﹁課題解決型の 書写学習﹂を はじめよう
﹁漢字︵平仮名・片仮名︶練習﹂は︑
〝その文字を
4
学ぶ〟ことに重きがおかれますが︑﹁書写学習﹂は︑〝その文字で4
学ぶ〟という違いがあります︒その違いは︑書写学習における目的にあります︒文字の書き方の原理・原則を知って︑日常的に書くすべての文字に生かせるようにするのが︑書写学習の目的です︒ですから︑同じ文字を繰り返しひたすら書いて覚え込む授業ではなく︑自分の文字と基準となる文字とをよく見比べて︑どのように書いたら基準となる文字に近づけるのかを考えたり︑理解した原理・原則を他の文字に当てはめて考えたりする時間がとても重要になります︒
います︒ ﹁課題解決型の書写学習﹂は︑以下のように行 見ないで書きます︵図1︶︒
❶
最初に︑本時に学習する文字を︑何も❷
①で書いた文字を︑基準となる文字︵手本︶と比べて課題をつかみます︒どこをどのようにしたら基準となる文字に近づけるか︑子どもたちに考えさせます︵図2︶︒❸
十分考えさせたところで︑めあてを確認して︑書き方のポイントを指導します︒するとわかりやすいです︒ ﹁とん・すうっ・ぴた﹂など︑音声化
点画の用語も教えます︵図3︶︒ ﹁とめ﹂﹁はね﹂﹁はらい﹂など︑基本
❹
あまりたくさん練習させると飽きてしまい︑かえって雑になってしまいます︒硬筆での練習だけでなく︑軟筆︵水書き︶を取り入れると︑飽きずに練習ができ︑しかも習得効果が上がります ︵※軟筆については後出のシートにて解説します︶︵図4︶︒
❺
練習したことが生かせるよう︑めあてや書き方のポイントを確認してからまとめ書きをさせます︒まとめ書きは︑一回から三回程度がよいでしょう︵図5︶︒❻
ためし書きとまとめ書きを比較して︑成果を確かめます︒子どもたちの評価は字形に目がいきがちですが︑本時のめあて︵例えば﹁おりかえし﹂﹁まがり﹂︶が達成できたかどうかで評価します︒友達どうして見合ったり︑成果があった子どもは全体に紹介したりして達成感をもたせます︒硬筆の場合︑文字が小さいので︑教材提示装置︵実物投影機︶などを使うとよいでしょう︵図6︶︒❼
五十音表︑漢字一覧表などから︑本時のめあてと同じ要素をもつ文字を探して発表したり︑書いたりして日常的に生かせるようにします︒ここもしっかり時間をかけたいところです︵図7︶︒
このような学習過程からわかるように︑書写の学習では文字を実際に書く活動と同じくらい︑考えたり発言したりする活動が重視されているのです︒ 学習の流れ
① ためしがき しよう ② かんがえよう ③ めあてを しろう ④ れんしゅう しよう ⑤ まとめがき しよう ⑥ たしかめよう くらべてみよう ⑦ さがしてみよう
図1図2図3図4図5図6図7﹁ 書 写 学 習 ﹂ と﹁ 漢 字︵ 平 仮 名・ 片 仮名︶練習﹂との違い
「小学書写」1教師用指導書 ワークシート編(最終ページ)より
「しょうがく しょしゃ1」
教科書 p.12・13 より
みんなで考えよう! 書写指導︵硬筆編︶
7 6 5 4 3 2 1
(5 分)
(5 分)
(5 分)
(10 分)
(5 分)
(5 分)
(10 分)
﹁
まがり﹂ ﹁おりかえし﹂ ﹁むすび﹂に
きを
つけて
かこう︒
基準となる文字
1 2
﹁はね﹂に
きをつけて
かこう︒
はね は
ね
1 2
1 2
12 3
12
1 2
2 1 3
2
3 1 1
2
3 1
2
3 1
1 2
2 1
2 1
23 1 1
2 3
4
1 2
1 32
2
1 2 4
4 3 2
1 23 12
1 2 2
1
1 2
3 1 2
1 2 3
1 2
3 1
2 3
12 1
2
1 2
1
23 1
2 3
21 2 3 1
12 3 4
4