• Tidak ada hasil yang ditemukan

University News

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "University News"

Copied!
8
0
0

Teks penuh

(1)

 東洋大学では、平成 19 年 4 月より FD 委員会を設 置 し 活 動 を 始 め て い る。FD は Faculty  Develop- ment  の頭文字をとったものであるが、その意味は、

大学教員としての能力を開発し、発展させていくた めの取組みを総称するものとして理解されている。

大学教員としての能力とは何かについては、多くの 議論があるところとなるが、まずは、教育特に講義 の側面においては、学生への講義内容の伝達手法の 巧拙の存在を認めざるを得ないところであり、拙い よりは巧い方が良いに決まっているので、より良い 講義技術を持てるようにその能力を発展させる取組 みが必要なことは論を待たないところである。

 従来であれば、教員の教育の自由にかかわる問題 として、講義の在り方については、教員の自主的な 判断に任されてきたところであるが、受け手である 学生の立場からすれば、分かりやすい講義を受ける 権利が、教員の側から言えば、学生にとって分かり やすい講義を行う義務があると言うことが社会的に 認められてきていると言える。その結果、近年にお ける大学設置基準の改正においても、「大学は、当該 大学の授業の内容及び方法の改善を図るための組織 的な研修及び研究を実施するものとする」とし、教 育内容等の改善の組織的研修などを義務付けるもの となっている。

 もちろん、学生へ感銘を与える講義が、話術に長 けた講義とは限らないことも忘れてはならない点で ある。しかし、知識の伝達を優先せざるを得ず、マ

スプロ化を余儀なく されている現代の教 育体系の中では、教 員同士のお互いの努 力・経験の交流を通 じた、より巧い講義 への発展は、教員個 人 の 努 力 と し て も、

また大学全体の組織 的な努力としても必 要になっていること は認めざるを得ない

ところであろう。アメリカの大学では初めて講義を 担当する教員には toastmaster (宴会の司会者、乾 杯の辞を述べる人)向けの講習会に参加することを 義務付けているところもあるし、教材の作成準備を 補助する組織も整備されていると聞いている。

 東洋大学の FD 活動はまさに始まったばかりである が、試行錯誤を続けながらではあっても、より良い、

より感銘を与える講義を増やしていく努力を続けて いくことは、大規模大学における教育に責任を持つ ものとして、避けられない義務的活動であると考え られる。また、この活動を継続させていくためには、

教員の努力だけではなく、職員の協力、大学として の組織的な対応がぜひ必要になると言える。まさに 大学挙げての取組みが必要な活動である。ぜひ全学 的な理解と協力を得たいと考えるものである。

 「FD」とは、ファカルティ・ディベロップメント(Faculty  Development)の略であり、教員が授業内容・方法を改善し 向上させるための組織的な取り組みの総称とされています。

その意味するところは極めて広範にわたりますが、具体的 な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法につ いての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催など を挙げることができます。─中央教育審議会「我が国の高 等教育の将来像」答申─

 東洋大学では、自己点検・評価活動を推進するため、平 成 10 年度に「東洋大学自己点検・評価委員会」を設置し、

積極的に活動を行ってきましたが、併せて、各学部等にお ける授業評価アンケートの実施等について、同委員会でも 各学部等相互間の情報を共有するとともに支援等を行って きました。

 その後、大学院設置基準においてFD活動が義務化(平 成 19 年 4 月 1 日施行)されたことを受け、教育活動の継続 的な改善の推進と支援を目的として、平成 19 年度に東洋大 学FD委員会規程を制定し、「東洋大学FD委員会」を設置 して日々活動に取り組んでいます。

FD とは

東洋大学における FD 委員会の設立と活動

学長 松尾友矩

Toyo

University News

創刊号

発行/

東洋大学FD委員会

FD FD FD

Faculty Development

東洋大学 FD ニュース

(2)

 平成 19 年 4 月 1 日施行の大学院設置基準の一部改正に 先立ち、東洋大学では大学院学則の改正を行ない、「授業 及び研究指導の内容及び方法の改善のための組織的な研 修及び研究」(第 6 条の 3)、いわゆる FD(Faculty  Devel- opment)に関する規定を新設した。学部の FD についても、

平成 20 年 4 月 1 日に施行される大学設置基準の一部改正 に対応して、FDの義務化へと東洋大学学則も近々改正 される予定である。

 これらの法改正や学内諸規定の制度的整備に対応して

「東洋大学 FD 委員会規程」も既に制定され、この規定に より設置された FD 委員会も活動を開始している。これに より、東洋大学では FD 関連の制度に関する形式的な枠組 みが整ったが、端緒についた FD 活動をいかに浸透させ、

実効あるものとするかが今後の大きな課題となろう。

 FD は、授業あるいは研究指導の内容及び方法の改善を 図るための組織的な取り組みの総称である。その目的と するところは、学生の学習意欲の向上に資するような授 業や研究指導を展開し、本学が掲げる教育目標を実現す ることであり、教育機関としての大学や大学院の教育水 準や質の向上を目指した絶えざる改革・改善のための具 体的な方策として位置付けられる。それゆえ、FD は自己 点検・評価と有機的な関連性を有することも肝要である。

そのような観点からすると、FD への取り組みやその実施 の状況は、各大学における教育機関としての改善・改革 への取り組みの姿勢を反映するバロメーターとなろう。

事 実、FD は 大 学 基 準 協 会の「大学評価(認証評 価 )」 に お け る 評 価 項 目 の一つでもあり、今回の 認証評価結果では、東洋 大 学 の FD の 取 り 組 み や 実施に関して厳しい指摘 も行なわれている。

 当然のことながら、教 員の皆さんはこれまでも 教育改善のための活動に は 個 人 的 に 取 り 組 ま れ、

多くの努力を重ねてこられたことと思われる。しかし FD で重要なことは、個人的な取り組みとしてではなく、そ れが大学として、あるいは学部、学科、研究科等を単位 として、「組織的に」行なわれなければならない点である。

教員個々の皆さんがこれまで傾注された姿勢や意識は、

当然のことながら東洋大学における今後の FD 活動にとっ て不可欠であり、大きな力となることと思われる。今後 は FD に関する教員の皆さんのそのような姿勢や意識を結 集して、東洋大学における組織的な FD 活動の展開へ積極 的に役立てていただければ幸いである。FD 委員会の今後 の活発な活動の展開を期待するとともに、教員の皆さん の FD 委員会への力強いご支援を是非ともお願いする次第 である。

 東洋大学では今年度(平成 19 年 4 月)から教育活動の 継続的・組織的改善の推進と支援を目的として、FD 委員 会を立ち上げ活動を開始している。委員会の構成メンバ ーとしては委員長の下に各学部及び大学院各研究科から 選出された教員委員の他、教務部長、情報システム部長、

自己点検・評価委員会委員長と事務局が加わる大所帯で ある。

 今年度の委員会の活動としては、委員会に研修部会、

大学院部会、授業改善対策部会、教員表彰部会の 4 つの 部会を設置してフットワークの利いた活動を始めている。

 研修部会は教員に対する FD の啓蒙・理解向上を狙って 設立された部会であり、既に活発な活動を行っている。

今年度は研修会を 2 回実施した。

 学部に先立ち平成 19 年度より大学院における FD が義 務化されたのを受けて、より具体的で活発な活動を期待 して特に大学院部会が設置された。大学院では博士前期 課程の教育の仕方や後期課程の研究指導など学部とは異 なった教育上の特異点・問題点があるので、大学院部会 では大学院における FD 活動のコンセプト作りが急務であ る。

 授業の改善方法を検討することを目的に設置されたの が授業改善対策部会である。東洋大学では既に学生を対

象とした授業に対するア ンケート調査を毎学期全 ての学部で実施している が、アンケート結果を如 何にして授業改善に反映 させるかが今後の課題で あり、この点が授業改善 対策部会の主要検討課題 である。

 教員の教育活動をプラ ス志向で評価する目的で 設置されたのが教員表彰

部会である。従来、教員は主に研究業績で評価され、教 育活動についての評価基準は明示されてはいなかった。

教員表彰部会では主に教育評価基準作りを行うとともに、

顕著な教育効果を挙げた教員の発掘を行い表彰すること を目的としている。

 東洋大学では全学的 FD  活動を取り敢えず委員会組織 としてスタートさせたが、実効ある活動を期待するには 専任職員を配した部局としての組織化が不可欠であり、

今後なるべく早い時期にそのような組織になるよう努力 したい。

FD 委員会の活動開始に寄せて

常務理事 穐山幹夫

東洋大学における FD の取り組み

FD 委員会委員長 米山正秀

(3)

各部会の活動内容

高崎 喜孝 経済学研究科

東洋大学FD委員会構成図

FD委員会

委員長(副学長) 米山 正秀 全委員

【担当事務局】(主)学長室学長事務課

(副)教務部教職・共通教育支援課

部会長会議 研修部会長  神田 雄一 大学院部会長 長濱  元 授業改善対策部会長 吉田 明子 教員表彰部会長 吉永 健治

(副)教務部教職・共通教育支援課

(副)教務部大学院教務課

(主)学長室学長事務課

研修部会 部会長  工学部 神田 雄一 

文学部 藤本 典裕  生命科学部 大熊 廣一 福祉社会デザイン研究科 大迫 正文

【担当事務局】 学長室学長事務課

大学院部会 部会長  国際地域学研究科 長濱  元

文学研究科   竹内 清己  社会学研究科 西山  茂 法学研究科  笠原 俊宏 経営学研究科 柿崎 洋一 

工学研究科

山谷 修作  生命科学研究科 山本 浩文 福祉社会デザイン研究科 大迫 正文 学際・融合科学研究科 前川  透 法科大学院 相川  修 教務部大学院教務課

【担当事務局】

授業改善対策部会 部会長  経済学部 吉田 明子

経営学部 幸田 浩文 ライフデザイン学部 松尾 順一 工学研究科 高崎 喜孝

【担当事務局】教務部教職・共通教育支援課

教員表彰部会 部会長  国際地域学部 吉永 健治 

法学部 齋藤  洋 社会学部 金子 光一 文学研究科 竹内 清己 

【担当事務局】 学長室学長事務課 平成20年3月25日現在

【担当事務局】

部会に属さない委員 教務部長 山田 利明 自己点検・評価委員会委員長 新延 泰生 情報システム部長 椿 光太郎

FD委員会組織の紹介

● 研修部会

  ①新任教員の研修会の立案、実施   ②一般教員の研修会の立案、実施   ③ FD 関連研修会、講演会の立案、実施

● 大学院部会

  ①大学院の FD の概念構築

  ② FD の実施内容の検討および実施計画の立案   ③大学院各研究科の FD 活動状況報告会の立案・実施

● 授業改善対策部会

  ①授業改善の検討および実施計画の立案   ②学生による授業評価結果の授業改善への

   フィードバック・システムの構築(自己点検・評価委員会と連携)

● 教員表彰部会

  ①教育優秀教員の評価法の検討、確立   ②授業改善事例シンポジウムの立案、実施

(4)

東洋大学FD委員会

◆第 1 回

 日 時:平成 19 年 4 月 25 日(水)16:20 〜 18:00   議題 1. 東洋大学におけるFD活動等について   議題 2. 各検討部会の設置および構成員について   議題 3. 自己点検・評価委員会における授業評価ア

ンケートおよび活動状況等について   議題 4. 私大連盟主催のFD推進会議(専任教職員

向け)の参加者について

  議題 5. 私大連盟主催のFD推進会議(新任専任教 職員向け)の参加者について

◆第 2 回

 日 時:平成 19 年 6 月 16 日(土)10:00 〜 12:00   報告 1.大学院部会の活動報告について

  報告 2.研修部会の活動報告について   議題 1.新任教員のFD研修会(案)について   議題 2. 授業改善対策部会および教員表彰部会の

設置並びに委員の選出について

  議題 3. 大学院各研究科におけるFD委員会の発足 について

  議題 4.今後の会議形態の提案について   議題 5. 各学部、各研究科におけるFD活動の

ヒアリング(部会長会議)について   議題 6. 全学カリキュラム委員会との連携事業計画

について   

◆第 3 回

 日 時:平成 19 年 9 月 19 日(水)15:00 〜 17:00   報告 1. 第 1 回部会長会議の報告について   報告 2.各部会の活動報告について

  議題 1. 各学部のFD活動状況報告会の実施について   議題 2. 大学院各研究科のFD活動状況報告会の

実施について

  議題 3. 一般教員対象のFD研修会の実施について   議題 4. 『成績評価基準の明示』および『卒業生の質

の向上(学士力)』の対応について

◆第 4 回

 日 時:平成 19 年 11 月 10 日(土)9:30 〜 11:00   報告 1.各部会の活動報告について

  報告 2.他大学FDフォーラムの報告について   議題 1. 各学部のFD活動状況報告会の実施について   議題 2. 大学院各研究科のFD活動状況報告会の

実施について

◆第 5 回

 日 時:平成 20 年 3 月 22 日(土)10:00 〜 12:00      (予定)

  報告 1.新委員の紹介について   報告 2.各部会の活動報告   報告 3.FD広報誌の刊行について

  議題 1.平成 20 年度新任教員研修会の開催について   議題 2.ブログによる授業記録の試みについて

○新任教員FD研修会

 開催日時: 平成 19 年 9 月 21 日(金)

      (研修会)13:00 〜 17:00       (懇談会)17:00 〜 18:00

 会  場:研修会 6307 教室(白山校舎 6 号館 3 階)

      懇談会 スカイホール(白山校舎 2 号館 16 階)

 参加対象:新任専任教員   <研修会プログラム>

   1.挨拶(理事長 塚本正進)

       (学 長 松尾友矩)

   2. 「東洋大学におけるFDの取組」(副学長・F D委員会委員長 米山正秀)

   3. 基調講演「求められる教員像とFD」

(慶應義塾大学総合政策学部教授 井下 理)

   4. 講演「学生の立場に立った授業とは」

(経済学部経済学科准教授 千明 誠)

   5.グループ討議(参加者全員)

○カリキュラム構築に係る研修会

 開催日時:平成 19 年 10 月 27 日(土)13:00〜15:00  会  場:6302 教室(白山校舎 6 号館 3 階)

 参加対象:学内教職員(公開)

  <研修会プログラム>

   1.挨拶(副学長・FD委員会委員長 米山正秀)

   2.講演「FDの視点からのカリキュラム構築」

   ―領域(観点)別教育目標から考えるカリキ ュラムポリシーの構造―

  (立命館大学 大学教育開発・支援センター   沖 裕貴教授)

   3.質疑応答  出 席 者:約 80 名

○ 各学部におけるFD活動状況報告会の開催に ついて

 開催日時:平成19年12月15日(土)10:00 〜 13:00  会  場:6307 教室(白山校舎 6 号館 3 階)

 参加対象:学内教職員(公開)

  <報告会内容>

   1. 各学部のFD活動の現況と今後の活動計画に 関する報告

   2. FD活動における授業改善に関する優良事例

(ユニークな取組事例)の紹介    3.質疑応答と意見交換

 出 席 者:約 80 名

○ 大学院各研究科における FD 活動状況報告会の 開催について

 開催日時: 平成 20 年 2 月 22 日(金)

      (報告会)  13:00 〜 18:00       (意見交換会)  18:00 〜 19:00

 会  場: (報告会)   3203 教室(白山校舎 3 号館 2 階)

      (意見交換会)   スカイホール(白山校舎 2 号館 16 階)

 参加対象:学内教職員(公開)

  <報告会内容>

   1. 各研究科・専攻の設置理念・目標とFD活動 の意義と主要目標について

   2. 学生のニーズ調査の結果について

   3. 平成 19 年度のFD活動結果の成果と課題およ び平成 20 年度の活動目標

   4. 各研究科・専攻で特に成果が上がった事項、

特長が良く表れている成果  出 席 者 : 約 60 名

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

(5)

部会長会議

◆第 1 回  

 日 時:平成 19 年 7 月 31 日(火)16:30 〜 18:00  出席者:委員長、各部会長、事務局

  <議事>

   1.各部会の活動状況の報告    2.その他意見交換

    ①新任教員研修会実施について

    ② 大学院各研究科のFD活動報告会の企画について

    ③ FDの視点からのカリキュラム構築に関する研修会の企画について     ④ 学生生活実態調査報告のFDの視点からの分析・改善検討について     ⑤ FD事例(授業改善事例)、シンポジウム開催の企画について     ⑥その他

研修部会

◆第 1 回部会

 日 時:平成 19 年 8 月 1 日(水)14:00 分〜 15:15   議題 1.新任教員FD研修会について

  議題 2.新たな研修会の企画について   議題 3.次年度の研修会について   議題 4.その他

大学院部会

◆第 1 回部会

 日 時:平成 19 年 7 月 23 日(月)13:00 〜 14:00   課題 1.FD全体について

  課題 2.FD理念の検討等について   課題 3.大学院学生のニーズ把握について   課題 4.その他

◆第 2 回部会 

 日 時:平成 19 年 10 月 17 日(水)16:20 〜 17:30   議題 1.各研究科でのFD取組について

  議題 2.大学基準協会実地視察に伴うFDについて   議題 3.その他

授業改善対策部会

◆第1回部会  

 日 時:平成 19 年 9 月 19 日(水)13:30 〜 15:00   議題 1.授業改善に向けての方策

  議題 2.学部向けアンケート実施について   議題 3.その他

教員表彰部会

◆第1回部会  

 日 時:平成 19 年 7 月 27 日(金)16:00 〜 17:00   議題 1. 教員表彰について

  議題 2.その他

◆第 2 回部会  

 日 時:平成 19 年 10 月 30 日(火)9:15 〜 10:30   議題 1.学部におけるFD活動状況報告会について   議題 2.教員表彰について

  議題 3.その他

(6)

 開催日時:平成19年10月27日(土)13:00〜15:00  開催場所:白山キャンパス6302教室(6号館3階)

 研修内容:「FDの視点からのカリキュラム構築」

 開催日時:平成19年9月21日(金)13:00〜17:00  開催場所:白山キャンパス6307教室(6号館3階)

 研修内容:「求められる教員像と FD」

新任教員 FD 研修会

カリキュラム構築に係る研修会

 本年度初めて企画された新人教員のためのFD研 修会で、本年度本学に奉職された36名の教員を対 象として開催された。今回の研修テーマは「求めら れる教員像と東洋大学における FD 活動」で、大学 の教育理念や求められる教員像などについて FD の 視点から総合的に考える場となった。研修会では、

米山FD委員会委員長による本学におけるFDの取 組みついての講話、次いで慶應義塾大学総合政策学 部 井下 理教授による「求められる教員像と FD」

と題する基調講演では、大学改革の現状、FDの現 状さらに変化する大学教員像などについて教員にと って示唆の多い興味ある講演をいただいた。

 また、本学経済学部経済学科千明誠准教授より「学 生の立場に立った授業とは」と題する有意義な講演 をいただくとともに、キャンパス、学部などが異な る新任の先生方がグループに分かれ FD に関する問

題意識を共有し、課題を発見して大学教員が開発す べき「ファカルティ」とは何かを議論した。参加さ れた新任教員の方々からはFDへの新たな認識と教 員相互の交流などもあり意義深い研修会であったと の感想も聞かれ、初めての企画としては成果の大き い研修会となった。次年度も引き続き新任教員の研 修会を企画している。

 近年、大学教育の質の向上が求められ、平成19 年度からは大学院における「F Dの義務化」が実施 され、学部においても大学設置基準において FD を 義務化する方法で検討がなされている。そこで教育 改善の取組みの一環として教員の FD に関する研修 会を実施し、FD に対する認識を深めると共に授業 力の向上を図り、継続的な教育改善への取り組みを している。今回は、FD委員会委員、教務委員、学 部長、学科主任などを主体とした研修会を企画し、

この分野で著名な立命館大学教育開発・支援センタ ーの 沖 裕貴教授をお招きして「FDの視点から のカリキュラム構築」と題する講演をいただいた。

内容は、観点別教育目標から考えるカリキュラムポ リシーの構造に関するテーマで、大学設置基準の改 正にみるFDの考え方について、各授業の到達目標 との整合性を明示化するカリキュラム・マップにつ いて具体的な事例を挙げて説明をいただいた。学習

の目標と成績評価の基準の決め方など新しい方向性 を示され、FD活動が教育の質を担保するものであ ること、我々教員の研究を守るためであると力説さ れた。活発な質疑討論も行われ、カリキュラム作成 やシラバス作成など新たな課題を見出す有意義な研 修会となった。

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告 平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

(7)

 FD委員会委員、学部FD委員、自己点検・評価 委員会委員、関係事務局等約 80 名の出席者のもと、

学部における FD 活動状況報告会が実施された。始 めに米山委員長から挨拶があり、本報告会の進行方 法等について吉永部会長より説明後、引き続き各学 部のFD活動の状況について報告がなされた。内容 については、FD活動の現状と今後の活動計画、F D活動における授業改善に関する優良事例(ユニー クな取り組み事例)についてなど、組織的なFD活 動の活性化のための取り組みに関しての報告が主で あった。

 各学部における活動状況報告の終了後、吉永部会 長提案により、質疑応答・意見交換を行うにあたっ ては、①学部におけるFD活動のあり方、②全学の 取り組むべき活動は?の二つのテーマで議論が展開 された。主な意見等をまとめると次のとおりである。

①学部におけるFD活動のあり方について

・ 教育目標に沿って取り組むためには、個々人では なく、組織的な取り組みが重要である。

・ 学部としてどのような人材を育成するのかが重要 であり、各学部の設置の目的を明確にすれば、お のずとFD活動の取り組むべき方針も決まってく るのではないか。

・ 他大学の例を見ても、教員だけでなく職員・学生 も含めてのFDというものがあり、この三者が一 体となって、特に学生を参加させて教育改善に取 り組むことが大切であるだろう。さらに、職員の SD(スタッフ・デベロップメント)を行い、そ れを教員のFDとどのように結び付けていくかと いう課題についても重要である。

・その他

②全学の取り組むべき活動について

・ 米山委員長から「FDの目的は、①活動の方向性 を示す。②学部のサポートを行う。③対外性 の 3つであると考えており、当報告会の実施もそれ を模索するための一環であると考え、近いうちに このことについて方針を示していきたい」との実 施目標が提示された。

・ 学生のポートフォリオのように、学生情報を把握 することは重要であり、教育を良くするための情 報把握は必要であろう

・ 今後は入試やキャリア形成支援センター等の情報 と、教員が持つ学生の教育状況との共有を行うこ とにより、より相乗効果が期待できるだろうと考 える

・ 学部の教員一人一人がFDに対する意識を高めて いくことがまず先決であり、そのことが全学的な 取り組みを行う上での第一歩である

・その他

 意見交換等が終了し、最後に松尾友矩学長より、

「今回の学部におけるFD活動状況報告会において、

各学部のFD活動の取り組みが全学部に認識された ことは、FD活動の活性化のために大変有益であっ た。意見交換の中では、教員と事務局が相互に協力 して学生情報を共有すること等、すぐさま改善に取 り組みたいと思うものもいくつかあったので今後検 討していきたい。また、教員のFD活動を行っても、

それが学生の成果となって現れなければ意味がない ので、学生の成長にとって有益なことを教育するた めのFD活動でなければならないと考える。さらに、

熱意を持って教育に取り組み、研究業績があっても、

それを学生に伝えるのが苦手だということもあるの で、組織的に教育改善に取り組むFDは今後益々重 要になってくるだろう。まずは、各教員のFDの取 り組みに対する努力が必要であり、その基盤をもと に事務組織がサポートしていくという体制が望まし いと考える。」と締めくくり、報告会は終了した。

学部におけるFD活動状況報告会

 開催日時:平成19年12月15日(土)10:00〜12:50  開催場所:白山キャンパス6307教室(6号館3階)

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

(8)

 今回の報告会は、法人役員、学長及び学内教職員 を参加対象とし、次の事項により、パワーポイント による説明及び活動状況の詳細報告書に基づき行わ れた。

 (1) 各研究科・専攻の設置理念・目標とFD活 動の意義と主要目標

 (2)学生のニーズ調査の結果

 (3) 平成19年度のFD活動結果の成果と課題 及び平成20年度の活動目標

 (4) 各研究科・専攻で特に成果が上がった事項、

特長が良く表れている成果

 各研究科による発表時間は20分(発表15分、

質疑5分)で、法科大学院、文学、社会、法学、生 命科学、経営学、経済学、工学、国際地域学、福祉 社会デザイン、学際・融合科学研究科の順に報告が 行われた。

 主な内容の報告においては、研究科・専攻の設置 理念に基づくFD活動の意義と目標を定め、授業評 価アンケート及びその分析や分析結果に基づく方策 の決定、FD研修会(講演会)、研究科内のFD委 員会設置など、各種FD活動が行われてきたことが 確認できた。

 また、特徴的な取り組み等の事例及び計画等を以 下に取り上げる。

 法科大学院

 ・ クラス担任を置き、学習カルテ(GPAや成 績の他に科目担当教員のコメントあり)をも とに学習指導し、面談記録を作成保管。

 ・ 試験問題は、担当教員のコメントを付して学 生に返却し、一部コピーして保管。

 ・ 他法科大学院におけるFD活動報告会など開催。

 生命科学研究科

 ・ アンケート結果から、外部講師による「連続 講演会」の実施、「ライフサイエンス Tcafé の 企画検討を進める

 経済学研究科公民連携専攻

 ・ 授業アンケートによる科目毎や全体的な要望 について、担当教員または専攻主任が内容に 応じて回答し、学生にも公表。

 ・ 科目担当者によるFD会合をセメスタ終了後 開催。9 月の会合では、情報検索力や文書力に 問題があるとの指摘があり、10 月の授業開始 後、特別指導を実施した。

 工学研究科

 ・ 一部授業で、バイリンガルによる講義を実施。

 報告会が終了し、最後に穐山常務理事、古澤常務 理事から、「本報告会においては、大学院全研究科 の活動状況等について共通認識ができたことが有意 義であったこと。今後はFDの理念・目標達成のた め、これまでの活動の実質化やフィードバックを行 いながら、全教職員のテーマでもある組織的な取り 組みとして、目標の決定とそれを共有する必要があ る。また、法人としてのサポート体制整備も必要で ある」等、講評がなされた。

 その後、大学院研究科委員長会議で学長から示さ れた大学院改革(案)の一つである教員評価につい て、具体例を交えながら意見交換等が行われ、散会 した。 

東洋大学 FD ニュース

創刊号

平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告 平成 19 年度 東洋大学FD委員会 活動状況報告

大学院各研究科における FD 活動状況報告会

発 行:東洋大学FD委員会 発行日:平成 20 年 3 月 25 日

〒 112-8606 東京都文京区白山 5-28-20  電話 03-3945-7242 FAX 03-3945-7238

 開催日時:平成20年2月22日(金)13:00〜18:00  開催場所:白山キャンパス3203 教室(3号館2階)

 東洋大学は平成 19 年度に㈶大学 基準協会による大学評価(認証評 価)を受け、「大学基準に適合して いる」と認定を受けました。

 この認定マークは、大学が常に 自己点検・評価に取り組んでいる こと、そして社会に対して大学の 質を保証していることのシンボル となるものです。

Toyo

University

FD

News

FD

FD

Faculty Development

Referensi

Dokumen terkait

<役職等> 明治大学情報基盤本部副本部長 明治大学サービス創新研究所所長 明治大学情報化戦略協議会 委員 <公職等> ドラッカー学会代表理事 芸術思考学会 会長 私立大学キャンパスシステム研究会会長 日本ドローン振興協会(日本先進ドローン都市推進 協議会) 会長 京丹後市近未来技術普及促進協議会 副会長 日本ビジネス・コミュニケーション学会 副会長

日本農芸化学会関西支部参与会(507回)議事録 2019年2月2日(土) 1.2019-2020年度支部幹事 支部長 宮川 恒(京都大学大学院 農学研究科 応用生命科学専攻 教授) 副支部長 渡部 邦彦(京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 教授) 副支部長 津村 和伸(不二製油グループ本社株式会社 執行役員 未来創造研究所長)

コミュニティ政策学会 第Ⅲ期 役員名簿 (2006.7〜2008総会) 2007.07.07更新 会長 副会長 副会長 副会長 中田 實 石田 芳弘 木原 勝彬 広原 盛明 愛知江南短期大学学長 犬山市長 NPO法人政策研究所理事長 龍谷大学法学部教授 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事

コミュニティ政策学会 第Ⅰ期 役員名簿 (2002.6〜2004.総会) 会長 副会長 副会長 副会長 中田 實 木原 勝彬 広原 盛明 安田 養次郎 愛知学泉大学コミュニティ政策学部教授 NPO 政策研究所理事長 龍谷大学法学部教授 三鷹市長 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事 安藤 周治 安保 則夫 井岡 勉

32 ――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――― 2 副会長,追加の理事および常務理事は,2011年3月 19日土に専修大学で開催予定の「みなし理事会」にお いて選任されます。「みなし理事会」では,最初に,次 期会長により,副会長4名以内の選任および理事の追

総人口 10,793人 外国人人口50人 主な在留資格 永住者、技能実習1号 アドバイザー 伊東祐郎(東京外国語大学) 神吉宇一(武蔵野大学) 米勢治子(東海日本語ネットワーク) コーディネーター 上窪史歩(長島町役場町民福祉課) 立野あかり(教育委員会英語指導講師) 川原直美(教育委員会英語指導講師) 奥園正和(教育委員会社会教育指導員)

機械コース長 化学・生物コース長 電気・電子コース長 情報コース長 専攻科長 【副校長(専攻科担当)】 総合メディアセンター長 基盤教育グループ長 校 長 寮務主事 【副校長(寮務担当)】 学生主事 【副校長(学生担当)】 機械・制御コース長 電気電子・情報コース長 地域連携部門長(産官学連携&科学技術教育) 副センター長 副センター長

函館市小学校国語教育研究会 檜山小中学校国語教育研究会 函館市学校図書館研究会 函館市教育委員会 檜山管内教育委員会連絡協議会 函館市中学校長会