高校入試模擬テスト 第5回 1 / 3
超
ナ ビ
スー パ ー
一⑴2…格別=普通の場合とは、程度・事がらが
違っていること。また、そのさま。格段の違
いがあるさま。
3…従順=性質・態度などがすなおでおとな
しいこと。また、そのさま。
4…家督=相続すべき財産・事業などの総体。
6…生地=菓子や麺 めんやパンなどを作るための、
粉をこねあげた土台の部分。
⑵「くろは二 ふ三 みの誕生に先駆けて、父親の亮 りょう
助 すけが浜の漁師からもらった犬だ。『犬は安産の
お守りだからよう』
」 「
丈 夫 な 二 三 が 誕 生 し た
あと、子犬はくろと命名された」「二三と同じ
年の四歳だが、くろはもはや成犬である。そ
れでも犬なりに、二三とは格別の間柄である
ことをわきまえているらしい。まだこどもの
二三には、ことのほか従順だった」とある。
この「二三とは格別な間柄」とは、くろが安
産のお守りとしてもらわれて来て、二三が無
事誕生し、丈夫に育ち、今もくろをかわいが
っているという間柄のことである。
⑶①の直後からの十行は、二三とくろとの関
係、今までのいきさつを説明した部分。「柏 かしわの
葉っぱを踏んだら、おかあちゃんに叱られる
でしょ」は、①で「立ち止まり、二三に振り
返った」くろに向かって二三が言った言葉。
この言葉にくろは「大きな犬が、子犬のよう
にクウンと鼻声で鳴いた」と反応している。
つまりこの2行は、くろが「まだこどもの
二三には、ことのほか従順だった」ことを示
す極めて具体的な描写で、説明部の最後とう
まくつながっている。「格別の間柄」である二
三とくろの、現在の良好な関係が目に見える
かのようだ。 ⑷「とはいえ、亮太が柏餅 もちをだれよりも喜ぶ
のは、
( 特に
代々の一家繁栄祈願ということを
深く考えているわけではなく、単に
) 甘い物好
きだからである。が、たとえそうであっても
跡取りがすこやかに育っているのは、亮助と
よしにはこのうえない喜びだった」とあると
ころから。
⑸「二三と同じ年の四歳だが、くろはもはや
成犬である
( =
二三は四歳
) 」 「 亮 太 は も う 十 二
歳で、しっかりと菜種作りの家業を手伝って
いた」「七歳のみさきが、台所の隅で糝 しん粉 こを練 っていた」「亮太の好物を拵 こしらえるのは、よし とみさきの仕事だった」「おかあちゃんが蒸 ふか
してくれるのは、おにいちゃんとおとうちゃ
んが、畑から帰ってきてからだよ。ちょっと
畑を見に行ってみようか」などに着目のこと。
⑹跡取りの亮太は、村の女房にうらやましが
られるほどの働き者で、今日も午前中は父と
いっしょに畑に出ている。母と姉のみさきは
台所で柏餅を作っていて、父と兄が畑から帰
ってから餅を蒸かすつもりでいる。いちばん
小さな二三だけは特に仕事もなく、朝からく
ろと遊び、畑のようすを見に行った。彼らが
畑から帰ってくれば、みなが楽しみにしてい
た柏餅をいっしょに食べ、くろも分け前をも
らえる。家業である菜種作りを中心によくま
とまっている、仲の良い家族だと言える。 くろのことを書いた部分から二三の年齢が
わかり、みさきが姉だという二人の関係が
はっきりわかる。 記述問題の満点解答ポイント
高校入試模擬テスト 第5回 2 / 3
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二⑴「~でいる
( ~て
いる
) 」の
「いる」は、「存
在する・滞在する・住む」という本来の動詞
としての意味を失い、上の動詞の動作・状態
が現在も続いているという補助的な意味を表
している補助動詞。補助動詞は助動詞とは違
って自立語で、単独で文節を作るから「運ん
で/いる」は二文節で、下の文節が上の文節
を補助する補助の関係。
⑵対 つい句 くは意味や内容が相対・類似した二つ以
上の語句を、対照的に並べて表現する表現法。
「山紫に水清し」「月に群 むら雲 くも花に風」「空
はどこまでも高く海は果てしなく
広い」など。第一連に対句は用いられていな
い。第二連の反復は「針は銀色針は銀色」。
第三連の体言止めは「働き」。第四連の擬態語
は「きらりっと」。この擬態語は最後の一文で
も引用されている。また、この連では「針は
~光ってみせる」と、光ったのが、針が意志
を持って行った行為のような書き方をしてい
るので擬人法でもある。
⑶「久々に針を持ったとき」と「久々に針を
運んでいる」、「の美しさが心にしみま
した」と「針の光をたのしんでいる」「針はき
らりっと陽をうけて光ってみせる」が対
応している。
⑷生まれつき持っている性質や体質。資質。
⑸次の段落で、一目一目縫い進んでいく過程
は私たちの日々と同じだと言っている。この
中で「一枚の着物」に対応しているものは何
か。一目一目を小さく進みながら「一枚の着
物」が出来上がっていくように、平凡なかた
ちで過ぎていく、「その日々の重なりが私たち
の人生を造ってゆく」と述べている。 三⑴古文で言葉の先頭にない「はひふへほ」
は、「わいうえお」に直す。
⑵ア.徂 そ徠 らい翁 おうの家に外国製の琴があるという ことを聞いたのは心 しん越 えつ禅師 ぜんじ。そしてそれを借
りようとした。
イ.琴を借りることに成功して徂徠翁の家の
門を出たのは心越禅師。
ウ.徂徠翁が心越禅師のところへ、琴を砕い
て内側を見て構わないと言いにやらせた。
エ.ウで「言いにやらせた」徂徠翁のメッセ
ージに対する、心越禅師の返事。
⑶気性が強く、心越禅師に対して子どもをあ
しらうかのように応対した。しかし、禅師が
この琴を真似て作りたいのだということを察
すると、わざわざ人をやって、琴を壊して内
側を見ることを許した。
⑷儒学者で学問や真理を追究している徂徠翁
は、心越禅師の言葉を聞いてはじめて、禅師
が音楽の学を学ぼうとする覚悟が並ではない
ことを知った。
【古文の内容】
心越禅師は音楽の学に詳しくて、徂徠翁の
家に外国製の琴があるということを聞き、つ
てを頼って徂徠翁に対面した。徂徠翁は気性
が強い人なので、(心越禅師に対して)子ども
(をあしらうか)のように応対する。心越は
これを気にせず、とうとう琴を借りることが
できて門を出た。翁はあとから使いの人を走
らせて言うには「禅師が、本来、外国製の琴
を私に借り求めたのは
( 琴を ) 作る
ためであ
る。たとえ巧みな技があるといっても、外か
ら様子をさぐるのではどうやって琴を真似て
作る事をしようか。砕いてよくその
( 内側
の
)
斧 おのの跡を御覧なさい。」と言いにやらせたとこ
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ろ、心越が答えて言うには、「すでに借りたか
らには、もともと持ち主の許可を待たないで、
そうしようと思っている。」と言った。徂徠翁
ははじめて
( 心越禅師
の
) 覚悟が
並ではないこ
とをお感じになったということだ。
「擬人法」とは、人でないもの
( 植物や
動物や自然など
) を人に
見立てて表現する表現技法
です。本来感情の無いものに対して、そのものに感情があるように伝えることができ、話
をイキイキと表現することができます。
●擬人法の例を見てみましょう。
ト リ ビ ア
コ ラ ム
●著名な俳人の俳句の中にも擬人法は
使われているんですよ。
・大寺を包みてわめく木の芽かな
高浜虚子
・五月雨を集めて早し最上川
松尾芭蕉
・海に出て木 こ枯 がらし帰るところなし
山口誓子 ・・・・・・・・
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・ 花が笑う
鳥が歌う
魚が泣いている
母なる大地
海が呼んでいる
太陽のバカヤロー
空が泣いている
風が私の頬を優しく撫でた
富士山が泣いている
山が招く
サッカーボールが友だち
蛇口が水を吐き出す
社会が病んでいる