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不等式ノート - 明治大学

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Academic year: 2025

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不等式ノート

桂田 祐史

2004 年 7 月 21 日 , 2017 年 4 月 30 日

1 初等的な不等式

1.1 凸性

定義 1.1 (凸関数, 狭義凸関数) R の区間 I で定義された関数 f

∀a, b∈I,∀θ (0,1) f(θa+ (1−θ)b)≤θf(a) + (1−θ)f(b) を満たすとき、f は凸であるという。また

∀a ∈I,∀b∈I\ {a},∀θ (0,1) f(θa+ (1−θ)b)< θf(a) + (1−θ)f(b) を満たすとき、f は狭義凸であるという。

命題 1.2 (2階導関数の符号と凸性) R の区間で定義された2回微分可能な実数値関数に 対して、f が凸であることと f′′ 0 であることは同値である。また f′′ >0 ならば f は 狭義凸である。

証明 良く知られているので省略。例えば杉浦 [?] を見よ。

命題 1.3 R の区間 I で定義された実数値関数 f が凸ならば、

∀x1,· · ·, xn∈I f

(x1+x2+· · ·+xn n

)

f(x1) +f(x2) +· · ·+f(xn)

n .

特にf が狭義凸である場合、等号は

x1 =x2 =· · ·=xn のとき、そのときに限り成立する。

証明 帰納法による。n = 1 のときは明らか。n のとき成立すると仮定する。

x1+· · ·+xn+xn+1

n+ 1 = n

n+ 1

x1+· · ·+xn

n + 1

n+ 1 xn+1

であり、θ=n/(n+ 1)とおくと 1−θ= 1/(n+ 1)となることに注意すると、凸性の仮定から、

f

(x1 +· · ·+xn+xn+1 n+ 1

)

n

n+ 1f

(x1+· · ·+xn n

)

+ 1

n+ 1f(xn+1).

(1)

(2)

帰納法の仮定

f

(x1+· · ·+xn

n

)

f(x1) +· · ·+f(xn) n

を使って f

(x1+· · ·+xn+xn+1 n+ 1

)

n

n+ 1

f(x1) +· · ·+f(xn)

n + 1

n+ 1f(xn+1) (2)

= f(x1) +· · ·+f(xn) +f(xn+1)

n+ 1 .

特に f が狭義凸の場合は、(1) で等号が成り立つための必要十分条件として、

x1+· · ·+xn

n =xn+1. (3)

また (2) で等号が成り立つための必要十分条件として、

x1 =x2 =· · ·=xn. (4)

結局 (2) で等号が成り立つには(3)と(4) が同時に成り立つこと、すなわち x1 =x2 =· · ·=xn=xn+1

であることが必要十分である。

1.2 相加平均 相乗平均

命題 1.4 (非負の数の相加平均は相乗平均より大きいか等しい) x1, · · ·, xn 0 とする とき、

x1+x2+· · ·+xn

n n

x1x2· · ·xn. 等号はx1 =x2 =· · ·=xn のとき、そのときに限る。

証明 f =log とおくと f′′ >0であることに注意すれば、前小節の命題より明らか。

証明 x1 = (y1)2, · · ·, xn= (yn)2 とおくことにより、

(y1)2+ (y2)2+· · ·+ (yn)2

n n

(y1y2· · ·yn)2 を証明すればよいが、同次性から単位球面上で

1 n n

(y1y2· · ·yn)2 を示せば十分である。そこで

f(y1, y2,· · ·, yn)def.= (y1)2(y2)2· · ·(yn)2, g(y1, y2,· · ·, yn)def.= (y1)2+ (y2)2+· · ·+ (yn)21

とおき、条件 g(y) = 0 のもとでのf の最大値を調べる。まず方程式 g(y) = 0 は単位球面を 表わし、これはコンパクトであるから、最大値が存在することが分かる。また

∇f(y) = 2





y1(y2)2· · ·(yn)2 (y1)2y2· · ·(yn)2

...

(y1)2(y2)2· · ·yn



, ∇g(y) = 2y

(3)

であるから、条件 g(y) = 0のもとでは∇g(y)̸= 0. ゆえに最大値は必ずLagrange の未定乗数 法で求まる。つまり最大値点 y では∃λ∈R s.t.

∇f(y) = λg(y).

これを成分で書くと

(y1)1(y2)2(y3)2· · ·(yn1)2(yn)2 = λy1, (y1)2(y2)1(y3)2· · ·(yn1)2(yn)2 = λy2,

... ... (y1)2(y2)1(y3)2· · ·(yn1)2(yn)1 = λyn. 明らかに最大値は正であるから、yj ̸= 0 (j = 1,2,· · ·, n). ゆえに

Ldef.=

n j=1

(yj)2 とおくと、

L

(y1)2 = L

(y2)2 =· · ·= L (yn)2 =λ

これから (y1)2 = (y2)2 =· · ·= (yn)2. 和が 1である(g(y) = 0) から、

(y1)2 = (y2)2 =· · ·= (yn)2 = 1 n. ゆえに条件 g(y) = 0 の下でのf の最大値は

f(y) = (1

n )n

.

これから g(y) = 0 を満たす任意の y に対して、

f(y) (1

n )n

.

ゆえに

n

f(y) 1 n.

1.3 Young の不等式

命題 1.5 (Young) p, q (1,∞) を互いに共役な指数 (i.e. 1/p+ 1/q = 1) とするとき、

任意のa, b 0 に対して、

ab≤ 1 pap+1

qbq. 等号はa=b のとき、そのときに限り成り立つ。

注意 1.6 この不等式は有名な H¨older の不等式の証明に使われるが、今一つ分かりにくい。

p= 2 の場合は

ab≤ 1

2(a2+b2)

という、分りやすく、高校生でも容易に証明できる不等式になる。ちなみに p= 3, q= 3/2の ような場合も簡単に (因数分解で)証明できる。やってみることを勧める。

(4)

証明 二階導関数を調べることにより、log は狭義凸であることがわかるから、

log ( 1

p ap+ 1 q bq

)

≤ − ( 1

p logap+ 1 q logbq

)

=logab.

すなわち

logab≤log ( 1

p ap+ 1 q bq

) . ゆえに

ab≤ 1

p ap+ 1 q bq.

1.4 良く出てくるが名前を知らない不等式

命題 1.7 a,b 0,p≥1 のとき、

ap+bp (a+b)p 2p1(ap+bp).

(多くの本で ap+bp (a+b)p 2p(ap+bp)という (緩い) 不等式が使われている。確かにそ の方が証明は簡単で、それで十分の場合がほとんどである。)

証明 p= 1 のときは

a+b≤a+b ≤a+b

という自明な式なので、以下 p > 1 とする。b= 0 ならば、やはり ap ≤ap 2p1ap

という自明な式になるので、以下 b >0 とする。関数f: [0,∞)Rf(x) = xp+bp

(x+b)p で定義する。

f(x) = (x+b)p·pxp1 −p(x+b)p1·(xp+bp) (x+b)2p

= p(x+b)p1 (x+b)2p

[(x+b)xp1(xp+bp)]

= pb(x+b)p1 (x+b)2p

(xp1−bp1)

であるから、fb で最小値を取ることが分かる。

f(0) = bp

bp = 1, f(b) = bp+bp

(b+b)p = 2bp

2pbp = 21p,

xlim→∞f(x) = lim

x→∞

1 +(x

b

)p

(1 + xb)p = 1 であるから、

21p ≤f(x)1.

ゆえに

21p xp+bp (x+b)p 1.

分母を払って

xp +bp (x+b)p 2p1(xp +bp).

(5)

蛇足 (別証)右側の不等式は、x7→x1/p が「上に凸」であるから、

(a+b 2

)p

ap+bp 2 となるので、両辺に 2p をかけて得られる。

左側の不等式は簡単な証明があるのかな。地道にやるには、

f(x) := (x+b)p−xp−bp (x∈[0,∞)) が単調増加であり、f(0) = 0 であるから、f(x)0とする。

右側の緩い方の不等式は

(a+b)p (2 max{a, b})p = 2pmax{ap, bp} ≤2p(ap+bp) のように証明出来る。

1.5 Jensen の不等式

(作業中)

1.6 Schwarz の不等式

「内積空間ノート」に詳しく書くので、この小節の命題の証明は省略する。

Cn における Schwarz の不等式は、以下のようになる。

n j=1

ajbj

2

n j=1

|aj|2

n j=1

|bj|2 等号は a= (aj) と b =(

bj)

が1次従属であるとき。

この不等式の無限級数バージョンもある。

n=1

anbn

2

n=1

|an|2

n=1

|bn|2 等号は a= (an) と b=(

bn)

が1次従属であるとき。これはいわゆる 2 における Schwarzの 不等式である。

2 older の不等式

測度空間(X,B, µ) があるとき、f:X→C, p∈[1,∞] に対して、

∥f∥Lp def.=



 (∫

X

|f(x)|p(x) )1/p

(1≤p <∞) ess.supxX|f(x)|= inf{U;|f(x)| ≤U a.e. onX} (p=) とおく。

与えられた pに対して

1 p+ 1

q = 1

(6)

を満たす qp の共役指数と呼ぶ。ただし 1/∞= 0 とみなし、1の共役指数は , の共 役指数は 1 と考える。

Youngの不等式から

X

|f(x)g(x)|dµ(x) 1 p

X

|f(x)|p(x) + 1 q

X

|g(x)|q(x)

という評価が得られるので、Lp の元とLq の元の積は可積分になることが分かる。

定理 2.1 (H¨older) 1≤p≤ ∞, f ∈Lp(X,B, µ), g ∈Lq(X,B, µ)に対して、

X

|f(x)g(x)|dµ(x)≤ ∥f∥Lp

1/p∥g∥Lq 1/q.

証明 まず p= 1 または p= の場合は明らかであることに注意する。以下1< p <∞ と する。また ∥f∥Lp = 0 または ∥g∥Lq = 0 の場合も明らかであるので、以下 ∥f∥Lp ̸= 0 かつ

∥g∥Lq ̸= 0 とする。Young の不等式から

|f(x)|

∥f∥Lp 1/p

|g(x)|

∥g∥Lq

1/q 1 p

|f(x)|p

∥f∥Lp

+ 1 q

|g(x)|q

∥g∥Lq

となるので、

X

|f(x)g(x)|dµ(x)

∥f∥Lp1/p∥g∥Lq1/q 1 p

X

|f(x)|p(x)

∥f∥Lp1/p + 1 q

X

|g(x)|q(x)

∥g∥Lq1/q = 1 p +1

q = 1.

ゆえに ∫

X

|f(x)g(x)|dµ(x)≤ ∥f∥Lp

1/p∥g∥Lq 1/q.

2.2

n i=1

|aibi| ≤ ( n

i=1

|ai|p

)1/p( n

i=1

|bi|q )1/q

i=1

|aibi| ≤ (

i=1

|ai|p

)1/p(

i=1

|bi|q )1/q

命題 2.3 fi ∈Lpi(Ω) (i= 1,2,· · ·, k) で、

1 p = 1

p1 +· · ·+ 1 pk 1 ならばf :=f1· · ·fkLp(Ω) に属し、

∥f∥Lp ≤ ∥f1Lp1· · · ∥fkLpk.

3 Minkowski の不等式

f, gLp(X)に属するならば f +g もそうなることは、

|f+g|p (|f|+|g|)p 2p1(|f|p +|g|p)

(7)

という簡単な評価から分かるが、Lp ノルムが凸不等式

∥f +g∥Lp ≤ ∥f∥Lp+∥g∥Lp

を満たすことの証明には、より精密な議論、すなわち H¨older の不等式を使う。

定理 3.1 (Minkowski の不等式) 1≤p≤ ∞, f, g ∈Lp(X) とするとき、

∥f +g∥Lp ≤ ∥f∥Lp +∥g∥Lp.

証明 p = 1 または p = のときは明らか。以下 1< p < とする。p の共役指数を q と するとき、(p−1)q=pとなることに注意すると1

X

|f(x) +g(x)|p(x) =

X

|f(x) +g(x)|p1|f(x) +g(x)|dµ(x)

X

|f(x) +g(x)|p1|f(x)|dµ(x)

X

|f(x) +g(x)|p1|g(x)|dµ(x)

(∫

X

|f(x) +g(x)|q

)1/q(∫

X

|f(x)|p(x) )1/p

+ (∫

X

|f(x) +g(x)|q

)1/q(∫

X

|g(x)|p(x) )1/p

.

割り算して (∫

X

|f(x) +g(x)|p(x) )11/q

(∫

X

|f(x)|p(x) )1/p

+ (∫

X

|g(x)|p(x) )1/p

.

11/q= 1/p に注意すれば、

(∫

X

|f(x) +g(x)|p(x) )1/p

(∫

X

|f(x)|p(x) )1/p

+ (∫

X

|g(x)|p(x) )1/p

.

11/p+ 1/q= 1より1/q= 11/p= (p1)/pゆえp= (p1)q.

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