セルフヘルプグループの参加的調査
岡 知史
1.はじめに
この論文の目的は、セルフヘルプグループの参加的調査(pa血cipatoryresea托h)について、私がか かわったセルフヘルプグループの調査事例をとおして考察し、その可能性と問題点を明らかにする ことである。
セルフヘルプグループの調査においてメンバーが調査の過程に関与する意義については、すで に平野隆之らとともに述べた(平野・岡・町野・赤坂,1987,押.142−160)。しかし、そのときの調 査は大量のサンプルに対して質問紙を配布する量的調査であった。一方、ここで述べる事例はイン
タビューによる質的調査である。
参加的調査は、その状況のただなかにいる当事者の参加を求める。したがって当事者のかかえ る特定の状況に限定された調査にむかう。そLて、私のいう「当事者」は、福祉的課題に自らの生 活を通してかかわっている。とすれば、その調査は、その特定状況下の問題解決をめざすという意 味で、アクションリサーチにつながる。
そこで、この論文では参加的調査あるいはアクション・リサーチについて簡単にまとめ、そし て、セルフヘルプグループの調査法との関連を述べる。次に、その事例として私自身が行ったもの を紹介する。最後に、その事例をとおして判明した問題点を整理して述べる。
2.参加的調査
2.1.考え方の三つの流れ
参加的調査についての考え方には、いくつかの流れがある。名称もparticipatory research,
participatoryactionreseaTCh.co11aborativeinquiry,CO−0perativeinquiryなど、さまざまある(Elden&
Chisholm,1993)。参加的調査は、すなわち参加的アクション・リサーチであるとする考え方(Fals−
Borda,1991a,p.10)がある一方で、アクション・リサーチのなかiこは参加的ではないものもあI)、ア メリカでは多く行われている(Greenwood.Whyle.&Harkavy.1993.p.177)。
このような複雑な流れを整理するために、①米国系、(∋英国系、③第三世界系の3つにわけて おく。Borkman&Schube叫1994)が、参加的調査の二つの伝競としてあげているのは①と③である が、自分自身が英国系であるReason(1988)は、上の3つを代表的な流れとしている。以下、それぞ れの特徴を簡単に紹介する。
まず、米国系の参加的調査(pa江icipa【0け肛donlモSeaⅣh)の論文集として、Wもy随が1991年に編者 になってまとめたものがある。そこでⅥ職yk、Greenwood、&Lazes(1991)は、参加的調査について次
TomofLlmiOka:ParticipatoryResearchonSelf−HelpGroups
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のように述べている。
「参加的調査においては、研究される組織またはコミュニティの人々の一部が械極的に、専門的 研究者とともに、埴初の研究デザインの段階から巌後の研究結果の報告や、それに応じて求められ る行政についての試論までの調査研究プロセスに参加する。そのため参加的調査は、純粋な調査
(pureresearch)の通常のモデルと著しく異なっている。そこでは、組織やコミュニティのメンバー は受け身的な研究対象として抜われ、ただ、その一部の人々が、その調査の許可を与え、研究対象 となり、調査結果を受けるということだけの参加に限られているからである(p.20)」。
Reason()988,P.2)やFals−Borda(1991b.p.160)が指摘するように、そこには組熱論(Organization development)への関心がみられる。また、R血m弧&Fals−Borda(1991)は、この研究者グループが「第 三世界でのオリジナルな参加的調査を認めていない(P.34)」ことを指摘している。しかし、それに 対してGreenwood.Whytc.&Harkavy(1993.p.178)は、ここでいう第三世界系の研究を「強い政治的 経済的視座」をもつもの、あるいは「グラムシ的な見方(Gramscianvision)」にあるものとして「よ
I)臨床的・精神分析的なオリエンテーションにあるもの」とは「根本的に違う」としている。
次の英国系はHeronとReasonを理論的なリーダーとしてまとまっている研究者群の研究である
(Reason&Rowan.1981;Reason,1988;Reason.1994;Heron,1996:Reason&Lincoln、1996)。それは、
他の参加的調査が既存の集団を研究対象とするのに対して「調査日的のためだけにグループをつく
ることがある」のが特徴である(Reason.1988,p.2)。そのため、Fals−Borda(1991b,P.161)は、この英 国系の研究者についてl−データに意味づけするためにF学習共同体』とみなされる不自然なワーク
ショップで実験をすることを好み、現実の状況に充分な注意を向けることをしない」人々であると 批判している。
その代表者、Reason()988)による参加的調査(COづperativeinquiry)の定義は以下のとおりである。
「それは調査にかかわるすべての人が次の2点において寄与する調査法である。まず、(調査と いう)事業に投入される創造的思考に寄与すること、すなわち何を調べ、どのような方法を使い、
そこにどんな意味を見出すかということを決めることに寄与する。そして、調査の主題である行動 に寄与する。こうして調査研究者と調査対象者の区別が完全に消え、すべての参加者が共同研究者
(CO一代SearChers)であI)、かつ共同研究対象者(CO−S叫ect5)になる。そのため、参加的調査は、教育、
人格形成(perSOnaJdeveLopment)、そしてソーシャルアクションの形でもあるのである(P.])」。
最後の第三世界系の参加的調査は調査研究者と詞査対象者の階級差を前提としている。それは
「ブルジョワ的知識人と草の根コミュニティ、前衛的エリートと土台のグループ(basegroups)、テク ノクラートとしての専門家と直接生産者(direclpTOducers)、官僚とタライエント、精神的労働者と 肉体的労働者という二者間の適い(Fals・Borda,1991恥p.5)」を意識している。そして、生産手段だけ ではなく知乱の生産においても疎外され、手段をもたない抑圧された人々を、調査による知識の生 産(generationofknowIedge)という方法でempowemerllしていこうとする発想が基本にある(Rahman,
】991;Smilh,】997)。英国系のHeron(1996,p,8)は、この点を自分たちの参加的調査との適いを生ん でいるとして、次のように述べる。「人々を活性化させる人(弧imators)ないし主導的な調査研究者は
高度な教育をうけ、強い勤積をもつ人々である。その一方で、(調査への)参加者は比較的、教育 を受けておらず、動棲も弱い。そのようなことが彼らの協力関係そのものの性格に影響を与えてい る」という。
このように参加的調査といっても、その昔後には異なる社会的状況や思想がある。しかし、こ こでは以下のように定義しておく。つまl)、参加的調査とは専門的な研究者と調査の対象者が合同 で、調査のデザインから、調査で得たデータの分析、調査結果のまとめ方と発表の仕方にいたるま で行う調査である。Heron(1996,P.9)も指摘しているように、実際には調査法を考えることにおいて は、専門的研究者が主導することになるであろう。つまり、参加的調査は、そうではない調査とは 連続的につながっていると考えるべきである。福祉の用語としては、「住民参加型在宅福祉サービ ス」の用例のように、参加「型」といういい方が多いようであるが、あえて参加「的」と形容詞的 な訳語をつかったのは、このような理由による。
2.2.セルフヘルプグループの調査のための参加的調査
セルフヘルプグループの調査方法は他の社会集団の調査法と同じく、ランダム・サンプリング に始まるnomothelic(法則定立的)な方法と、ひとつのグループに深く関与していくideographic(個 性記述的)な方法がある(Lie玩man&Bond.1979、p.327)。さらに、これまではほとんど試みは行
われていないが、構成的(COnS打uCIive)な研究法があると考えられる(岡,1998予定)。参加的調査は 質的調査法との関連が深いので(patton,1990,pp.157−158)、ここでは個性記述的方法のみについて述 べる。
個性記述的な方法を使った研究としては、セルフヘルプグループのideologyの研究がある(A爪Ze,
1976,1979;Sheman,1979)。これはセルフヘルプグループが独自に発展させてきた考え方や方法(そ
れを稔じてideologyとよぷ)が、「認知的解毒剤(COgniliveaT]Lidote)」(Antze.1979,T).277)として働く 仕組みを調べるものであった。その研究方法は細mographyといってよい。調査者は、いわば「異
邦人(Stranger)」として、その調査対象である文化に入っていくのである(Hammersley&Atkinson,
1995,ppふ9)0
しかし、セルフヘルプグループは、そのような調査そのものには興味をもっていない。セルフ ヘルプグループは生きづらさをかかえた人々の集まりであり、比喩的にいえば「観光客を許さない 集落」である。グループが「外来者」を迎えるのは、そのグループにとって利益があるときに限ら れる。上にあげたような個性記述的な研究ではセルフヘルプグループの援助が、専門職の援助や問 題解決パラダイムと異質ではあるが、同様に有効であることを示すことが、調査者を受け入れるセ ルフヘルプグループ例の目的になる。逆に言えば、その目的に合わないとグループが考えた場合、
調査者は受け入れられない。結果として、セルフヘルプグループの有効性を示す調査結果しか出て こないことが考えられる。
だが、すべてのセルフヘルプグループがうまく綴能しているとはいえない。これは誰もが知っ ている事実である。活動がほとんど停止したにもかかわらず、名前だけが残っているグループは、
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斗l
数多くある。なぜ、そのようなグループは失敗したのか?失敗は避けられなかったのか?それを 調べることは撤しい。なぜなら、なくなってしまったグループは見つけようがない。また、かりに 見つけたとしても、インタビューをすることは牽い、。だれしも成功談は語りたがるが、失敗談は 語I)たくないからである。
では、そのセルフヘルプグループがかかえている問題点を調査するには、どうすれば良いか。そ れは、グループとともに、その間題点の解決方法を探るというアクション・リサーチ的な調査を行 うしかない。人々の困難な状況を調べるには、その圏姓他の解決に寄与するという目的を前提にし なければならない。
セルフヘルプグループを「異質な人々の集まi)(S∝ietiesofdeviaⅢS)」と見て、そこに「異邦人」
として入っていくという仕方から、セルフヘルプグループの研究は始まった(Sagadn,1969)。その e血nog帽phicな方法は、現在でも有効であろう。しかし、そオtでは、セルフヘルプグループのかか
えている問題点に迫ることはできない。それに迫るためには、セルフヘルプグループと共に問題点 をさぐっていくことが必要である。つまI)、参加的調査が求められる。参加的調査は、セルフヘル プグループの調査の新しい方法論として注目されている(Chester,1991;Borkman&Schubert.1994)。
3.調査事例
私の調査は、1990年代後半に1年かけて(1)gatekeeperへの発案、(2)組織への発案、(3)
準備会での原案づくり、(4)組織への原案提示と調査班の結成、(5)サンプリングとパイロット テスト、(6)インタビューによるデータ収集、(7)データの分析、(8)clientreponの作成、(9)
Client−叩nの承認というステップを跨んだ。なお、事例の対象が特定化されないために具体的な
描写は意図的に省いたり変形したl)していることを斬っておく。
3.1.Gatekeeperへの発案
フィールドワークをする者にとって、フィールドの最初の関門はgatekeeperとの接触である。
Gatek胱匹ーとは「組織のなかにあって、人々や状況についての調査を目的とした接近(access)を認め たi)認めなかったりする力をもつ人々(臥rgess.1991,p.48)」である。私の場合、数十団体のセルフ ヘルプグループ(以■F、グループ)から構成されるゆるやかな連合会(以下、連合会)を後接して いるソーシャルワーカーのA氏であった。
A氏がかかわっている「グループの研究をしてみないか」とA氏から誘われたのは、調査をは じめる3年前のことであり、そこから私は断続的に連合会にかかわっている。そして、その後、連 合会に所属するグループのリーダーへのインタビュー調査を行い、A氏と連合会との信頼関係をつ
くっていった。
今回の調査で私が発案した方法はわcusgroupinterviewsであった。この方法はマーケテイングの 分野では古くから使われているものであるが(Vaughn.Schumm,&Sinagub,1996,T)P.7・8)、1980年 代後半までは北米の社会科学研究者にもほとんど知られていなかった(Morgan,1997,P.2)。日本の
社会福祉の分野では使われた事例も少ない。そのためか、foeusgEOuPinterviewsを使うという私の 凍案へのA氏の反応は、当初、必ずしも肯定的なものではなかった。
しかし、連合会が主体となって調査をする形にしたいという私の希望を述べたところ、A氏は 賛同してくれた。A氏は連合会の下部組織として調査法をつくi)、そこが実施するという形にすれ ばよいと言った。「報告書には調査班の人たちの名前を載せるように」と付け加えた。また、その 前に調査のための準備会をつくり、そこが調査計画を提案する形にすればよいというアドバイスを 受けた。
次の間題は、どのようにしてその準備会の人選を行なうかということであった。A氏は私が調 査に関心をもってくれた人に個別に当たるしかないだろうと言った。しかし、それで連合会全体の 協力が得られるのかどうか私には不安であった。A氏からは、これまで私が連合会を通して行った 調査の実鮨を強調すればよいとのアドバイスを受けた。
第3の問題は、サンプリングの問題であった。私が調査の対象としようとした連合会は、その なかに多様な形態のグループを含んでいた。すなわち、参加者に共通の要素を持たせるという
controIchamcteristics(Knodel,1993,pp.39−40)の問題が生じた。調査研究としてはcontroIchaTaCterisfics が必要であることをA氏に述べたが、彼は「それでは良くない。連合会でかかわるなら、そのグ
ループがすべて調査対象になるべきだ」と答えた仝たしかに、連合会にはその当時、数十団体しか 加盟しておらず、その数少ないグループをさらに調査日的のために分別しようとすることは、連合 会の一体性を傷つけることになると私も判断した。
3.2.組織への発案
連合会は、年に数回の会議をもっており、私はそのひとつの会議で調査の発案をすることにし た。その日は著名人の講演会を兼ねており、通常の例会には出てこない人が多く出席していた。講 演の後、A氏の紹介で私が調査について口頭で提案した。強調したのは、(1)グループの問題点 の解決をめざし役にたつ調査をめざしていること、(2)連合会が主体となって調査を行なう形に
したいことの2点であった。説明は5分もかからなかった。質問はほとんどなく、聞いていた人
(30人ほど)には、私の言うことが伝わっていない印象をうけた。そのとき、聴衆の一人でグルー プリーダーのB氏が私の伝えたいことを確認するように要約してくれた。そして連合会のなかから 何人かを私が集めて、そこで準備会を開き、その調査の案を検討することが了承された。
会合が終わったとき、3人の出席者が自分から私に声をかけ関心を示した。またA氏からは会 議の席上、私の案を要約してくれたB氏を誘うようアドバイスを受けた。さらに、この連合会の会 談には出なかったものの、A氏が関係するシンポジウムで、そこに出席していたグループリーダー
2人が私の調査に関心を示したので準備会に誘った。
3.3.準備会での原案づくり
上記の5名とA氏、それに私で7名の準備会を開いた。私にとって焦点はねcusgroupinterviews
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の説明であった。グループの問題点を話すとき、秘密保持のために誰が何を話したかは出さないこ とを強調した。
また、質問の仕方について「グループの問題点は何か」と抽象的に意見をたずねるよりも、「グ ループ活動で因っていることは何ですか」とたずねる方が答えやすいことが、準備会の話し合いの
なかで確認できた。それは「前提付き質問(PreSUpPOSitionquestions)」である(Patton,1990,pP.303−
305)。つまりグループ活動でリーダーは困ったことがあるということを前碇としており、問題の存 在を認めることへの心理的な抵抗を少なくしている。.また、わcusgmupにおいて、意見よりも体験
を開く方が答えやすい(Morg机Ⅰ988,P.25)ということも、もうひとつの理由であった。「問題は何 か」という聞いは、要約して、まとめあげなくてはいけないという印象を準備会のメンバーに与え た。「因っていることは何ですか」という問いであれば、「じゃあ、繊細としたことでいいんでしょ。
だったら、いくらでも話せます」という答えが、準備会のメンバーから戻ってきた。
質問の仕方で私を悩ませていた問題があった。それは「グループ活動で因っていることは何で すか」と、聞いた場合、グループが扱っている問題に関連して個々人が因っていることが答えとし て戻ってくる可能性があることだった。私が開きたいのは、グループ活動の組織論的問題あるいは 組織のマネージメントに関する問題である。しかし「組織論的問題」とか「マネージメント」とい う言葉には、なじみがないintervieweeもいるにちがいない。それをどのように区別して質問すれば よいのか。それは疑問であったが、準備会のメン/トーは「それはわかるんじゃないか」と軽く受け
流すだけだった。あるメンバーは、私のその問いに対し、「いや、それも重要なんですよ。たとえ
ば」と、その例をあげた。そして準備会の話は、そちらの方に流れた。ここでわかったことは、研究する側が区別している問題でも当事者は区別していないというこ とである。それは生活する聞からは区別できない問題であって、それを区別しようということ自体 が、e血匹巧peCかe(Schwandい997,PP.35−3引、つまI)当事者の生活から襟れた者の視点なのかも
しれない。
準備会のあとにつくられる調査班については、準備会をいちど解散して、新しくつくりなおし た方がいいという意見が準備会のメンバーから出された。できれば、つづけて調査珪のメンバーに なってもらいたいと私は頼んでおいた。準備会のメンバーは、はっきり答えなかったが、それを受 諾するという印象を与えた。
3.4.組織への原案提示と調査班の結成
全体会への提案は、次の定例会で行われた。私が準備会の接案を説明したが、質問や議論はな く、そのまま了承された。準備会の仕事は、そこまでで新しく調査比がつくられることも準備会の 提案どおI)了承された。
調査班は全体会の議長(毎回の定例会ごとに順番で交代する)の碓案により、準備会のメンバー がそのままひきつづいてメンバーになることになった。さらに、波長は「調査班のメンバーになれ ば、他のグループのことも理解できる」ことを強調し、初めて連合会に出席した人から2名を指名
して、参加を促した。そして了承された。この詞査証は実際には日程が調整できず、私が一部の人 と合い意見を聞くことですませていた。調査法が全員あつまり会合を開いたのは、インタビューが 終わってからのことであった。
3.5.サンプリングとパイロット・テスト
サンプリングは連合会に加盟している数十団体から、それぞれ1名ないし2名をグループから 選出してもらうことにした。調査計画を連合会に説明した当初は「グループリーダー経験者」とい
う条件だけにしていた。しかし、準備会に、グループに雇用されている職員や関係者が参加したこ とで、グループの活動では、本人以外の人も重要な役割をもっている場合があることがわかった。
そこで、参加者の同質性を高めるために、サンプリングの段階で依頼審には「リーダー偉験者」と いう条件の他に「本人であること」を付け加えた。
この条件によって、準備会に参加したグループに雇用されている職眉と関係者の2人は、ぬcus
㌢Oupint訂Viewsには参加しないことになった。そこで、この二人にはインタビューのpi1011eSdng
(Knleger,1994,pp.68−69)を依頼した。机の配置や、マイクの場所、質問の仕方等を含め当日と同じ ことを行ない、フィードバックを得て、わかl)にくいところや答えにくいことないかを検討した。
3.6.インタビューによるデータ収集とデータの分析
FocusgroupinteTViewsは、4回開いた。私と、上記の2人をのぞいた5人の調査班のメンバーは、
3つのグループに、それぞれ2人、2人、1人と分かれた。録音記録は、そのグループ参加者以外 の人には見せないという約束をしたために調査珪には見せることができなかった。したがって、
データの分析は私がQSRNUD*IST(Ver.4)を使いながら単独で行った。
3.7.Clientreportの作成
数ケ月後、データを分析したものの一部を見せるために調査立の初めての会合をもった。私の 作成途中の報告書は本文がA4版で9ページというものであった。調査班のメンバーは、これを当
日、手わたされて困惑した様子であった。
沈黙が緩いたなかでB氏が「よくわからないね」と言った。あとの人は「よく読むと、いろん な意味があることがわかる」という。そこで、次回の連合会の定例会には、調査の中間報告とし て、一目でわかるようにA4版1枚にまとめることにした。また、B氏は研究者が読むものと当事 者が読むものとは区別してつくる必要があることを強調した。他の人も同意していた。私はただ簡 単に要約したものを当事者用に、詳しく香いたものを研究者用にと考えていたが、その発想が間 違っていたことに気づいた。
その後、連合会全体に報告したが、全体からの反応はほとんどなかった。
2固め調査法の会議には、そのA4版1故に、よl)詳しい説明をつけて4枚にまとめて提出し た。こんどは会議の始まる前に郵送しておいた。2度目の会合であったためか、前回より、やや発
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言が多くなった。
報告昏へのコメントは、報告啓への関心の方向を示すものから始まった。それは報告辞の沓き 直しに役立てられた。メンバーが質問によって関心を示したところを、よi)詳しく番くという形で 報告番の内容が膨らんできた。2固めの会読に提出された文字数の少ない4ページの報告番が、3 回目の会議には8ページになり、4回目の会議には文字のつまった12ページになった。
また、私は、データに即したことだけを報告書に書こうとしたが、会議のなかで私自身が興味 深いと思った問題を話すことがあった。たとえばグループ活動に積極的に参加しないで、ただ、会 員登録して困ったときにだけグループを利用しようとする「依存的会員」の存在が多いことを私は 興味深く感じ、それを話した。すると、そのことに調査珪のメンバーは関心を示した。「そんなこ とは、あたりまえのことだと思っていた」と彼らは言った。しかし、これは必要な情報が手に入I)
にくく、しかも情報は日々新しくなっていくという、このグループのかかえる問題にとって特徴的 なことではないかと私は答えた。
メンバーは、会読の後半になると「岡さんが思ったことを、もっと番いてほしい。岡さんは、こ こ以外のグループと比べることができる。自分たちは(グループの)なかに入る人間なので、か えって見えてこないことが多い」と言う。当事者ではない私が当事者とともに研究をしようとする
とき、当事者の発言にできるだけ即した報告畜を書こうとしたが、メンバーは、私のより楷極的な 解釈を求めてきた。それは私の予期しないことであった。
また、当事者が実用本位なことにしか関心を示さないだろうという予測もはずれた。たとえば、
私は録音記録から、参加者が「手弁当」という言葉と「自腹」という言兼を、どちらも自己犠牲的 な意味あいで使いながらも違った意味で使っているのではないかと考えた。つまり「手弁当」は自 己蛾牲的にふるまう相手に感謝をしている文晩で使われるのに対し、「自腹」は自己犠牲的にふる まう自分やその周辺の人々の隠れた行為または、それを続けることは望ましくない行為であるとい う価値観のもとに使われていることが多いように思われた。それは質的調査法では必ず使われる metaphorあるいはblklemlの分析である(Cofky&Atbnson,1996,p.90)。このようなことは当事者 の問題には何のかかわI)もないと思われたのだが、メンバーの何人かは強い関心を示し、それを何 度も報告沓に載せることを提案した。私は、それを書くには言葉が使われた事例の致が充分ではな いことを理由に報告啓には載せなかったが、このような関心を当事者が抱くことが意外であった。
また、インタビューの分析から類推された会員のグループ活動への積極性を促進するための手 段として「成功事例」として語られたふたつの大きな理由は、「会員相互の交流を行う」「リーダー の仕事の分担を行う」ということであった。そして、そのうち交流をとくに強調した3人はすべて 男性。分担を強調した3人はすべて女性であった。私は、このことから性別による違いを考え、次 のように述べた。「男性は、女性にくらべて仕事以外の人間関係をつくるスキルが未発達で、その ためグループでの人間関係をつくるためには交流の機会を多くとる必要があると感じるのかもしれ ない。逆に、女性は自己主張することが苦手な人が多く、したがってグループの仕事も人に頼むよ りも自分で負担してしまう傾向にあるのではないか。だから分担の重要性を女性のリーダーたちは
強調したのだろう」。私のこのような意見に対して、メンバーは、おおむね、それに同意していた。
ところが、一人のメンバーが「そうかもしれない」と同意を示しながら、自分のところには、私 が出した性差のステレオタイプに合わない男性のリーダーがたくさんいると話しはじめた。彼らは 企業などの大きな組織のなかでチームワークのもとで働いた経裟のない男性たちで、たとえば自営 業者や専門哉の人々がいた。彼らは会読でものごとを決めていくという種駿がない。したがって分 担も下手だという。そこまで話し合うと、私が出した女性リーダー像は、やはり組織のチームワー クのもとで詞いた経験が少ない主婦像であることに気がついた。メンバーが共通してもつ問題のた めに、女性は家庭から外に出る機会が少ないことが、メンバーから指摘された。つまり性差ではな
く、チームワークで働くという社会経験の方が大きい要素である可能性が示されたのである。
4.考察
以上の事例から、参加的調査について考察したことを番いておく。
4.1.データ・アクセスヘの制限
今回の調査はグループの問題点を問うものであった。それはグループのリーダーどうしの葛藤 やグループの内部の矛盾を話すことを参加者に求めた。そして、bcusgroup5に参加した人のなか には調査班のメンバーと同じグループにはいっている人が多数いた。そのような状況のもとで調査 班のメンバーに録音した記録をそのまま見せることはできなかった。通常のmembercheckにおい ても、生のデータを見せることはなく、まとめた形で調査鑑(reviewpaJlel)に提示するだけである
(LincoIn&Guba,1985、pp.375−376)。しかし、私たちの調査姓のように、インタビューの対象者と 深い個別的な関係がある場合は、通常のメンバーチェックよl)もさらに厳しいデータ・アクセスへ の制限が必要となる。そのためメンバーチェックによる調査の信頼性(Credibility)確保には一定の留 保が必要かもしれない。
4.2.調査班メンバーの葛藤
「仲間を売ったような後ろめたさがある」と、ねcusgroupsの参加者で、後に調査班のメンバー になった人のひとりが繰り返し言っていた。一般の参加者はbcus各mupSに参加した後は、テープ 起こしされた結果を点検する作業があるだけだが、調査法のメンバーは、インタビュー後、何度も
自分の発言の抜粋を報告番の案のなかに見ることになる。調査珪のメンバーの一人は「あれを見る たびに悩む」といっていた。調査班のメンバーのうち2人は自分の発言を報告畜の案のなかに見て、
それと逆の意見を述べた。その理由を、そのうちの一人に他のメンバーがいないところでたずねる と「誰だって、自分の発言だとは思われたくないですものね」という答えが戻ってきた。
調査班のメンバーは自分の発言が会議のなかで、発言者が誰かということは秘密にされた状態 で、分析されるという場面に出会うのであり、そのことはメンバーに心理的葛藤をもたらすと考え
られた。
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4.3.ふたつの報告昏
参加的調査を行う場合、調査報告杏は「当事者向け報告番(Client叩Orl)」と、「研究者向け方法 論報告書(methodologyreport)」の2種が必要となる(HallandHa)).1996)。私の場合、CIientreport は単に研究者向けの報告番を簡単にしたものではなく、むしろグラフィックな視覚にうったえるも のが求められた。つまl)、報告書は、はじめから2本立てで作成するべきであり当事者向けの報告 書を研究者向けの報告番の「副産物」として扱うことは当事者からは受け入れられなかったという
ことである。
4.4.研究者のnicheと責任
参加的調査は研究者にとっては魅力的であるが、当事者にとっては負担が大きい。ことにセル フヘルプグループのメンバーのような日常生活にもさまぎまな負担をかかえている人々が調査のた めに時間を割くことは負担の増大を意味する。エコロジーのメタファーを使えば、セルフヘルプグ ループには研究者のためのニッチは限られている。すなわち、セルフヘルプグループは参加的調査 に関心をもっていたとしても、何人もの研究者に同時に資源や櫻会を提供することはできない。逆 にいえば、そのニッチ(資源・槻会)を与えられた研究者の貿任は重いのである。
4.5.研究者の自律性の制限
研究上の方法論のうえで望ましいことが、実際の当事者との関係のなかで、それを選ぶことが 聾しい場合がある。すなわち研究者の研究手続きにおける自律性(autonomy)の制限である。この事 例においては少なくとも2点において、それが現れた。
ひとつは、わcusさmupSの参加者のサンプリングにおいて研究者例の充分なコントロールができ なかったことである。触usgonlpinlerviewsの参加的調査において、サンプリングが便宜的になっ てしまう危険性は、すでにKreuger(1994,p.197)が指摘している。ただ、この事例の場合、本人の問 題の性格上、6人のグループを4つつくることだけでも、かなりの協力を要論しなければならな かった。参加者のサンプリングについて各グループに選出を依頼すること以上の要論をすること は、調査の厳密性においては必要であっても現実的ではなかった。
もうひとつは、調査珪のメンバーの選出が偶然に委ねられたということである。連合会自体が 会則や役職等をもたないインフォーマルな組織であるから、その下部組織である調査珪が一人の研 究者の手によって意図的に組織されるということほ可能ではないし、また望まれてもいないと思わ れた。
4.6.調査班の人選
調査法のメンバー選出のコントールはできなかったことをすでに述べた。しかしながら、今回 の調査によって調査班の適切なメンバー像がいくつか浮かんだ。
ひとつは研究者と当事者の間の「翻訳」ができることである。たとえば、私が調査の意図やデ
ザインを連合会の定例会で話したとき、それが定例会の参加者には伝わらなかった。そのとき私の 発言を要約し言い換えて参加者にわかりやすく説明した人がいた。そのような人が調査法にいると 研究者と当事者の意思疎通が容易になるだろう。
また、調査並のメンバーは、彼らが所属するグループの他の会員と良好な関係をもっているべ きである。そうしないと他の当事者の協力を得られなくなる。セルフヘルプグループといえども、
人間のつくりあげた組織であり内部で対立があってもおかしくはない。その対立のただなかにいる 片方の側の人が調査証に入った場合、残りの片方の人々は協力を拒むだろう。しかし、そのような 内部の対立は外側からは見えにくく判別は透しい。
そして、最後に調査研究への関心がある人が望ましいことである。セルフヘルプグループのメ ンバーで、しかも、そのグループのリーダーであれば、その負担は大きい。そのうえに調査研究へ の協力はかなりのボランタリズムを求めるものになるはずである。それは、調査研究への関心に よって多少、埋め合わせることができるだろう。
4.7.当事者側の意図
参加的調査の場合、研究者の関心や意図とは別に、当事者も別の関心と意図をもって参加する と考えられる。その関心と意図は研究者にとって事前に明らかになるものではない。たとえば、調 査法への参加を「グループをよりよく理解するための方策」と連合会の議長は考え、連合会の新人
を指名し送り込んだ。これは研究者の傾が思いもかけなかった当事者の(調査のプロセスヘの)関 心であった。
また、bcu5gmupintenriew5の参加者は各グループで選ぶよう要請したが、bcusgroupsに参加 者を「送り出す意図」を、それぞれのグループはもっていたのである。送り出したのは誰か、どの
ような意思決定過程をもって、その人が選ばれたのかは、グループのなかでは質問しなかったの で、少数の例外を除いてはわからない。その例外の一人は「F他のグループのことも勉強してきな さいjといわれて、ここに釆た」と答えていた。また、参加者を選んだ人が会長ではなく、その周 囲の人々であl)、その選んだ複数の人が両方とも会長批判をしているケースがあり、その場合は、
人選になんらかの意図が感じられた。
4.8.グループ内部の対立へのまきこまれの危険性
上にあげた例のように、グループの問題点を問う調査の場合、その間題点をめぐって対立して いるグループにとっては、調査報告はどちらの言い分を番くかということが問われる。もちろん、
質的調査の原則として中立性(neutraJity)(Pal10n,1990,Pp.54−56;Lineoln&Guba,1985,pP.299−301)は 重要である。しかし、サンプリングの段階で、そこに第3者の意図が加わっているかぎり調査の
データに偏りが出ている可能性は否定できない。その場合、出てきたデータから導き出した結論 を、どのような形で報告番に出すかによっては、グループの内部の対立に調査が巻き込まれる危険 性がある。
上智大学社会福祉研究199g.3
52
4.9.秘密保持と公開の原則
参加的調査は調査対象そのものが調査主体になるので報告番に調査対象も明記されることにな る。「A県B市におけるCグループ」の状況を語るようには事例を沓けない。まして今回の調査の ようにグループの問題点を扱うものは、その公表は慎重にする必要がある。この論文において事例 となった調査の報告書を文献に示すことができなかったのも、そのためである。
また、Smith(1995)はoverdisclostJre(過剰な表出)を促す可能性のあるfbcusgroupinterviewsに 特殊な倫理問題を論じている。セルフヘルプグループの調査法として、bcus騨OupSを使うとき、さ
らに特殊な問題がでてくる。つまり参加者たちは「同じ問題をもっている者どうしであるから話し 合える」という体験を日常的に繰り返している人々であって、その延長として、このねcusg†OupS をとらえた可能性がある(「同じ、まったく同じです」という言葉が多くの参加者によって繰り返 された)。それぞれ違ったグループに属してはいるものの、同じ体験をしている者どうし語り合う 心地よさを、すでに知っているのである。それが録音され編集された形であれ公開されることを一 時的に忘れ、話しすぎてしまう可能性がある。たとえば、インタビューの参加者24人のうち、2 人は録音記録の点検の際、自分の発言の一部を削除するように文番で指示してきた。それは録音記 録のミスではなく、自分のoverdisclosuTeを削除するためであったc
Client陀PO止の場合は調査法とともに検討するのであるから、公表に際しての問題は少ない。難
しいのは、この論文のような研究者対象のmethodologyreportである。専門用語が並ぷ専門的論文 に目を通してもらうよう依頗することは当事者に不要な負担をかけることになるのではないかとの 恐れがある。
4.10.焦点付け
「質的調査での主たる問題は、データをどのように得るかではなく、データをどのように除いて いくかということだ」(WoIcott,1990,p.18)といわれる。ことにわcusgroupinteⅣiewsの場合、複数 の視点が、しかもグループ・ダイナックスのなかで入り乱れてデータの上に現れるので分析の仕方 が難しく、その方法はまだ研究者の間でも合意がなされていない状態である(KれOdel,1993;Ca托y&
Smith,1994;Carey1995;Frankland&Bloor,inpress)。その点、調査軌こよる関心によって、データ 分析の焦点を定めていくことは、ひとつの方法であろう。
4.11.当事者との対等な関係を阻害する要因
参加的調査は研究者と当事者が対等でしかも補完的な関係においてすすめられる必要があ る。ところが、日本の文化のなかでは研究者(ことに大学の教具)は「先生」付けで呼ばれるこ とが多く、これが研究者と当事者の対等な関係を阻香していると思われた。「先生」と呼ぶこと は社会的習慣にすぎず、一応は「立てている」だけに過ぎないので、かえって率直な意思疎通を 薙しくしているのかもしれない。また組織におけるpowerdis伽Ceの受容性は、日本は英米に比べ
てやや大きく、チームワークにおける力の格差を受け入れる文化がある(Hofs【ede,1984,p,77)。こ
のような文化のなかでは参加的調査において研究者が「形式的」というべき形のうえだけの「権 威」が与えられることを警戒しなければならないだろう。
これは、とくに当事者が研究者に注文をつけるときに問題になる。事例で示したように、濃
初に私に異議を唱えたのはB氏であった。その年齢と社会的地位が偉初の沈黙の空気のなかで異議を唱えることを可能にしたのかもしれない。
ただ、今回の事例では何回か会合を重ねるにつれてメンバー同士の信頼関係も築かれ、自由 に異論を言えるようになった。研究斑として穫能するためには調査の理解、研究班で自分が求め られている役割の理解、そして研究珪内の信頼関係の形成がすすむための時間がかかったのであ る。
5.むすぴ
セルフヘルプグループへの参加的調査は調査方法として大きな可能性をもつものである。し かし同時に、秘密保持や当事者と研究者の対等な関係、当事者の心理的葛藤、研究者の自律性の 制限や負担の増大など、多くの課題がある。それを乗り越えていくことで当事者運動としてのセ ルフヘルプグループは自らを振りかえる積会を待て、ますます発展していくにちがいない。
この論文は、調査による論文というよl)は、調査そのものをひとつの事例として考察したも のである。調査班のメンバーとして私とともに詞査活動に参加してくださった方々に心から感謝
しています。
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