注意これは講義ノートではありません。計算の要点を抜粋しただけのものです。統計力学II (後期) 2006/10/20, 0915-1050@3-371
◎状態密度D
( ) ε
≡∆n ∆ε
(エネルギー範囲∆εに入っている状態数を∆n個とする)4-A 一次元の細い針金に閉じ込められた粒子
〔仮定〕針金の長さL 、針金の内側ではポテンシャル=0、周期境界条件:ϕ
( )
0 =ϕ( )
L 固有関数:ϕ ( )
x =Aeikx、但しk =2π
n L( nは整数で正負の値を取る)固有エネルギー:
ε
n=h2k2 2m=(
2h2π
2 mL2)
⋅n2 状態密度:( )
π ε ε
ε π
ε
ε ε
12 2 2
2
1
2 2 2
h
h L m
L m n
D n =
∂
∂
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⋅⎛
∂ =
⋅∂
∆ ≈
= ∆
−
注)上式はあくまで近似。εが小さいところでは
右図のように相当ずれている。
4-B 三次元の金属の立方体に閉じ込められた自由電子
〔仮定〕一辺の長さL, 箱の内側でポテンシャル=0, 境界条件:
ϕ ( )0r =ϕ (L,0,0)
, etc.
固有関数:
ϕ ( )
rr =Ceikxxeikyyeikzz、但し(
nx ny nz)
k 2L
π
, , r=、固有エネルギ k m
k 2 r 2 2
h
r =
ε
まず、エネルギーε以下の状態数N( )
ε は、2 2 2 2 2
(
2 2 2)
2
2 nx ny nz
L m m
k ⎟ + +
⎠
⎜ ⎞
⎝
= ⎛
>
π
ε
h h を満たす(
nx, ny, nz)
の組み合わせの数 よって半径R=(
L 2π )
2mε ε
球の体積を計算して、( )
33 4
π
Rε
=N
( )
3 2
2 3
6 2
π
hε
m V⋅=
( ) ( ) ( ) ( )
ε ε ε
ε ε
ε ε
∂
≈∂
∆
−
∆
= +
∴ N N N
D
( ) ε
π
23 6
2
3 2
2 3
h m
=V ε
π2 3
2 3
2 h
m
= V
(スピンS =½ がある場合は二倍する)
注)あくまで近似。εが小さいところでは右図の ようにデタラメに見える。これを遠くから見ると
ε の形に見えるということだ。
4-C スピンがある場合の状態密度
S =½の場合、↑と↓は同じエネルギー(磁場がない場合)なので、状態数は二倍。
一般のSの場合、−S, −S+1, …, S−1, Sまでの状態が同じエネルギーなので状態数は2S+1倍。
※磁場がかかった場合は、↑と↓でエネルギーが異なるので別々に計算する。
4-D 三次元金属中の自由電子のフェルミエネルギーεF=µ
(
T = 0) ( ) ∫ ( ) ( ) ∫
( )( )
∑
= == ∞ 0
0
0 F
F
ε
fε
2Dε
dε
µ 2Dε
dε
f N
s s 状態
(
V 3π
2) ( 2m h)3µ ( )0 3 2
=
から求める。意味は絶対零度で金属中の電子が持つ最大エネルギ
スピンS=½を持つ 場合はS(S+1)倍する nの正負の分
異なる波動関数を持った状態の数
ε
∆
ε
∆n個 状態の数があまり少ないとうまく定義できない(∆εの値によってD(ε)が変わってしまう) 現実の系(粒子数がアボガドロ数程度と非常に多い場合)では、状態が ぎっしり詰まっているので∆ε →0の極限を取れる
ε
D(
ε
) ∆εε
D(ε
)注意これは講義ノートではありません。計算の要点を抜粋しただけのものです。統計力学II (後期) 2006/10/20, 0915-1050@3-371
※フェルミエネルギーの色々な表現 (波数kF =3 3
π
2 N V が一番覚えやすい) eVh T
m k
k = = = =
= 2 F2 B F F F
F 2
ω ν
ε
h h ,λ
F=2π
kF, pF=hkF =mυ
F(波数kF, 温度TF, 角速度
ω
F, 振動数ν
F, 電子ボルト, 波長λ
F, 運動量pF, 速度υ
F) 4-E 状態密度とは? (別の考え方)D≡積分変数の変換の因子三次元の場合、
( ) ∫∫∫
∑∑∑
≈∫∫∫
x y z = x y znx ny nz
dk dk V dk
dn dn
dn 3
2
π
L
( )
2Vπ
3∫∫∫
4π
k2dk =∫∫∫ ( )
42π π
V3 k2 ddkε
dε
4-F 三次元金属中の自由電子の平均のエネルギー
⇔フェルミエネルギー
ε
FはT = 0での最高のエネルギー( ) ∫ ( ) ( )
∑
= ∞=
ε
fε
0ε
fε
Dε
dε
Es s s 状態
2 5 3 F 2
2 3
5 2
2
ε
π
h m=V F
5 3N
ε
=
T = 0での圧力を熱力学の公式から求めると、
( )
V V N
V S P E
∂
− ∂
∂ =
−∂
= F
5
, 3
ε
⎟⎟⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
∂
− ∂
= m
k V N
2 5
3 h2 F2 ⎟= ≡
⎠
⎜ ⎞
⎝⎛−
−
= V V
N
5 2 3
2 5
3
ε
Fε
F“フェルミ縮退圧”
(⇔古典理想気体ではP→0なので無限小の体積に縮まってしまう。)
白色矮星や中性子星は、このフェルミ縮退圧で重力に打ち勝っている。質量が増して、
重力の方が強くなるとブラックホールになる。
“フェルミ縮退”は、パウリ排他律のために、自由電子の一つ一つのエネルギーがわずかに 異なる現象で、普通の意味の縮退(異なる波動関数の固有エネルギーが一致)とは全く違う。
4-G レポート
1) 三次元の金属中の自由電子(一辺 3Å の箱あたり一つの電子が居ると)のフェルミエ ネルギーの値(式でなく値です)を4-Dで示したいろいろな単位で求めてみよう。
2) 二次元自由電子の状態密度をnx, nyが小さいとき(±5程度まで)に
ε
= 0 ~ 35まで厳密 に計算してみよう(2hm2( )
2Lπ 2 =1とした)。どの程度一定になっているだろうか。3) フェルミ分布関数について、全粒子数N=
∫
0∞D( ) ( ) ε
fFε
dε
が温度とともにどのよう に変化するかExcelで調べてみよう。化学ポテンシャルをµ
=1と一定とすると、kBT= 0, 0.05, 0.1, 0.15, 0.2, 0.25, 0.3の場合、Nはどのように変化するだろうか。
但し、状態密度は三次元金属の近似式D
( ) ε
=ε
を使う(√の前の係数を1としてよ い)。積分は =∑ ( ) ( )
i
i i f D
N
ε ε
と近似して良く、和はε
=0, 0.01, 0.02, 0.03…10の範 囲でとれば良い (ε
=10までで良いのは、そのあたりで fF( ) ε
が十分小さいから)。 注)もちろん、現実の金属ではクーロン力のために電子数が変化できないので、化 学ポテンシャルの方が変わります。( ) ε
Dnが大きい場合の近似 kr= 2Lπ
(
nx,ny,nz)
EF E
kx
ky kz