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Academic year: 2024

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ニュースレターNo.3 平成 26 8 11日発行

◆◆◆◆研究紹介◆◆◆◆

ステップエッジからのグラフェン面内成長のそ の場観察

Si や III-V 半導体などと比較して、グラ フェンの成長方向を制御することは容易で はない。より制御されたグラフェンナノデ バイスを実現するためには、種結晶と成長 層の方位関係の同定や、成長における触媒 原子の影響を明らかにする必要がある。こ のような成長メカニズムを原子レベルで理 解するためには、グラフェンネットワーク の成長の可視化が極めて有用である。

通常の CVD 成長では成長速度が高い(毎 分マイクロメートルのオーダー)ため、成 長メカニズムを原子レベルで解析すること は極めて困難である。そこで、電子顕微鏡 中で一般的に生じる炭化水素分子の集積現 象を利用して、低い成長速度のグラフェン成

長を電子顕微鏡中に実現し、原子分解能によ るその場観察を可能にした。すなわち、電子 顕微鏡の真空システムでは試料周りの真空 度はさほど高くないため、試料の周囲には 炭化水素分子が浮遊している。この炭化水 素分子は電子ビームの走査領域に凝集し、

その結果グラフェンのエッジに炭素原子を 供給することで、グラフェンの面内成長が 進行する。その成長速度を 1 分間あたり数 オングストローム程度に抑制することで、

原子分解能でのその場観察が可能になった。

我々は収差補正走査透過型電子顕微鏡

(STEM)像により、第一層グラフェンのテ ラス上で、第二層グラフェンのステップエ ッジから生じる面内成長と、成長中の単一 Si 原子の挙動を観察した。図1は 500℃で 加熱されたグラフェンがステップエッジか ら面内成長する様子を示す環状暗視野(ADF)

シリーズ画像である。

SATL news letter

文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(平成25-30年度)

領域名: 原子層科学 Science of Atomic layers (SATL)

発行・企画編集: 文科省 科研費 新学術領域「原子層科学」総括班・事務局 URL: http://flex.phys.tohoku.ac.jp/gensisou/index.html

連絡先: ニュースレター担当 長汐晃輔(東京大学) [email protected]

図 1. 面内に成長するグラフェンの ADF-STEM 像.成長開始段階のエッジはマゼンタ破線で示す.シアン点 線で示されている新たに成長された 2+領域には異なるモアレパターンが観察され、時間とともに増加す る.矢印で示しているのは Si 原子である.

図2.グラフェン成長する際の Si 原子の触媒作用を示唆する ADF-STEM 像シリーズ. 矢印で示す明るい点 は Si 原子である.

(2)

ニュースレターNo.3 平成 26 8 11日発行

Si 原子は電子線照射によりグラフェンの エッジ上を移動する。図 2 に示すようにグ ラフェンはいつも Si 原子の存在する位置 から成長が始まり、成長すると同時に Si 原 子はエッジに押し出される。これは CNT 成 長する際において、金属触媒粒子が常に CNT 先端に押し出されている先端成長メカニズ ムと同様と考えられる。

面内成長後の新たなグラフェンエリア

(図1d の右側)では、元のエリア(図1d の左側)と異なるモアレパターンが観察さ れる。詳しく調べたところ、再構成された 5-7 エッジから成長した領域では(図 3a-b)、 母層に対して 30°回転していることが分か った(その成長メカニズムを図 3c-f に示 す)。このように、エッジの構造に依存して グラフェンの成長後の方位が変化すること が、ADF-STEM 像その場観察によって明らか にすることができた。

(1) “In situ observation of step-edge in-plane growth of graphene in a STEM”, Zheng Liu, Yung-Chang Lin, Chun-Chieh Lu, Chao-Hui Yeh, Po-Wen Chiu, Sumio Iijima and Kazu Suenaga, NATURE COMMUNICATIONS, 5:4055 (2014).

DOI: 10.1038

物性班 劉 崢

産業技術総合研究所 ナノチュー ブ応用研究センター主任研究員。

1999 年 東北大学 材料物性専攻 工学博士。2001-2003 東北大学 多元研 助手。2004-現職。

◆◆ひとこと◆◆

ニュースレターNo2.「越野先生のひとこと」を 拝読して、いくつのキーワードから即座に時事 事象を連想しました。先ごろ世間で話題の現 象に関しまして、切ったり貼ったり(最近の言 葉で略すと“こぴぺ”)は学術分野では、禁じ 手として報道されております。しかしながら、

最先端を目指す原子膜の研究では、将来的 には全てを気相成長法で造りたいとしながら も、まずは天然や人工的に作り出した層状バ ルク材料から「切ったり張ったり」しながら新し いシステムを創り出すことが出来る。実際に 天然鉱物のグラファイトやMoS2から、昨今の 原子膜研究が拓けました。この原子スケール の膜から、多々の驚くべき現象が観測されま した。

さらに驚いたことに、「張ったり」と漢字を当て られているところが更に斬新で、確かに原子 膜を引っ張ったり歪めたりすると電子状態は 容易に変わる。びっくりしました。本当に新し いことを目指すには、まずは手じかに始めら れるクラシカルな“切った貼った”から始める べきであり、とにかく実験で試してみることで、

新しい世界が誕生する可能性があると。

ひらがなで連ねると同じフレーズになってしま

3. グラフェ ン の 面 内 成 長 のメカニズム.

(3)

ニュースレターNo.3 平成 26 8 11日発行

う言葉遊びかもしれませんが、原子膜の研究 は新世界を覗き込むための“とても小さいが、

大きなスタート点”かもしれません。まずは、簡 単には想像し難い原子の膜を使って、顕微鏡 で拡大しながらお手軽に切った貼ったを試し て、何が起こるか楽しみましょう。

応用班 塚越 一仁

独立行政法人物質・材料研究機 構 国際ナノアーキテクトニクス研 究拠点 所属。専門は、夢の原子 膜を用いた電子素子応用展開を 目指して、材料要素に必要な特性 の解明と探求に関する実験研究。

〇イベント報告

◆第3回原子層科学全体会議 日時:

2014

8

6

(

)7

(

)

場所:東京大学 本郷キャンパス プログラム

URL

http://flex.phys.tohoku.ac.jp/gensisou/archives/meeting /3rd/prog_3rd.pdf

3

回全体会議では,公募班のキックオフミ ーティングとして,総勢

60

名のメンバーが集ま りました。最初に領域代表から領域の方針等

の説明がありました。各研究班から今年度前 半の研究ハイライトに関する発表があり、フリ ーディスカッションでは、今後の研究展開及び 共同研究の進展について議論しました。講習 会等の企画によりメンバーの持つノウハウを 全体で共有し、既に多くの共同研究が進行し、

論文としての成果発表も多く報告され、新学術 ならではの進展がみられています。

2

日目の班 会議では、公募班のメンバーを中心に発表を 行い、新しい方向への展開を議論しました。ま た、懇親会では、新加入のメンバーの紹介等、

情報交換の場として活用いただきました。全体 会議は、一般公開されていて、若干名ですが 一般の方からご参加いただきました。お礼とと もに、大学院生など若い人の参加をお待ちして います。

◆応用班 カルコゲナイド結晶成長講習会 日時:

2014

8

7

日(木)

場所:東京大学 本郷キャンパス

最近,研究の進展が著しいカルコゲナイド 系層状物質の結晶成長に関して,埼玉大の 上野先生に講演頂きました蒸気圧の高い試 料を石英アンプルに真空封入する方法等を動 画を交えて説明頂きました。

写真 第

3

回全体会議。公募班を含め総勢

60

名の大所帯になりました。

工学部 6 号館の屋上スペース。気温が 37 度ぐらいあり、非常に暑かったです。

(4)

ニュースレターNo.3 平成 26 8 11日発行

写真 気相輸送成長法により得られたバルク 層状結晶(上野先生講演試料より)

〇お知らせ・受賞等

◆野田優教授(

A01

合成班)の研究協力者 小坂 昌輝君(修士課程

2

年)が、化学工学会 第

79

年会 本部大会 学生賞 金賞を受賞し ました。

◆依光英樹准教授(

A01

合成班)の研究協 力者 村上慧特定助教(現名古屋大学)が日 本化学会第

94

春季年会優秀講演賞を受賞し ました。

◆町田友樹准教授(

A02

物性班)の研究協 力者 森川生(博士課程

1

年)が、第

46

回フ ラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポ ジウム若手奨励賞を受賞しました。

◆斉木幸一朗教授(

A01

合成班)の研究協力 者 寺澤知潮君(博士課程

3

年)が、第

36

回応 用物理学会講演奨励賞を受賞しました。 「黒 体輻射を用いたグラフェン

CVD

成長の光学顕 微鏡観察」

◆坂本良太助教(A01 合成班)が第3回新化 学技術研究奨励賞を受賞しました。「エレクト ロニクス・スピントロニクスへ応用可能な「ボト ムアップ型」金属錯体ナノシート』」

◆坂本良太助教

(A01

合成班

)

の研究協力者 神戸徹也君(博士課程

3

年、現東京工業大学 博士研究員)が日本化学会第

94

春季年会学 生講演賞を受賞しました.「

π

共役金属錯体ナ ノシートの酸化還元特性と電子物性」

◆野田優教授(

A01

合成班)の研究協力者 小坂 昌輝君(修士課程

2

年)が,化学工学会 第

79

年会 本部大会 学生賞 金賞を受賞し ました.

◆齋藤理一郎教授(領域代表、

A04

理論班)

は研究協力者泉田渉、佐藤健太郎 とともに,

19

回日本物理学会論文賞を授賞しました.

〇今後の予定

◆第

4

回原子層科学全体会議 日時:

2015

1

27

日,

28

日 場所:東京大学・柏キャンパス 詳細は後日

HP

に掲載します。

◆国際会議 NT15

NT15(ナノチューブ、グラフェン、関連するナノ 物質の国際会議)が下記の日程で開催されま す.グラフェンに関するサテライト会議もあり,

SATL によるサポートも行います.

日時:2015 年 6 月 28 日-7 月 3 日 会場:名古屋大学 豊田講堂 HP: www.nt15.jp

〇事務局

編集メンバー: 長汐晃輔(応用班・東大)、北 浦良(合成班・名大)、依光英樹

(

合成班・京 大

)

、越野幹人

(

理論班・東北大

)

、山本倫久

(

物 性班・東大

)

、劉崢(物性班・

AIST

)、塚越一仁

(

応用班・

NIMS)

ニュースレターの充実のため皆様からのご意 見をお聞かせください。

長汐

:[email protected]

n-WSe2

5 mm

p-WSe2 MoS2

1 mm

1 mm 1 mm MoTe2

SATL news letter

文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(平成25-30年度)

領域名: 原子層科学 Science of Atomic layers (SATL)

発行・企画編集: 文科省 科研費 新学術領域「原子層科学」総括班・事務局 HP: http://flex.phys.tohoku.ac.jp/gensisou/

Facebook: https://www.facebook.com/gensisou

連絡先: 編集責任者 長汐晃輔(東京大学) [email protected]

Referensi

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平成 23 年 3 月 31 日発行 福山平成大学FDニュースレター第7号 11 平成22年度 FD推進委員会 活動記録 平成22年 5月19日 平成22年度 第1回委員会 議題 1)平成21年度活動内容について 2)平成22年度活動計画案 3)その他 平成22年度版 学生写真台帳CDを全教員に配布(貸与) 7月5~17日

平成 22 年 3 月 31 日発行 福山平成大学FDニュースレター第6号 11 FD推進委員会 平成21年度 活動記録 平成21年 5月12日 平成21年度 第1回委員会 議題 1)平成20年度活動内容について 2)平成21年度活動予定案 3)その他 平成21年度版 学生写真台帳CDを全教員に配布(貸与) 7月6~17日

12 福山平成大学FDニュースレター第11号 平成27年3月31日発行 平成26年度 FD推進委員会 活動記録 平成26年 5月23日 平成26年度 第1回委員会 議題 1)平成26年度活動計画案 2)その他 7月10~29日 学生による授業アンケート調査(前期) 8月20、22日 FD講習会「実用統計講座」 講師 経営学部 経営学科

平成14年8月 新教育課程対応の校舎完成 平成15年2月 明星小学校合唱団 ウィーン少年合唱団とジョイン トコンサート実施 4月 ビオトープ完成 平成16年6月 日本私立小学校連合会教員研修会会場校 平成17年4月 望月克彦校長、菅野秀二教頭 就任 平成18年4月 マーチングバンド結成 平成20年4月 菅野秀二校長、古賀博教頭 就任 4月