主はこう言われる。正義を守り、恵みの業を行え。わたしの救いが実現し わたしの恵みの業が現れるのは間近い。
旧約聖書 イザヤ書56:1
文責 松野
shalom
shalom~聖愛中学校通信~ shalom(シャローム)は「平和」を意味するヘブライ語。
「こんにちは」「さよなら」の挨拶として使われています。
第17号 2021.2.24(水)発行
わたしはぶどうの木、
あなたがたはその枝である。
人がわたしにつながっており、
わたしもその人につながっていれば、
その人は豊かに実を結ぶ。
~ヨハネによる福音書15:5-9~
現実逃避のせいでしょうか。中学3年の秋、あと数か月で高校受験だというのに、私は数学パズルの本にハマっ てしまいました。その中から、有名な論理問題をご紹介します。
【問題1】赤ちゃん救出作戦(ワニのパラドックス) ※ 約2000年前から議論されている問題
ナイル川の河岸で人食いワニが赤ちゃんを人質にとり、その母親に「自分がこれから何をするか言い当てた ら赤ちゃんを食べずに返してやるが、不正解なら食う」と言いました。母親は、どう答えたら赤ちゃんを取 り戻すことができるでしょうか?
ドラマ「古畑任三郎」の13話「笑うカンガルー」で「ライオンと冒険家の話」として紹介されたこの話、答えは
「あなたは私の赤ちゃんを食べてしまうでしょう」なのですが、この返事のどこが賢いかわかりますか?
もしワニが赤ちゃんを食べる場合、母親はワニがしようとすることを言い当てたので、ワニは赤ちゃんを食べら れず返すことになります。また、ワニが赤ちゃんを食べない場合、母親の予想が外れたのでワニは子供を食べる ことになりますが、そこで食べてしまうと、結果的に母親の予想は正しかったことになってしまいます。このよ うに、母親の返事によって、ワニは何をしようとしても自己矛盾になり、赤ちゃんを食べる事も食べない事もで きなくなってしまうのです。もしも、母親の返事が「あなたは赤ちゃんを返してくれる」だったら、人食いワニ は、赤ちゃんを返しても食べてしまっても良いのです(少し考えてみてください)。とは言え、ワニが赤ちゃん を返すつもりでいたのなら、どっちの答えでも、返してくれるんでしょうけどね…さて、次の問題です。
【問題2】正直地蔵とウソつき地蔵
あなたは今、天国へ向かって歩いています。その途中、二本の分かれ道がありました。一方は天国へ、もう 一方は地獄へ続く道です。そこには、「イエス」「ノー」しか答えないお地蔵様が立っていました。あなた は、そのお地蔵様に1つだけ質問をすることが出来ますが、そのお地蔵様は、本当の事しか言わない正直地蔵 なのかウソしか言わないウソつき地蔵なのか、見た目にはわかりません。どんな質問をすれば、あなたは道 を間違えずに天国へ行くことができるでしょうか?
イエスかノーのように2つに1つの選択の場合、「ウソのウソは本当」になりますから、2つの問いが含まれる質問 を作り、ウソつき地蔵に二重に答えさせて、本当のことを言わせれば良いのです(正直地蔵は本当のことしか言 わないので心配いりません)。つまり、「あなたは、右の道が天国に行く道ですか?と聞かれたら、イエスと答 えますか?」のように質問するのです。
もし右が天国へ行く道のとき、正直地蔵は「イエス」と正直に答えます。それに対し、ウソつき地蔵は「ノー」
とウソをつくはずですが、これだと上の質問に対して正直者になってしまうので、「イエス」と答えざるを得ま せん。もし左が天国へ行く道のとき、正直地蔵は「ノー」と正直に答えます。それに対し、ウソつき地蔵は「イ エス」とウソをつくはずですが、これだと上の質問に対して正直者になってしまうので、「ノー」と答えざるを 得ないのです。従って、上の質問なら、正直・ウソつきどちらの地蔵であっても、「イエスなら右が天国、ノー なら左が天国」となるわけです。
【問題2】から、「疑うことなく信じることなかれ、信じることなく疑うことなかれ」と思えてきます。「疑う ことなく信じるのは盲信、信じるものがないのに疑ってかかることは偏見、信じよう信じようとしても疑ってし まうのは疑心暗鬼、疑っても疑っても疑いようのないことを信じるのが確信」・・・といったところでしょうか。
◆東奥少年少女文芸大会 入賞者 (東奥日報掲載は2/25~28及び3月中旬頃)
作品は、新聞掲載後に紹介します。
◇短歌◇
☆秀逸 石岡 壱梧(2年)
佳作 宮川 唯 (3年)
◇俳句◇
佳作 江良 風花(3年)
◇川柳◇
☆秀逸 江良 風花(3年)
佳作 清野あかり(3年)
佳作 神 丈 (3年)
◇ 詩 ◇
佳作 宮川 唯 (3年)
※高校生の入賞者 ◇短歌◇
☆秀逸 秋庭 衣芙 (3年)
佳作 間山 栞梨 (3年)
佳作 神 柚杏(3年)
佳作 澤田 理小(3年)
◇川柳◇
☆秀逸 佐藤 純之介(1年)
◇ 詩 ◇
入選一席 工藤 遼大 (3年)
入選二席 松平 翔(3年)
佳作 三上 紗弥(3年)
◆卒業レポート発表から 2月18日(木)
今年で3回目の卒業レポート発表会。淡々と発表する人がいるかと思えば、笑いを取り入れ聴衆を飽きさせ ない発表にする人がいるなど、各自工夫を凝らした発表会。年々、調べる内容のレベルが上がってきていま すが、用意した原稿を読み上げるだけではなく、「スライドを見ながら話の進行ができるようになればいい のでは?」と思います。
←江良風花さんの発表後、
質問をする清野正義さん。
この2人の質疑応答は、
中学生とは思えないレベ ルでした。
今回の発表会最大の見所 でした。