• Tidak ada hasil yang ditemukan

カオス複素ニューラルネットワークを用いた クラス分類法の提案

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "カオス複素ニューラルネットワークを用いた クラス分類法の提案"

Copied!
2
0
0

Teks penuh

(1)

平成25年度 修 士 論 文 要 旨 教育研究分野 情報数理学 6324019 永椎 岬

カオス複素ニューラルネットワークを用いた クラス分類法の提案

1 はじめに

本論文では,複素ニューロンにカオスを導入し たカオス複素ニューロンによるネットワークの連 想記憶能力を用いたクラス分類問題へのアプロー チの可能性を示す.ここで言うクラス分類問題と はn個の項目q1, q2, ..., qnのデータ(q1, q2,, qn) が与えられたとき,これがm個のクラス (C1, C2,, Cm)のいずれに属するデータかを判 定する問題である.連想記憶による分類法として は,各クラスを記憶パターンとしてネットワーク に設定し,初期パターンがどの記憶パターンを連 想したかで分類を行うというものである.従来研 究では,アソシアトロンやCNN(セルラ・ニュー ラルネットワーク)などのニューラルネットが用 いられてきたが,これらは3値パターンを扱うの が限界であり,高い精度の分類ができなかった.

そこで本研究では,ニューロンの状態数を複素数 で記述し,これを5段階の出力値に対応付けし,

さらに,柔軟な解の探索を可能にするカオスを導 入したネットワークを構築する方法を提案する.

このネットワークにより,クラス分類システムを 設計し,肝臓病の診断問題と小麦種分類問題に適 用し,有用性を検証する.

2 カオス複素ニューラルネット

ニューロンの入出力,内部状態,重みに複素数 が用いられており,連想記憶において,多値パ ターンを扱うことができる.また,カオスにより 適切なパラメータを設定することでネットワーク の局所解への収束を脱し,複数の記憶パターンの 動的な想起が可能であることが知られている.

ニューラルネットの詳細は文献[1]を参照され たい.

3 クラス分類問題への適用

3.1 クラス分類システムの構成

扱うパターンは5段階のレベルで表現され,そ れぞれの状態を単位円弧上に等角度に割り当て る.分類までのステップは,

1. ニューロン行列,項目の配置.

2. 各項目に対する変換関数の作成.

3. 各クラスを表す記銘パターンの作成.

4. 入力データより初期パターンを生成し,文 献[1]によるカオス複素ニューラルネットに より連想.

5. 完全想起すればその想起結果を分類結果と する.不完全想起の場合,ハミング距離の 最も短くなるパターンのクラスを分類結果 とする.

である.

3.2 肝臓病の診断問題

5種類のクラス(C1:健康,C2:急性肝炎,C3:

肝癌,C4:慢性肝炎,C5:肝硬変)の15項目の血 液検査データがあり,これによる診断結果を検証 する肝臓病問題は,従来からこの種のクラス分類 法の検証に用いられてきた経緯があり,本研究で もこのデータを用いて検証を行う.

3.2.1 クラス分類システムの設計

扱うパターンの状態数は, とても低い , や や低い , 普通(不明) , やや高い , と ても高い の5とし,それぞれの状態を単位円弧 上の点 exp(0),exp(i25π),exp(i45π),exp(i65π), exp(i85π) (i:虚数単位)に対応付ける. ニュー ロン行列は4×5のサイズを用い,15個の血液 検査の各項目のデータの影響の大きさを考慮し,

図1に示す項目の配置とする.

1: 項目の配置図

次に,与えられた血液データが単位円弧上のど の点に対応するかを表す変換関数が必要である.

これには文献[2]内で挙げられている検査値の区 分表より,階段関数を作成した.その関数に各肝 臓病患者の血液データの代表値を代入することで 5種類の記憶パターンを作成した.作成した記憶 パターンを図2に示す.

ニューロン更新は10ステップとし,ニューラ ルネットの各パラメータは,ランダムで選んだ各 クラス50ずつのデータをトレーニングデータと することで設定する.実験には各患者50人,計 250人分の血液検査データに対して分類を行う.

3.2.2 肝臓病診断問題実験結果

表1に実験結果を示す.行は分類する50ずつ のデータ,列は分類された結果を示している.例 えばC4の行,C5の列の2とは慢性肝炎患者50 人の内,2人が肝硬変に誤診断されたことを表し ている.ここで,DSEとは正しく診断された割 合(診断率)を表している.

A1-1

(2)

2: 記憶パターン

1: 提案法における診断結果

クラス No. C1 C2 C3 C4 C5 DSE(%)

C1 50 50 0 0 0 0 100

C2 50 2 39 0 0 9 78

C3 50 0 0 45 4 1 90

C4 50 8 0 1 39 2 78

C5 50 5 1 1 6 37 74

表2に従来手法による診断結果を示す.表より,

比較的良好な診断結果が得られたことがわかる.

3.3 小麦種分類問題

3種類の小麦(Kama,Rosa,Canadian)があ り,7つの項目(q1:面積,q2:周囲長,q3:密集度,

q4:カーネル長,q5:カーネル幅,q6:非対称係数,

q7:カーネル溝の長さ)から与えられるデータによ り,いずれの種に属するのかを分類する問題.小 麦の分類問題は非常に新しい問題であり,比較対 象はあまり多くないが,データ数が豊富であるこ と,データに欠落がないことなどからシステムの 検証には優秀であると考えられる.

3.3.1 クラス分類システムの設計

扱うパターンの状態数は,肝臓病の診断問題と 同じ5とし,それぞれの点を複素単位円弧上に割 り当てる.

ニューロン行列は,3×3のニューロン行列を 用い,各項目の影響力の大きさを考慮し,図3に 示すような項目の配置とした.

2: 従来法による診断結果 DSE(診断率%)

クラス アソシアトロン CNN ファジィ 健康 100 100 100

肝癌 100 70 50

急性肝炎 PPPPPP

PPP 100 70 慢性肝炎 60 80 80

肝硬変 60 60 70

平均 80 82 74

変換関数は,各クラスの各項目のデータの代表 値からレベル分けを行い,最小二乗法により連続 値を扱うものを作成した.その変換関数より,3 つのクラスを表す記憶パターンを作成した.作成 した記憶パターンを図4に示す.

3: 各項目の配置 図4: 記憶パターン

ニューロン更新は10ステップとし,ニューラル ネットの各パラメータは,ランダムで選んだ各ク ラス40ずつのデータをトレーニングデータとす ることで設定する.実験には各小麦70ずつ,計 210の小麦のデータを使用した.

3.3.2 小麦種分類問題実験結果

表3に実験結果を示す.行は,各クラス70ず

3: 検証結果

Kama Rosa Canadian 誤分類数 分類率(%)

Kama 69 0 1 1 98.6

Rosa 7 63 0 7 90.0

Canadian 5 0 65 5 92.9

つの小麦を,列は分類された結果を表している.

最新のクラスタリング手法の1つであるCGCA (Complete Gradient Clustering Algorithm)法に よる分類結果は,Kamaが95.7%,Rosaが84.2

%,Canadianが95.7%であることから,比較し て,提案法が遜色ない結果が得られていることが 分かる.

4 おわりに

本研究ではカオス複素ニューラルネットワーク の連想記憶能力を用いたクラス分類法を提案し,

肝臓病の診断問題と,小麦種分類問題の2つの問 題でクラス分類システムを設計し,検証した結果,

優位性を示すことができた.課題点としては,記 憶パターン間の直交化,ニューロン行列,変換関 数の適切な設定法の確立が挙げられる.

参考文献

[1] 永椎・金川・滝本: カオス複素ニューラルネッ トワークを用いた連想判別法 ,日本経営工学 会平成24年度秋季研究大会予稿集,pp.198- 199,2012

[2] 日本ファジィ学会:ファジィOR,pp.231,1993

A1-2

Referensi

Dokumen terkait

2014年度卒業研究概要 地域コミュニティを活用した商店街活性化の提案 史 中超 研究室 1131119 高橋 健 1.研究背景・目的 近年、「シャッター通り」という言葉をテレビで よく聞くようになった。商店街の衰退が進むと、 治安の悪化や地域の無個性化、愛着の低下、交通 弱者の買い物が困難になるなど、様々な問題を引

チクリンの生産を検討した(5).大腸菌にモノアミン酸化 酵素 (MAO),ノルコクラウリン合成酵素 (NCS) ,ノ ルコクラウリン6- -メチル基転移酵素 (6OMT),コク ラウリン4- -メチル基転移酵素 (CNMT) および3′-ヒ ドロキシ- -メチルコクラウリン-4′- -メチル基転移酵 素 (4′OMT) の各遺伝子を3種類のベクターを用いて導

— —10 現在,このタンパク質複合体の解析を進めている.分離 がブロードであること,酵素活性に対応する明確なタンパ ク質バンドを見いだせていないことから,電気泳動法の最 適化,分析試料の改良(ミクロソームではなく酵素が局在 するゴルジ体を多く含む画分から分析試料を調製する)な どを行う.比較的シャープな分離が得られれば,SDS- PAGE

6, 2016 加水分解酵素を用いる不斉合成反応の新展開 異分野との融合 リパーゼは本来,脂質のエステル結合を加水分解する 酵素であるが,有機溶媒中でも同等の高い活性とエナン チオ選択性を示す.この特性は,ラセミ体のカルボン酸 やアルコールの速度論的光学分割に汎用されている.し かし,当然,生成物の収率は最大で50%となる.反応

10, 2012 777 ラチンが落ちきるまでの時間は,過酸化水素の濃度に関 係なくほぼ一定であった.以上のことから,加温開始か ら1滴目が溶け落ちるまでの時間を用いて,タンパク質 分解酵素の不活性化能力を定量できることが明らかと なった(図2). ② 還元剤によるタンパク質分解酵素の再活性化:過酸 化水素水とパイナップル果汁を含む凝固したゼラチンを

3, 2015 黄色ブドウ球菌の 2 成分性膜孔形成毒素 γ ヘモリジンの膜孔形成メカニズム 失敗から明らかになった毒素の戦略 多くの病原性細菌は,宿主の赤血球を破壊するため に,膜孔形成毒素と呼ばれるタンパク質を分泌する.膜 孔形成毒素は,可溶性の単量体タンパク質として分泌さ れるが,赤血球に接すると,細胞膜上で膜孔中間体と呼

第一種・第二種貸与奨学金の申請手続きについて (学部 2~4 年生用) ~申請書類受け取り方法~ 【窓口で受け取る場合】 〇学生支援課⑤番窓口で資料を受け取る。 ・受け取り可能時間は,平日の 8 時 30 分~17 時 00 分【配付期限:4 月 7 日(木) 17 時まで】 【郵送で受け取る場合】 〇250 円分の切手を貼付した角形 2

3 スタッキングアルゴリズムを用いた特許拒絶理由類型の判別(本橋,髙橋,真鍋 他) ( ) ( ) Breiman(1996a)は,異なる大きさの回帰木,もしくは,異なる次元の特徴量を用いた線形回 帰を第1段階のモデルとし,すべての回帰係数が非負となる制約を課した線形回帰をメタモデ ルとするスタック回帰を提案した.Ting and