• Tidak ada hasil yang ditemukan

化学t生物 - 書館 文 - J-Stage

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2023

Membagikan "化学t生物 - 書館 文 - J-Stage"

Copied!
7
0
0

Teks penuh

(1)

書 館 化学 生物

  ポリエーテル化合物シガトキシンの全合成

次いで挑戦した化学合成には,オカダ酸75合成のきっか けともなったシガトキシン102を全合成の標的分子とした.

これはテトロドトキシン37と同じナトリウムチャンネルを 作用標的タンパク質とする神経毒性物質としながらも,生物 活性も作用機査も異なるポリエーテル系天然物である.多く の新合成概念と新反応を開発しつつ,中員環エーテルの閉環 反応が次の段階にうまく移行するような方策を練り上げた研 究である.

この新しい系統の化合物を合成するにあたって中核となる 事項は,7, 8, 9の中員エーテル環形成反応である. -an- nular効果のために一般に困難な中員環閉環反応を推進する ために,アセチレンジコバルト錯体におけるL-効果 (Ligand  effect) とNicholas効果(プロパルギル位カチオンの安定化)

を利用することを考案した.この計画では,アセチレン104 が (1) カップリングの際にアルデヒドとC‒C結合形成し,

(2) コバルト錯体105とする.(3) 下図のような6個のCOに

よるL-効果により水酸基とN-効果により発生させるカルベ ニウムカチオン105aとの2つの反応点を接近させ閉環を促 進させる.環内に残るコバルト錯体106の環張力のために酸 化的にアセチレンに戻す反応は進行せず,還元的にオレフィ ン107に変換する反応を開発した.次の閉環に有効なケトン などの官能基に変換する手法も開発できた.

  アセチレンジコバルト錯体を巡る反応開発

最初に検討したこの概念は,次の一連の反応で試した.ま ず糖質グルカール108に酸性条件で発生させたオキソカルベ ニウムイオン109に,シリルアセチレンを用いてC-グリコシ ル 化 で110と し,ア セ チ レ ン 末 端 に 必 要 な 炭 素 鎖111を Sonogashiraカップリングで伸延する.その後コバルト錯体 112とし,これを酸で取り扱うと,N-効果でプロパルジグカ チオン113が発生し,このシスオレフィンのアリルカチオン をトランス型114に異性化させることにより,原型の6員環

エーテル112への平衡を止め,反対側にある分子内水酸基に

天然物化学その魅力と領域 後編

立体制御合成の奥義 磯部 稔

名古屋大学名誉教授・台湾國立清華大學教授

図20シガトキシンの平面構造と立体構造

(2)

よる中員環115の閉環を一挙に可能とする原理である(79〜81). さらに,環内に残るエンド型コバルト錯体をシスオレフィン に還元するルートを手始めに開発した(82〜84).これは鎖状ア セチレン錯体にも適用可能であるので,Lindlar還元の代わ りを務める反応を見つけたという意味もある.

  標的化合物の絶対立体配置と両鏡像体合成

この研究を始めた頃は,CTXの絶対立体配置は未発表で あった.そこで両鏡像体の合成が可能なルートを考案した.

d-グルコースのテトラヒドロピラン環の1,5-両位にシスの炭 素鎖を延ばして112とし,これをCTXのB環に見立て,図 中にpseudoenantiomerとする化合物を両サイドに裏と表 120aと考えてAC両環を延長して121122とする計画であ る.まず当時教示されていた絶対立体配置のABC環部分と 2種の側鎖の合成を127128との形で行った(85〜87).すなわ

ち図

23

のように2 , 5 と2 , 5 のジアステレオマーをそれ ぞれブロモベンゾアートに誘導しCDを測定した(88).その結 果2 , 5 は発表されたCottonピーク(図23のCD曲線点線 部)とは逆であった.

したがって,天然鏡像体は2 , 5 型ということとなった.

仕切り直してその合成を実際に行い,122の合成を行った.

その後コバルトを活用する手法で,さらにD環とE環を延長 し,側鎖のついたCTXの左セグメントABCDEFG環の合成 を行った(89)

  シガトキシン全合成の問題点と逆合成解析

ここまでの研究で具体化した問題点は,コバルト錯体によ るジアリルカチオン型中間体を経由するA環閉環条件の酸 濃度であった.すなわち,0.5 MBF3・OEt2でもカチオンが 発生すること,それより強い条件では収率が減少することが 図21アセチリドとアルデヒドのカップリングに始まるジコバルト錯体による中員環エーテル合成方略

図22糖質C-アルキニル化とコバルト錯体によるエーテル環巻き返しルート

(3)

わかった.その後右セグメントのスピロアセタールセグメン トJKLM(90, 91)や中央部のFGHI環(92, 93),さらにはHIJK(94〜96)

などの部分合成もできたので,想定しているG環形成条件下 でどのような挙動を示すかを検討した.スピロアセタール環 は,強酸条件ではフラン環に一部変換されてしまうが,環上

の水酸基をアシル型保護基としておけばテトラヒドロフラン 環は不変であることがわかった.そこで最終的な全合成計画 として,左右の両セグメント131および132を合成し,それ をカップリングし130とした後,F環を完成し,さらにA環 部分の合成129を最終段階とする逆合成ルートを想定して,

図23シガトキシンABC部と側鎖の可能な異性体合成・両鏡像体合成

図24シガトキシンの逆合成ルート

(4)

図25セグメントカップリングからシガトキシン全合成

(5)

実際の全合成を実施した.

  シガトキシン全合成

CTXの左右両セグメントカップリングの鍵反応を,リチ ウムアセチリド131とアルデヒド132とした.この段階のた めに,それぞれの水酸基保護基をF環形成のための選択的保 護とG環への還元のための保護基変換を要したが,140の矢 印で示すようにカップリング体は / の立体化学を 保ったままB‒M環の合成ができた.

A環形成には側鎖部分の炭素鎖延長と7員環エーテル閉環 が含まれる.そのC‒C結合形成を含むモデル合成には,す でに解説した2種類の基本手法に加えて,第三世代の手法と してポリエーテル化合物にも適用可能なPd触媒によるエン イン‒クロスカップリング (Sonogashira coupling) を採用 し,さらにカチオン発生には無極性のジクロロメタン溶媒を 用い,その対アニオン効果をテトラヒドロフラン溶媒を追加 することで打ち消すというモデル実験を経たうえで,A環形 成を達成した.保護基の除去により,CTXの全合成を完成 することができた(97, 98)

この時点ではHiramaグループによる全合成は,ヘミチオ アセタールによるカップリングとオレフィンメタセシスによ る中員環形成反応を基軸とした素晴らしい不斉全合成が完成 し て い た (Hirama   “Ciguatoxin total syntesis  文 献 113).類似化合物ブレベトキシン全合成もNicolaouはじめ 複数の研究グループによる輝ける成果の発表がなされてい た.方法論としてはYamaguchiラクトン化反応,Grubsの RCM,ラジカル環化反応などが採用された.詳細について は総説を参照されたい(97)

  シガトキシン全合成研究を経て得られたもの

この全合成研究では,アセチレンジコバルト錯体の新しい 方法論と合成反応を開発することができた.研究開始時点で は確立していなかった反応として,還元的脱錯体化によりシ スオレフィンやビニルシランへのヒドロシリル化(84, 99),ケ

トンへの酸化的変換(93),触媒的ヒドロシリル化(100),カチオ ンの発生と反応性への溶媒効果,エーテル環形成の立体電子 制御,8員環のコンフォメーションと反応性,9員環のコン フォメーションと分子運動,イオン反応および金属触媒によ る反応の特徴と限界,などなど多くのことを学ぶ機会の多い 全合成であった(98)

  天然物化学の新しい展開

コバルトの閉環反応を別の天然物合成研究に適用してみ た.抗がん剤タキソールの類縁体でトリシクロ型の炭素12 員環をもつタキサキトリエンが知られる.これにアセチレン とハロビニルのクロスカップリングにより,3成分の合成を 行った.これらを順にカップリングしてビスコバルトヘキサ カルボニルとアリルシラン求核剤を組み合わせた閉環反応に 成功した.アセチレンコバルト手法によって,炭素12員環 の 閉 環 に よ る 天 然 物 の 基 本 骨 格 合 成 を 果 た し た(図

26

(101, 102)

  タンパク質の上に発生する不斉炭素原子

自然界で見られる生物現象には,中核となる分子のケミス トリーを解明することでその謎が解けることが少なくない.

現代天然物有機化学では,周辺機器の発展とともに,有機合 成による必要分子の設計と,ケミカルバイオロジーの勃興に より,多様化した手段とが統合して解明を目指す目的も先鋭 化してきた.筆者の研究の一つである生物発光の化学から,

話題を一つ提供する.沖縄水域で捕獲される発光イカの発光 分子機構では,前例のない面白いメカニズムがわかってき た.

その研究には,非天然型発光基質の化学合成だけでな

(103),発光タンパク質の501個のアミノ酸全配列の決定,

全構造の解明(104),タンパク質表面で構造変化する物質の追 跡,nano-LC-MS, LC-CDスペクトル測定と解析,計算機化 学などの手段を総合した(105).その結果,2種類のジフロロ デヒドロセレンテラジン (diFDCL) 類縁体は,いずれも発

図26炭素大員環の閉環反応

(6)

光タンパク質 (Symplectin) にラセミ型で貯蔵され,390-シ ステインに移動する際,2,4-diFDCLと2,6-diFDCLはそれぞ れシステインの付加が 型あるいは 型となり,同一面から 反応するヒドロペルオキシド(これを 型と仮定すると)両 者は例えば および のジアステレオマーとなる.この立 体化学の差のために,前者は通常のジオキセタノン中間体を 経由して強く発光する.しかし後者は隣接するスルフィドと 反応して還元されアミナールとなり発光しないで直接アミノ ピラジンとなる.さらにタンパク質側は390-システインが酸 化されてその能力を失うためにその後の基質を受け入れられ ずタンパク質は阻害的に働く(106).この研究は,タンパク質 表面上で起こる立体化学が種々の変化を示すのでDynamic  Chiralityと名づけて,さらに詳細な研究が現在進行中であ る.これらの研究を推進するために,より柔軟な合成ルート が必要となり,パラジウムを触媒とするクロスカップリング を用いたヘテロ環化合物の新規合成ルートも開発している.

化学合成がこれら生物有機化学的な研究でも中核的な役割を 果たしている例である.

このほか,昆虫休眠に関連して蚕休眠卵に存在し休眠覚醒 に関連する時間読みタンパク質 TIME (Time Interval Mea- surement Enzyme) に関する研究にも大きな進展があった.

卵休眠の覚醒時間に関連するTIME‒タンパク質 (Zn, Cu- SOD) の構造,コンフォメーションと時間読み機構,金属‒

糖タンパク質のLC-MSによる構造解析研究などを進め成果 を上げてきた.その内容は,金属・糖タンパク質における独 特の問題解決のために工夫した液体クロマトグラフとハイブ リッド質量分析による超高感度分析手法の開発であった.タ ンパク質分子の高次構造変化を追跡するために,時計の針の ように動くCu金属イオンとリガンド‒ヒスチジン残基を活 性酸素種により酸化修飾し,酵素分解したペプチド群につい てナノLC-MSによりその位置を特定して,時間読みタンパ ク質の機構を解明するものである.最近の進歩については最 近の文献を挙げるにとどめ割愛する(107〜112)

図27発光タンパク質Symplectin表面で発生する基質結合の立体化学と立体過程

(7)

  おわりに

化学合成では,新しい要素が加わると飛躍的に化学の理解 も進みその応用研究も弾みをつけて著しい発展を遂げる.地 道に重要と思われる研究を掘り下げるタイプにもそれなりの 進歩がある.激しい競争となる研究には魅力もあるが,自分 がやらなくても誰かがやる分野だろうという考えもあり,こ だわりの化学を続けるのも一つの方策である.自由闊達な研 究分野の展開が結局は創造的な学術の発展につながるのもと 確信する.

化学的な項目以外に「ヒトの心とケミストリー」について 一言.困ったときの神頼みのような,最先端科学者の非科学 的内面的な行動が,化学者の中で一体となる不思議(と思わ れるよう)な現象が起きる.人間は強い心で化学の問題解決 に望むが,一方では課題の大きさに悩み押しつぶされそうに なりそれを解消することも必要だ.だが,その苦しい経験は 研究者としては大切である.後に若い人の指導者となったと きに自分が経験しなかった以上の苦労を求めることはできな いからだ.研究の成功にはセレンディピティーというその研 究室の財産のような無形の力が働いているのだろう.

筆者らは,上記以外にも昆虫(カイコ)の休眠に関連し て,卵休眠の覚醒時間に関連するTIME‒タンパク質 (Zn,  Cu‒SOD) と調節ペプチドPINの構造解析,それらの結合様 式解析,タンパク質のコンフォメーション変化と時間読み機 構,金属‒糖タンパク質の構造解析研究等を進めた.一方,

タンパク質脱リン酸酵素阻害剤については,上で述べた阻害 剤の合成に加えて阻害分子機構について,生物有機化学的な 手法を開拓しつつ分子を基盤とした研究を行ってきた.

多くの共同研究者とともに有機化学・有機合成・生物有機 化学・生物発光の研究を中心として数多くの成果を上げるこ とができた.引用文献に挙げた共同研究者の方々の努力に対 して心から御礼を申し上げる.

学生の頃から慣れ親しんできた「化学と生物」の新企画・

文書館に寄稿するようにとの依頼を受けた.筆者は2008年 に名古屋大学を定年退職し,そのあとしばらくして台湾の清 華大学に席を得て研究・教育を続けることとなった.筆者が 外国から見た日本についての見方も少しはできてきた.日本 の大学院教育システムと比較してみると,台湾では学習に比 重を置き,欧米日を相手とするきわめて高い国際基準を設定 し,Ph.D.の水準も高い.また,大学院教育は学術だけでな く産業力にも直結している.行政における業績評価は,その 分野の育成と成果が必要となりやむをえまい.しかし,学術 においては長期的・中期的な視野をもつ専門家集団の意見を 求めることも科学技術を施策する重要項目であろう.近年ア ジアの,特に中国・インドの発展に対応する政策について は,これまでとは異なった新施策が日本に求められている.

清大の研究室および名古屋大学時代に進めてきた研究の足跡 とそれを発展させた事柄についてここに記した.読者の参考

になれば幸いである.  (おわり)

文献

  79)  M. Isobe, W. Phoosaha, R. Saeeng, K. Kira & C. Yenjai :   , 5, 4883 (2003).

  80)  C. Yenjai & M. Isobe : , 54, 2509 (1998).

  81)  M. Isobe, C. Yenjai & S. Tanaka : ,5, 916 (1994).

  82)  M. Isobe, R. Nishizawa, S. Hosokawa & T. Nishikawa :   ,1998, 2665 (1998).

  83)  S.  Hosokawa,  B.  Kirschbaum  &  M.  Isobe : , 39, 1917 (1998).

  84)  S.  Hosokawa  &  M.  Isobe : , 39,  2609 

(1998).

  85)  M. Isobe, S. Hosokawa & K. Kira : ,25, 473 

(1996).

  86)  S. Hosokawa & M. Isobe : ,7, 351 (1996).

  87)  S. Hosokawa & M. Isobe : ,6, 1179 (1995).

  88)  S. Hosokawa & M. Isobe : , 64, 37 (1999).

  89)  K. Kira, A. Hamajima & M. Isobe : , 58, 1875 

(2002).

  90)  T. Baba & M. Isobe : ,14, 547 (2003).

  91)  T.  Baba,  G.  Huang  &  M.  Isobe : , 59,  6851 

(2003).

  92)  S. Takai & M. Isobe : , 4, 1183 (2002).

  93)  S. Takai, N. Sawada & M. Isobe : , 68, 3225 

(2003).

  94)  T.-Z.  Liu,  J.-M.  Li  &  M.  Isobe : , 56,  10209 

(2000).

  95)  T.-Z.  Liu,  B.  Kirschbaum  &  M.  Isobe : , 11,  587 

(2000).

  96)  T.-Z. Liu & M. Isobe : ,11, 266 (2000).

  97)  M. Isobe & A. Hamajima : , 27,  1204 (2010).

  98)  A. Hamajima & M. Isobe : , 48,  2941 (2009).

  99)  S.  Takai,  P.  Ploypradith,  A.  Hamajima,  K.  Kira  &  M. 

Isobe : ,13, 588 (2002).

 100)  M. Isobe, R. Nishizawa, T. Nishikawa & K. Yoza : , 40, 6927 (1999).

 101)  S. Shibuya & M. Isobe : ,9, 373 (1998).

 102)  S. Shibuya & M. Isobe : , 54, 6677 (1998).

 103)  W. Phakhodee, M. Toyoda, C.-M. Chou, N. Khunnawut- manotham & M. Isobe : , 67, 1150 (2011).

 104)  T. Fujii, J.-Y. Ahn, M. Kuse, H. Mori, T. Matsuda & M. 

Isobe : ,  293,  874 

(2002).

 105)  M.  Isobe,  M.  Kuse,  N.  Tani,  T.  Fujii  &  T.  Matsuda :  

, , , 84

386 (2008).

 106)  V. Kongjinda, Y. Nakashima, N. Tani, M. Kuse, T. Nishi- kawa & M. Isobe : ,6, 2080 (2011).

 107)  S. Pitchayawasin-Thapphasaraphong, N. Tani, M. Isobe,  H. Kai, T. Kurahashi, J. Kato & S. Trisunan :

73, 1578 (2009).

 108)  M. Isobe, H. Kai, T. Kurahashi, S. Suwan, S. Pitchayawa- sin-Thapphasaraphong, T. Franz, N. Tani, K. Higashi & 

H. Nishida : , 7, 1590 (2006).

 109)  X. Ti, N. Tuzuki, N. Tani, M. Isobe & H. Kai : , 51, 1025 (2005).

 110)  X. Ti, N. Tuzuki, N. Tani, E. Morigami, M. Isobe & H. 

Kai : , 50, 1053 (2004).

 111)  S.  Pitchayawasin,  M.  Isobe,  N.  Tani  &  H.  Kai : , 14, 2527 (2004).

 112)  T. Kurahashi, A. Miyazaki, Y. Murakami, S. Suwan, T. 

Franz, M. Isobe, N. Tani & H. Kai : ,  10, 1703 (2002).

 113)  a) M.  Inoue,  K.  Miyazaki,  Y.  Ishihara,  A.  Tatami,  Y. 

Ohnuma, Y. Kawada, K. Komano, S. Yamashita, N. Lee 

& M. Hirama : , 128, 9352 (2006).

Referensi

Dokumen terkait

12, 2017 天然テトラミン酸誘導体の全合成 構造の多様性と興味ある生物活性 テトラミン酸とはその名のとおり酸性を示す化合物で あるが,一見酸性を示す部位が見当たらないように思え るかもしれない.窒素を含む5員環に2つのカルボニル 基が存在し,さまざまな互変異性体を生じることが可能 で,その互変異性体の構造を見ればなるほど酸性を示し