Jutaku kinyu koko haishigo no yushi sukimu ni kansuru ichishian : shikin junkan bunseki karano teian

住 宅 金 融 公 庫 廃 止 後 の

融 資 ス キ ー ム に 関 す る 一 試 案

−資金循 環分析 か らの提案 −

辻村 和佑 溝下 雅子

2002年3月 ver.1.0

1は じ め に 2001年12,月 に 政 府 は特 殊 法 人 等 改 革 基 本 法 に 基 づ き 、行 政 構 造 改 革 の 一 環 と して163 の特 殊 法 人 及 び 認 可 法 人 を対 象 とす る特 殊 法 人 等i整理 合 理 化 計 画 を 発 表 した 。1997年12 月 に ま とめ られ た 行 政 改 革 会 議 最 終 報 告 に も指 摘 され て い る よ うに 、 行 政 に 関 連 す る 公 的 な 事 業 を遂 行 す る た め 、 特 別 の 法 律 に よ り設 立 され た 法 人 に っ い て は 、 経 営 責 任 の 不 明 確 性 、 事 業 運 営 の 非 効 率 性 、 不 透 明 性 等 の 弊 害 が 存 在 し、 関 連 予 算 の 肥 大 化 と も相 俟 っ て そ の 改 革 は急 務 とな っ て い る。 しか し な が ら も と も と特 殊 法 人 は 行 政 ニ ー ズ の 多 様 化 な らび に 高 度 化 に 対 応 し て 、 公 共 事 業 、 政 策 金 融 、 研 究 開 発 な ど幅 広 い 分 野 に お い て 、 各 省 庁 等 と の 緊 密 な 連 携 の も と 、 様 々 な 政 策 実 施 機 能 を果 た す こ とを 企 図 し て 設 立 され た もの で あ る。 した が っ て 特 殊 法 人 の 中 に は 長 年 に わ た っ て 社 会 に 根 付 き 、 国 民 生 活 の 不 可 欠 な 一 部 分 とな っ て い る も の も少 な く な い 。 と りわ け 住 宅 金 融 公 庫 は 長 期 か つ 固 定 金 利 の 住 宅 ロ ー ン を 低 利 で 供 給 す る こ と で 、 我 が 国 の 家 計 の 持 家 率 の 向上 に 多 大 な 貢 献 を し て き た 。 上 述 の 整 理 合 理 化 計 画 で は 住 宅 金 融 公 庫 の 融 資 業 務 に つ い て 、2002年 度 か ら段 階 的 に 縮 小 す る と と も に利 子 補 給 を前 提 と しな い こ と を原 則 と し、5年 以 内 に廃 止 す る も の と され て い る。 本 稿 で は 住 宅 金 融 公 庫 の 段 階 的 廃 止 計 画 や 、 同 じ く特 殊 法 人 等 整 理 合 理 化 計 画 で 謳 わ れ て い る都 市 基 盤 整 備 公 団 の 賃 貸 住 宅 新 規 建 設 の 中止 が 、 家 計 に い か な る影 響 を 与 え る か を 統 計 資 料 に よ り検 討 して い き た い 。 住 宅 購 入 の 際 に 問 題 に な る の が 住 宅 ロー ン の借 りや す さで あ る。 長 期 か っ 固 定 金 利 の 住 宅 ロ ー ン を低 利 で 供 給 し て き た 住 宅 金 融 公 庫 の 事 業 に 匹 敵 す る こ と を 民 間 が 肩 代 わ りで き る で あ ろ うか 。 現 状 で は も ち ろ ん 不 可 能 で あ る 。 住 宅 ロ ー ン の借 りや す さ の条 件 は 、第1に 金 利 が 低 い こ と、 第2に 長 期 固 定 金 利 で あ る こ と、 第 3に 万 が 一 の とき に 返 済 猶 予 が 受 け られ る こ とで あ る。 これ ら の条 件 を 兼 ね 備 え た 住 宅 ロ ー ン 商 品 を用 意 す る に は 、それ な りの資金 調 達 手段 を 考 えね ば な らな い。 現存 す る長 期 の 金 融 商 品 と言 え ば 償 還 期 限20年 あ るい は30年 の超 長 期 国 債 を お い て 他 に な い。 そ れ ど こ ろ か 民 間金 融 機 関 は 最 長 預 入 れ 期 間10年 の 定 額 郵 便 貯 金 に 対 抗 で き る 商 品 さ え 準 備 し て い な い 。 これ で は 期 間 対 応 の 原 則 ひ とつ を とっ て み て も 、 魅 力 的 な 住 宅 ロー ン 商 品 の 開 発 は とて もお ぼ っ か な い 。 我 が 国 の 金 融 機 関 の 国 際 的 な 長 期 格 付 が せ い ぜ い シ ン グ ルAか ら ト リプ ルBど ま りの 現 状 を考 え る と、 多 額 の 不 良債 権 を 抱 えた 現 状 で 長 期 の 金 融 商 品 を 開発 す る の は 不 可 能 に 近 い 。 さ り とて 多 額 の 政 府 債 務 を 考 え れ ば超 長 期 国 債 を 増 発 して 、 政 府 が 民 間金 融 機 関 に住 宅 ロー ン 資 金 を 供 与 す る と言 うの も非 現 実 的 で あ ろ う。 これ を 回 避 す る ひ とつ の 方 策 と して 、 民 間 金 融 機 関 が 既 存 の 一 般 勘 定 と は独 立 に住 宅 ロ ー ン専 用 の 特 別 勘 定 を 設 定 し、 この勘 定 が発行 す る住 宅 ロー ン債 券 に政府 保 証 を付 与す る こ とが 考 え られ る 。 こ の 住 宅 ロ ー ン 債 券 の発 行 額 に見 合 っ た だ け新 規 の 国 債 の 発 行 を 抑 制 す る こ と とす れ ば 、 国 は 確 定 債 務 を 偶 発 債 務 に 転 換 す る こ とが 可 能 に な り、 将 来 の利 払 い 負 担 を 軽 減 で き る メ リ ッ トが あ る。 も ち ろ ん 政 府 保 証 付 の 住 宅 ロ ー ン 債 券 は 長 期 の 金 融 商 品 と して は 低 利 とは言 え 、3年 物 の 定 期 預 金 な ど と比 較 す れ ば は る か に利 回 りも高 く設 定 で き る か ら、 ペ イ オ フ の 解 禁 で 資 産 運 用 に 窮 して い る 高 齢 者 な ど に とっ て も格 好 の 投 資 対 象

で あ る 。 しか も住 宅 貸 付 に は 繰 上 げ 返 済 が 不 可 避 的 に 発 生 す る こ と を 考 慮 す れ ば 、 政 府 保 証 住 宅 ロ.__.ン債 券 に額 面 で の 買 取 消 却 条 項 を 設 け る こ とで 、 個 人 の 資 金 運 用 の利 便 性 を 格 段 に 向 上 させ る こ と も可 能 か も しれ な い 。 これ な らま さ に黄 金 時 代 の 金 融 債 の 復 活 で あ る 。 裏 を返 せ ば 政 府 保 証 住 宅 ロ ー ン 債 券 は 、 ペ イ オ フ の 解 禁 で 資 金 流 出 に 歯 止 め を か け た い 民 間 金 融 機 関 に とっ て も願 っ て もな い 新 金 融 商 品 とな ろ う。 しか も特 別 勘 定 が 発 行 す る 住 宅 ロ ー ン債 券 に 政 府 保 証 が 付 く とい う こ とは 、 金 融 機 関 の 立 場 か ら して も 万 が 一 の場 合 に債 務 者 に 返 済 猶 予 を 与 えや す い 。 つ ま り住 宅 取 得 者 の 立 場 か ら見 れ ば 、 低 利 の 長 期 固 定 金 利 で あ る こ とは 当 然 と して 、 借 りや す い3つ の 条 件 が す べ て 揃 う こ と に な る 。 お そ ら く唯 一 の 欠 点 は 金 融 機 関 、 債 務 者 双 方 の モ ラル ハ ザ ー ドを招 き や す い 点 で あ る が 、 これ さ え解 決 で き れ ば 特 殊 法 人 改 革 の 良 き モ デ ル ケ ー ス とな る こ と が 期 待 され る。 こ の よ うな 観 点 か ら 住 宅 貸 付 勘 定 の設 立 が 資 金 と実 物 に も た らす 影 響 を 分 析 す る の が 本 稿 の 目的 で あ る。 2デ ー タ に つ い て 各 制 度 部 門 の 資 産 と:負債 の 状 況 を バ ラ ン ス シ ー トで 捉 え られ る資 料 と して1993年IMF 基 準 を も と に 日本 銀 行 に よ り作 成 され た 「資 金 循 環 勘 定 」 が あ る 。 これ を基 礎 資 料 と して 制 度 部 門 間 の 資 金 の 流 れ を 記 述 す る こ と を 目的 に慶 應 義 塾 大 学 産 業 研 究 所 で は 独 自 に 「金 融 連 関 表 」 を 作 成 して い る 。 本 稿 で は こ れ に 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 を 追 加 し て 資 金 面 か らそ の 効 果 を 分 析 す る シ ミ ュ レー シ ョン を行 っ て い る 。 ま左 実 物 経 済 との 関 係 を み る う え で 、 住 宅 投 資 や 公 共 投 資 に 充 当 され る資 金 が 直 接 ・間 接 に どれ く らい の 生 産 増 加 を促 す の か 予 測 す る た め に 「産 業 連 関表(延 長 表)」 を 、 住 宅 購 入 に伴 う耐 久 消 費 財 の 保 有 数 量 の変 化 に つ い て は 「全 国 消 費 実 態 調 査 」 を利 用 して い る。 これ ら の 分 析 に 用 い た デ ー タ に っ い て 簡 単 に 解 説 して い き た い 。 2.1金 融 連 関 表 本 稿 の 分 析 の 基 に な る金 融 連 関 表 の 基 礎 資 料 と して 今 回 は2001年3,月 の 資 金 循 環 勘 定 を採 用 して い る。 資 金 循 環 勘 定 の 「金 融 資 産 ・負 債 残 高 表 」 に お い て 、 資 金 の 流 れ は 図1の よ うに 各 制 度 部 門 を 列 、 取 引 対 象 と な る 金 融 商 品 を 行 とす る 貸 借 対 照 表 形 式 で 表 象 され て い る。制 度 部 門 は 国 民 経 済 計 算 と対 応 して 、大 き く金 融 機 関 、非 金 融 法 人 企 業 、一 般 政 府 、 家 計 、 対 家 計 民 間 非 営 利 団 体 、 海 外 に 分 け られ て い る 。 さ ら に 金 融 機 関 は 中 央 銀 行 、 預 金 取 扱 機 関 、保 険 ・年 金 基 金 とい う よ うに詳 細 な 内 訳 が 設 け られ て い る。 一 方 、 金 融 商 品(取 引 あ るい は 資 産 ・負 債 の 内 容)は 現 金 ・預 金 、 貸 出 、 株 式 以 外 の証 券 、 株 式 ・出 資 金 、 保 険 ・年 金 準 備 金 な どの 集 計 項 目 とそ の 内訳 か ら成 り立 っ て い る 。

制 度 部 門 一 一 一 一 一一 レ

金融商品

1

戀 飜灘 灘鑞 鬮齷

…

覊驪墅

灘難

資産

負債

資産

負債

資産

負債

1 2 3・.・ … n

金 融資産 ・

負債 差額

合計

図1:資 金 循 環 勘 定 の 構 成 資 金 循 環 統 計 を制 度 部 門 別 にみ る と各 経 済 主 体 が ど の よ うな 金 融 商 品 で 資 金 を 運 用 ま た は 調 達 して い る の か が 明 らか に な る 。 ま た 金 融 商 品 ご と に み る と各 金 融 商 品 の 総 額 や 、 ど の 主 体 の 保 有 割 合 が 大 き い の か 知 る こ とが で き る 。 さ ら に期 中 の 資 金 運 用 と調 達 は 実 体 経 済 に お け る 貯 蓄 、 投 資 行 動 と表 裏 一 体 を な す も の で あ り、 そ の 差 額 で あ る資 金 過 不 足(ス トッ ク表 で は 金 融 資 産 ・負 債 差 額:)は 概 念 上 、国 民 経 済 計 算 の貯 蓄 投 資 差 額 に一 致 す る(資 産 超 過=貯 蓄 超 過 、負 債 超 過=投 資 超 過)。 した が っ て 資 金 循 環 統 計 に お け る各 経 済 主 体 の 資 金 過 不 足 を利 用 す る こ と に よ り、 実 体 経 済 の 動 き を 金 融 面 か ら分 析 す る こ と も可 能 と な る。 これ を経 済 主 体 全 体 の 連 関 関 係 を把 握 す るた め に 慶 應 義 塾 大 学 産 業 研 究 所 で は 資 金 循 環 表 を行 列 形 式 に組 替 え た 金:融連 関 表 を 独 自に 作 成 して い る。 こ の 資 金 循 環勘 定 か ら金 融 連 関 表 へ の 変 換 に つ い て は 辻 村 ・溝 下(2001a)に 詳 細 に 記 され て い る の で 概 略 を 簡 単 に解 説 す る。 ま ず 資 金 循 環 表 の 資 産 と負 債 を別 個 に ぬ き だ して 資 産 表(E表)、 負 債 表(R表)と い う2っ の マ トリ ク ス を作 成 す る。 資 産 表 は 各 主 体 の 資 産 ポ ー トフ ォ リオ を あ らわ し、 負 債 表 か らは 資 金 調 達 の 手 段 を 把 握 す る こ とが で き る。E表 は 制 度 部 門 ご との 資 産 保 有 量eiJ、 負 債 超 過 εj、資 産 合 計t;、 金 融 商 品 ご と の 資 産 合 計tiEか ら構 成 され る 。 同 様 にR表 は 制 度 部 門 ご との 負 債 保 有 量riJ、資 産 超 過 ρ」、:負債 合 計t;、金 融 商 品 ご との 負 債 合 計tiRか ら成 る。 上 述 のE表 とR表 の 構 成 は 図2、 図3の よ うに 示 され る。

Eeii

eia...

eim

tl

Ee21

e22...

elm

t2

E...enl en2 enm n

8 8 … E1 "2 "m t t … t1 ｰ2 ｰm

図2E表 の 構 成

r,l r,2… ろm tRl

RY21 Y22... Y2m t2

Ynl 7。2…rnm tRn ρ1ρ2…Pm

t, ち …tm 図3R表 の 構 成

nは 資 金 循 環 表 の 取 引 項 目、 す な わ ち 金 融 商 品 の 数 を 表 し 、mは 制 度 部 門 数 を表 して い る。 こ こでR表 を産 業 連 関 表 のU表 に相 当す る も の と見 な し、E表 の 転 置 行 列 をV表 に 相 当 す る も の と見 な す1こ とに よ り図4の よ うに 制 度 部 門 間 の 取 引 を記 述 す るY表 が 作 成 され る 。 これ が 負 債 ポ ー トフ ォ リオ 仮 定 に も とつ い て 作 成 され た 金 融 連 関 表 で あ る 。

yll y12 … ylm εl tl y21 y22 … y2m ε2 t2

yml ym2…y㎜ εm tm ρ1 ρ2 ●●' ρm tl t2 ... tm 図4Y表 の 構 成 た だ し yザY表 の 各 要 素 でi部 門 か らj部 門 へ の 資 金 の 流 れ εi:Y表 に お け るi部 門 の負 債 超 過 ρj:Y表 に お け るj部 門 の 金 融 資 産 超 過 tj:Y表 に お け るj部 門 の 金 融 資 産 ま た は負 債 の 合 計 ま た 逆 にE表 を 産 業 連 関 のU表 、R表 の 転 置 した もの をV表 に よ み か え る と、資 産 ポ ー ト フ ォ リオ 仮 定 に従 っ た 制 度 部 門 相 互 間 の 資 金 取 引 を 記 述 す るY*表 が 作 成 され 、 これ は 図5 の よ うに 表 され る。

yll yl2 … ylm ρl tl y21 y22 … y2m ρ2 t2

yml ym2…y㎜ ρmtm EI E2 ... Em tl t2 ... tm 図5Y*表 の構 成 た だ し Yij:Y表 の 各 要 素 でi部 門 か らj部 門 へ の金 融 商 品 の 流 れ Y*表 はY表 を 単 に 転 置 した も の とな っ て お り、負 債 ポ ー トフ ォ リオ 仮 定 か ら作 成 され る Y表 と資 産 ポ ー トフ ォ リオ 仮 定 か ら作 成 され るY俵 は 資 金 と金 融 商 品 が 表 裏 一 体 に な った 整 合 的 な 取 引 表 で あ る2。

1U表 とV表 の概 念 や そ れ らの 表 か ら正 方行 列 を作 成 す る方 法 につ い て はUnited Nations(1999)参 照 。 2詳 細 は辻 村 ・溝 下(2001b)参 _{照 。}

2.2 産 業 連 関 表 実 物 経 済 の 投 入 ・産 出構 造 を表 す 統 計 と して 総 務 庁 を は じめ とす る11省 庁 の 共 同作 業 に よ っ て5年 ご と に 「産 業 連 関 表(基 本 表)」 が 作 成 され て い る 。 ま た こ の 間 を 補 い 最 新 時 点 の 経 済 構 造 を 反 映 す るた め に経 済 産 業 省 で は 、 毎 年 「産 業 連 関 表(延 長 表)」 を公 表 し て い る。 産 業 連 関 表 の 構 成 は 図6に 示 され て い る が 、 表 の 縦 方 向 に は 生 産 の た め に投 入 され た 原 材 料 で あ る 中 間 投 入 や 、雇 用 者 所 得 、 営 業 余 剰 な ど の粗 付 加 価 値 が 計 上 さ れ て い る。 一 方 、 表 の横 方 向 に は 各 産 業 が 生 産 した 商 品 の 販 路 構 成 が 示 され 、 原 材 料 と して 供 給 され る 中 間需 要 と、 家 計 や 政 府 の 消 費 や 企 業 の 投 資 に 供 給 され る最 終 需 要 か ら成 っ て い る 。 本 分 析 で は 詳 細 な 財 につ い て は 「1995年 産 業 連 関 表 」 の 基 本 分 類 を用 い 、 部 門 分 類 は 粗 くて も な る べ く最 新 の デ,_._.タで 予 測 した い 場 合 は 「1998年 産 業 連 関 表(延 長 表)」46部 門 表 を用 い て い る 。 R 箆 ● : X X 12 22 ・ : X X 11 21 ・ : X X 歇 R ・ : X V 瓰 12 . : X V M 11 ● : X V ㌦ 取 6 図 怩 2 V X 切 l V X 町1 … f1φ exl-iml xl fビ ●flφex・ 一im・x・ fkl … fkφ exk-lm k xk

産業連関表 の構成

た だ しXijは 中 間 財 の 取 引 金 額 、角 は 最 終 需 要 、 VIJは粗 付 加 価 値 を 表 し 、そ れ ぞ れ 行 列X、 :F、Vの 要 素 とな っ て い る 。 e殉、 imiは そ れ ぞ れ 各 産 業 の 輸 出額 と輸 入 額 で ベ ク トルEX、 IMで 表 され る。 Xjは 国 内 生 産 額 合 計 とな っ て い る。 こ こ で 輸 出 入 以 外 の 最 終 需 要 ベ ク トル と粗 付 加 価 値 は46部 門 表 に お い て 次 の よ うな 部 門 か ら構 成 され て い る。

表1:粗

付加価値部門 と最終需要部門

粗 付 加価 値 部 門

最 終需 要部 門

Vlj

家計外 消費 支出(行)

fil

家計外消費支 出(列)

V2j

雇用者所得

fez

民間消費支出

V3j

営業余剰

fi 3

一般政府 消費 支出

V4 _.1

資本減耗引当

_鳥4

国 内総 固定資本形 成(公 的)

V5j

間接税(除 関税 ・輸入 品商 品税)

fL5

国内総 固定資本形成(民 間)

V6 .]

(控除)経 常補助金

fps

在庫純増

2.3 全 国 消 費 実 態 調 査 国 民 生 活 の 実 態 に っ い て 、 全 国 消 費 実 態 調 査 は 全 国 の 消 費 者 世 帯 に つ い て 家 計 の 収 支 及 び 貯 蓄 ・負 債 、 耐 久 消 費 財 、 住 宅 ・宅 地 な ど の 家 計 資 産 を 総 合 的 に 調 査 し、 全 国 及 び 地 域 別 の 世 帯 の 消 費 ・所 得 ・資 産 に 係 る水 準 、 構 造 、 分 布 な ど を 明 らか に す る こ とを 目的 と し て5年 ご と に公 表 され て い る。 家 計 属 性 別 の 消 費 構 造 を ク ロ ス セ ク シ ョン で 分 析 す る の に 有 用 で 、 所 得 、 世 帯 人 員 、 住 居 保 有 形 態 な どの 違 い に よ る消 費 パ ター ン の 変 化 を 知 る こ と が で き る。本 分 析 で は 「1999年 全 国 消 費 実 態 調 査 」の 主 要 耐 久 消 費 財 編 よ り持 ち 家 と借 家 ・ 借 間 とい う住 居 の 所 有 関 係 別1000世 帯 当 た り主 要 耐 久 消 費 財 の 所 有 数 量 を 用 い て い る。主 要 な 耐 久 消 費財 の 項 目 とそ れ に対 応 す る 産 業 連 関 表 の 部 門 は 付 表1に ま とめ られ て い る 。 3 分 析 方 法 住 宅 貸 付 勘 定 を設 置 す る こ とに よ っ て 次 の よ うな 効 果 が 期 待 され る。(1)政 府 に 吸 収 され る一 方 で あ っ た 資 金 が 再 分 配 され 、 他 の 経 済 主 体 に 資 金 が 融 通 され る よ うに な る。(2)家 計 の 住 宅 投 資 に よ っ て 実 物 経 済 の 活 性 化 に 繋 が る 。 これ らの 効 果 を どの よ う に測 る の か 以 下 で 順 に解 説 し て い こ う。 3.1 資 金 の 波 及 効 果 3.1.1海 外 へ の 波 及 を 除 い た レ オ ン テ ィ エ フ 逆 行 列 前 節 に お い て 基 本 的 な 金 融 連 関 表(図4)を 示 した が 、各 制 度 部 門 の 海 外 か らの 資 金 調 達 分 は 内 生 部 門 と して 海 外 の 行 に 、 ま た 海 外 が 各 制 度 部 門 か ら資 金 を 調 達 した 金 額 も 内 生 部 門 と し て 海 外 の 列 に計 上 され て い た 。 本 分 析 で は 海 外 に 資 金 が 漏 出す る 分 を 除 き 、 国 内 に お け る 資 金 の 波 及 が 実 物 投 資 に ど う繋 が る か を把 握 す るた め に 海 外 と の 資 金 取 引 を 外 生 扱 い に し て 図7の よ うにY表 の構 成 を 改 め た 。 琉 ぬ ・ . ・ 塩 側 ぜ

yl2 … ylm fk l -fm, εl tYl y22 … y2m fk 2 -fm 2 ε2 tY2

ym2…y㎜ β(m -f111m εm tYm P2 ... Pm t2... tm

図7 海外を外生にしたY表

海 外 部 門 に よ る 各 制 度 部 門 か ら の 資 金 調 達 額 は ベ ク トル:FXと し て 次 の よ うに表 す 。これ は 日本 か ら海 外 に 資 金 が 漏 れ て し ま う分 で あ る 。

FX= 1 2 m 飯 飯 ⋮ 飯

(1)

ま た 各 制 度 部 門 に よ る海 外 か らの 資 金 調 達 額 はベ ク トル:FMと して 次 の よ うに表 す 。 こ れ は海 外 か ら 日本 に 資 金 が 流 出 す る分 で 、Y表 上 で は 控 除 項 目 と して マ イ ナ ス で 計 上 され る。 FM=

㎞

㎞

⋮

㎞

(2)

図7に 示 したY表 の 各 要 素 を 以 下 の ベ ク トル を用 い て 表 す 。 Y=

yll yl2 '●● ylm Yai Yaa ... Yam

yml ym2 ●●. ymm

(3)

｣_ 1 2 ・ : m ε ε ε

(4)

p= 1 2 m ρ ρ ⋮ P

(5)

TY= tyl tP2 tPm

(s>

た だ し行 列Yは 制 度 部 門 間 の 資 金 取 引 、 ベ ク トル εは 各 制 度 部 門 の負 債 超 過 額 、ベ ク ト ル ρは 各 制 度 部 門 の 資 産 超 過 額 、 ベ ク トルTYは 各 制 度 部 門 の 資 産 ま た は 負 債 の合 計 か ら海 外 か ら調 達 され る資 金 を控 除 した 国 内 資 金 供 給 額 計 で あ る 。 さ ら にc炉y覇Yの よ うに行 列

Yの 各要素 を国内資金供給額計で除 して投入係数行列Cを 定義す る。

c C … c 11 "12 "lm

C-C21

C2・:'●C2m

(7)

C C … c ml "m2 "mm 資 金 の 需 給 バ ラ ン ス を海 外 か らの 資 金 の 流 入 と海 外 へ の 資 金 の 流 出 を 明 示 す る と以 下 の よ うに 表 す こ とが で き る 。 TY+FM=CTY+ε+FX (8) こ こ で 資 金 の 流 入 係 数 を

m-fm・

(9)

YCIJtJ+EY

j=] と定 義 して これ を 対 角 要 素 とす る対 角 行 列 をFMと す れ ば 次 の 式 が 成 り立 っ 。 FM=FM(CTY+E) こ れ を 先 の 資 金 需 給 バ ラ ン ス の 式 に 代 入 す る と TY+FM(CTY+E)=CTY+s+FX と な る 。 こ れ を 移 行 し てTYに っ い て 解 く と(13)式 が 導 か れ る 。 卜C+FMC}1'Y一 ε一雨E+FX TY一 ト(・ 一FM)cr'[(・ 一FM)ε+FX]

(lo>

(11)

(12)

(13)

こ こ で(1-FM)Cは 国 内 資 金 の投 入 係 数 を 表 し、 逆 行 列[1一(1-FM) iC]は各 制 度 部 門 の 資 産 超 過 の 増 加 が 直 接 ・間 接 に どれ だ け 各 制 度 部 門 の 資 金 需 要 量 の 増 加 を 生 じ る か を 表 し て い る。 こ の 逆 行 列 は 記 号rを 用 い て 次 の よ うに 表 す 。 γll γ12 … Ylm

...t=[1一(1-FM)C]一'一Yzi

z2

Y2m

(14)

γmlγm2… γ㎜ 前 節 に 記 した よ うに 資 金 に 注 目す る か 金 融 商 品 に 着 目す る か に よ っ て 表 裏 一 体 の 金 融 連 関 表Y表 とY*.表 が 作 成 され る。 ゆ え に 金 融 商 品 の 流 出 、流 入 を 考 慮 したY*表 は 図8の よ う

に 再 構 成 され る。 図5に 示 したY表 とは 逆 に金 融 商 品 の 流 入 を 表 す ベ ク トル:FXが マ イ ナ ス 計 上 され 、 ベ ク トル:FMが 金 融 商 品 の 流 出 とな る 。 、 h 、 均 -痴 称 ザ Yiz … ylm -fxl fm1 ρl YZ2 … Y2m -fX 2 fm 2 ρ2

ym2 … y包m -fk m fTTI m ρm

E ... g2 m ..t t2 m 図8 海 外 を 外 生 に し たY*表

t,

t2

tm

Y*表 に お い て 制 度 部 門 間 の 取 引 を 示 すy㌔ は 次 の よ うな 行 列Y*で 表 す 。 こ こ で 行 列Y*は 行 列Yの 転 置 、 っ ま りY*=Y'が 成 り立 っ 。 Y*_ yll y12 ●●● Yai Yaa ... Yml Ym2 Ylm y2m y㎜

(15)

ベ ク トル εY、ベ ク トル ρYはY表 と 同様 に そ れ ぞ れ 負 債 超 過 と資 産 超 過 を表 す 。 ベ ク ト ルTYは 各 制 度 部 門 の 資 産 ま た は 負 債 の 合 計 か ら海 外 に 流 出 す る 資 金 量 、 っ ま り金 融 商 品 側 か らみ れ ば海 外 か ら流 入 す る金 融 商 品 を控 除 し た 国 内 金 融 商 品供 給 計 で あ る。 TY*_ Y*t , Y*t 2 Y*t m

(ls>

各 主 体 の 資 産 ポ ー トフ ォ リオ の比 率 を一 定 と仮 定 して 、C*ij=y㍉ ノtjの よ うにY*行 列 の 各 要 素 を 国 内金 融 商 品 供 給 計 で 除 して 投 入 係 数 行 列C*を 定 義 す る。

ご=

cal ctz C21 C 22 Cml Cm2 "' Clm … C2m … cmm

(17>

海 外 と の 取 引 も含 め て 金 融 商 品 の 需 給 バ ラ ン ス は 以 下 の よ うに 表 す こ と が で き る 。 TY*+FX=C*TY*+p+FM (18) こ こ で 資 金 の 流 入 係 数 を

m*=

fxi

(19)

Σcltr+ρ 、

j=1 と定 義 して これ を対 角 要 素 とす る 対 角 行 列 をFXと す れ ば 次 の 式 が 成 り立 っ 。

:FX=:FX(C*TY*+p)

(20)

これを先の資金需給バ ランスの式 に代入す る と

TY*+FX(C*TY*+P)=C*TY*+p+FM (21) と な る 。 こ れ を 移 行 し てTY*に つ い て 解 く と(23)式 の よ う に 表 す こ と が で き る 。

Y*=p一:FXφ+FM

_卜d+FXC*廿

(22)

TY*=卜(1-FX)C*r'[(・ 一亟)P+瑚

(23)

こ こ で(1一:FX)C*は 国 内 金 融 商 品 の 投 入 係 数:を表 し、逆 行 列[1一(1一:FX)C*rlは 各 制 度 部 門 の 負 債 超 過 の 増 加 が 直 接 ・間 接 に どれ だ け 各 制 度 部 門 の 資 金 供 給 量 の 増 加 を 生 む か 表 し て い る 。 こ の 逆 行 列 は 記 号r*を 用 い て 次 の よ うに 表 す 。 γll γ12 … γlm r*一[1一(1-FX)C*]一1 Yapγ1・:"Y2m (24) γm1γm2 … γ㎜ 以 上 の よ う に資 金 需 給 の バ ラ ン ス 式 か ら導 出 され た 逆 行 列rを 用 い る こ とに よ り、 負 債 超 過 ベ ク トル εや 海 外 か らの 資 金 調 達:FXに 外 生 的 に数 値 が 与 え られ た と き に 各 経 済 主 体 に 究 極 的 に は どれ だ け資 金 需 要 が 発 生 す る の か 計 算 す る こ とが で き る 。 これ は 実 物 経 済 で 見 る と究 極 的 に どれ だ け の 貯 蓄 を 必 要 とす る の か を意 味 し、 これ を誘 発 貯 蓄 と よ ん で い る。 ま た 金 融 商 品 の 需 給 バ ラ ン ス 式 か ら導 出 され たr*か ら資 産 ベ ク トル ρYや 海 外 か らの 金 融 商 品 の 需 要FMが 外 生 的 に 与 え られ た と き の 究 極 的 な 資 金 供 給 の 波 及 効 果 を 分 析 す る こ と が で き る。 これ は 実 物 経 済 に お い て どれ だ け の 投 資 を 可 能 な ら し め る か を示 し、 これ を誘 発 投 資 と よ ん で い る。

3.1.2 住宅貸付勘定部 門の追加

前節で提示 した資金循環分析のモデルをもとに住宅貸付特別勘定の導入の効果を どう評

価 できるであろうか。 まず形式的には既存 の勘定に住宅貸付特別勘定 とい う新たな制度部

門が追加 され ることになる。 この部門が政府保証付の債券を発行 して住宅貸付 を行 うとい

う設 定 は い くつ か 考 え られ るが 、 こ こ で シ ミ ュ レー シ ョ ン と し て 考 え た シナ リオ は 貸 借 対 照 表 上 で 図9の よ うに表 す こ とが で き る 。 まず 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 はaだ け政 府 保 証 住 宅 ロ ー ン債 券 を 発 行 して 資 金 を調 達 す る こ とに な る が 、 貸 借 対 照 表 上 は 金 融 債 の 発 行 とい う形 で これ が 表 示 され て い る 。 政 府 は 発 行 さ れ た 金 融 債 の 発 行 に 伴 い 同 額 だ け 国 債 の発 行 を 減 額 し 、 こ れ に 相 当 す る分 だ け公 共 投 資 を 減 額 す る。 実 物 投 資 で あ る公 共 投 資 の 減 額 を 貸 借 対 照 表 で は 、 金 融 資 産 負 債 差 額 をaだ け 減 じ る こ とで 表 現 して い る。 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 は 調 達 され た 資 金 で あ るaを 住 宅 貸 付 と して 家 計 に 貸 出 し、 逆 に 資 金 を借 入 れ た 家 計 は そ れ を 住 宅 投 資 に 充 当す る。こ れ が 家 計 部 門 の 実 物 投 資 と して 金 融 資 産 負 債 差 額 一aと して 表 示 され て い る 。 ま た 別 の 家 計 は超 低 金 利 とペ イ オ フ解 禁 に備 えて 積 み 増 した タ ン ス 預 金 を 取 り崩 し、 こ れ に 代 え て 高 利 回 りか つ 政 府 保 証 付 の 住 宅 ロー ン債 券(金 融 債)を 購 入 す る。 これ に よ り 日本 銀 行 券 の発 行 額 が 減 少 す る の で 、 日本 銀 行 は そ の 分 オ ペ を減 額 す る こ と で 国 債 の保 有 量 をそ れ に 見 合 っ て 減 額 す る。 資 金 循 環 表 を 念 頭 に お け ば 、 各 部 門 の 貸 借 対 照 表 の借 方 ・貸 方 の バ ラ ンス だ け で な く 、 部 門 横 断 的 な 金 融 商 品 ご と の バ ラ ン ス に も配 慮 して 整 合 的 な 政 策 プ ラ ン を 立 案 し な けれ ば な らな い こ と に 留 意 され た い 。

金融商品

制度部門

日本 銀行

銀 行 券 民 間 金 融 機 関:住宅 貸 付

金融債

国債

差額

一a 住 宅貸付 特別勘定 一a 十a

中央政府

十a 一a 十a

家計

一a 十a 十a 口a

図9 住宅貸付勘定の新設

こ の よ うに 住 宅 貸 付 勘 定 が 追加 され たY表 とY*表 が そ れ ぞ れ 図7、 図8と 同 様 に 作 成 され 、 制 度 部 門 数 は36部 門 と な っ て い る 。 こ の 住 宅 貸 付 勘 定 が 追 加 され た 場 合 の 行 列 や ベ ク トル の 記 号 を 前 節 の 住 宅 貸 付 勘 定 が 追 加 され る 前 の原 表 と 区別 して 下 付 のhを っ け て 区 別 す る。 3.1.3 資 金 波 及 の 大 き さ 住 宅 貸 付 勘 定 とい う資 金 仲 介 を 行 う制 度 が 設 立 され た こ と に よ っ て 資 金 の 波 及 が どの よ うに 変 化 す る の か を 逆 行 列 係 数 の 総 和 を部 門数 で 割 っ た 平 均 波 及 係 数 で 比 較 す る こ とが で き る 。rは 資 金 需 要 の 伝 播 を 、 r*は 資 金 供 給 の 伝 播 を 表 して い る の で そ れ ぞ れ の 平 均 波 及 係 数 を負 債 波 及 係 数w、 資 産 波 及 係 数zと よ ぶ 。 具 体 的 に は 次 の 式 で 求 め られ る 。

w=⊥EE,ij

(25)

mi=1j=1

1mm

mi=ljニl wが 大 き い ほ ど資 金 需 要 の 波 及 が 広 範 に わ た り、zが 大 き い ほ ど資 金 供 給 の 広 が りが 大 きい こ と を意 味 して い る。 こ れ らの 指 標 は住 宅 貸 付 勘 定 を 追 加 した 逆 行 列 係 数 に お い て も 次 の よ うに 求 め られ る 。 原 表 の値 と区 別 す る た め に 下 付 のhを つ け て 負 債 波 及 係 数 はWh、 資 産 波 及 係 数 はZhと す る 。

㌦÷1熱

(27)

Zh-m㍉1蕁

馨γ

恥

(28)

w、z、 wh、 zhに つ い て2001年3,月 末 の デ ー タ を用 い て 計 算 した 結 果 は4.1に 掲 載 され て い る。 住 宅 貸 付 勘 定 が1単 位 の 資 金 を 調 達 す る とき に 各 制 度 部 門 に 波 及 す る 資 金 需 要 は 逆 行 列 rhの 住 宅 貸 付 勘 定 の 列 に み る こ とが で き る 。 ま た 住 宅 貸 付 勘 定 が1単 位 の 資 金 を運 用 す る とき に 各 制 度 部 門 に波 及 す る 資 金 供 給 は 逆 行 列r*hの 住 宅 貸 付 勘 定 の 列 に あ る係 数 と な る 。 後 者 の値 か ら前 者 の値 を 引 い た 差 は住 宅 貸 付 勘 定 が 資 金 調 達 と運 用 を 同時 に1単 位 行 な っ た とき に 各 制 度 部 門 に 行 き 渡 る ネ ッ トの 資 金 供 給 量 と見 な す こ とが で き る。 各 制 度 部 門 に お け る こ の 値 を θiと して 次 の よ う に表 す 。 θ、=ihlo ,、一γ、m.i,h (29) た だ し下 付 き のhloは 住 宅 貸 付 勘 定 部 門 を 表 し て い る。 一 方 住 宅 貸 付 勘 定 が な い 場 合 を 考 え る と3.1.2で 示 され た シナ リオ で は 国 債 の発 行 を 減 額 して 住 宅 貸 付 勘 定 の発 行 す る金 融 債 に 振 り替 え て い る の で 、 原 表 で は 政 府 が 国 債 を発 行 し て 調 達 した 資 金 が 実 物 投 資 に 充 て られ て い る こ とに な る 。 こ の 場 合 中 央 政 府 は 資 金 調 達 を 行 う一 方 、 調 達 した 資 金 が 再 び 金 融 市 場 で 運 用 され な い の で 各 制 度 部 門 に 供 給 され る ネ ッ トの 資 金 量 は ηiは次 の よ うに表 され る 。

η、=一γ、gov

(30)

こ こ で 下 付 き のgOVは 中 央 政 府 部 門 を 表 して い る。 た だ し、 資 金 調 達 を 行 う中央 政 府 だ け は こ の 場 合1単 位 の 資 金 が 供 給 され る の で η、。v=1一 γ、ov,gov (31) と な る 。 以 上 の よ う に し て 求 め ら れ る θiと ηiの 推 計 結 果 は4.2に 示 さ れ て い る 。

3.2 実 物 市 場 へ の 生 産 波 及 3.2ユ 産 業 連 関 表 の レオ ン テ ィ エ フ 逆 行 列 と こ ろ で 資 金 は 経 済 主 体 間 を ま わ っ て い る わ け だ が 、 究 極 的 に い き つ く先 を 考 え る と、 需 要 され た 資 金 は 誰 か の 貯 蓄 に よ っ て ま か な わ れ な け れ ば な ら な い し 、 供 給 され た 資 金 は 実 物 投 資 に 充 て られ る こ と に な る 。 よ っ て 先 に 述 べ た ネ ッ トの 資 金 供 給 量 が 最 終 的 に 実 物 投 資 に ま わ し う る 資 金 源 と な る。 こ の 投 資 が 直 接 ・間 接 に どれ く らい の 生 産 を誘 発 す る の か 、 産 業 連 関 表 の 逆 行 列 を 用 い て 推 計 す る こ と が で き る 。 逆 行 列 は財 の 需 給 バ ラ ン ス か ら 導 出 され る が 、 こ れ を応 用 して 外 生 的 に 与 え られ た 最 終 需 要 を み た す た め に 必 要 な 各 産 業 の 生 産 額 を 推 計 す る こ とが で き る。 輸 入 の 扱 い 方 に よ っ て 逆 行 列 に は い くつ か 型 が あ るが 、 最 も シ ン プ ル な モ デ ル は 以 下 の よ う に表 され る 。 X=(1-A)一1F (32) た だ し、Xは 最 終 需 要Fに よ る 生 産 誘 発 額 ベ ク トル 、1は 単位 行 列 、 Aは 投 入 係 数 行 列 、 Fは 最 終 需 要 額 ベ ク トル を 表 して い る。 ベ ク トルFに 表 され た 最 終 需 要 を満 たす の に 必 要 な 究 極 的 な 生 産 額 が産 業 別 にベ ク トルX上 に 表 され る。(1-A)一1型 の 逆 行 列 は財 ・サ ー ビ ス の 全 て が あ た か も 国 内 だ け で 生 産 され て い る よ う に 仮 定 して い る た め 、 実 際 は 輸 入 品 で ま か な って い る も の も 国 内 生 産 に波 及 す る こ と に な る 。 近 年 は 需 要 が 海 外 に漏 れ て い る と の 指 摘 が 多 い こ と か ら本 分 析 で は海 外 の 生 産 波 及 を 差 し引 い た 以 下 の 逆 行 列 を採 用 して い る。 X={ト(1-M)A}一'F こ こ でMは 輸 入 係 数 を 表 す 。

(33)

3.2.2 中 央 政 府 の 公 共 投 資vs住 宅 貸 付 勘 定 資 金 循 環 分 析 で は 住 宅 貸 付 勘 定 が1単 位 の 資 金 を 調 達 ・運 用 し た 場 合 と、 政 府 が 国 債 を 発 行 して 資 金 を 調 達 し て 実 物 投 資 を 行 う場 合 で 、 各 制 度 部 門 に どれ く らい の ネ ッ トの 資 金 供 給 を もた らす の か θi、ηiとい う指 標 で 捉 えた 。 で は こ の ネ ッ トの 資 金 供 給 が 実 物 経 済 に どれ ほ ど の 効 果 を 与 え る の か 比 較 して い こ う。 そ の た め に まず 具 体 的 に 住 宅 貸 付 勘 定 と政 府 が 扱 う資 金 量 をSと 設 定 す る 。 これ を 単 位 当 た りの ネ ッ トの 資 金 供 給 量 で あ る θi、 ηi に か け る と、Sだ け の 資 金 の運 用 ・調 達 に よ っ て 各 制 度 部 門 に どれ く らい の ネ ッ トの 資 金 供 給 が も た ら され る の か 計 算 す る こ と が で き る 。 (∈i)i=S×ei (34) Hi=S× ηi (35) 資 金 循 環 表 の 制 度 部 門 の な か で 実 際 に 実 物 投 資 を行 う主 体 は 民 間 非 金 融 法 人 企 業 、 公 的 非 金 融 法 人 企 業 、 中 央 政 府 、地 方 公 共 団 体 、家 計 、対 家 計 民 間 非 営 利 団体 の6部 門 で あ る。 これ らの 主 体 が 実 物 投 資 を 行 う先 に っ い て は 産 業 連 関 表 の 部 門 と表2の よ うに 対 応 させ た 。 民 間 非 金 融 法 人 企 業 の 実 物 投 資 は 図6の 国 内総 固定 資 本 形 成(民 間)の 構 成 と同 じ と仮 定

し 、 各 産 業 の 比 率 で 配 分 す る 。 同 様 に公 的 非 金 融 法 人 企 業 、 中 央 政 府 、 地 方 公 共 団 体 は 国 内 総 固 定 資 本 形 成(公 的)の 構 成 で 配 分 す る。 ま た 家 計 と対 家 計 民 間 非 営 利 団 体 は 投 資 の ほ と ん どが 住 宅 や 建 物 で あ る か ら、 建 設 及 び 補 修 産 業 に の み 需 要 が 発 生 す る と仮 定 して い る。

表2制

度部門 と実物投資の対応

制度部門

各制度部 門が実物投資を行 う先

民間非金融法人企業

国内総固定資本形成(民 間)ベ ク トルで比例配分

公的非金融法人企業

国 内 総 固 定 資 本 形 成(公 的)ベ ク トル で 比 例 配 分

中央政府

国 内 総 固 定 資 本 形 成(公 的)ベ ク トル で 比 例 配 分

地方公共団体

国内総固定資本形成(公 的)ベ ク トルで比例配分

家計

建築及び補修

対家計民間非営利 団体

建築及び補修

資 金 循 環 勘 定 の な か で 実 物 投 資 を行 う制 度 部 門 を 下付 き のkで 表 す 。 資 金 循 環 分 析 よ り 求 め られ た 各 制 度 部 門 の ネ ッ トの 資 金 供 給 量 θkま た は ηkを 表3に した が っ て 投 資 先 に 振 り分 け た ベ ク トル を そ れ ぞ れ:Fθk、:Fηkと す る 。 住 宅 貸 付 勘 定 を 導 入 した と き にk制 度 部 門 の 実 物 投 資 に よ っ て 誘 発 され る生 産 額 は:Fθkベ ク トル を(33)式 に 代 入 して 次 の よ うに 計 算 され る 。

Xk={1一(1-M)A}一'Fk

(36)

こ こでXθkがFθkに よ っ て 直 接 ・間 接 に 誘 発 され る 生 産 額 の ベ ク トル で あ る 。 同様 に 住 宅 勘 定 が 導 入 され る前 の 生 産 誘 発 額 は:Fηkベ ク トル を(33)式 に代 入 し て 次 の よ うに 計 算 さ れ 、Xηkが:Fηkに よ っ て 直 接 ・間 接 に誘 発 され る生 産 額 の ベ ク トル で あ る。

Xk={1一(1-M)A}一'Fk

(37)

以 上 の よ うに 求 め られ る 生 産 誘 発 額 の 推 計 結 果 は4.3に 示 され る 。 3.2.3 住 宅 に 伴 う耐 久 消 費 財 か らの 波 及 家 計 の 住 宅 需 要 投 資 が も た らす 効 果 の 推 計 方 法 に つ い て は 前 節 に記 した が 、 新 規 に 住 宅 を 取 得 し た 家 計 に つ い て は住 宅 に付 随 し て 家 具 や 家 電 製 品 も 買 い 増 す 蓋 然 性 が 高 く、 更 な る 生 産 波 及 効 果 も期 待 で き る。 こ の 効 果 を推 計 す る方 法 を 解 説 して い こ う。 持 ち 家 家 計 と借 家 ・借 間 家 計 にっ い て そ れ ぞ れ 主 要 耐 久 財 の1000世 帯 あ た りの保 有 数 量 が 全 国 消 費 実 態 調 査 か ら得 られ る 。 ま ず こ の値 を 持 ち 家 家 計 に つ い てD・w・i、借 家 ・借 間 家 計 に つ い てD・ ・niと表 し、 世 帯 数1000で 割 っ た 値 を 保 有 率 とす る。 d・wnl-D・wni 11000 (38)

dreniニDreni/1000 (39) 持 ち 家 家 計 の 耐 久 消 費 財 保 有 率d・w・iから借 家 ・借 問 家 計 の 耐 久 消 費 財 保 有 率dreniを 引 い た 値 は 、 住 居 所 有 形 態 の 違 い が もた らす 影 響 の 大 小 を示 して い る。 △di=downゴdreni (40) こ の 保 有 率 の 差 が プ ラ ス に 大 き け れ ば 持 ち家 とい う要 因 が 消 費 を 後 押 し して い る と考 え ら れ る。 ま た 逆 に 考 え る と借 家 家 計 の潜 在 的 な 購 買 力 が 高 い 財 で あ る こ とを 示 唆 して お り、 将 来 住 宅 を所 有 し た とき に は 家 に 付 随 して 様 々 な 耐 久 財 の 需 要 が 派 生 的 に 生 ず る と類 推 さ れ る 。 この 持 ち 家 と借 家 に お け る 耐 久 消 費 財 の 普 及 率 の 差 が 各 産 業 に 誘 発 す る 生 産 量 に ど れ だ け違 い を生 じ させ て い る の か を 先 ほ どの 産 業 連 関 表 の 逆 行 列 係 数 を 用 い て 次 の よ うに 計 算 す る こ とが で き る 。 全 国 消 費 実 態 調 査 の 耐 久 消 費 財 と産 業 連 関 表 の部 門 は 付 表1の よ うに対 応 させ て い る。 まず 各 耐 久 消 費 財 に っ い て 単 位 あ た り誘 発 生 産 額 は 次 の 式 で 計 算 す る こ とが で き る 。 X(j)={1一(1-M)A}一'F(」) (41) た だ し:F◎)はj部 門 に1が は い り他 の 部 門 は0の ベ ク トル で あ る 。 Fc>〉 Xc>〉 一 0 ・ : 1 ・ : 0 X1(j) X そ(j) Xn(j)

(42)

(43)

ベ ク トルX① の 各 要 素 を 合 計 し た 値 が 」耐 久 消 費 財1円 分 の 需 要 に 対 して 究 極 的 に必 要 な 生 産 額 とな る 。

TX」=Σx、(j)

(44)

1 X① に平 均 的 な 各 耐 久 消 費 財 の 単 価P;を か け る こ とで 耐 久 消 費 財1台 に需 要 が 生 じた と き に ど の 部 門 に どれ く ら い の 生 産 が 誘 発 され る か 求 め る こ とが で き る の で 、 さ ら に 耐 久 消 費 財 の 普 及 率 の 差 を か け る と持 ち 家 と借 家 の 生 産 誘 発 額 の 差 △TX;が 計 算 で き る 。 △TX;=TX;×]P;× △dj (45) こ の 結 果 につ い て は4.4に ま と め られ て い る 。

4分 析 結 果 4.1負 債 波 及 係 数 と資 産 波 及 係 数 住 宅 貸 付 勘 定 が3兆 円 の 資 金 を 運 用 ・調 達 す る と設 定 して 負 債 波 及 係 数 と資 産 波 及 を 3.1.2に 記 した 方 法 に従 っ て 計 算 した 結 果 は 、 表3の よ うに な っ た 。 住 宅 貸 付 勘 定 が な い 既 存 の 状 態 に お け る係 数 は2列 目に 、 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 部 門 を新 た に 追 加 し て 計 算 した 係 数 は3列 目に 示 され て い る。 これ に よ る と両 係 数 と も に住 宅 貸 付 特 別 勘 定 を 追 加 した 後 の方 が 係 数 が 大 き く 、 よ り大 き な 資 金 需 給 の 伝 播 が 発 生 す る こ とが わ か る。 と く に負 債 波 及 係 数 が0.0159増 加 す る の に 比 し て 資 産 波 及 係 数 は0.0553も 増 加 す る の で 、 両 係 数 の 差 分 0.0394だ け 実 物 投 資 を促 進 す る 方 向 に 拡 大 す る。 これ を よ り詳 細 に 部 門 別 に見 る と、 住 宅 貸 付 勘 定 部 門 が 資 産 を 増 や した と き に 家 計 が そ の影 響 を受 け る の は も ち ろ ん で あ る が 、 そ れ 以 外 で は 民 間 非 金 融 法 人 企 業 と 国 内 銀 行 で あ る こ と も確 認 さ れ て い る。 も と よ り国 内 銀 行 は 仲 介 型 金 融 機 関 で あ り、 事 業 法 人 な ど とは 異 な り実 物 投 資 を行 う必 要 は な い とい う考 え方 も成 り立 ち 得 る が 、 国 内 銀 行 は こ の 資 金 を 多 額 の 不 良債 権 に よ る 負 債 超 過 の 削 減 に 充 当 で き る こ と を想 起 す れ ば 、 そ の 恩 恵 は 計 り知 れ な い 。 表3:シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果

住宅貸付勘定追加前

住宅貸付勘定追加後

負債波及係数(r表)

3.8897 3.9056 資 産 波 及 係 数(r士 表) 3.9071 3.9624 4.2 住 宅 貸 付 勘 定 の 資 金 面 で の メ リ ッ ト ま た 住 宅 貸 付 勘 定 が 各 制 度 部 門 に も た らす ネ ッ トの 資 金 供 給 量 に つ い て3,1,3で 提 示 した 1単 位 あ た りの ネ ッ ト資 金 供 給 量 θiと ηiを推 計 した 結 果 は 付 表2の2列 目 と4列 目 に そ れ ぞ れ 示 され て い る。3列 目 に は 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 が3兆 円 の 資 金 調 達 と運 用 を 同 時 に行 っ た とき に 各 主 体 に 生 ず るネ ッ トの 資 金 供 給 量 ⑤iが計 上 され て い る 。 一 方5列 目に は 中央 政 府 が3兆 円 の 資 金 調 達 し、 これ を全 額 公 共 投 資 に 充 当 した と き に 各 主 体 に 及 ぶ ネ ッ トの 資 金 供 給 量Hiが 計 上 され て い る。 こ の 両 者 の 差 分 が6列 目 に あ り、 国債 を減 額 して 住 宅 貸 付 勘 定 を 新 設 す る こ とが 各 主 体 に 与 え る効 果 を 示 して い る。これ を 見 る と国 内銀 行 に は1.6兆 円、 資 金 運 用 部 資 金 に も1.5兆 円 の ネ ッ トの資 金 波 及 が 生 ず る こ とが わ か る 。こ れ ら仲 介 型 金 融 機 関 へ の 資 金 波 及 は 実 物 投 資 に充 当 され て 生 産 誘 発 に 貢 献 す る こ と こ そ な い が 、 多 額 の 不 良 債 権 を 多 少 と も償 却 す る一 助 と な る こ とは 歓 迎 す べ き事 柄 で あ ろ う。 ち な み に 実 物 投 資 部 門 を 除 い た 、 そ の 他 部 門 へ の ネ ッ トの 資 金 波 及 の 合 計 は8.6兆 円 に も の ぼ り、 こ の 金 額 に 相 当 す る不 良 債 権 を 処 理 す る こ とが で き る計 算 で あ る。 破 綻 先 債 権 、延 滞 債 権 、3カ 月 以 上 延 滞 債 権 、 貸 出 条 件 緩 和 債 権 と い っ た リス ク管 理 債 権 の 総 額 は 、 全 国銀 行 協 会 の発 表 で

2001年9月 末 現 在33.3兆 円 に も 達 して お り、多 少 な り と も この 削 減 に寄 与 す る こ と が 期 待 され る。 実 物 投 資 を行 う主 体 に っ い て は ネ ッ トで 資 金 供 給 の 波 及 が 最 も 大 き い の は 民 間 非 金 融 法 人 企 業 で0.43、 次 い で 中央 政 府 の0.28と な っ て い る 。 4.3住 宅 貸 付 勘 定 が も た らす 実 物 経 済 へ の 影 響 金 融 市 場 か らま わ っ て き た 資 金 が 実 物 市 場 の 投 資 に 充 当 され た 場 合 ど の く らい の 生 産 を 誘 発 す る の か を 推 計 す る 方 法 にっ い て3.2.2で 解 説 した 。 これ に 従 っ て 実 物 投 資 を 行 な う民 間 非 金 融 法 人 企 業 、 公 的 非 金 融 法 人 企 業 、 中央 政 府 、 地 方 公 共 団 体 、 家 計 、 民 間 非 営 利 団 体 の 計6主 体 に っ い て 推 計 され た 結 果 が 表4に 示 され て い る。 表 の2列 目は先 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 設 定 した 国 債 か ら政 府 保 証 住 宅 ロー ン 債 券 へ の 移 行 分3兆 円 と設 定 した 場 合 の ⑤iとHiで あ る。これ が 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 が3兆 円 の 貸 出 を行 な うこ とに よ っ て 資 金 波 及 が 起 こ っ た 結 果 究 極 的 に 各 主 体 の 実 物 投 資 に 充 当 され る資 金 で 、6部 門 の 合 計 は3.0兆 円 に な る。 こ の 資 金 が 実 物 投 資 に ま わ っ た と き に どれ だ け 生 産 額 を増 加 させ る の か 、 産 業 連 関 表 の 逆 行 列 係 数 を用 い て 計 算 した 結 果 は 表4の4列 目 に示 され て い る。 これ に よ る と民 間 非 金 融 法 人 企 業 、 公 的 非 金 融 法 人 企 業 、 中 央 政 府 、 地 方 公 共 団体 、 家 計 、 民 間 非 営 利 団 体 の 生 産 誘 発 額 を 合 計 す る と5.6兆 円 と な る こ とが わ か る。そ の うち 民 間 非 金 融 法 人 企 業 の 投 資 か ら2.4兆 円、 中 央 政 府 の 投 資 か ら1.5兆 円 とな って い る 。唯 一 対 家 計 民 間 非 営 利 団 体 だ け は 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 の 導 入 に よ っ て 資 金 需 要 が 供 給 を 上 回 る た め 生 産 誘 発 額 は マ イ ナ ス で あ る。 ま た 上 記 の住 宅 貸 付 特 別 勘 定 を新 設 した 場 合 の 比 較 と し て 、 こ こ で は3兆 円 を 中央 政 府 が 国 債 で 調 達 し て 公 共 投 資 に充 当す る と設 定 した 既 存 の 状 況 は表5に ま と め られ て い る。3 兆 円 を 中央 政 府 が 公 共 投 資 に 充 当 した とす る と、 産 業 連 関 表 の 逆 行 列 表 か ら生 産 誘 発 額 は 5.4兆 円 と計 算 され る。 し か し な が ら こ の3兆 円 を従 来 どお り国 債 で 調 達 す る とす る と、 こ の 全 額 を 実 物 投 資 に 充 当 す るた め 中央 政 府 の 資 金 供 給 に よ る波 及 は ゼ ロ、 資 金 需 要 の マ イ ナ ス の 効 果 の み が 資 金 市 場 に波 及 す る とい う結 果 に な る 。 し た が っ て3兆 円 に表5の 第2 列 に 示 す 資 金 循 環 表 の 逆 行 列 表 の 値 を 乗 じ て 、 同 表 の 第3列 に 示 す よ うに い ず れ の 実 物 投 資 部 門 に 対 して も 資 金 需 給 の 波 及 は マ イ ナ ス とな る。 これ が い わ ゆ る ク ラ ウデ ィ ン グ ア ウ トと呼 ば れ る現 象 で あ る 。 した が っ て も し これ らの 各 セ ク タ ー が そ の 分 だ け 実 物 投 資 を 減 額 す れ ば 、 これ に産 業 連 関 表 の 逆 行 列 の値 を 乗 じた 表5の 第4列 に 示 す よ うに そ の 生 産 誘 発 額 は マ イ ナ ス7.5兆 円 とな る。公 共 投 資 か らの 直接 の 生 産 誘 発 が5.4兆 円 で あ るか ら、差 し 引 き実 物 で も2,1兆 円 の 生 産 誘 発 の 喪 失 が 発 生 す る 。す な わ ち 国 債 を 発 行 して 公 共 投 資 を 行 うの に 代 え て 住 宅 貸 付 特 別 勘 定 を 新 設 し、 政 府 保 証 の 住 宅 ロ ー ン債 券 を 発 行 す る こ と で 単 に 上 述 の5.6兆 円 の 生 産 誘 発 を 生 ず る だ け で な く、国債 発 行 に よ る2.1兆 円 に も 及 ぶ ク ラ ウデ ィ ン グ ア ウ ト分 を 帳 消 しに で き る た め 、ネ ッ トで7.7兆 円 も の 生 産 誘 発 を 享 受 で き る こ とが 理 解 され よ う。

表4

:住 宅貸付特別勘定が実物市場 に与える効果

住 宅 貸 付 特 別 勘 定 に お け る波 及 (:F*一r)

3兆 円の投 資に よる

資金波及額(兆 円)

生産誘発額

(兆円)

民間非金融法人企業

0.4289 1.2866 2.4082

公的非金融法人企業

0.1027 0.3082 0.5635

中央政府

0.2755 0.8266 1.5112

地方公共団体

0.0512 0.1536 0.2809

家計

0.1816 0.5447 1.0176

対家計民間非営利団体

一〇 .0319 一〇.0958 一〇.1790

合計

3.0239 5.6024

表5

国債が実物市場 に与 える効果

中 央 政 府(国 債) に お け る 波 及(一 r) 3兆 円 の投 資 に よ る 資 金 波 及 額 (兆 円)

生産誘発額

(兆円)

民間非金融法人企業

一〇 .2679 一〇.8037 一1.5043

公的非金融法人企業

一〇_.0159 一〇_.0476 一〇_.0871

中央政府

一1 .0702 一〇.2107 一〇.3851

地方公共 団体

一〇 .0318 一〇.0955 一〇.1746

家計

一〇.9353 一2.8060 一5.2424

対家計民間非営利団体

一〇.0248 一〇.0745 一〇.1392

合計

一4 .0379 一7.5326 4.4住 宅 に 伴 う耐 久 消 費 財 需 要 か ら の 波 及 新 規 に 住 宅 を 取 得 した 家 計 は 家 具 や 白物 家 電 を 買 換 え 、 も し くは 買 増 す 蓋 然 性 が 高 く2 次 波 及 効 果 も期 待 で き る。 こ れ に つ い て は3.2.3に 分 析 手 法 が 示 され 、付 表3が そ の 結 果 と な っ て い る。2列 目は 持 ち家 の保 有 率d・w・i、3列 目は借 家 ・借 間 の 保 有 率d・eniで あ る。 こ れ を 見 る と ほ とん どす べ て の財 に つ い て 持 ち 家 の 保 有 率 が 高 く、 特 に じ ゅ うた ん 、応 接 セ ッ ト、 タ ン ス 、 ベ ッ ドとい っ た 大 き な 設 置 ス ペ ー ス を 必 要 と し、 引 越 し時 の 持 ち運 び に も 不 便 な 大 型 製 品 で は 、 保 有 率 の 差 は2倍 以 上 と大 き く な っ て い る。 駐 車 場 を 必 要 とす る 自 動 車 に つ い て も持 ち 家 の 保 有 率 が 高 い と い う傾 向 が 見 られ る。 さ らに 両 者 の 保 有 率 の 差 △ diを4列 目に 掲 載 して い る。 ル ー ム エ ア コ ンや ベ ッ ド、 カ ラ,_.テ レ ビ、 書 斎 ・学 習 机 な どは 部 屋 数 に 応 じて 所 有 量 が 増 え るた め 、部 屋 数 の 多 い 持 ち 家 で2台 以 上 所 有 して い る こ とか

ら差 が と く に 大 き い 。 こ の よ うな 耐 久 消 費 財 の 差 を逆 に 考 え る と借 家 家 計 の 潜 在 的 な 購 買 力 が 高 い こ と を 示 唆 して お り、 将 来 住 宅 を 所 有 した と き に は 家 に付 随 して 様 々 な 耐 久 財 の 需 要 が 派 生 的 に 生 ず る と考 え られ る 。 こ の持 ち 家 と借 家 に お け る耐 久 消 費 財 の 普 及 率 の 差 が 各 産 業 に誘 発 す る生 産 量 に どれ だ け違 い を 生 じ させ て い る の か を 推 計 す るた め の 各 耐 久 消 費 財1単 位 の 生 産 誘 発 TX;が 表 の6列 目 に 、ま た 各 耐 久 財 につ い て 家 計 調 査 や カ タ ロ グ か ら得 た 平 均 単 価 が5列 目に あ る。 これ を(45)式 に代 入 して △TX;を 計 算 した 結 果 が 付 表3の7列 目 とな り、 ル ー ム エ ア コ ン 、 鏡 台 、 応 接 セ ッ ト、 自動 車 、 ピア ノ な どで1家 計 あ た り10万 円以 上 の 差 に な って い る 。 各 耐 久 財 の 差 を合 計 す る と持 ち 家 の ほ うが 借 家 ・借 間 よ りも435万 円 多 く生 産 を誘 発 して い る こ とが わ か っ た 。 住 居 面 積 や 駐 車 揚 の 有 無 か ら持 ち 家 で な け れ ば 所 有 す るの が 困 難 な 財 に つ い て 特 に 波 及 の 差 が 大 き く、 耐 久 財 に つ い て は 住 居 の 所 有 形 態 が 消 費 パ タ ー ン を 制 約 し て い る可 能 性 が 高 い 。 こ の こ とは 逆 に借 家 か ら持 ち 家 に な っ た と き に 、1家 計 あ た り新 た に 435万 円分 の 生 産 が 喚 起 され る 可 能 性 が あ る こ と を意 味 し て い る 。仮 に 国債30兆 円 の1割 、 3兆 円分 を 政 府 保 証 住 宅 ロー ン債 券 に 置 き 換 え る こ とが で きれ ば 住 宅 建 設 費 を1戸 あ た り 3000万 円 と して 、 ざ っ と10万 戸 の 住 宅 が 新 た に建 設 され る こ と に な る の で 、 日本 全 体 で は4350億 円 の 生 産 が 誘 発 され る こ と に な り、公 共 土 木 工 事 に は な い 住 宅 取 得 促 進 に 付 随 す る 効 果 の 高 さが 伺 え よ う。 これ らの 財 は 土 木 も し く は 建 築 な ど と は 異 な る 、 そ れ ぞ れ 独 自 の 生 産 波 及 経 路 を 構 成 し て い る こ とか ら、 特 定 の部 門 に 偏 らな い 経 済 全 体 の 景 気 の 底 上 げ 効 果 が 期 待 で き る こ と も 大 き な メ リ ッ トと な ろ う。 5政 策 提 言 3兆 円 の 国 債 を 発 行 して 公 共 投 資 を行 うの に 代 え て 、住 宅 貸 付 特 別 勘 定 を新 設 し、3兆 円 の 政 府 保 証 の 住 宅 ロ ー ン 債 券 を 発 行 す る こ と の 効 果 は 次 の よ うに ま と め られ る 。 ま ず 資 金 を 仲 介 す る機 関 が で き た こ とか ら資 金 波 及 が 生 じ る。 実 物 投 資 部 門 を 除 い た 金 融 機 関 な ど そ の 他 部 門 へ の ネ ッ トの 資 金 波 及 の 合 計 は8.6兆 円 に も の ぼ り、 こ の金 額 に相 当す る 不 良 債 権 を 処 理 す る こ とが で き る 計 算 で あ る 。 ま た 実 物 投 資 を行 な う部 門 に 波 及 して 実 物 投 資 に 充 当 され る 資 金 は 合 計 で3.0兆 円 に な り、こ の 資 金 が5.6兆 円 の 生 産 を誘 発 す る と推 計 さ れ る。さ ら に 国 債 発 行 に よ る2.1兆 円 に も及 ぶ ク ラ ウデ ィ ン グア ウ ト分 を 帳 消 しに で き るた め 、ネ ッ トで7.7兆 円 もの 生 産 誘 発 を 享 受 で き る 。こ れ に 住 宅購 入 に 付 随 す る 耐 久 消 費 財 の 購 入 か ら誘 発 され る生 産 額4350億 円 を加 え て 、3兆 円 の 投 資 か ら合 計 約11兆 円 の 生 産 誘 発 効 果 が 期 待 され る 計 算 に な る 。 バ ブ ル 崩 壊 後 、 小 さ な 政 府 を標 榜 す る こ とで 国 は 財 政 投 融 資 計 画 を 変 貌 させ 、 国 債 を発 行 し て公 共 投 資 を 行 う集 中 統 括 型 公 共 投 資 に 特 化 し よ う とす る傾 向 を 見 せ て い る 。 しか し な が ら集 中 統 括 型 公 共 投 資 は 資 金 を 政 府 に一 極 集 中 させ る一 方 、 こ れ を 再 配 分 す る機 能 を 放 棄 す る こ と に よ り、 我 が 国 の 資 金 循 環 構 造 に 負 の ス パ イ ラル(資 産 デ フ レ ・ス パ イ ラル)

を 構 築 して し ま っ て い る 。 時 価 会 計 か ら金 融 機 関 の 自 己 資 本 比 率 規 制 、 さ ら に は ペ イ オ フ の 解 禁 に 至 る ま で 、 す べ て の 施 策 は 国 債 や 郵 便 貯 金 な どの 公 共 部 門 に 資 金 を 呼 び 込 ん で い る。 こ の 資 金 が ス ム ー ズ に 民 間 部 門 に還 流 しな い 限 り、 日本 は よ り一 層 、 資 産 デ フ レの 深 み に は ま り込 む こ と は 必 定 で あ る。 も ち ろ ん 郵 便 貯 金 の 預 入 れ 限 度 額 を 引 き 下 げ る とい っ た 対 処 療 法 も 考 え られ な い こ とで は な い 。 しか し な が ら都 市 部 は と も か く 、 我 が 国 に は ま だ ま だ 民 間 金 融機 関 の 空 白域 も数 多 く残 され て い る こ とを 想 起 す れ ば 、 こ の 種 の政 策 は 国 民 に対 す る サ ー ビス の 低 下 に 他 な らな い 。 こ の よ うに 考 え れ ば 、 公 共 投 資 の 構 造 を 国 民 を も 巻 き 込 ん だ 住 宅 投 資 を 中 心 とす る分 散 自律 型 公 共 投 資 に 変 革 す る こ と こ そ が 、 資 産 デ フ レ ・ス パ イ ラル か ら離 脱 す る最 善 の 方 法 で あ る 。 先 に も述 べ た よ うに長 期 固 定 金 利 の 政 府 保 証 付 住 宅 ロ ー ン 債 券 は 、 低 金 利 下 とペ イ オ フ の 解 禁 で 資 金 運 用 に窮 し て い る高 齢 者 世 帯 な ど に と っ て も ポ ー トフ ォ リオ の 選 択 肢 を 増 加 させ る。これ に額 面 で の 買 取 消 却 条 項 が 付 され る こ と に な れ ば 、ま さ に 鬼 に 金 棒 で あ ろ う。 政 府 に と っ て も利 払 い を 伴 う国 債 の 確 定 債 務 を 、 政 府 保 証 とい う偶 発 債 務 に 置 き 換 え る こ とが で き る わ け で 、 当 面 の 利 払 い 負 担 を 回 避 で き る の は 巨額 の 政 府 債 務 を 考 え れ ば な に よ りの 朗 報 で あ る 。 そ して も ち ろ ん 忘 れ て は な ら な い の は 、 住 宅 投 資 を 中 心 と した 分 散 自律 型 公 共 投 資 に は 、 集 中 統 括 型 公 共 投 資 以 上 の 生 産 誘 発 効 果 が 期 待 で き る こ とで あ る 。 これ は 単 に 住 宅 投 資 を 増 加 させ る だ け で な く 、 資 金 市 場 の 波 及 を通 じて 企 業 の 民 間 設 備 投 資 を 誘 発 す る こ と も念 頭 に お く必 要 が あ る 。 金 額 こ そ さ ほ ど大 き く な い と は 言 え 、 持 ち 家 率 の 向 上 に 伴 う家 具 や 白物 家 電 さ ら に は 自動 車 や ピア ノ に 対 す る 派 生 需 要 も忘 れ て は な ら な い 。 こ れ ら の財 は 土 木 も し く は 建 築 な ど と は 異 な る 、 そ れ ぞ れ 独 自の 生 産 波 及 経 路 を 構 成 して い る こ とか ら、 特 定 の 部 門 に 偏 ら な い 経 済 全 体 の 景 気 の 底 上 げ 効 果 が 期 待 で き る こ と も利 点 の ひ とつ と して 銘 記 さ れ る べ き で あ ろ う。 参 考 文 献

Leontief, Wassily W.(1966)lnput-Output Economics, Oxford University Press, New York.(新 飯 田

宏 訳(1969)『 産 業 連 関 分 析 』 岩 波 書 店 。)

Unite d Nations(1999)Han dbook oflnp u t-Outp ut Table Compila tion an d Analysis.

辻 村 和 佑(1998)『 資 産 価 格 と 経 済 政 策 』 東 洋 経 済 新 報 社 。

辻 村 和 佑 ・溝 下 雅 子(2001a)「 資 金 循 環 分 析:金 融 連 関 表 の 作 成 と そ の 応 用 」KEO Discussion

Paper No60,慶 應 義 塾 大 学 産 業 研 究 所 。

辻 村 和 佑 ・溝 下 雅 子(2001b)「 資 金:循 環 分 析:金 融 連 関 表 の 負 債 ア プ ロ ー チ と 資 産 ア プ ロ

ー チ 」KEO Discussion Paper No61,慶 應 義 塾 大 学 産 業 研 究 所 。

日本 銀 行 調 査 統 計 局(2000)『 資 金 循 環 統 計 の 作 成 方 法 』 日 本 銀 行 。

付表1:主 要耐 久消 財と産業連関表 の部 門との対応

1999年 全 国消費実態調査報 告

名 称

平 成7年(1995年)産 業 連 関 表 部 門 自動 炊 飯 器(遠 赤 釜1H型) 電 気 冷 蔵 庫 電 気 掃 除 機 電 気 洗 濯 機 電 動 ミシ ン 電 子 レン ジ(電 子 オーブンレンゾ を含 む) ル ー ム エ ア コン 電 気 ご た つ 和 だ ん す(作 り付 け を 除 く) 洋 だ ん す(作 り付 け を 除 く) 整 理 だ ん す(作 り付 け を 除 く) 食 堂 セ ット(食卓 と椅 子 の セ ッ ト) サ イ ドボ ー ド・リビ ン グ ボ ー ド 鏡 台(ド レッサ ー) 応 接 セ ット(3点 セ ット以 上) 応 接 用 座 卓(食 卓 を 除 く) ユ ニ ット家 具(購 入 価 格 が20万 円 以 上) 茶 だ ん す ・食 器 戸 棚 じゅうた ん(5万 円 以 上 の も の) へ◆ッド・ソファーベ ッド(作り付 け を 除 く) カ ラー テ レビ ス テ レオ セ ッ ト CD・MDラ ジ オ カ セ ット フ ァクシ ミ1丿(コピ ー 付 を 含 む) 携 帯 電 話(PHSを 含 む) 自 動 車 オ ー トバ イ ・ス クー タ カメラ ピア ノ 電 子 鍵 盤 楽 器 書 斎 ・学 習 用 机(ラ イテ ィン グ デ ス クを含 む) ワー プ ロ パ ソコン ビデ オ カメラ(デ ジ タ ル を 含 む) ビデ オ テ ー プ レコー ダ ー ゴ ル フ用 具 一 式(ハーフセットも 含 む) 民生 用 電 気機 器 民 生 用 電 気 機 器 民 生 用 電 気 機 器 民 生 用 電 気 機 器 繊 維 機 械 民 生 用 電 気 機 器 民 生 用 電 気 機 器 民 生 用 電 気 機 器 木 製 家 具 ・装 備 品 木 製 家 具 ・装 備 品 木 製 家具 ・装 備 品 木 製 家 具 ・装 備 品 木 製 家具 ・装 備 品 木 製 家具 ・装 備 品 木 製 家具 ・装 備 品 木 製 家具 ・装 備 品 木 製 家 具 ・装 備 品 木 製 家 具 ・装 備 品 じゅうたん ・床 敷 物 木 製 家 具 ・装 備 品 ラジオ ・テ レビ受信 機 電 気 音 響 機 器 電 気 音 響 機 器 有 線 電 気 通 信 機 器 無 線 電 気 通 信 機 器 乗 用 車 二 輪 自動 車 カメラ 楽 器 楽 器 木 製 家具 ・装 備 品 電子 計 算 機 本 体 電子 計 算機 本 体 ビデオ 機 器 ビデ オ機 器 運 動 用 品

付 表2:資 金 波 及 の 効 果(単 位:兆 円) 9i ⑤ ηi H ⑤ ゴHi

日本 銀行

国内銀行

外国銀行国内支店

農 林水産金 融機関

中小企業金融機関等

郵便貯金

合同運用信託

民間生命保険会社

簡易生命保険特別会計

民間損害保険会社

保険特別会計・

信用保険機関

共済保険

企業 年金

国 民年金基金 等

MMF・MRF

その他の公社債 投信

株 式投信

貸金 業者 ・

整理 回収機構

特別 目的会社 ・

信託

資金運用部資金

政府系金融機関

証券会社

短資会社

単独運用信託

預金保険機構等

民間非金融法 人企業

公的非金融 法人企業

中央政府

外国為替資金

地方公共団体

公的年金

その他の社会保障基金

家計

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注)日 本 銀 行 「資 金 循 環 勘 定(2001年3月)」 よ り作 成 。

付 表3:住 居 所有 形 態 別 主 要 耐 久消 費財 の 保 有 数 量 と生産 誘 発 額 の 差

1000世帯あたりの主要耐 保有率の差 耐久消費財の 単位 あたりの生 生産誘発額 の差 久消費財の保有数量 (持ち家 一借家) 単価 産誘発額 (持ち家 一借家)

耐久消費財品 目 mown _dreni mown_dren

(円) (円) (円) 電 子 レンジ(電 子オ ー ブンレンジを含 む) 自動 炊 飯 器(遠 赤 釜1H型) 電 気 冷 蔵 庫 電 気 掃 除 機 電 気洗 濯 機 電 気ミシン ルー ム エアコン 電 気ゴタツ 和 だんす(作 り付 け を除 く) 洋服 だ んす(作 り付 けを除 く) 整 理 だんす(作 り付 けを 除く) 食 堂 セット(食卓 と椅 子 のセ ット) 茶 だんす ・食 器 戸 棚 サ イドボー ド・リビングボ ー ド 鏡 台(ドレッサ ー) ユ ニット家 具(購 入 価 格 が20万 円以 上) 応 接 セット(3点セット以 上) 応 接 用座 卓(食 卓 を除く) じゅうたん(5万 円 以上 の もの) ベ ッド・ソファー ベッド(作り付 けを除く) 軽 自動 車(660cc以 下) 小 型 自動 車A(661^一1000cc) 小 型 自動 車B(1001∼1500cc) 小 型 自動 車C(1501∼2000cc) 普 通 自動 車A(2001^一3000cc) 普 通 自動 車B(3001cc以 上) 輸入 自動 車A(2000cc以 下) 輸入 自動 車A(2001∼3000cc) 輸 入 自動 車A(3001cc以 上) 原 動機 付 自転 車(50cc以 下) 自動 二輪 車A(51∼125cc) 自動 二 輪車B(126∼250cc) 自動 二 輪車C(251∼500cc) 自動 二 輪 車D(501cc以 上) 携 帯 電 話(PHSを 含 む) ファクシミリ(コピー付 を含 む) カラーテ レビ29イ ンチ未 満 カラーテ レビ29イ ンチ以 上 ステ レオセ ット CD・MDラ ジオカセット ビデオ テー プレコーダ ー ワープ ロ パ ソコン カメラ ビデ オカメラ(デ ジタル を含 む) ピアノ 電 子 鍵 盤 楽 器 書 斎 ・学 習 用 机(ラ イティング デ スクを含 む ゴルフ用 具 一 式(ハ ーフセットも含む)

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合計 4351610 注)総 務 省統 計 局 「1999年全 国 消 費実 態 調 査 」、総務 省 統 計 局 「1995年産 業 連 関 表 」、経 済 産 業 省 「1998年産 業 連 関 表(延 長 表)」より作 成 。