣れてきて前よりいい指導案が書けるようになった。

自分の成長も感じられる。

よりスムーズに他者の指導案も考えられるようになっ た。一つ一つ学びながら…

自分なりに工夫して前よりうまくできたと思っても,

アドバイス,他の指導案…

教えたいところ多く出てきた。「教えるべき所」と「教 えたい所」皆の意見,力に…

教材観や対象生徒をグループで考え共有しねらい明確 に。ブラッシュアップ…

(質問)講義形式で,授業の作り方,教材研究の仕方 の予定はないのでしょうか。

(質問)単元の評価規準(案)指導と評価の計画に何 を書けばいいかわかりません。

(疑問)模擬授業…いきなり展開からだと,生徒はわ からないのではないか?

今回の活動を通し,自分では気づかなかったことに気 づいた。指導案,模擬授業…

教材観,何を教えたいか共有したのに,全く別な授業 になり面白いなと思った。

それぞれの考えがあり付箋の後の意見交換や誰の指導 案をやるか難しかった。

今昔物語集比較,心情と情景との関係を 等 生徒に 何を身につけさせるか。

自分では順序立てた指導案が書けなかった。他の人参 考にしたい。もっと本を…

『羅生門』共有。自分にはなかった問いと答え。多様 な見方を実感しました。

グループ全体で話し合いよりよい授業に。教材読み込 み,指導要領等,何を先に…

皆それぞれが全く異なる授業の問い,内容,方法であ ることに驚いた。

詰め込みすぎてしまうクセに気づいた。何のためにこ の行動活動をしているのか。

前回の反省を元に作ったが付箋をもらうと改善すべき 点が。教材研究様々な視点…

指導上の留意点なるほどと思った。想定より児童は時 間がかかるという指摘も…

指導案のどこに指導要領から抜き出して書くのか,ど こまでは自分で書くのか。

指導案を何人かの人と共有して良いところ,悪いとこ ろ…少しずつ成長して…

「25の視点」より〜具体的にわかったので指導案に生 かしたい。来週は模擬授業……

『羅生門』という教材を生かすも殺すも指導者の力量 によると感じた。

教師の話し方についての話しを聞いてなるほどと思っ た。声の大きさと早さ…

自分で指導案を書いて振り返るを繰り返してスピード クォリティが上がった。

付箋のコメントも具体的になりためになるものになっ てきた。繰り返しは大事…

いろんな切り口があって,同じ教材でも全く違った授 業になる。定番はいいが…

グループの人たちの指導案を見て,形式的なことや指 導をしていく上で重要な…

他人からの意見を想定しても,実際に意見をもらうと 思わぬ方向があり有難い。

授業の仕方が全く違って面白い。徐々に指導案が思い 通り書けるようになったと感じる。

他の人の意見を見ると自分の良い所と悪い所明確に解 るので,このような機会はとても良い。

 …等

※第7回及び第8回の二回分の授業

① 芥川龍之介『羅生門』 

  各グループによる模擬授業演習   (各グループ10分のみ)

  ⇒前時資料

  ① 模擬授業実践(パワーポイント)

  ② 授業分析25の視点

    ※授業分析ができるようになろう

② 指導案の様式⇒作成上の注意(次時日実施)

③ 「ごんぎつね」指導案作成開始   (次々時に完成して持参すること)

(9)

○リフレクションシート記載より(抜粋)

グループでねらいを統一したが活動の仕方,流れ,問 いが多様。考えや視点を広げ深める効果…

対話的活動の良さ,逆に欠点を自分で感じられる。指 導案だけでなく模擬授業も同じ効果が…

自分の模擬授業,他の授業を見て教師の指示がはっき り子どもに通る必要性感じた。(同多数)

二つのパターン 教師が説明する 子どもの意見 から展開。二つを組み合わせる必要がある。

『今昔』の訳と『羅生門』比較。また,楽しく根拠を 示し自分の考えを述べる。身につく。

一つの教材でも対象学年,ねらい,方法で異なる授業。

楽しみながら教材の魅力感じる授業を…

小中高,様々な方法を知った。どんなやり方をどうい う生徒に。指導案2回書いて,より理解…

指導案の書き方を詳しく知ったが,今まで指導案を書 いてきたから理解しやすくなった。

本文解釈が目的ではなく,資質・能力を育成すること が目的であることを忘れずに…

模擬授業を見てまねたいと思うものが多かった。ブ ラックボードサーフィンを小学校でも…

模擬授業,仮定と違うときの対処が難しい。

・グループ内でもう少し打ち合わせすれば…

指導案,学び続けるのが大切。「何を定着させたいか」

に着目して「深い学び」への指導案…

授業内容も大切だが,生徒への声のかけ方,話すとき のトーンにスピードも。退屈せず集中…

「これから授業を始めます」生徒の意識を教師に向け ることが大切,グループワーク諸刃の剣。

教え方のメリットだけでなくデメリットも考え新鮮味 ある授業を。具体的教材研究知りたい。

どんな力を付けてほしいのか−どんな生徒でどこまで できるのかにより,生徒により変える。

模擬授業をやってみて,指導案だけでは見え声の大き さ,自の丁寧さ,見通しの大切さ知った。

本文から根拠を得て心情を読み取り授業多かった。ア フターストーリーもしっかり目標持って…。

これで2回模擬授業。同じ作品であるが授業者で全く 違う・指導案留意点の書き方見直したい。

アフターストリーを書かせるやり方面白い。ただし,

二次創作の前に,『今昔』比較必要。

今までの指導案には,意味・意義という部分が欠けて いた。対象となる生徒考えていなかった。

教材の取り上げどころが同じでも,ねらいによって 様々な扱い方がある。授業の工夫でも違う。

模擬授業を実践として自分で行い授業を見る視点が変 わった。授業の流れ,発問,改善点…

模擬授業で字の丁寧さとか結構気になった。10分で 実施は難しいが子どもを引き付ける授業…

教師が適切に発問する重要さを学んだ。…子どもが すっきりと理解して活動に入る言葉がけ…

一つの教材をとっても様々なねらいのもと,何通りも の授業。グループワーク苦手な生徒も…

教師は子どもの意欲を引き出す工夫や言葉がけを考え なければいかないと改めて感じた。

授業に参加したい,考えたいと思わせる授業作りをし なければいけないと考えるようになった。

 …等

(3) 鈴木三重吉『ごんぎつね』(光村図書『国語四』

   ※小学校4年の教材より) 

※第9回授業

①  「ごんぎつね」指導案作成⇒相互でアドバイ ス(KJ法による)

② 指導案の書き方について資料により講義    「教育という営み」を漢字1文字で表す(次時)

(KP法発表準備)

○リフレクションシート記載より(抜粋)

リフレクションシートで「楽しく」「意味・意義」「意 欲を引き出す」「見通し」などのキーワードがあり,

国語の授業をする本来の目的がわかってきたように思 いました。

教材研究をグループでもっと深く話し合う時間がほし かった。議論がないと深めるのが難しい。

今回はいつもより具体的な指導案ができたと思ったら 他もパワーアップ。指摘は助けになる。

前回と違い班で内容を決めていないので,全員内容 違って面白かった。成長したかもと思った。

今回の指導案は付けさせたい力が明確で面白いめあて も設定できたように感じた。次はもっと…

どんどん周りの指導案のクォリティが上がって,少々 焦る気持ちと頑張るぞという気持ちが…

わくわくするような授業には核心を突いた発問が大切 であると授業案を見ていて感じた。

だんだんKJ法にも慣れ,最初は自分の指導案を見せ るのが嫌だったが書き方が分かってきた。

何度かの経験もあってグループでの質も上がってき た。それがモチベーションとなって…

これまでのよりもうまく書けた気がします。他授業で の電子黒板やジグソー法を取り入れて…

授業を作っていくうちに自分も友達も内容の質が高 まっている。コメントする力がついてきた。

最初より質が上がったと思う。また作者の生い立ちに

(10)

 焦点を当て構成したがどれほど掘り下げ…

最初の段階ではアドバイスが難しく時間がかかった。

比較や新しい方法を知ることで…数を…

兵十とごんの気持ちを視覚的に捉えることができれば 更に深い理解ができると思ってましたが…

何度か書くことによって,授業内容の独自性といった ものを考えるのが難しいと感じている。

他の人の指導案にヒントがあって,とても参考になる。

…生徒がわくわくするような設問を…

授業の中身を具体的に考えて書く…まだ足りないと反 省…ごんぎつね小学生の時よりも切ない。

パターンがつかめてきて,形式通り書くのに慣れてき たと感じている。深い学びにつながる…

ごんぎつね いつもより難しく感じた。心情などの根 拠として小学生が捉えることができるか。

ごんぎつね 多様な読みができる作品であり,たくさ んの視点から感じたこと,考えたことを…

自分の指導案アドバイスをもらう中で班の方々の意見 がとても明確で有難かった。自信と不安…

ごんぎつね 力を入れ対教材であり楽しかった。KP 法やったことがないため楽しみ。良さを…

ごんぎつね 草稿,鈴木三重吉改稿,教科書と3パター ン。漢字一字いろいろ。KP法楽しみ。

漢字一文字難しかった。「教育という営み」本質的な 部分は,いざ問われてみるとなかなか…

指導案見せ合い,コメントを以て改善点を指摘しても らう利点。一方,指導案作成しない人も…

グループ毎度クォリティが上がってる。一番いい指導 案,グループ交換後書き直しで良いか?

 …等

(4) ※「教育という営み」を漢字1文字で表す    (中間まとめとしての単発教材) 

10回授業

①  「教育という営み」を漢字1文字で表す(次 時(次時)にKP法で発表

  ※ KP法について

② 次時の授業における発表の準備

  ※  光村図書 中学校1年の単元「情報社会 を生きる」から発展して教材開発   ────────────────────

     →新聞,雑誌等から同じ対象への複数記 事を集め,比較し,意図を読み取る     新規教材を作成し,指導案を作成する   * 「剣道や茶道などでいう『守破離』という

言葉を知っていますか?」を改めて投げか けた。

◎前時の活動(KP法漢字1文字)(一部抜粋)

「学」①学習者②ともに学ぶ学び合う③学ぶ=なねぶ

④複数人で⑤生き方を学ぶ⑥学び続ける。

「支」指導→支援 教師が子どもを導くのではなく,

シュテイ的に学んでいく子どもを支援…

「生」①生きるための力②生まれ持つ・知りたい・ど うしてだろう・もっとできるように…

「把」しっかり手中に握る・子どもの実態を把握・指 導要領,社会の要請を把握すること大事。

「空」①子どもの成長は無限②学ぶことを通して雨→

くもり→晴れのように段階を踏んで学ぶ。

「視」①教材を観る②児童を見る③客観的,多角的に 見る④視覚的な授業。

「基」・教育で得た知識や経験は生きていく基盤・それ が元になり,知識技能面,心の面で支え…

「究」・養育を極めたいという姿勢 ・追求,研究,探 究 教育に関する大切な事柄に付く語。

「続」一生続くもので終わりがないから。また,教育 の内容自体も続いていくから。

「共」教育は〜教師自身も目の前の子どもの姿から学 び続けていく…子どもと共に学び続けて…

「要」宮口幸治「ケーキの切れない非行少年たち」学 力や認知力を学校教育で高めていく…

「積」急にできたりうまくなるものではなく,たくさ ん積み重ねながらゆっくりだんだん成果。

「歩」教育は先人の歩みである。自分の歩みである。

これから歩んでいく未来に必要なもので。

「豊」状況に応じた豊富な授業法知っている望ましい。

児童の個性も「豊」。豊かな学び合い。

「基」将来を生きるための基礎的な力を身につけ,人 生の基になるもの。

「道」学習することで子どもたちの道が増える。学習 は一歩ずつ歩んでいくことが大切な道。

「学」①教材から学ぶ②学びの場の提供③学びの形成

③子どもたちから学ぶ。

「重」①重んずべきもの②学び重ね使えるよう③積み 重ね④豊か深まり⑤視点重ね⑥教え重ね。

「繋」・横断的な教育・過去現在を通して新たな問いへ。

「秤」教育は誰しも完璧に適応ではなく目の前の子ど もにあわせ何に重きを置くか変わり平衡。

「進」今いる場所から少しでも進むことができれば成 長であり教育が原動力。教育が進ませた。

「成」成長の成。教育によって教えられた側が成長,

教えた側も成長。成人の成。学力,心身。

「質」教師の質 学校の質 教育の充実。

・「知」生徒ひとり一人の実態を知り,生徒ひとり一人

(11)

の様子を思い浮かべながら教材研究し,生徒と教材の 出会い方を知る。そして生徒と向かい合いながら知性 雄育む教育。徳育体育

 …等

(5) 単元「情報社会を生きる」(光村図書 

   『国語1』※中学校1年の単元より)

※第11回授業

  ①  光村図書 中学校1年の単元「情報社会 を生きる」から発展して教材開発   ────────────────────

     →新聞,雑誌等から同じ対象への複数記 事を集め,比較し,意図を読み取る      新規教材を作成し,指導案を作成する    ・ 学習指導要領の改訂から本格実施への留

意点確認(パワーポイント資料)

12回授業

  ①  光村図書 中学校1年の単元「情報社会 を生きる」から発展して教材開発   ────────────────────

     →新聞,雑誌等から同じ対象への複数記 事を集め,比較し,意図を読み取る       新規教材を作成し,指導案を作成する

(他者からの助言により改善)

   KP法により,作成した指導案の ① ねらい

② 工夫③ 公共性(公共の価値)の説明

◎前々時の活動(KP法漢字1文字)(一部抜粋)

「積」小さなことを積み重ねていくことが教育であり,

学ぶことであると思うから。

「灯」私たち,または子どもたちの未来を照らし出す 灯台の「灯」のようなイメージがある。

「繋」①自分のいままでの学びと新しい知識②他の人 の考えと自分の考え 考えを深め気づき…

「支」教師だけが生徒を支えるのではなく,親や地域 など様々なものが支え合って成り立つ。

「知」①子どもたちを知る」②教材知る 教師の学び 深まり教育の質(子どもの学び)の向上。

○リフレクションシート記載より(抜粋)

他の人の考える「教育という営み」奥深さ 今までと 違った教材扱う困難さ ねらいを確定し

自分のかで教材を見つけてくるのは難しい。

「情報社会を生きる」別の教材考えた。KP法の発表

 を考えてよりよい指導案を作って次回に…

情報を集めてきたが,先生の話を聞き,子どもたちの 興味関心を引くために〜どのように能力…

なかなか教材が見つからなかった。普段から新聞を読 み,多くの本を読むことが教材開発に…

国語科としての要素と情報リテラシー・メディアリテ ラシー。読み解く力と向かい合う姿勢と

同じ事項についての文章でも全然違うし,伝えたいこ とも異なることが分かり学習すべきこと…

ねらいは何か,想定した読者は誰を想定したか。情報 の読み取りと活用は必要不可欠。資料を…

中学生の興味関心のあることを把握し授業教材として 落とし込むため,工夫や選定の基準など

やりたいテーマを見つけたとしても,これを指導案に 落とし込むかが難しい。

生徒に何を伝えたいか,学ばせたいか,どのように伝 えるかなど考えてよしよいものを書けて…

教材を自分で探して授業を構想することで,より本番 に授業作りができると感じた。

ねらいと教材どちらも意識しながら試行錯誤。子ども にとって身近なネットを使っての授業も

比較をしやすい資料を探すことはとても難しいと感じ た。教材研究とは何か,具体的に理解…

情報の単元だからこそできる授業方法もあると思うの で考えてみたい。周りの人のも楽しみ。

自分がなぜ教員になろうとしているのか分からなくな るときもあるけど,自分の大好きな先生…

新聞社電子版の新聞…ICT活用授業。新聞記事4社比 較…共通点異なる部分…意図を読み取る。

情報の指導案初めて。友達がどんな記事でどんな授業 かわくわくしています。時代が変わり,

今までは教科書があり,教材研究からスタートできた が,教材探しから始まるのは難しかった。

こんなことがしたいというぼんやりとしたものはある けれども,うまくねらいや目的つかめず

他の人の発表や前時のリフレクションを見て,人それ ぞれの考え方が異なる。公共性難しい。

今日の授業で「PISAによる読解力」説明の中で,課 題文や図表の中の情報を自分につなげる

改めて,新聞社によって同じ内容でも取り上げ方が異 なることを実感した。受ける印象が全く…

読解力について考えが足りなかった。学んだことを人 生や生活に生かせる学び,沢山の工夫が…

既存の教材と違い,自分が教材を開発するのは高い ハードル。同時に今までに無い経験高揚感。

子どもたちが自分事として情報を捉えるためにも選択 が重要。小学校から中学校に繋がる授業…

 …等

(12)

 (6) 『平家物語』−扇の的−(光村図書『国語      2』※中学校2年の教材より) 

※第13回及び第14回の二回分の授業

  「扇の的」指導案 「教材の価値」+「生徒の興味・

関心」を引き出す (ICT活用)

・『平家物語』

i 数多くの異本の中で,語り本系(覚一別本)と しての意味・意義

ii 在地性(地域性) 那須一族の英雄顕賞

 文部科学省(2019b : 12)「我が国の言語文化」,

「伝統的な言語文化」についてICT活用により,『平 家物語』の特質と「言語文化」としての価値を考 察することを補足した。補足的な形での「探究」

活動であるが,高等学校においては,「探究的な 学び要素」がすべての選択科目に位置づけられて おり,あくまでも学齢に応じてだが,講義として の提示を行った。

 ◎ 指導上の留意点の振り返り

 (1) らせん型の学びと学生間の学び合い  (2) カリキュラム・マネジメント  (3) 学びの地図

 (4) ねらいと工夫  (5) 授業評価の視点

 ○ キーワード らせん型の学び カリキュラ ム・マネジメント 生徒への支援

※全体のアンケート1 を実施

※第15回授業  ◎提出物の返却

 ◎講義(全体の振り返り)パワーポイント資料

※全体のアンケート2 を実施

III部 成果と課題

1 「国語科教育法I」における「全体のアンケー

1」の結果より

 「国語科教育法I」において「全体のアンケー

ト1」で以下の項目については,受講前,受講後,

それぞれ4段階での段階での自己評価を行わせ た。これにより,あくまでも自己評価ではあるが,

授業前と授業後の自己評価の差から,自分の成長 の意識や効力感,充足感を読み取ろうという企図 から作成し,実施した。

  1 指導案の作成を通しての変容   ① 生徒理解

  ② 教材研究   ③ 指導観

  ④ 指導方法の工夫

  2 模擬授業の実施を通しての変容   ① 指導方法上の配慮

  ② 学習規律の維持   ③ 生徒の見取り   ④ 他授業の見取り

  3 指導用の知識・技能の習得を通しての変容   ① KJ

  ② KP法

  ③ グループワーク   ④ その他 器具,用具

 受講生全員から集めた結果として,全項目で評 価の低下した項目は見られなかった。それぞれの 項目の集計について,特徴的なものを抜粋し集計 を行ったものが以下の1から3である。

 以下に示した通り,全受講生38名のうち,授 業後に自己評価が低下した項目があったものは1 名もいなかかった。以下に項目ごとに簡単な分析 を付す。

(13)

 1 指導案の作成を通しての変容  受講前と

  受講後の   自己評価     の差

項目

受講後・マイナス評価 受講前後で変化なし 受講後・プラス

1/人 受講後・プラス

2/人 受講後・プラス

3/人 自己評価の差数の集計

指導案作成

・生徒理解 0 12 21 5 0 31

・教材研究 0 5 23 8 2 45

・評価の観 0 5 22 10 1 45

指導方法の工夫 0 3 20 12 3 55

 「指導案作成」に関する演習,講義についてい えば,上昇ポイントが一番高く出たのは,「指導 方法の工夫」の55ポイントであった。この表か ら看取ることができるのは,あくまでも授業前後 での上昇の程度であるが,受講生が指導案作成の 実習及び講義の中での学生同士の学び合いから最 も高い上昇の手応えを感じていたのは,この「指 導方法の工夫」の面である。これは,文言での記 載に「自分だけでは考えられないような指導方法 があり参考になった」という趣旨の記載が数多く あったのと符合する。

 また,「教材研究」及び「評価の観点」の上昇 ポイントも非常に高いものであったが,この「国 語科教育法I」は,国語科における一連の教科教 育法の中では最初のものであり,指導案の作成に は,「教材研究」及び「評価の観点」が重要性を 初めて実感したこと起因するものと思われる。

 一方で「生徒理解」の上昇ポイントが低めに出 たのは,「指導案作成」という,いわば図上演習 的なものであり,実際の生徒がいたわけではな かったことに起因すると思われる。

○アンケート1の記載より(抜粋)

何度も繰り返したことで指導案が以前より書けるよう になったと思います。

・「まねぶ」こと。

指導案を書いたり,実践したり,それらを反省したり することを通して最終的に行き着くのは,根底にある のは教材研究であるということ。

 …等

 2 模擬授業の実施を通しての変容  受講前と

  受講後の   自己評価     の差

項目

受講後・マイナス評価 受講前後で変化なし 受講後・プラス

1/人 受講後・プラス

2/人 受講後・プラス

3/人 自己評価の差数の集計

擬授業実践

・指導方法上配慮 0 5 25 8 0 41

・学習規律の維持 0 16 18 4 0 26

・生徒の見取り 0 14 19 5 0 29

・他授業の見取り 0 9 21 7 1 38  「模擬授業」で上昇ポイントが一番高く出たの は,「指導方法上の配慮」の41ポイントであった。

これは「指導案作成」での「指導方法の工夫」の 面とも重なり,「自分だけでは考えられないよう な指導方法があり参考になった」模擬授業があっ たことも大きい。「模擬授業」はあくまでも「模擬」

にすぎないのだが,実際の教員採用試験の要項の 記載や,実際の教員採用試験での模擬授業の場面 設定や評価規準を例示し,指導案を授業場面とし て立ち上げることを意識させた。ほぼ全員の受講 生が食い入るように真剣に見ていたのは印象に 残った。なお,場面臨場感を持たせるために,現 職教員の研究授業などで利用されることが多い

「授業分析25の視点」を参考に,「授業分析の視 点と授業評価のポイント」に関してのチェック表 をもとに参観者にチェックをさせたためもあり,

「他授業の見取り」の上昇ポイントも高かった。

一方で,教育実習を含め,まだ教壇に立った経験 がないためか,こちらで重視していた「学習規律

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