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「女性と手帳」 ∼女性はなぜ手帳を楽しみ使いこなすのか∼

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2011年度 上智大学 経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文

「女性と手帳」

〜女性はなぜ手帳を楽しみ使いこなすのか〜

A0742325 中根みどり

提出 2011 年 1 月 15 日

(2)

2

「女性と手帳」

~女性はなぜ手帳を楽しみ使いこなすのか~

目次 はじめに

1 手帳市場について 1−1 手帳市場の規模 1−2 手帳市場の消費者行動

<スケジュール管理のツールとしての人気>

<手帳使用度の男女比>

<重視する手帳のポイント>

<スケジュール管理以外の使用用途>

2 女性と手帳

2−1 手帳に対する女性の反応•行動

<手帳グッズを上手に活用する女性>

<手帳を多機能ツールとして活用する女性>

<書きためて楽しむツール>

<記念日を大事にしたい女性>

<手帳を使いこなす女性>

2−2 女性特有の反応•行動

3 なぜ女性は手帳を楽しみ使いこなすのか 3−1 男女の違い

3−2 男女の脳の大きな違い

3−3 なせ女性は手帳を多機能ツールとして活用するのか 3−4 なぜ女性は手帳に書きためて「楽しむ」のか 3−5 まとめ

4 まとめ あとがき 参考文献

(3)

3 はじめに

皆さんにとって手帳とはどのような存在だろうか。それは単にスケジュールを管理するために、

バッグに忍ばせているものなのだろうか。本論文は手帳について述べたものである。

手帳は極めてプライベートなものであるために、正確な起源や歴史をたどることが難しい。日本 に残されている記録によると、大蔵省印刷局が明治12年に「懐中日記」という手帳を初めて作 った。この手帳には、租税・郵便規則・天文などの付録があり、すでに予定の管理だけではなく、

現在の手帳と近い姿であった。この初期の手帳は民間用ではなく、毎年元旦に職員に手渡しする ものであった。民間手帳の製造は明治20年前後に始まったとされている。

日本で民間に手帳が普及し始めてからおよそ 120 年、手帳は今どのように人々の生活にとけ込 んでいるのであろう。手帳は現在でも極めてプライベートなものであることに変わりはない、実 際私自身も他人の手帳をじっくりと眺めたこともなければ、自分の手帳をじっくりと眺められた くないものである。こうした個人個人とプライベートに密な関係を築く手帳を知ることは非常に 興味深い。手帳と人との関係の中で、人の反応•行動に新たな発見を見いだせるのではないかと 考えた。手帳と人の関わりに着眼点を置き論を進めたいと思う。

(4)

4 1 手帳市場について

1−1 手帳の市場規模

現在、国内の手帳市場における年間の生産・出荷数は、市販市場・法人市場を含めて約1億冊と 推定されている。

1−2 手帳市場の消費者行動

<スケジュール管理のツールとしての手帳人気>

[グラフ1]スケジュール管理のためにどのようなツールを使用していますか?

20~50代のビジネスパーソン対象、単一回答 n=600)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

0 5 10 15 20 25 30

35 31.2

16.7

14.7 13.3

9.7 7.7

3 2.3

0.5 0 1

(5)

5

<手帳使用度の男女比>

[グラフ2]スケジュール管理のために手帳を使用している人の割合

(他のツールとの併用も含む、全回答者対象、複数回答 n=600)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

多くのスケジュール管理のツールが存在し、デジタルツールの存在感が高まる中、「手帳(31.2%)」

はスケジュール管理のツールとしてトップという結果になった。手帳に次いで、「パソコン

(16.7%)」「カレンダー(14.7%)」「携帯電話(13.3%)」という結果である。(グラフ1)「手帳」

の使用率は20代女性では他ツールとの併用も含めると70%に上り、手帳市場における若い女性の 占める割合は非常に大きいことが分かる。(グラフ2)

<重視する手帳のポイント>

[グラフ3]手帳を選ぶ際に重視するポイントは何ですか ?

(手帳<ノート型>もしくはシステム手帳使用対象者、単一回答)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

0 10 20 30 40 50 60 70 80

女性20代 女性30代 女性40代 女性50代 男性20代 男性30代 男性40代 男性50代

70.7 56

54.7 60 33.3

41.3 37.3

38.7

0 10 20 30 40 50 60 70

中身のレイ アウト

外見のデザ イン

サイズ メーカー 軽さ 巻末資料 アドレス帳

2008 61.7 15.8 10.4 2.5 2.1 0 0.4

2009 57.9 16.5 13.8 1.9 1.1 0.4 0

2010 48.4 18.4 17.3 2.2 4.7 0.5 0.3

(6)

6

<スケジュール管理以外の使用用途>

[グラフ4]スケジュール管理以外に手帳をどんな用途に活用していますか?

(手帳<ノート型>もしくはシステム手帳使用者対象、複数回答)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

手帳の購入時、重視するポイントとして「中身のレイアウト」を挙げる人は、年々減少はしてい るが、依然として最も重視されているポイントであることは間違いない。(グラフ3)手帳はス ケジュール管理としてのツールに留まらず、活用の幅は広がり書き込む内容も多様化し、情報量 も増大した。(グラフ4)

0 10 20 30 40 50 60 70

業務・

行動記

todoリ スト

自分以 外のス ジュー

友人や 知人の 連絡先

趣味の 記録

日記 マネー 管理

暗証番 号の管

健康管

人生や 夢や目

仕事の 目標

子供の 成長記

2009 31.4 37.5 23.8 23.8 23 16.5 7.3 9.6 5.7 6.1 2.7 2.7 2010 60.7 59.3 39 24.5 21.4 20.6 19 13.2 9.1 8.2 7.1 1.9

(7)

7 2 女性と手帳

手帳市場において、女性の占める割合は非常に大きい。更に女性は手帳を使用するのにあたって、

男性とは異なる多くの行動をする。女性にとって手帳とはどのような存在なのか、そのことを知 ることは、女性をより理解することにも繋がるのではないだろうか。

2−1 手帳に対する女性の反応•行動

<手帳グッズを上手に活用する女性>

[グラフ5]筆記用具以外で使用している手帳グッズを選んでください

(手帳<ノート型>もしくはシステム手帳使用者対象、複数回答 n=364)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

手帳グッズを活用して、手帳をより使いこなしている人が女性に多く見られる。特に「付箋(32%)」

「メモ帳(30.2%)」「クリアポケット(22.8%)」に人気がある。

0 10 20 30 40

付箋 メモ帳 クリアポケット ペンホルダー 特にない クリップ アドレス帳 手帳カバー インデックス カードポケット しおり シール(スケジュール管

下敷き シール(デコレーション

手帳をとめるバンド 写真ホルダー

男性 女性

(8)

8

<手帳を多機能ツールとして活用する女性>

[グラフ6]スケジュール管理以外に、手帳をどんな用途に活用しますか?

(手帳<ノート型>、もしくはシステム手帳使用者対象、複数回答 n=364)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

仕事において手帳を活用する割合は男女共に高い。しかし女性は男性と比べて多岐に渉って手帳 を活用している姿が見えてくる。「趣味の記録(29.9%)」「日記(28.0%)」「マネー管理(22.9%)」

「健康管理(13.6%)」などの割合は男女間で注目すべき差である。

0 10 20 30 40 50 60 70

務・

行動 記録

todo リス

(や るべ きこ と)

自分 以外 のス ジュ ール

友人 や知 人の 連絡

ネー 管理

友人 や家 族の 誕生 日・

記念

暗証 番号

日記 趣味 の記

(本 や映 画な ど)

人生 の夢 や目

仕事 の目

健康 管理

子供 の成 長記

その

男性 66 58.7 30 14 13.3 12.7 12 10 9.3 6.7 6.7 2.7 0 2.7 女性 57 59.8 45.3 31.8 22.9 46.3 14 28 29.9 9.3 7.5 13.6 3.3 4.2

(9)

9

<書きためて楽しむツール>

[グラフ7]デジタルツールではなく手帳をメインで使用する理由について教えてくだ さい(スケジュール管理のツールに手帳(ノート型)を使用していると答えた回答対象者、複数回答 n=138

(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

女性は男性に比べて「書きためることが楽しいから(30.3%)」「愛着がわくから

(37.1%)」と言う回答を選ぶ割合が多い。男性が「ビジネスの必需品だから(40.8%)」と手帳 をビジネスツールとして評価する中で、女性はより手帳と生活全般に渡って深く関わろうとする。

女性が手帳を「楽しむ」ツールとして考えていることは非常に興味深い。

0 10 20 30 40 50 60 70

自由に 書くこ とがで き、使 い方に 制限が ないか

外出先 などで も気軽 に使用 できる から

予定を 一覧し やすい から

ビジネ スの必 需品だ から

文字を 入力す るより 手書き にの方 が楽だ から

資料な ど他の ものを はさん でおけ るから

愛着が わくか ら(手 書きの 文字な ど)

電子 データ だと消 える可 能性が あり不 安だか

書きた めるこ とが楽 しいか

デザイ ンが豊 富だか

デジタ ルツー ルを使 い慣れ ていな いから

男性 63.3 55.1 49 40.8 40.8 22.4 22.4 18.4 10.2 10.2 10.2 女性 67.4 42.7 68.5 18 33.7 36 37.1 29.2 30.3 10.1 5.6

(10)

10

<記念日を大事にしたい女性>

[グラフ8]プライベートにおいて手帳を活用することでどんな効用がありましたか?

(プライベートにおいて手帳をうまく使いこなせていると答えた回答者対象、複数回答 n=229

(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

男女で差が見られたプライベートにおける手帳の活用。男性は「やるべきことが漏れなくなった」

が最も大きな割合を占める中、女性は「大切な日を忘れないようになった」が一位となった。特 に40代の男女においては、「大切な日」に対しての意識の差は大きく、男性が「大切な日」を効 用として挙げたのが26.7%に対して、女性は64.1%となった。

別な質問として「新しい手帳を入手して初めにすること」の回答は、「大切な日」に対しての男 女の意識の差を更に顕著にする。「誕生日などの記念日の記入」と回答した人が半数を占める中、

男女別の割合は男性が25.4%に対して、女性は74.6%という結果となった。

0 10 20 30 40 50 60

大切な日

(記念日 や誕生 日)を忘 れないよ うになっ

やるべき ことの漏 れがなく なった

ダブル ブッキン グがなく なった

プライ ベートの 充実度が 高まった

マネー管 理の役に 立った

趣味の楽 しみが広 がった

健康管理 に役立っ

夢(やり たいこ と)を実 現できた

資格取得 など、目 標の達成 につな がった

男性 39.4 47 31.8 24.2 10.6 19.6 3 3 3

女性 57.7 47.9 31.9 22.1 17.8 16 11 6.1 6.1

(11)

11

<手帳を使いこなす女性>

[グラフ9]仕事において手帳をうまく使いこなせていると思いますか?

(手帳<ノート型>もしくはシステム手帳使用対象者、単一回答 n=364)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

[グラフ10]プライベートにおいて手帳を上手く使いこなせていると思いますか?

(手帳<ノート型>もしくはシステム手帳使用対象者、単一回答 n=364)(単位%)

(出所)株式会社日本能率マネージメントセンター

「仕事において手帳をうまく使いこなしている」という意識は男女共に高く、男女間に目立った 差はない。(グラフ9)しかし「プライベートにおいて、手帳をうまく使いこなせている」とい

0% 20% 40% 60% 80% 100%

女性20代 女性30代 女性40代 女性50代 男性20代 男性30代 男性40代 男性50代

3.2 3.9 8.2 7.7 0

10.3 7.7 8.1

46.8 51

57.1 59.6 48.6

56.4 43.6

48.6

37.1 27.5

26.5 30.8 40

33.3 48.7 37.8

12.9 17.6

8.2 1.9 11.4

0 0 5.4

とてもうまく使いこなせている まあまうまく使いこなせている あまりうまく使いこなせていない まったく使いこなせていない

0% 20% 40% 60% 80% 100%

女性20代 女性30代 女性40代 女性50代 男性20代 男性30代 男性40代 男性50代

21 11.8 12.2 5.8 0

15.4 10.3 10.8

56.5 68.6 67.3 61.5 42.9

25.6 28.2

43.2

19.4 13.7 16.3 32.7 37.1

48.7 46.2

32.4

3.2 5.9

4.1 0 20

10.3 15.4

13.5

とてもうまく使いこなせている まあまあうまく使いこなせている あまりうまく使いこなせていない まったく使いこなせていない

(12)

12

う意識に関しては男女間で大きな差が見られた。女性の8割近くが「とてもうまく使いこなせて いる」または「まあまあうまく使いこなせている」と回答している中、男性はプライベートでの 手帳の活用に対して自信のなさが伺える結果となった。(グラフ10)

2‐2 女性特有の反応行動

・手帳をカスタマイズして楽しむ

・手帳に書きためて楽しむ

・手帳を多機能ツールとして活用する

・手帳を仕事、プライベートの両方で使いこなす

手帳市場において大きな割合を占める女性は、実に特有な反応・行動をする。女性は手帳を楽し んでいるのである。そして彼女たちは楽しみながら使いこなし、より生活の中で手帳と密接に関 わっている姿が見えてきた。

3 なぜ女性は手帳を楽しみ使いこなすのか

3‐1 男女の違い

女性にとって手帳は、手帳本来の役割であるスケジュール管理だけにとどまらず、より特殊で密 接な関係を築いている。それは男性と手帳との関係とは明らかに違うものであり、女性にとって 手帳はある種の人生のパートナーとして心を満たしサポートする存在となっている。

手帳に対しての男女の接し方の違いを理解する事は、根本的に違う男女がお互いを理解し合うの に非常に役立つのではないかと思う。日常生活の中で、男性と女性のすれ違いは非常に多い。お 互いの違いから生じる問題は数多く、誰しもが恋愛や結婚生活の中で壁に当たることがあるので はないだろうか。「なぜ男女はすれ違うのか」、「なぜ男女が手帳に対して異なる反応や行動をす るのか」を知るために、男女の「脳の構造の違い」への理解が重要であると考える。

3‐2 男女の脳の大きな違い

男女の脳の違いにおいて、最大の違いは「脳梁(のうりょう)」の大きさである。脳は右脳と左 脳があり、それらを繋ぐ役割をするのが脳梁である。その脳梁の大きさは女性の方が男性に比べ 2割ほど大きいと言われている。右脳と左脳は脳梁によって、互いに連絡を行いそれぞれの機能 を発揮する。脳梁の大きさの違いから、一般的に女性の方が「右脳左脳の交通の良さ」という点 で、脳医学的に高い機能を備えていると考えられている。

これから述べる話では、生活の中で出てくる男女の反応•行動の違い、そして手帳においての男 女の反応•行動の違いを関係づけながら進めていく。

(13)

13

3‐3 なぜ女性は手帳を多機能ツールとして活用するのか

女性は男性に比べて手帳を多様な用途に活用する。(グラフ6)こうした行動も男女の脳の違い から説明できる。話が大分遠くなるが、その理由は人間の歴史で一番長かった「狩猟生活」にあ る。人間の体とその機能は数年で変化し定着するものではない。気が遠くなるほどの年月の中で 進化・退化を繰り返し今の状態に至るのである。

狩猟時代、男性にとって最大の仕事は外に狩りに出て食料を得てくることであった。この「タス ク」は自分だけでなく家族など周りの人間の生死に関わってくる極めて重大なものであった。

一方女性は男性が外に出ている間、家を守り、子育てをして、食料が来るのを待ち、調理してな ど多くの「タスク」をこなすことが求められる生活を送っていた。

「狩猟生活」の中で男女の脳の働きは、それぞれの生活に適するように組み込まれていった。

長い「狩猟生活」を経て男性が「シングルタスク」に集中する行動をとることが定着し、一方女 性は同時に複数の作業をこなす「マルチタスク」の能力が発達した。「マルチタスク」の能力を 日々使いこなしてきた女性の「脳梁」は発達し、多くの「タスク」を同時に器用にこなせるよう になった。

男性の「シングルタスク」型、女性の「マルチタスク」型は、それぞれの手帳の使い方に非常に 影響している。男性は手帳を「ビジネスツール」として集中的に使いこなし、実際に仕事におい て手帳を使いこなしていると認識している。(グラフ9)女性はスケジュール管理だけでなく多 岐の用途に手帳を使いこなし、仕事においてもプライベートにおいても手帳を使いこなしている と自覚している。(グラフ 9,10)脳の違いから手帳の使いこなし方を考えると、手帳は男女で 同じ中身のレイアウトであれば、どちらかに使いにくさが生じ、不満が出るのではないかと予想 される。

3‐4 なぜ女性は手帳に書きためて「楽しむ」のか

ここでは男女の会話中の脳の使い方の違いを理解する必要がある。手帳は非常にプライベートな ものであり、手帳に書きためるという行為は言い換えると自己との対話である。

話すことを担う脳の言語中枢は左脳に存在する。しかし男性の多くが左脳のみを使って会話をす る中、女性の多くは左脳に加え、感情を司る右脳も使って会話をする傾向がある。男性が左脳を フル活用して理論的に物事を話す中、女性は右脳も活用し感情をプラスして会話をする。これに より男性にとって女性の会話は話が急に飛んでしまい、脈絡がないため理解に苦しみ、時に喧嘩 の原因に発展することもある。

女性が右脳と左脳を両方活用し会話をするという行為は、女性が手帳を書きためて「楽しむ」ツ ールとして活用できる理由が隠されている。女性は本当に言いたいこと、本当に自分自身が考え ていることを探し発見することに楽しみを見いだしているのである。

(14)

14

女性は言語中枢の存在する左脳のみでなく、右脳を使い感情を取り入れ感覚的に話す。だからこ そ思いついたことなどをその場で口にするのである。手帳に対しては、そのとき思ったことを書 きためているのである。女性は会話の相手にあれこれと話している中で、自分の考えに気づくの である。男性が話す前に黙り自己の中で理論的に言いたいことを整理して話すのとは異なる行動 をとる。

女性がイライラしたり悩んでいるときにおしゃべりをするのは、解決の糸口が見当たらないスト レスを、話す中で頭を整理することでストレス発散をしているのである。

女性にとって、好きなときに思いついたことを書きためることは自分自身が考えていることを探 し発見する楽しみと、解決の糸口を見つける大事なストレス発散でもある。男性と女性では、会 話中の脳の働きが異なる。この違いが男女においての手帳に対する行動の違いを生んでおり、女 性にとって手帳は「楽しむ」ツールとして、精神的にポジティブな働きをしてくれる存在となっ ている。

3‐5 まとめ

男女の「脳の構造の違い」は男女それぞれの生活に適するように、長い年月をかけて形成されて きた。時代が変わり、男女の生活様式は極めて似てきており、「脳の構造の違い」は男女それぞ れの能力を発揮するものとしてよりも、お互いの理解を難しくするものになった。手帳に対する 男女の反応•行動の違いは実によく本来の男女の能力を示している。「シングルタスク」型の男性 と「マルチタスク」型の女性、どちらの能力が秀でているのかという話ではなく、ただ異なるの である。お互いがそもそも「脳の構造」が違うと認識していれば、より多くのすれ違いを回避で きるはずだ。多くの女性がスケジュール管理をデジタルツールで行っていても尚手帳を併用する のには、「楽しく」、「リラックスをさせてくれる存在」として精神的なパートナーとなり、生活 の必需品になっているのではないだろうか。

(15)

15 4 まとめ

手帳とは実に奥の深い存在だと思う。スケジュール管理としてデジタルツールが勢いを見せ、よ り効率の良い方法を提案する中で、生産•出荷数を落とすことなく、さらに人々を魅了するアナ ログツールとして成長している。特に働くことが当たり前といわれる時代の中にいる女性たちは、

働きながらもやはり「マルチタスク」型の生き物なのである。生活の中であれもこれもしたい、

そう考える女性たちにとって手帳はスケジュールを管理するだけではなく、ライフスタイル全般 を管理するツールとして存在している。

手帳を選ぶポイントとして中身のレイアウトが何よりも重要であるからには、手帳はこれからも 選ばれるために、男女の手帳に対する反応•行動の違いを理解することは避けて通れないのであ る。手帳が男女ともに満足して使いこなせるツールになることは、多機能化するデジタルツール に勝ち続けるために重要になってくる。

女性にとってはより精神的なパートナーとなり、生活の必需品になれる中身のレイアウト、男性 にとっては仕事とプライベート両方で満足して使いこなせる「シングルタスク」型用の中身のレ イアウトに改善していくことで、手帳は今まで以上に人と密接に関わっていけるはずだ。

男女はそもそも「脳の構造が違う」のである。記念日を忘れられて喧嘩する恋人や、会話のすれ 違いで喧嘩をする夫婦は手帳について話してみるのはどうだろうか。お互いの手帳に対する反応

•行動を知ることで、男女の根本的な違いが見えてくるはずである。きっとそれは、相手を受け 入れることができなくても、受け止める手助けにはなるのではないだろうか。

(16)

16 あとがき

手帳市場の話から、女性のマーケットに着眼点を移し、「男女の脳の構造の違い」から日常にお いて、そして手帳に対する男女の反応•行動の違いを説明する。少々力技の様にも感じる本論文 だが、それも右脳左脳を活用して感覚的に文章を書いてしまっている女性である私の姿が現れて しまった。

しかしながら、本論文を通して少しでも読み手の力になれたらと思うのである。それは、手帳と いうツールを通して、男性と女性は対照的な特質を持っているという事実を実感して頂きたい。

根本的に「違う」のだと認識すれば、男女のコミュニケーションにおいて少しストレスも減るの ではないだろうか。現代の生活において男女の違いが狭まってこようとも、私は「女性は女性」

であって「男性は男性」なのだと考えている。それは女性は女性らしくしなさいといった、何か 可愛らしく淑やかなイメージからくるものなどではなく、より根本的な性の違いから生じる、互 いの能力に着目した考えである。

手帳はこれからも人々の生活にとけ込んで行くであろう。時間に追われる人が増えているからこ そ、自己管理の重要性を感じている人が多いのではないだろうか。手帳はスケジュールを管理す るためだけのものではない。手帳と上手に関わって行くことで得られるメリットは、まだまだ未 知の可能性を秘めていると思う。

最後に、本論文が私のように今年の手帳をまだ手にしていない方の、良い関係を築ける手帳選び の力になることができたら嬉しいかぎりである。

2011年1月14日

(17)

17 参考文献

Catherine VIDAL, Dorothee BENOIT-BROWAETS, 金子ゆき子 訳 『脳と性と能力』集英

社新書 2007

John Gray(原著)大島渚(翻訳) 『ベストパートナーになるために―男と女が知っておくべ

き「分かち愛」のルール 男性は火星から、女性は金星からやってきた』 知的生きかた文庫 2001

奥村康一 水野重理 高間大介 『だから、男と女はすれ違う―最新科学が解き明かす「性」

の謎』ダイヤモンド社 2009

【HP】

株式会社能率協会マネジメントセンター http://www.jmam.co.jp/

「あなたの手帳の流儀2009」調査

「あなたの手帳の流儀2010」調査

株式会社高橋書店

http://www.takahashishoten.co.jp/

「手帳に関する意識と実態調査2010」

Referensi

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