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シンポジウム「ロシア語教育の現在と未来」

堤 正典(神奈川大学外国語学部教授)

このシンポジウムは2006年12月16日に神奈川大学横浜キャンパスで開催された。ロシ ア語教育を多角的に討論し、情報を交換する目的で、4名による報告とそれに対する質疑応 答の他に全体討論の時間を設けた。報告は、臼山利信氏(筑波大学大学院人文社会科学研 究科助教授)の「大学間交流とロシア語教育 ―筑波大学の取り組みを事例として」、竹内 敦子氏(関東国際高等学校教諭)の「関東国際高校でのロシア語教育」、本学の大須賀史和 氏(外国語学部特任助教授)の「Web ベースの授業用教材の作成方法と今後の課題」、村田 真一氏(上智大学外国語学部教授)の「メディアによるロシア語教育 ―ラジオ講座で学ぶ ロシア語」である。また、司会は堤が務めた。

臼山氏は、筑波大学の各学類(学部に相当)におけるロシア語教育について述べ、その 中で特にロシア語を専門とする学生(人文学類言語学主専攻露語学コース)のためには、

さらにロシアのサンクトペテルブルグ大学への留学プログラムを組み込むことで、教員数 の不足による授業の多様性の不足などを補っていることが報告された(現地で取得した単 位を読み替えることにより 1年間留学しながらも 4 年間で卒業できるように構成されてい る)。また、筑波大学はロシア以外にも旧ソ連圏の国々の大学とも連携をはかっており、学 生の留学が実施されている。これほど多くの旧ソ連圏の大学と交流をもっている大学は日 本で他に見当たらないのではないかと思う。

竹内氏は、日本で唯一のロシア語専門課程をもつ高等学校である関東国際高校でのロシ ア語教育について報告した(関東国際高校には英語・中国語・韓国語の各コースも設置さ れており、来年度より東南アジアの言語のコースも設置されるとのことであった)。ロシア 語コースの生徒は、英語を学ぶとともにロシア語を初歩から学び、ロシアへの 5 週間の留 学・ホームステイを含む教育を受けている。卒業後進学は 3 分の1がロシア語を専門とす る大学に進み、3分の1がその他の外国語・国際関係に進むとのことであった(実は、神奈 川大学には、毎年外国語学部にこの高校からの入学者がおり、学部や大学としてもっと交 流を深めてよい高校であると考える)。また、生徒に「トマティスメソッド」による聴覚ト レーニングを実施しており、その効果についての報告もあった。

大須賀氏の報告は、本学言語研究センター共同研究「ロシア語教材開発の研究」による 助成を受けている研究で、本学の外国語科目初級A・B用にFlashを用いて作成した教材に ついてであった(Flashは動画をあつかうソフトであるが、それを応用的に用いている)。学 生が使用している書籍の形態の教科書の各ページと同じものがコンピュータ上にあらわれ、

文をクリックするとその音声を聞くことができるようにプログラムされている。これは、

Web でも利用できるが、実際は著作権上の問題もあり、一般的な公開はしていない。私も このシステムを授業で使用しているが、シンプルで非常に使いやすい教材である。しかし、

開発者の立場から問題や今後の課題があることが指摘された。それは、Web 関連技術の特

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性を必ずしも生かしているとは言えないこと、学生の能動的な取り組みを支援する形には なっていないこと、現行の方法では作成に時間と手間がかかること、教科書出版社などが Web 上に提供する供給者となり著作権上の問題を回避することが必要であること、などで あった。

村田氏からは、ラジオ講座によるロシア語教育について報告があった。村田氏はNHKラ ジオ講座をかつて担当し、また2007年度に担当することになっている。ロシア語講座の放 送の歴史、講師やロシア人ゲストについて、入門編・応用編のそれぞれの学習内容、テレ ビ講座との違い(テレビ講座は一般の視聴者の中にロシア語学習の裾野を広げるのがねら い)のお話があり、ラジオ講座の課題として、入門編・応用編を効果的につなげる中級講 座がないこと、放送時間帯/時間配分の問題、双方向性の問題、学習目的の明確化の必要 性、導入部の教授法の改良、の6つがあげられ、その解決についての展望が述べられた。

全体討論では、活発な意見交換・情報交換が行われた。主要なものとしては、水上則子 氏(県立新潟女子短大)より、携帯型デジタル音楽プレイヤーiPod をロシア語教育に用い ているとの報告があり、近々ホームページに詳細を掲載してくださるとのことであった。

また、林田理恵氏(大阪外国語大学)からは、関西で行われているロシア語教育研究会に 関東からも参加してほしいとの要請があり、実現させる方向で検討していくことになった。

井上幸義氏(上智大学)からは、最近のロシアでのロシア語教科書作成の情報があり、語 形変化の豊富なロシア語ではテキストがおもしろい内容の初級教材を作ることが困難で

(おもしろい内容にしようとすると高度な文法知識が必要となる文章になってしまう)、日 本で教材を作っている我々も悩むところであるが、本国自体でもさまざまな苦労がなされ ているとのお話があった。

☆ ☆ ☆

シンポジウムでは報告者の方々からはもちろんのこと、質疑応答・全体討論においてご 出席の方々からも興味深いご意見を多数いただくことができた。また、開催後にも参加者 からコメントをおよせいただき、シンポジウムのサイトに掲載させていただいている

(http://human.kanagawa-u.ac.jp/member/date/2006symposium.htm)。情報交換・討論の場とし て大きな役割をはたせたものと自負している。

スラヴィアーナとしては、15号(2000年発行)で「ロシア・東欧をいかに教えるか/教 えているか」という特集でロシア語をふくめて教育をテーマとしたことがあった。それ以 来ほぼ6年ぶりに、今回はシンポジウムという形でロシア語教育を取り上げたことになる。

今後も何らかの形で、このテーマを取り上げられていけたらと考える。

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