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petorinetto no sokuji hakka kassei to sono taimu petorinetto eno oyo ni kansuru kenkyu

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(1)早稲田大学審査学位論文(ぼ士). ジ. ふ. ぺ. L;. 日. ゝ.一一I!一一&. ㎜a. 一一. /jlv. ♂. ノ一. ゝ. i!︱. _jL. ふ. う一. こいy. | −. 7 ̄. 一一 j. 1 ̄..・. 4−. ■㎜■. J←し. 一一一 Q. ”`= I。心.

(2) ペトリネットの即時発火活性と そのタイム・ペトリネットヘの 応用に関する研究. 「iTt稲田大学大学院理工学研究科. 物理学及応用物理学専攻 制御工学研究. 太田. 平成6年2月. ゝl大 序.

(3) -、_. ←. 目次. 1. 2. 1. 序言. !.1. 本研究の目的と背景. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 1.2. 本論文に関連するこれまでの研究の概要. ・・・・・・・・・・・・・・・.. 1.2.1. ペトリネットの活性問題に関する研究. ・・・・・・・・・・・・.. 1.2.2. 即時発火規則の下でのペトリネットに関する研究・・・・・・.. 1. 5 6. 7. 9. ペトリネット. 2.1. 記号と準備. 2.2. ペトリネット. 2.3. ペトリネットの解析 2.3.1. 9 10. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. ペトリネットの特殊な構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 2.3.2 2.3.3. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 17. 17 20. 挙動的解析、特に活性問題について. 構造的解析. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 2.4. ペトリネットのサブクラスとそれらの関係・・・・・・・・・・・・・・.. 2.5. 即時発火規則. 28. 30. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 34 C r. タイム・ペトリネット. ‥. 2.7. 共有資源付当ペトリネット. rx︶ M︶. 3. 2.6. 40. ペトリネットのサブクラスの活性問題 3.1. 主なサブクラスの活性問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.1.1. 40 40. サイフォンがない場合. 3.1.2. マークグラフ. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 41. 3.1.3. 状態機械・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 41. (拡張)自由選択ネット. 3.1.5. SMAネット. 3.1.6. ACネット.. H Cxdl 44‘ 4 4. 3.1.4. 1.

(4) 皿、、...、. 3.2. 有界公平なネットの活性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.3. TCCネットの活性. TCCネットと極小閉路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.3.2. 充足マーキングと発火系列・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.3.3. TCCネットの構造的活性. 3.3.4. TCCネットの活性のための必要十分条件・・・・・・・・・・・.. 45. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 46. 48 50. 3.4.1. 問題の提起. 3.4.2. 活性の単調性のための必要条件・・・・・・・・・・・・・・・・.. 51. 3.4.3. 活性の単調性が成り立つサブクラス・・・・・・・・・・・・・・.. 54. 検討. 45. 45. 活性のトークン数増加に対する単調性の問題・・・・・・・・・・・・・.. 3.5. 4. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.3.1. 3.4. 42. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 50. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 54. 55. POCネットとその活性問題 4.!. POCネットの提案と従来のサプクラスとの関係・・・・・・・・・・・.. 55. 4.2. POCネットの活性問題(プレース活性との関係)・・・・・・・・・・・.. 56. 4.3. 検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 61 2 6. ペトリネットの即時発火活性 5.1. 5.2. 5.3. 即時発火ペトリネット. QZ 6. 5. ‥.. 5.1.1. 即時発火ペトリネットの記述能力・・・・・・・・・・・・・・・.. 5.1.2. 即時発火ペトリネットの解析. 62. ・・・・・・・・・・・・・・・・・.. POCネット、有界公平なネットの即時発火活性・・・・・・・・・・・.. 64. 67. 5、2.1. 1-PNの場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 5.2.2. TPNの場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 5.2.3. 有界公平なネットの即時発火活性・・・・・・・・・・・・・・・.. 69. 活性と即時発火活性が等価となるサブクラス・・・・・・・・・・・・・.. 69. 5.3.1. POCネットに関する付加条件・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 5.3.2. EFCネットの即時発火活性. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 1. 67 68. 69 70.

(5) ら・. 5.4. 6. 検討. 共有資源ペトリネットの即時発火活性 6.11. 7. 73. 問題の提起. 75. ‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 75. 6.2. 共有資源付き1-PNの即時発火活性・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 76. 6.3. 共有資源付きTPNの即時発火活性・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 6.4. 検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 77. 活性問題の計算量 7.1. 7.2. 79. 81. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 7.1.1. ペトリネットの符号化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 7.1.2. これまでの研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 7.1.3. 線形計画問題の計算量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. TCネットの活性問題の計算量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 81 81 83 85. 7.2.1. TCネットを検証するための計算量・・・・・・・・・・・・・・.. 85. 7.2.2. TCネットの活性を検証するための計算量. 87. ・・・・・・・・・・.. 81. 7.3. 即時発火活性の計算量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 7.4. 構造的公平性の検証のための計算量・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 88 91. 7.5検討‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥92. 8. スケジューリング問題へのタイム・ペトリネットの応用. 93. 8.]ジョブショップ型スケジューリング問題‥・・・・・・・・・・・・・・. 8.1.1 8.1.2. 8.2. 8.3. 問題の定義. 93. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 95. スケジューリング問題の「よい」解. スケジューリング問題のモデル化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 8.2.1. ペトリネットモデル. 8.2.2. 繰り返し問題のペトリネットモデルの特徴‥・・・・・・・・.. 93. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 95 95. 97. 1セット繰り返し問題の周期(プレースに処理時間を割り当てた場合)98 8.3.1. プレースに時間を割り当てたペトリネット‥.. 111. 98.

(6) ら・. 8.3.2. Sifakisによる周期の下界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 8.3.3. 繰り返し工程スケジューリング問題の定式化・・・・・・・・・.102. 8.3.4. 問題の解法. 8.4. 99. ‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.106. 検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.108. 言 結. 9. 109. 謝辞. 111. 参考文献. 112. 付録. 119. Aマークグラフの可達問題の計算量 A.1. 問題の設定. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.119. A.2マークグラフの可達問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.120 A.3マークグラフの有界マーキング間の可達問題の計算量・・・・・・・・.121 A.3.1. トークンのない有向閉路上のトランジションをすべて見出す アルゴリズム. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.121. A.3.2. 条件(C1)を検証するアルゴリズム. ・・・・・・・・・・・・・・.122. A.3.3. 条件(C2)を検証するアルゴリズム. ・・・・・・・・・・・・・・.124. A.4非有界の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.124. 129. 著者業績. 1V.

(7) ゛`‘. -一一. 第1章. 1.1. 序言. 本研究の目的と背景. 多品種少量生産を可能とするFMS(Flexible. Manufaduring. Systems)、コンピュー. タ群による並列処理、列車の運行制御などのシステムにおいては、例えば「機械が 使用中である」というようにヽその「状態」を(計量できるという意味での)数値で は表すことができない場合がある。したがって、例えば状態がAからBへの遷移す るとき、AとBの「中間」の状態は定義できないので、状態遷移(「事象の生起」と いう)は瞬時に起こる。また、「時間」の概念についても、ある事象が何時に起こっ たかということよりも、事象の生起の「順序」が問題となる。このようなシステム を総称して「離散事象システム」と言う。離散事象システムの特徴としては、この ような時間に関する「非同期性」の他に、2つ以上の事象が順序関係なしに並列に 生起できることを表す、「同時進行性」が挙げられる。 1962年CarI. Adam. Petri によって提唱され、その後多少の修TEを経たペトリネッ. ト1)・2)・3)・4)・5)・6)は、このような非同期、同時進行可能な離散事象システムのモデル 化、解析、検証、性能評価などに有効な数学モデルの1つである。ペトリネットの 実用的な意味での道具としての特徴は、状態を表すプレースとよばれる節点と、事 象を表すトランジションとよばれる節点、ならびにそれらの因果関係を表すアーク からなる2部(bipartite)有向グラフ表現を用いることによって、システムのモデル 化か比較的容易に行えること、さらに、プレース中の卜−クンによってシステムの 状態とその遷移、同時進行性が視覚的に表現できることである。また、単にシミュ レーションのための道具にとどまらず、ペトリネットの挙動を表す状態方程式、構 造を表す代数方程式を介して、その種々の性質の数学的な解析をも可能にしている。 理論的に見れば、ペトリネットは離散事象システムを扱う他の代表的な数学モデ ルである有限オートマトンとチューリング機械の中間に位置している。ペトリネッ トは可算無限個の状態を許すことによって有限オートマトンよりも高いモデル化能. 1.

(8) -・ 一心一一一一. 力をもっが、否定的な表現ができないために、チューリング機械ほどの記述能力は ない。一方ヽペトリネットの多くの重要な解析問題は(計算量はともかくとしても) 可解であることが知られていて、ほとんどの解析問題が非可解であるチューリング 機械に比べれば、高い解析能力をもつ。このように、ペトリネットは上記の中程度 の記述能力とモデル化能力をもつ点で、理論的に興味のある数学モデルであるとい うことができる。 また、ペトリネットは、その要素である1つのプレース、あるいは、トランジショ ンを別のペトリネットで置き換えることによって階層化や詳細化が可能であり、2つ のペトリネットの「端子」要素の融合による結合が容易に記述できるという特徴を 持つ。このことは、ペトリネットの規模の増大に対する、解析問題の「組合わせ的 爆発」を緩和する手段を与える。 このペトリネットの主要な解析問題として、活性問題、可達問題、有界性などが ある。特にその重要な問題の1つに活性問題がある。活性問題は、事象の生起可能 性に関する性質であり、「(局所的な)デッドロックが発生しないか」、「システムにむ だな要素が存在するか否か」、あるいは、「システムがその過渡的な動作のいかんに かかわらず、所定の定常的な動作を可能とするかどうか」という問題に対応する。 さて、ペトリネットには前述のように本来は時間の概念は存在しないが、実シス テムヘの応用の便宜上、時間の導入が様々な方法で試みられ、性能評価、例えば、事 象の生起頻度の計算などに役立てられてきた29□o目礼33)。この性能評価の問題は、 対象とするシステムの定常的な動作を前提としているので、ペトリネットモデルの 活性が保証されている必要がある。 一方、通常のペトリネットが記述するシステムの事象は、その生起が可能になっ たとしても、必ずしも生起しなくてもよいが、この規則を変更して、「各事象はそれ が可能になった時点で必ず生起しなければならない」とする「即時発火規則」を導 入したペトリネットは、理論、応用の両面において興味深いクラスを構成する。理 論的には、即時発火規則を導入することによって、ペトリネットは(ゼロ・テスト能 力が付加されるので)チューリング機械と等価な記述能力を得る54)・6)。また、事象. 2.

(9) 〃s-一一一一. の制御の観点からは、即時発火規則は各事象が局所的な条件で生起できることを意 味する。 応用面では、そのー例を挙げれば、ペトリネットをスケジューリング問題に適用 したモデルにおいて、即時発火規則によって準最適な「遅れなし解」を得ることが でき36)・37)、さらにペトリネットがある特殊な構造であるとき、最適解が得られるこ とが知られている刈。 以上の背景の下に、本論文では、この即時発火規則の下での活性と通常の発火規 則における活性の間の関係について検討し、そのタイム・ペトリネットヘの応用に ついて考察する。 本論文の構成は以下の通りである。 本章の次節では、本論文のテーマに関連した従来の研究の概要を述べ、その特徴 を記す。. 第2章では、以後の議論のために必要なペトリネットの諸定義を述べる。 第3章では、通常の発火規則の下でのペトリネットの活性について考察する。ま ず、いくつかのサブクラスについて既存の結果を述べ、ついで新たに、TCCネット、 有界公平なペトリネットについて活性とプレース活性が等価であることを示す。 次に、活性の単調性について考察する。活性の単調性とは、ある初期マーキング で活性なネットが与えられたとき、そこに任意にトークンを追加したネットもまた 活性であることをいう。活性の単調性が成り立つネットは、階層化による活性の保 存の点て有利であり、活性問題の判別のための計算量の軽減が期待できる。逆に活 性に単調性が成り立たないクラスについては、初期マーキングと構造だけから活性 問題を判別するのが困難であることが予想される。本論文では、活性の単調性が成 り立つための必要条件がDT性であることを示し、さらにそれが十分条件となるサ ブクラスを考える。 第4章では、まず、ペトリネットの新しいサブクラスとして「POCネット」を提 案する。このサブクラスはこれまで多くの解析がなされてきた自由選択(FC)ネット や非対称選択(AC)ネットを包含するものである。ついで、このPOCネットについ.

(10) .〃・一一一一. て活性とプレース活性が等価であることを示す。 第5章では、第4章の結果を川いて、トランジションに発火継続時間を導人した タイムペトリネットの即時発火活性について考察する。一般には、通常の発火規則 における活性は即時発火活性のための必要条件でも十分条件でもない。まず、提案 したPOCネットと有界公平なペトリネットについて、活性が即時発火活性のため の十分条件となることを示す。 さらに、必要性が成り立つための付加条件について考察する。極小サイフォンが トラップである場合は、必要性が単一サーバー、無限サーバーにかかわらず成り立 つことを示す。拡張自由選択(EFC)ネットの場合は、無限サーバーの場合にのみこ の必要性が成り立つことが示される。これらの結果は、即時発火活性問題が可解で あるようなサブクラスを与える。 第6章では、スケジューリング問題への応用を念頭に置いて、共有資源プレース をもつペトリネットの即時発火活性について考察する。ここでいう共有資源とは、 例えば共通の工作機械、搬送車などのように、共通利用を目的とするものであって、 使用後必ず元に戻されて再利用に備えるものをいい、原材料などのように使用する と減少あるいは消滅してしまうものは共有資源とはいわない。通常の発火規則の下 では、共有資源の存在はネットの挙動にまったく影響を及ぼさないが、即時発火規 則の下では、その存在が同時進行性を妨げることによって、ネットの挙動を変化さ せることがある。特に、トランジションによって発火継続時間が異なる場合は、共 有資源の影響が顕著に現れる。ここでは、第5章の結果を用いて、ペトリネットの 活性が共有資源付きタイムペトリネットの即時発火活性のための必要十分条件とな るクラスを導出する。このクラスはスケジューリング問題にも適用可能であり、応 用範囲は広い。 第7章では、ペトリネットの解析問題、特に活性問題の検証のための計算量につ いて考察する。まず、TCネットの活性問題が多項式時間で解けることを示す。 ネットのすべての極小サイフォンはトラップであるので、POCネットかつTCネッ トであるペトリネットの即時発火活性は多項式時間で検証できることを示す。その. 4. TC.

(11) -・. ←. 他にも、即時発火活性が多項式時間で検証できるようないくつかのサブクラスを挙 げる。 第8章では、応用例としてジョブショップ型スケジューリング問題のタイムペト リネットモデルと繰り返し問題の最短周期解を求める一方策について述べる。 第9章は以上の成果のまとめである。なお、付録として、本論文の主テーマであ る活性問題に密接な関連をもつ可達問題についてマークグラフに対するMurata9)の 研究成果を基に、その判別のための方法について考察し、それが線形計画法を介し て多項式時間で解けることを明らかにする。 以下において、下線を伴う定義、定理、系、補題などは筆者が導出したものであ ることを示す。. 1.2. 本論文に関連するこれまでの研究の概要. ペトリネットの研究は、1962年のCarlΛdam. Petriの学位論文“Kommunikation. mit Automaten” から始まった。その後ΛpPlied Data Research社のA.W.Holtら によって初期の理論、表現法が整備された。 1970年、1975年のMITのプロジェク トMACの会議によって、ペトリネットは世に知られるようになったが、それまで の十数年間は上記のような一部の研究機関で研究されているに過ぎなかった。しか し、科学や工業の技術が進歩し、生産分野における多品種少量生産などのFMS、通 信分野の複雑なプロトコル、コンピュータ群による高速演算のための並列処理など、 種々の分野でこれまでより高度のモデル化能力、解析能力を有する離散事象モデル のニーズが高まり、ペトリネットがこれに合致することが認識されて、一躍注目さ れるようになった。以下に、本論文のテーマに関係のあるこれまでの研究を挙げる。 詳しい説明にはペトリネットの諸定義が必要となるので、ここでは概略のみを示し、 詳細は各章のはじめに述べることにする。. 5.

(12) J・・一一一一一. 1.2.1. ベトリネットの活性問題に関する研究. 一般のペトリネットでは、活性問題が可達問題(ペトリネットの状態を表すある マーキングから、他の指定されたマーキングに遷移可能であるか否かを判定する問 題)と等価であること、ならびに、その計算量が少なくとも指数領域であることが 1976年にLiptonによって示されていた仇活性問題の可解性は、長い間未解決な問 題であったが、1981年にEmst. W. Ma回o)によって可解であることが示された。. このように一般のペトリネットの活性問題の検証は「難しい」ので、限定されたク ラスに関する研究(サブクラスの定義ならびに関連する結果の詳細については、2.4 節、3.1節をそれぞれ参照)が多くなされている。 マークグラフ(MG)の活性問題の必要十分条件は、1971年にCon!17noner. ら7)に. よって求められている。この研究は、マークグラフの有向閉路が活性だけではなく、 このクラスに関する他の解析問題に対しても重要であることを示している。 マークグラフにおける有向閉路は、一般のペトリネットでは、サイフォン、トラッ プとよばれるペトリネットの特殊な構造へ拡張される。これらの構造は、活性問題 の解析の上で重要な役割を果たす。 1974年、Lautenbachら8)はマークグラフの有向 閉路を求める方法を応用して、サイフォン、トラップを見出すアルゴリズムを示し た。また、これらの構造に着目した広い範囲に適用できる活性の必要十分条件が提 案されている22)。 マークグラフよりも広いサブクラスである自由選択(FC)ネットの活性問題の必要 十分条件は、Hackによって求められている4)。 Hackの自由選択ネットに関する研究 は、後年のこのクラスについての研究の基礎となっている。さらに、自由選択ネッ トが有界かつ活性なマーキングをもつかどうかに関しても盛んに研究が行われた。 例えば、1984年のTiagar小nら13)の研究は、有界活性なマーキングをもつ自由選 択ネット(LBFC)の構造に関して、重要な結果を導出している。その結果、接続行 列の階数に注目した、多項式時間で検証可能な必要十分条件が、1991年、EsParza、 Silvaら24)・26)によって得られた。これによって、LBFCは理論的に興味深いだけで はなく、実用的でもあることが示された。また、効率のよい検証アルゴリズムも提 6.

(13) -・. ←・. 案されている刈。. Espa、rzaら川、Barkaoui48)らは、この結果を拡張自由選択ネット、. 非自己制御ネットに拡張している。 SMΛネットは、有界活性な自由選択ネットとある意味で等価なクラスである。こ のネットに関する研究も多くなされていて1)・27)、SMAネットであることを多項式 時間で検証するアルゴリズムが1992年Lccら27)によって提案されている。. 1992年. にDeseP9)はクラスタの概念を用いてネットが有界活性なマーキングをもつための 条件を拡張している。このDese1の結果は、筆者の知る限りにおいて、活性問題が 多項式時間で判別可能な最も広いサブクラスを与えている。 非対称選択ネットの活性問題については、1987年のBestの研究17)の中でそのた めの必要十分条件が得られているが、その検証のための多項式時間アルゴリズムは 筆者の知る限り、まだ得られていない。 一方、ペトリネットの規模の増大に伴う活性問題の計算量の爆発的増大を避ける 目的で、活性を保存するネットの分割、階層化が提案されている。. 1983年Suzukiら. 12)は、あるペトリネットの1つのプレースまたはトランジションを別のペトリネッ トに置き換えてできるネットが活性であるための条件を考察した。. 1988年に、中村. ら18)と潮ら19)はこの結果を拡張して、あるペトリネットの複数のトランジションを 同時に1つのペトリネットで置き換えて活性が保存されるための条件を提案した。 これらは、いずれも置き換えるペトリネットの発火系列に強い制約を要する。1991 年にSoussi川は、活性の重み付きトークン和に関する単調性の概念を提案した。単 調性が成り立つような2つのペトリネットのプレースを重ねあわせることで1つの ネットを合成するとき、できたネットの活性のための条件を求めている。. 1.2.2. 即時発火規則の下でのペトリネットに関する研究. 1986年に佐々木ら54)・6)は即時発火規則を導入することによって、多重アークをも つペトリネットは、チューリング機械を模倣できることを示した。これによって、即 時発火ペトリネットは高いモデル化能力をもつものの、多くの解析問題が非可解で あることが示された。 7.

(14) 〃−一一一一. そこで、ネットの構造に制約を加えることによって、解析問題が可解であるような サブクラスを得る研究がなされている。市川らは、ネット構造に制約を加えることに よって、即時発火規則の下での入力プレース付きペトリネットの可達問題が可解で あるクラスとその判定のための必要十分条件を考えた。飯競合ネット(1985年)53)、 トラップ閉路ネット(1988年)55)などについて、(通常の発火規則の下での)可達問題 の必要十分条件を求め、その議論が即時発火の下でも成り立つことを示した。 一方、活性問題については、1990年にStarke56)が、非対称選択ネットの活性が即 時発火規則の下でも保存されること、2つ以上のトランジションが同時に発火可能 となることがない“co-fre♂なペトリネットについては、活性と即時発火活性が等価 であることを示した。本論文はこのStarkeの研究の延長線上に位置する。. 8.

(15) ←-. 卜. 第2章. ペトリネ. ツ. 本章では、以下の議論で必要なペトリネットに関する主な諸定義および記号を記 す。その多くはペトリネットに関する標準的な解説、例えば文献2)4)5)などに準ず るものである。. 2.1. 記号と準備. 定義1非負整数と自然数;非負整数の集合をN={0、1、2、3、…}で表す。また、自 然数の集合をN゛={1、2、3、…}で表す。ロ. 定義2集合の濃度;有限集合Xに対して、その要素数を圃で表す。口 定義3差集合;集合Xヽyに対してヽその差集合をX−y二行けEX∧Jダリ で表す。ロ 定義4文字列;文字の有限集合Xに対して、その要素を任意個数並べたものを文字 列(略して列)とよび、列全体の集合をX'で表す。列リEX'の長さを剛と表す。 X*には、長さOの列(空列という)λも含まれる。列uバΞX刎こ含まれるJEXの数 を、井けタ)で表す。ロ. 定義5ペクトルの順序;2つのn次元ベクトルJぺ/の要素ごとの大小関係を以下の 記法で表す。 z<y く=. J. 〃. Jい/. ⇔. zj<!/j、J. ⇔. 弓≦!/j,j=. 一 一. 1,2,‥.,n. 1、2、‥.、n. ⇔z≦!ノハJ≠μ. 逆向きの不等号も同様に定義する。 Xをn次元ベクトルの集合とする。Xのある要素Joが、条件OJo>y);. ∀!/EX. を満たすとき、jroはXの極小なベクトルであるという。一般に集合Xには極小なべ 9.

(16) -・. ←・. クトルがただ1つだけ存在するとは限らないが、Xが唯一の極小なベクトルJoをも つとき、JoはXの最小のベクトルであるという。ロ 定義6有向グラフ;有向グラフをG=川州と表す。ただし、ドは節点の集合、 £⊆ドXUは枝の集合である。e=出回)∈召のとき、節点む、、ダをそれぞれ枝eの ー 始点、終点という。 2つの節点ら召∈ドに対して、む=U01ub‥ぃむた=. ゾ(だ≧O)言句当+1)GE. 0=Oよ…だ−1)であるとき、(py)∈汐と表す。任意の2つの節点むノEFに対 して、関係r菰ノ≡(むよ)∈£*V(むい)G. E゛が成り立つような有向グラフは連結で. あるという。また、任意の2つの節点むyEドに対して、関係回礼ノ≡Oy)e A(べOEPが成り立つような有向グラフは強連結であるという。 2項関係凡。は同値関係なので、節点の集合ドを凡。によって同値類短、鴇、…、玖 に分けることができる。鳥={c=Dy}∈£DyEIう}と定義すれば、各部分 グラフ痢=(‰拘)は強連結グラフとなる。これを強連結成分という。有向グラフ G=半句の強連結成分をGI刀21・・・、Gkとする。このとき、以下に定義される有 向グラフg=(lへど)をHasse図という。 1ノ (G,,Gj)∈£. = ⇔. {GI,G2,‥.,Gld ∃む∈1/;,∃tyEy;;(む,妁∈£. □. 2.2. ペトリネット. 定義7ペトリネット・モデル(Pctri. net mode1);ペトリネット2)・4い)・6)yV=(C、mo). は、Fig. 2.1(P. 14)に例示されるような、離散事象系のモデル化に有効な2部有向グ ラフ(biPartite(≒raPh)である。C=(P、T、F)はペトリネット構造と呼ばれヽmoを 初期マーキングという。ここで、7=)、Tはそれぞれプレース(Place)、トランジション (transition)の有限集合である。プレースは条件などを哀し、グ`ラフ上では白丸(○). 10. E゛.

(17) -、 ←・一一. で哀されるノードである。. トランジションは事象などを哀し、グラフ上では、長方. 形([])または棒(|)で哀されるノードである.F⊆(7)×T)Uげ×杓はアーク 叫c、→)の集合である。アークは、条件と事象の間の関係などを哀す。アークに重 みtむ:y・→N4“をもたせることもあるが、ここでは用いない(すべてのアークの重 みを1にしたのと等価である)。以上のプレースヽトランジション、アークの結合関 係が、ペトリネットでモデル化されるシステムの構造を哀す。. トークンは、条件の. 成立などを哀すもので、グラフ上ではプレース中の黒丸(・)で哀される。マーキン グn7 : ?→Nはペトリネットの状態である。マーキングmでプレースパョフ)は、 叫ρ)個の卜−クンをもつ。moは初期マーキングである。ロ. 定義8前提集合(Prc-set)と後提集合(Post-set);X⊆TU刑こ対して、Xの前提集 合゜X、後提集合X°をそれぞれ、 ゜x. =. UD/∈7 ̄・U帽(μ岡∈帽 こrEX. X°=. U{パマU剔(J,?/)∈月 zEX. で定義する。特に、゜ヱ=゜{J}、J°=仁r}゛とする。ロ. 定義9入出力プレース(inPut/output. Place)と入出力トランジション(inPut/outPut. transition);トランジションZETに対して、・7の各プレースを/の入カプレース、?・ の各プレースを7の出力プレースという。また、プレース斟三月こ対して、゜pの各 トランジションを戸の入力トランジション、p・の各トランジションをfの出力トラ ンジションという。ロ. 定義10トランジションの発火(firing ンジション1が発火可能(enabled. of transition);マーキングmにおいて、トラ or fireable)であるとは、そのすべての入力プレー. スに卜−クンが存在することヽすなわち、m(p)≧1;. ∀pE°1が成立することをい. う。これを、n乖)と書く。 発火可能なトランジション1は発火することができるが、発火しなくてもよい。ト ランジション1が発火するとき、fの各入力プレースから1つずつトークンが取り去 11.

(18) ←−. られ、fの各出力プレースに1つずつトークンが与えられる。この結果のマーキン グを. 「とするとき、 1. mj(司. m(73)−].;. 7バョ゜1−1・. m(p)+1. pEI°−゜1. ;. =. 所司 となる。. これをm[0. ;. その他. 「と表す。以上をトランジションの発火規則(hng. rule)という。. □. 定義11競合(connid);あるマーキングmにおいて、2つのトランジションU'がと もに発火可能であるがヽ「同時」には発火できないときヽすなわちヽ(∀バョ゛z; ↓)∧(∀財E°昿. 剛P)≧1)八(∃DG゛tn`t≒. m(p)≧. nl(P)=1)が成り立つとき、7とがは競. 合関係にあるという。ロ. 定義12発火系列(firing. sequence);7‘をトランジションの有限列の集合とする。ト. ランジション列tjJ=tjlth…ら。∈71‘の各トランジションがマーキングmから順次 発火可能なときヽすなわちヽ洲ら1)"11h〉m2…mj、-1[仙〉のときヽm[0と表しヽuJ はmから実行可能な発火系列であるという。また、実行可能な発火系列7zJの各トラ ンジションを順次発火させた結果のマーキングが. 「であるとき、同0. 「と書く。. ペトリネットフVの発火系列全体の集合を 蟻C、m心={gET゛│ヨ. 「∈71゛. s.t.mo{. 「0}. と表す(s.t.はsuch that の略).ロ 定義13接続行列(incidence. matrix㈹プレース、トランジションに番号をつけ、. ?゜D71J妬‥JIPI} 71ニ胚j2、…j171} とする。番号付けの方法は任意である。このとき、マーキングmはmj=m(pj)と なる│椚次元非負整数ベクトルで表される。 12.

(19) ←一一. このときヽ㈲×固行列ャ={ぐ}、ャ={貼レ4. =/1+−/1-をそれぞれ、出. 力接続行列、人力接続行列、接続行列という。ただし、 1 申!. 11. =. 十a .z J. (tjipi)EFのとき. 0. ;その他のとき. − ← 乖?. (R,ぢ)EFのとき. al・J=. 0. ;その他のとき. この接続行列を用いてトランジションの発火を表現すると、マーキングmの下で. 1. のトランジションれの発火可能条件は、/1-dJ≦mと表される。ただし、汐は j − 1 0. =. 尚. i=jのとき i≠jのとき. で定義される固次元非負整数ベクトルであり、「発火ベクトル」とよばれる。 m[ぢ〉. 「のときヽ. 「二"l十/ぱである。. トランジションの列切ET゛に対してヽφ叫]j=井(し四)で定義される写像や: r→N円をParikh写像という。mD〉. 「であるとき、 j l. (2.2. m/=m十ソ叫(切). と表現される。このとき、φ叫)を「発火回数ベクトル」という。ロ. 定義14ペクトルの台(suPport. of a vedor);一般にはベクトルバこ対して、そのOで. ない成分に対応する添字の集合をjの台といい、レ││と表す。とくにペトリネットに おいてはヽ固次元ベクトルJ、圃1次元ベクトル!/の台をレレ={いΞΥレ4≠O}、 晦脳=佃匹刑戮≠O}で定義する。混乱の恐れがない場合には添宇T、Pを省 くこともある。ロ 定義15可達集合(reachabHity. set);ペトリネットの2つのマーキングm、. して、あるトランジションtGTが存在して、m[0. 「であるとき、. 「に対. 「はmから直接. 可達であるという。「可達である」という関係は「直接可達である」関係の反射的推 13.

(20) ←一・−. 移的閉包である。すなわち、 いは、. 「がmから可達であるとは、玉四三r;mD〉㎡、ある. 「=mが成り立つことである。空列割こ対してm[Å〉mとすれば、後者の定. 義は前者の定義に含まれる。マーキングmから可達なマーキング全休の集合、 μ(Gm)=Dyl玉z,∈T*;. m[u,〉mj. を「可達集合」と呼ぶ。誤解の恐れのない場合、R(C、m)を鰍m)と表すこともある。 □. ⇒. μ3 ㈲. 7君0. 一 一. Z2 け. 71. p4. μ3. 02017. ㈱. ml. 一 一. (c). m3. 一 一. Fig. 2.1: A. 例2.1:. に↓汗. h. ら ⇔. P4 ら け 00217. [0. J ら. jJ ち. P3. P4. ?2. ⇒. p3 (d). m2. 一 一. P4 朽 け 01117. P3 (e). p4. 朽. m4. 一 一. [0. 10217. Petri net and its statc transitions.. 以上の用語を例で示すために、Fig.2.1のペトリネットフV=. を考える。 戸={P1J2,P3,P4} 71={らj2} F={(Plj1)べp3j1),(p3j2),(へ,p2),(h,p4),(z2,p4)} 叩面1)ニ1声o㈲゜O声o㈲ニ2声o(P4)ニ0 14. (P、T、瓦mo).

(21) ←−. ゜71=俘1、P3}ヽμ;=但1}である。また、接続行列は. 1. 0. /1. -. 0 0. 0. 1 0. /1+. 0. −1. 0. 1. 0. −1. 1. /t=. 一 一. 0. 0. 1. 1. ↓. 1. 0. 0. 1. 1. である。マーキングmo=[102017(2.亘a))の下でトランジションしらがともに発 火可能である。 moからglが発火した結果、マーキングはm1=[Oに1ド(2j(b))に 遷移する。 m1において、らは発火可能であるが、刑に卜−クンがないために?1は発 火不可能である.mlからちが発火した結果ヽマーキングはm4=[O↓0217(2.亘e)) に遷移する。これを、mo[れ〉ml[ら〉m4あるいは、mo[z山〉m4と書くことができる。 一方、m。からちが発火した結果、マーキングはm2=[10□円2.1(d))に遷移す る。m、2において、馬に卜一クンが!つしかないので、トランジション?1、らは競合し ている。 m2かられが発火すれば、m3に遷移し、らが発火すれば、m3=[100217(2、1 (c))に遷移する。 Fig、2.1に示した以外の状態遷移は存在しないので、可達集合、および、発火系列 の集合はそれぞれ。 μ(C、mo)={mo、ml 、m2、m3、 m4} 員C、mo)=D1、らバ1らμ2z1バjj である。 定義16混乱(confusion);競合と同時進行が混在する状態を混乱という。例えば、 Fig. 2、2(a)のネットにおいて、トランジション朽とらは同時発火可能であり、八と t3、t2とらは競合状態にあるo t2が発火すると、らはもはや発火できないので、flと らの競合が解消される。同様にj1が発火するとらとらの競合が解消される。このよ うに同時発火可能な2つのトランジションfl、らかおり、一方の発火が他方の競合 を解消する場合を対称的な混乱という。 また、Fig. 2.2(b)のネットにおいて、トランジション朽と72は同時発火可能であ る。. トランジションちが発火した結果、それまでは発火できなかったトランジショ 15.

(22) ←一. 1. ら. /2. 仙. Z1. 71. ら. 仙. ( b). Fig. 2.2: Examples. of co. 「usion.. ンらが発火可能となり、らと競合する。このように同時発火可能な2つのトランジ ション貝、総かおり、どちらか一方の発火が他方の競合を作りだす場合を非対称的 な混乱という。 また、Fig. 2.2(c)のネットの場合、混乱は非対称的でもあり、また、対称的でも ある。ロ. S. Fig. 2.3: A Pctri net model. 例2.2:. of cigarette smoker's problem.. ペトリネットによるモデル化の例として(喫煙者問題2)」とよばれる多プ. ロセス間の協調問題を取り上げる。喫煙者問題は1人のエージェントと3人の喫煙 者からなる。喫煙者は3つの材料、タバコとマッチと紙を用いてシガレットを作っ てはそれを吸っている。1人目の喫煙者はタバコ、2人目はマッチ、3人目は紙を無 限にもっている。エージェントは3つの材料すべてを無限にもっている。エージェ 16.

(23) ←−. ントはこれら3つの材料のうち2つを机に置く。残る1つの材料をもっている喫煙 者はシガレットを作ってそれを吸い、エージェントに吸い終わったことを知らせる。 エージェントは3つの材料のうち別の2つを差し出し、以後これを繰り返す。 Fig. 2.3 はこの問題のペトリネット・モデルである。図中プレースt、m、pはそれ ぞれタバコ、マッチ、紙を表す。プレースSは喫煙者が次の材料を要求することを表 す。. トランジション%、S。、Stはそれぞれタバコだけをもった喫煙者、マッチだけ. をもった喫煙者、紙だけをもった喫煙者が残りの2つの材料を手に入れてシガレッ トを作って吸うことを表す。. トランジションA。。、Aゅ、A9はそれぞれエージェン. トがタバコとマッチを差し出すこと、タバコと紙を差し出すこと、マッチと紙を差 し出すことを表す。. 2.3. 2.3.1. ペトリネットの解析. ペトリネットの特殊な構造. 定義17セルフループ(self-1oop);(Pj)EF∧(t、P)eFなるプレースp旺Pヽト ランジションfETをセルフループという。入出力接続行列/牡、j-にはセルフルー プの情報が含まれるが、接続行列jにはセルフループの情報を含まない。ロ 定義18ソース(source)とジンク(sink);入力プレースをもたないトランジション をソーストランジションといい、入力トランジションをもたないプレースをソース プレースという。また、出力プレースをもたないトランジションをシンクトランジ ションといい、出力トランジションをもたないプレースをシンクプレースという。ロ. 定義19部分ネット(subnet);プレース、トランジションの部分集合八⊆爪石⊆7・ によって定まるネットNP、、T1=(八、乃、瓦、mo1)を部分ネットという。ただし、瓦= Fn[(八×石)U(石×八)]は、もとのネットyvのアークのうち、八のプレースと石 のトランジションの間のアークをすべて取り出したものである。 moの八͡ヽの制約、すなわち、mol(P)=m(p); ↓7. 辱∈乃である。. mo1 : 八→Nは.

(24) ←・−−−. 部分ネット肩=(PbTbF1、m(n)において、石ニ゜乃U愕であるとき、Λ‰= (玖√1 ̄1=゜ハUPyFhm〇1)をヽ乃によって定まる閉じた部分ネットという。同様 に、部分ネットyvlこ(ハ√/八八、mol)において、ハ=゛7 ̄lUぢであるとき、Λy= (八=゜石Uぢ√/j、バ、mol)を、石によって定まる閉じた部分ネットという。ロ 定義20有向閉路(dircctcd circuit);zl,J2,…,ら∈JPU7とする.(り・・j+1)∈ F;. j=1,2,…,9−1であるときヽu=zlz2‥・z,を有向道という。同一ノードを. 2つぶ上含まない有向道は初等的であるという。有向道u=zlz2‥・z,;(9≧2)で zl=らであるものを有向閉路という。・1ニ2;9の他には同 ̄ノードを2つ以上含ま ない有向閉路は初等的であるという。有向道(閉路)7jの上のプレースの集合を瓦で CZ. 八. 表す。初等的有向閉路uで. 几となる有向閉路むが存在しないものを極小有向. 閉路という。ロ 定義21サイフォン(siphon);゜タ⊆ダとなるような、プレースの空集合でない部分 集合をサイフォン(デッドロックとよぶこともあるが、後に定義するデッドロック・ フリー性の場合の「デッドロック」とは異なるので、以下では「サイフォン」を用 いる)という。トークンなし(すなわち、その中のどのプレースも卜−クンを1つも 持だない)サイフォンにはヽいかなる発火系列によってもトークンが投入されるこ とがない。y⊆sなるサイフォンタ'が存在しないとき、サイフォンタは極小である という。また、サイフォン別こおいて、ダと・ダから定まる部分ネットが強連結である とき、夕は閉路(あるいは、強連結)サイフォンであるという。ロ. 定義22. トラップ(traP)ゾ⊆゜ダとなるような、プレースの空集合でない部分集合. をトラップという。. トークン付き(すなわち、トークンを合計1つ以上もつ)トラッ. プはいかなる発火系列の後にも卜−クン付きである。S'SSなるトラップタ'が存在 しないとき、. ト. ラップタは極小であるという。また、. トラップ別こおいて、ぶとダ. から定まる部分ネットが強連結であるとき、タは閉路(あるいはヽ強連結)ト であるという。ロ. 18. ラップ.

(25) ←−. ら. f4. 札.  ̄p6 (a)The original net 7V.. F縦。2.4: 例2.3:. Some. (b)The. subnet jVPI,乃. structura、lfeat、urcsof Pctri nct.. Fig、 2.4㈲のペトリネットを考えるQ. レース、帽まシンクトランジションである。. P3はソースプレース、戸6はシンクプ p4と仙の間にセルフループがある。. 戸山Pj47肩5Pj3戸1は初等的有向閉路であるが、極小ではない。極小有向閉路は、 /耀ゆ4ヽPj4Pj5戸2の2つである。 プレースの部分集合ダ1=01、戸2、戸4JOを考える。゛タ1=D2バ3j4j5j6}タ;= p1山山j4j5j6}より゛ダ1⊆司であるので、ダ1はサイフォンである。夕1は極小サ イフォンであり、また、強連結サイフォンでもある。凡=03}もまた極小サイフォ ンである。ソースプレースはそれだけで極小サイフォンとなる。凡と夕2の他に極小 サイフォンは存在しない。 一方、凡={戸2JOを考えると、゜凡={朽山j5}、司={ねバ5}より司⊆゜凡 てあるので、凡はトラップである。凡は極小トラップであり、強連結トラップでも ある。極小トラップは、この凡と、タ4={戸6}の2つだけである。ジンクプレース はそれだけで極小トラップとなる。 ハ={戸1、戸2、戸3、戸4、POと、7 ̄11=p2j3j4山}によって定まる部分ネットを右に 示す。このネットは、石について閉じた部分ネットであるが、鵜について閉じた部. ↓9.

(26) -・. ←−. 分ネットではない(plの出力トランジションの乙1、μ4の入出力トランジションの秘が 含まれない)。. 2.3.2. 挙動的解析、特に活性問題について. 定義23可達問題[reachabi]ity. problem);ペトリネット構造Cに対して、初期マー. キングmoおよび目標マーキングmjを与え、moから、勺が可達であるか否かを判別 する問題を可達問題という。ロ 「発火可能なトランジションを発火させるか否か」を系の制御と考えれば、可達問題 は、目標状態への可制御性に対応する概念である。 定義24被覆問題(coverability. problem);ペトリネット構造Cに対して、初期マー. キングmoおよび目標マーキングmjを与えヽmoから可達な7−キングmでm≧mj となるものが存在するか否かを判別する問題を被覆問題という。ロ 被覆問題は、考えるトランジションの入力プレースにある個数以上のトークンを持 つマーキングが可達であるか否かに回答を与えるので、発火可能性に関係が深い。 定義25有界性(boundedness)と安全性(sぶness);ベトリネットyV=(らmo)のプ レースDePがk一有界であるとはヽm(P)≦だ;∀mモ召(m)が成り立つことである。 とくに1-有界のことを安全という。ある有限の自然数£に対してた一有界であること を、単に有界であるという。ペトリネットyvのすべてのプレースカ付一有界(有界、安 全)であるときヽyvはた一有界(有界、安全)であるという。ロ. 有界性は、連続時同系の安定性に対応する概念である。特に、ペトリネットを論理 のモデルとして用いた場合には、安全性は必須の性質となる。 定義26活性Oiveness);活性とはペトリネットyVのあるマーキングmにおけるト ランジションいΞ7'の発火可能性についての概念である。以下の4つのレベルが定 義されている仇. 20.

(27) ←−一一一一. レベルI: mから可連なマーキングでトランジション1が発火可能なものか存在す る。すなわち、ョ. 「∈召(㈲s.t.mツ〉。. レベル2:任意の自然数匈こ対して、m、から実行可能な㈲こ依存する)発火系列tむ で井(い7)≧んなるものが存在する. レベル3: mから実行可能な無限の長さの発火系列で、fを無限個含むものが存在 する。 レベル4:. m、から可連なすべてのマーキングで、トランジション1がレベル1活性 である。すなわち、∀. 「∈頂㈲;∃m”eR(. 「)s.t.. 「ツ)。レベル4活性. のことを単に活性という。. トランジションfがレベルだ活性(だ=1ユ3)であり、かつ、レベル(だ十1)活性で はないとき、川ま真にレベルだ活性であるという。 ペトリネットyVのすべてのトランジションがマーキングmにおいて、(真に)レベ ルたで活性であるとき、yvがマーキングmで(真に)レベルんで活性であるという。 考慮するマーキングが初期マーキングmoである場合、特に誤解の恐れがなければ、 これを明示しないこともある。一方、あるマーキングmでトランジションfETが不 活性であるとは、mから可達ないかなるマーキングにおいてもjが発火可能ではな いことをいう。不活性は(レベル4活性ではなく)レベル1活性の否定である。ぺト リネットのすべてのトランジションが不活性であるとき、yvが不活性であるという。 □. 例2.4:. 上記の活性に関するレベルの説明例として、Fig.2.5のペトリネットyv=. (Gmo)を考える。 任意の可達マーキングにおいて、PIと巧がともに卜一クンをもつことはないので、 稲は不活性である。 moにおいて、ZIは1回発火することができるが、一度発火してしまうとp4には2 度とトークンが役人されることはないので、Z1はもはや発火できない。したがって、 らは真にレベル1活性である。 21.

(28) -・. ←−. Z2. Fig. 2.5: An. example. to illulstrate liveness.. 任意の自然数詞こ対して、発火系列(印4G)り岫は発火可能であるが、らの発火に 不可欠であるtlが一度発火してしまうと、りの発火回数が決まってしまう。したがっ て、らは真にレベル2活性である。 無限の長さの発火系列印4稲帽4し‥はmoから発火可能であるが、m。からzlを発 火させるとらはもはや発火不可能である。したがって、ちは真にレペル3活性である。 foが不活性であるので、任意の可達マーキングにおいて、2つのプレースPI、p2 のうち少なくとも一方に卜−クンが存在する。したがって、Z4とだ1はレベル4活性 である。. 定義27デッドロック・フリー性(deadlock. freeness);すべてのトランジションが発. 火できない状態をデッドロックという。任意の可達なマーキングにおいて、デッド ロックが生じないことを、デッドロック・フリー性という。ロ ワークの重みが1の)ペトリネットがマーキングmでデッドロックであるとき、トー クンなしサイフォンが存在する。というのは、デッドロックの状態において、すべ てのトランジションは少なくとも1つの卜−クンのない入力プレースをもつ。そこ でmにおいて卜−クンを持だないプレース全休の集合をタとすれば、゜タ⊆ダ=T である。 定義28プレース活性(place. liveness);ペトリネットyVのプレースpがあるマーキ. ングmでプレース活性であるとは、mから可達な任意のマーキングかりPが卜一 22.

(29) ←一一一一. クンをもつようなマーキングが可達である、すなわち、∀㎡∈煩m);∃m″c煩 s.t、. 「). 「))≧1となることである。ロ. 定義より明らかなように、あるトランジションがレペル4活性であれば、その人出 力プレースはすべてプレース活性である。しかし、その逆は一般には成り立たない。 例2.5:. Fig.2、5のペトリネットにおいて、P1、p2、p6はプレース活性である。これ. より、/oの人力プレースはともにプレース活性であるが、?oは不活性である。 定義29可逆性(reversibility)と帰還状態(home. state);ペトリネットyv=(C、mo). において、可達集合μ(mo)の任意のマーキングmからmoが可達であるとき、yvは 可逆であるという。 また、可達集合煩mo)の任意のマーキングmから可達であるようなマーキング を帰還状態と呼ぶ。ロ 定義30パーシステント性(Persistency);任意の可達なマーキングmにおいて、あ るトランジションfの発火によって、mで発火可能であった、7とは異なるトランジ ションがが発火不可能になることがないとき、ペトリネットyVはパーシステントで あるという。 より狭義には、任意の可達なマーキングにおいて、競合が生じないことをパーシ ステントということもある。ロ 定義31弱パーシステント性(weak. persistency);任意のマーキングmにおいて、m. から発火可能な2つの発火系列やヽ心が存在してφ㈲1)きφ(r2)が成り立つなら ば、あるトランジション列順が存在して、気即3がmから発火可能であり、かつ、 φ(妁)=φ叫四3)が成り立つとき、ペトリネットyvは弱パーシステントであると いう。□. ペトリネットyvがパーシステントであれば、yvは弱パーシステントでもある。 定義32有界公平性(bounded. fairness);ペトリネットyv=(Gmo)の2つのトラ. ンジションぞ1、朽がた一有界公平であるとは、一方のトランジションを1回も発火さ 23.

(30) ←-. せずに、他方のトランジションをた回より多く発火させることはできないことであ る。すなわち、∀uバリム(C、田浦(弁け1州)=O⇒井(加州)≦だ)∧(井(脳副=O⇒ #(ハギ)≦だ)。ある有限の自然数たに対してた一有界公平であることを、単に有界公 平であるという。ロ. mo=[11002117. [01. 1 o 1 げ. [1oo11眼 前. ①. lo. o l l o 117 (a). mo=[110011]T. [1ooloげ. [o l l o o げ. ㈱ Fig. 2.6: A. 例2.6:. Petri nct and its state transition graphs. Fig.2.6のペトリネットを考える。7770=[11002117に対する状態遷移図. を(a、)に示す。このmoに対して、ネットはパーシステントである。しかし、マーキ ング[00110117においてヽ2つのトランジションらとらは競合の状態にあるので、 狭義のパーシステントではない。. mo=[110022げとすれば、P6のトークン数が1. つ増えることを除いて、状態遷移図(a)と同じ状態遷移をする。この場合はヽ狭義 にもパーシステントである。 一一方、mo=[11oo11Fとしたときの状態遷移を(b)に示す。この場合はパー システントではないが、弱パーシステントである。例えば、tzjl=リ3り4、り=稲 とするとき、mo[リ1〉、mo回2〉であるが、心=り山とすれば、mo[気即3〉、かつ、 φ叫1]=φ叫2)十φ(敗)が成り立つ。 どちらの初期マーキングにおいても朽とら、らと帽まそれぞれ有界公平であるが、 その他の組合わせ、例えば、ZIと総は公平ではない。実際、応を1回も発火させずに 24.

(31) ←・’. y3を無限回繰り返し発火できる。. 被覆木(coverability tree)と可達木(reachability. tree). ペトリネットの可達なマーキングをノードとし、2つのマーキングm、 てm[り. 「に対し. 「であるときヽmから㎡ヘラベル乙のアークをもつような木nを被覆木と. いう。ペトリネットが井有界のとき可達集合は無限集合となるので、被覆本の大き さを有限に押さえるために、マーキングに無限大を表す記号Jを導入する。ただし、 任意の非負整数をnとして、 ω. w士n=ω,ω. く一一. J>馬. が成り立つものとする。披覆水は以下の手続きで作られる。 1.moをT『の根とする。. moを未処理ノードとする。. 2.TTに未処理ノードが存在しなければ終了。. 3.石の未処理ノードmを1つ選ぶ。もしmから発火可能なトランジションが存 在しなければ、mを終端メードとし、ステップ2へ。 4. m から発火可能なトランジションが存在すれば,それを11j2,…,らとし,各 ぢ(j=1,2,…,9)に対してm[ら〉mjを計算する・mjを7rの新たな未処理ノー ドとして加える。mからmjへのアークを加え,ラベルをらとする。mを内部 ノードとする。. 5、もし、moからmに至る道の上に. 「≦myなるノード. 「が存在すれば、mル)>. m辱)なる各要素mル)をJこ置き換える. 6.もし、7・rに. m/. -. mjなるノード. 「が存在すれば、mjを複製ノードとする。. Jを用いることによって、この手続きは有限時間内に停止するが、可達集合の情報 の一部が失われる。Dにωが存在しないとき(ペトリネットが有界であるとき)被覆 水Trのノードは可達集合すべてを含む。このとき、被覆水を可達水という。被覆木 25.

(32) ←・一一一一. (可達本)には同一のマーキングを表すノードが複数存在するが、それらを1つにま とめてできるグラフGを被覆グラフ(可達グラフ)という。 ペトリネットが有界であるための必要ト分条件は、被覆本にJが現れないことで ある。有界なペトリネットに対する、可達グラフを用いた挙動的解析の方法を以下 に挙げる。. ・マーキングmが初期マーキングmoから可達であるための必要十分条件は可達 グラフGにmが現れることである。 ・ペトリネットが活性であるための必要十分条件は、可達グラフGの各先端けlasse 図で出て行く枝のない)強連結成分Gjが、すべてのトランジションのラペルを もつことである。. ・ペトリネットが可逆であるための必要十分条件は、可達グラフGが強連結であ ることである。 ペトリネットが非有界である場合、被覆グラフは可達性の十分条件、活性の必要条 件、可逆性の必要条件を与えるにすぎない。 7 ゛qびドら一 則←ω← に け [0. lωω]7. 11/↓ちぺz3 一 一. p2 (a)Petri net. T 2一 1∼ ︰︷‘←. [1川. レJ]7レω]7レ岬・レω]7 (b)Covcrability. tree.. ↓ハ [に汗 ブドペ レプブブ]7甘[o刈7 71バ2j3 (c)Coverability. Fig. 2,7: A Petri net a.nd its co゛erability tree and. 例2.7:. graPh. graph. Fig. 2.7(a)のペトリネットを考える.その被覆木をFig. 2.7(b)に示す.例. えば、mo=[1017から発火可能なのは11のみでありヽその発火の結果のマーキング 26.

(33) -. ←-. はヽm!=け1汗である。mらEm1(mo(P2)<ml(P2))であるので、mlの2番目の成 分をJこ置き換えている。 被覆本のノードのうちマーキングけ副7、[にJ]7・をそれぞれ一まとめにすると、 Fig. 2.7(c)の被覆グラフを得る。このグラフの強連結成分は1つ1つのノードで あり、先端の強連結成分は図ω]7とラペルれけ2j3がついたアークである。しかし、 mo=[↓O]7[71ち〉m=[0017であり、mでペトリネットは不活性となる。また、こ のマーキングmがmoから可達であることは被覆グラフからは判定できない。 L. 汗り O←. I. E. I. ω] T. ○二つ岬 馬. (a)Petri net・. zlj2バ3 (b)Coverability graph. Fig. 2.8: A Petrhlet. and its coverability graph. Fig. 2.8(a)のペトリネットの被覆グラフをRg.. 2.8(b)に示す.このグラフは強連. 結ではないが、ペトリネットは可逆的である.実際、可達集合川ま[00]句以外の任 意のマーキングであり、召の各マーキングは互いに可達である.. 圃 列仰山〉[ojデ. j り`. 山〉[o,匹げ(だ. リ. ]7 [tjlt. [j、. ン=. た. つ. ]7 か3〉. 1). ン=. [O. 0. .j ぐ. [j、. 1). ンェ. た ぐ. j l. りj−117. 1〉. j l. 仲. j n乙. た]. ン=. 勺リ 川j,トトげ. ン=. ム. た]. (j. .j ぐ. [. 勺リ 1〉り−lj]7. た ぐ. ﹃/。 .j. [. た]. ン=. D,. ン=. た ぐ. 匪 月詣3巾j]7. [j冽佃j3り1〉[j十1j]7(j≧1). 行列方程式. ペトリネットyvにおいて、m[0. 「であるとき、yvの接続行列をメ1、gのParikh写. 像をφ(○とすればヽ m/. (2.3.1). =m十jφ(副 27.

(34) 〃−一一一一. が成り立つ.したがって、│割次元ベクトル刈こ対する行列方程式 (2.3.2). に非負整数解が存在することは、. 「がmから可達であるための必要条件である。し. かし、接続行列/□こはセルフループの情報が反映されていないし、また、行列方程 式の解川こ対して、φ叫)=Jをみたす実行可能な発火系列tむが存在するとは限ら ない、という理由で十分性は成り立だない。. 例2,8:. Fig. 2.8(a)のペト リネットの接続行列は、 ││. 」 0. -1. 1. /1° -1. 1. 0. である。初期マーキングmo=け0]Tから、2つの目標マーキングm1=[20汗 m2. =[0017への可達問題を考える。. ヅ拉1=ml − mo =[1017 /1J1=m2. − mo =ト1017'⇒. ⇒. ぶ1=[001汗十だ[111]T ぶ1=け1017十析1. 1 117. 行列方程式はそれぞれ解をもつが、mo[リ3リ1〉mlであるのに対して、71山山はすべ て出力アークをもつので、m2は不可達である。. 2.3.3. 構造的解析. 構造的解析には、接続行列jが重要な役割を果たす5)。 定義33無矛盾性(consistency);ペトリネット構造Cは、ある初期マーキングmo とヽある発火系列u・が存在してヽmo㈲moであるとき、部分的に無矛盾であるとい う。この列. ・こ対応する発火回数ベクトルを「Tインバリアント」という。Tイン. バリアントは方程式、 0. J. =0. ンエ. 血. (2.3.3). 28.

(35) 〃一一一一一一一. の整数解である。レトが集合の包含関係の意味で極小であるようなTインバリアン トJを極小Tインバリアントという。 とくに、mo[Om。ですべてのトランジションを合む列mが存在するとき、Cは無 矛盾であるという。ロ 定義34保存性(conscrvativcness);ペトリネット構造Cは、プレースヘの非我整数 の重み付けx/:フニ)トー4Nが存在して、任意の初期マーキングmoと、moから可達な任 意のマーキングmE頂mo)に対して、Σm(面面)=Σmo㈱!/(P)であるとき、部 pEP. pE/J. 分的に保存的であるという。この重み!/のことを「Sインバリアント」という。Sイ ンバリアントは方程式、 0. μ. =0. ンZ. がÅ. (2.3.4). の整数解である.││μ瞳が集合の包含関係の意味で極小であるようなSインバリアン ト!/を極小Sインバリアントという.とくに、!/(加>O;∀パョPであるとき、Cは保 存的であるという.さらに、μ(P)=1;∀7バリニ)であるとき、Cは強保存的であると いう。□. 定義35構造的有界性(strudural. boundedness);ペトリネット構造Cは、任意の初. 期マーキングmoについて有界であるとき、構造的に有界であるという。 (2.3.5). ヨ!/>O s.t・yり1≦0 が、構造的有界性の必要十分条件である。ロ 定義36構造的活性(strudural. liveness);ペトリネット構造Cが構造的に活性であ. るとは、少なくとも1つ活性な初期マーキングが存在することである。 ∃J>O S.t.jjr≧0. (2ふ6). 一. は、構造的活性のための必要条件である。ロ. 定義37構造的有界公平性(strudural. bounded faimess);ペトリネット構造Cは、. 任意の初期マーキングm。について有界公平であるとき、構造的に有界公平であると いう。□ 29.

(36) -: ←一一. 2.4. ペトリネットのサブクラスとそれらの関係. 一般のペトリネットの解析には後述のように、計算量増大の問題があるので、モ デル化しようとするシステムの特徴を考えたヒで適切な制約を付加したサブクラス の研究がなされている。 定義38マークグラフ(maked. graPh);すべてのプレースZペョ川こ対してか│=. lp゛│=1が成り立つペトリネットをマークグラフ(MG.)という。. トランジションを. 節点、プレースを枝とみなと、マークグラフは通常の有向グラフとなる。ロ. 定義39状態機械(state. machine);すべてのトランジション∀いFTに対してμ│=. ?│=1が成り立つペトリネットを状態機械(SM)という。状態機械は有限オートマ トンと等価である。ロ 定義40無競合ネット(conflict. free net);すべてのプレースμ∈川こ対してIP°│=1. が成り立つペトリネットを無競合ネット(CFネット)という。ロ. マークグラフと飯競合ネットは事象の同期を表せるが、競合は表せない(各プレー スの出力トランジションがただ1つである)。対照的に、状態機械は事象の競合を表 せるが、同期は表せない(各トランジションの人カプレースがただ1つである)。同 期と競合をともに表現できる最も簡単なサブクラスの1つに、次の自由選択ネット がある。 定義41自由選択ネット(free. choicenet);すべてのプレースパョ刑こ対して│刈≦1. V°(内={刈が成り立つペトリネットを自由選択ネット(FCネット)という.ロ. 次に定義するアークの開放によって、一般のペトリネットの可達問題はFCネット の可達問題に帰着できる23)。 定義42アークの開放(release きヽアーク( なアーク(. of an arc);ペトリネットyVがFCネットではないと. 「)EFで、│がに2∧゛リ{刈を満たすものが存在する.このよう 「)を取り去り、新たにプレースバ(初期マーキングはO)、トランジショ 30.

(37) 〃−一一一一. ⇒. y. 乙. ,. Fig. 2.9: R,elease of an arc. ンが,および,アーク(p,が),(が,p″),(p゛,t)を付加することを,アークの開放という (Fig. 2.9).ロ. 定義43. LBFCネット;有界でかつ活性な初期マーキングが存在する自由選択ネット. を有界活性自由選択ネット(LBFCネット)という.ロ 定義44拡張自由選択ネット(extended. freechoice net)け目異なる任意の2つのプ. レースρヅ∈川こ対してヽもしP・ny・≠φならば、p°=y・が成り立つペトリネッ トを拡張自由選択ネット(EFCネット)という。EFCネットは、挙動的に等価なFC ネットに変換可能である(Fig. 2.10)。ロ. ⇒. Fig. 2.10: Transformation. of EFC. nets into FC nets. (拡張)自由選択ネットは混乱を表現できない。 定義45. SMD. ネット;プレースの集合夕によって定まる閉じた部分ネット〈S〉が. 強連結状態機械であるとき、部分ネット〈タ〉をSCSMコンポーネントという。ペ トリネットyV=(私7・、私mo)がSCSMコンポーネントで覆われるときヽすなわ. 31.

(38) ●_・. ←一一一一. ち、P=乃U乃U‥・U八ヽく乃)=(Pj、TjヽFjmoj)はSCSMコンポーネント. 7=711U石U…U石ヽj‘・=FlU瓦U…Uべであるとき、7Vはstate. machine. decomposableネット(SMDネット)であるという。ロ 定義46. SMAネット;a:7・ト-4. ゛TI ̄・を「割り当て」という。任意の割り当ていこ対し. て、SCSMコンポーネント〈ダ〉で、∀いEES°;嶮)∈タが成り立つにのとき、〈夕〉が割 り当て. ・こ矛盾しないという)ものが存在するようなペトリネットをstate. ma山ne. allocatableネット(SMAネット)という。ロ. 定義47非対称選択ネット(asymmtric. choicend);相異なる任意の2つのプレース. μヅ∈刑こ対して、もしP°∩戸≠φならば、p゛⊆戸vp゛⊇戸が成り立つペトリ ネットを非対称選択ネット(ACネット)という.ロ 定義48井同期選択ネット(dissynchronous レースPje. choice net);相異なる任意の2つのプ. P1こ対して、もしが∩戸≠φならば、(戸°⊆p'゛へ`p⊆y)V(戸°⊇. y°∧゛p⊇ヅ)が成り立つペトリネットを非同期選択ネット(Dcネット)という.ロ. ACネットは対称的な混乱を表現できない。. DCネットは非対称な混乱を表現でき. ない。 定義49非減少閉路ネット(non-decreasing. cycle net);任意の有向閉路uの上の. トークン数が構造的に非減少である、すなわち、uプレース集合几に対して、∀汪 几゛;. │?゛∩八に│゜m几│が成り立つペトリネットを非減少閉路ネット(NDCネッ. ト)という.ロ 定義50. トラップ閉路ネット(traP. cycle net);任意の(初等的)有向閉路u上のプ. レース集合几がトラップであるペトリネットをトラップ閉路ネット(TCネット)と いう。□. 定義51構造的弱パーシステントネット(structurally. weak Persistentnet);任意の. 有向閉路u上のプレース集合几が、条件(゜ターダ)∩(゛几∩惣)=φを満たすトラッ プタを包含するペトリネットを構造的弱パーシステントネット(SWPN)という。ロ 32.

(39) ● ゛` ̄-−-・●●・・・・一一一一. 定義52. TCCネット;任意の(初等的)有向閉路u上のプレース集合札がトラップ. を包含する(等価的に、任意の極小有向閉路E[このプレース集合札がトラップであ る]ペトリネットをtraP. MG八¬SM. TC∧¬NDC. containingcydeネットげCCネット)という。ロ. CF∧¬MG. NDC∧¬CF. SWPN∧¬TC. TCC∧¬SXVPN. FC∧¬CF. EFC八¬FC. ΛC∧¬DC. DC∧¬AC. Fig.2.1 1: Subclasses. AC A DC ∧¬EFC. of Petri net. これらのサブクラスの例をFig.2.11に、また、それらの間の主な包含関係を以下 に示す。. 33.

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