ルーテル学院だより
2
今から
500年前の1517年
10
月
31日、後に「
95か条」と呼ばれる提
題がドイツのヴィッテンベルク城教会の扉に貼り出されました。貼り出した人物はマルティン・ルター。彼は、教会が売り出していた死後の苦しみが減免されるという贖宥状(免罪符)に関して疑問を抱き、教会に神学的な討論を呼び掛けたのです。ところが、ルターの意図を遥かに超え、「
革の発端となったのです。 やがては世界中に影響を与える宗教改 の提題はヨーロッパ中に波紋を呼び、 95か条」
ことを自らの信仰の基盤としたのです。 け取ると書かれています。ルターはその 与えられた「信仰」をもってそれを受 て、私たちは「聖書」からそれを知り、 しろ救いは「神の恵み」にあるのであっ というようなことは書いていません。む 購入すれば死後の苦しみが減免される」 当時の教会が告げるように「贖宥状を たが、ルターがどれほど聖書を読んでも、 した。その拠りどころはいつも聖書でし れるか」という問いの答えを求めていま ルター自身も「どうすれば神様に救わ た。神の救いについて熱心に学び、また を送り、大学でも聖書を教えていまし ルターはこの時、修道士として生活
に生きることを声高々に告げたのです。 たが、聖書によって示された神の恵み は教会からも帝国からも追放されまし 前にしても怯みませんでした。ルター 私はこうするよりほかはない。」権威を り消しません。私はここに立っている。 かし、ルターは言うのです。「私は取 自説を取り消すよう求められます。し やがてルターは1521年帝国議会で や国との対立も激しくなっていきます。 ロッパ中に広まるにつれ、当時の教会 ところが、このルターの主張がヨー 革をもたらしたと言えるのです。 まらず人々が暮らす社会にも大きな変 く。ルターの改革は、教会内部にとど れ、互いに助け合う社会をつくってい 示される神の愛によって安心を与えら うにもしました。一人ひとりが聖書に のドイツ語に翻訳し、誰もが読めるよ しか書かれていなかった聖書を母国語 則作りであったりします。ラテン語で 困者の生活を市民全体で支えていく規 るように提言することであったり、貧 あらゆる子どもたちが教育を受けられ たちに目を向けていました。たとえば、 そして、ルターは常に社会に生きる人 聖書に根ざした生き方を貫いたのです。 るでしょう。彼は様々な苦難の中でも 揺るがない生き様を表していると言え という言葉は、まさに信仰者ルターの この時の「私はここに立っている」
ルターの名前と志しを受け継ぐ私た
ちルーテル学院は、宗教改革500年を迎えた今年、多くの催しを行ってきました。記念講演会では今日における宗教改革の意義などについて学びました。また、聖歌隊・ハンドベルクワイアのジョイントコンサートやルターとバッハオルガンコンサートでは、ルターが愛した音楽を通して、会衆と演奏者が共になって神の愛を分かち合いました。そして、年に一度多くの方たちを本学にお招きする「一日神学校」では、「宗教改革500年
ルターの
こころを現代に」をテーマとして、参加者はルターが目指したように、私たちもこの時代にあって互いに支え合って生きることを考えたのです。
願います。 人に奉仕する歩みを続けていきたいと 立っています。」と心を新たにし、隣 私たちもまた、「わたしたちもここに 宗教改革から501年目に向かう
特 集 宗教改革 500 年 ─ 私 た ち も こ こ に 立 つ ─
ルーテルとは?
Luther
)のことです。Martin
者、ルター( ドイツの宗教改革 うな人だったのでしょうか。 もあるマルティン・ルターとはどのよ この大学の由来でなぜルターではなくルーテル?
が今でも残っているのです。 てる」と読んだからです。この呼び方 を「路帖」と漢字で書き表し、「るう そ
Luther
れは、明治時代の人が、豆
知 識1
ルターと教育
ルターは「国民皆教育の提 唱」を行ないました。この ことは、それまで身分や職 業が固定化していた階層社 会に、教育によって、新し い地位や仕事を得られる可 能性を開きました。
豆
知 識3
ルーテル学院大学 は日本でいちばん 小さな大学 !?
1909 年 に 熊 本 に 路 帖 神 学 校を開設し、1964 年に神学 部神学科を設置してルーテ ル神学大学という名称で開 校 し ま し た。1976 年 に 社 会福祉コースを開設した当 時は、日本で一番小さな大 学と言われていました。
豆
知 識2
ルターがクリスマス ツリーの飾りつけを 始めた ??
ルターはツリーを室内に置き、
それにろうそくを置いて、飾 りつけ(デコレーション)の習 慣を始めたといわれています。
とをテーマに、高校生 “つながり”を考えるこ 「心」「社会」「世界」との 福祉・心理の視点から
18
名の参加者を得て、本学キャンパスで秋の高校生のための体験講座を
10月 きから“つながり”を体験しました。 上村准教授が通訳する形式で、音の響 するハープをフラナリー先生が実演し、 て、聖書の中に癒しの楽器として登場 ました。続いて、特別プログラムとし とを理解しておくことの大切さを考え 常に“つながり”の中で生きているこ した。講義では、援助者として、人は 参加者の緊張がほぐれま イスブレークで始まり、 居教授の“つながり”ア 9日に開催しました。石
オープンキャンパスを ている方のための 人・編入学を希望し 保護者の方や、社会 と少し趣向を変えて、 オープンキャンパス て行っている普段の 高校生を対象とし 11月
4日に開催
しました。
高校生向けのオープンキャンパスで
は大学の授業体験などをしていただいていますが、今回は、実習やインターンシップを通じた学生の成長を大学がどのように支援しているかを紹介しました。あわせて実習やインターンシップを経験した在学生の報告も聞いていただきました。本学では実習教育を社会で通用する力を身につける重要な学びととらえ、実習前から実習後まで継
オの レートの原材料となるカカ 考えました。日本はチョコ ちの“つながり”について ガーナの子どもたちと私た マに、カカオ農園で働く 界との“つながり”をテー チョコレートから見える世 午後の講義では、私が
た農園労働者が自ら生産者組合を作り 子どもの権利が守られていること、ま う仕組みを通して、カカオ農園で働く てフェアトレード(公正な貿易)とい とになります。このような課題に対し を受け、また学校に行く機会を失うこ 長時間労働により、心身の発達に影響 は児童労働が行われており、子どもは ていること、カカオ農園で ガーナという国から輸入し 70%を西アフリカの て討議しました。次回の体験講座は ついて両国の経済関係や解決策につい どもたちとのあるべき“つながり”に 後に、参加者一人ひとりがガーナの子 ことを理解することができました。最 “つながり”がある どもたちとの悲しい ナのカカオ農園の子 加した高校生はガー とを学びました。参 善に努力しているこ 地域の学校設備の改
3
月
21日(祝)に行います。
(参加者の感想)
・とても有意義な体験だった。
・対人援助を中心とした講座の中で、さまざまなつながりを考える機会となった。
・在学生からさまざまな話をきけて、大学生活に対するイメージが広がった。
・ディスカッション形式での授業が楽しかった。
秋の高校生のための体験講座を開催して
1月 27日㈯一般入試S日程 2月 社会人入試Ⅱ期 2日㈮一般入試A日程 2月 7日㈬一般入試B日程 2月 21日㈬一般入試後期日程 3月 3日㈯ 3月入試 社会人入試
Ⅲ期
Ⅰ期
12月 19日㈫~
1月 24日㈬
Ⅱ期
2月 5日㈪~
2月 14日㈬
Ⅲ期
2月 16日㈮~
2月 26日㈪
教授 原島
博
チャプレン 河田
優
詳細は入学試験要項をご覧ください。
〔入試に関するお問い合わせ〕」
入試事務局
☎0422‒
31‒4611 (代表)
〔大学案内等資料請求〕
企画広報センター
☎0422‒
32‒2949
続的な指導を行っています。同日開催していた学園祭で行っていた学生たちの実習報告も見学していただき、在学生がどのように実習を経験し学んできたかを見ていただきました。社会人入試希望の方からは「学生のしっかりとした考え方、姿勢に感銘を受けた」とのとコメントをいただきました。
心した」とのコメントをいただきました。 厚く対応されていることがわかり、安 「キャリア支援についても、少人数で手 支援でもあります。保護者の方には リア支援は自ら学び考える力を育てる リア支援についても説明しました。キャ りに対応した就職や進学に向けたキャ また、少人数だからできる一人ひと 受験生の保護者の皆様、社会人入学、
編入学を検討している皆様に、今回の企画が参考になりましたら幸いです。 保護者、社会人、編入生のためのオープンキャンパスを開催しました。
入試日程 センター試験利用 入試出願期間
(1483 ~ 1546)
1
ルーテル学院だより4月〜
6月
行事予定
4月 3日
入学式
4月 6日
新入生オリエンテーションフォーラム
4月 10日
授業開始
4月 11日
学長・校長・チャプレン就任式
4月 18日
親睦会
4月 22日
受験生対象オープンキャンパス
5月 9日
クヌーテン講演会
5月中旬
社会福祉実習開始
5月 26日
受験生対象オープンキャンパス
6月 6日
学生総会
6月 10日
受験生対象オープンキャンパス
6月 30日
保護者の皆さま対象オープンキャンパスホームカミングデー在学生保護者会 あったはずです。それが2011年
3月 11日に押し寄せてきた津波によっ
て、根こそぎ奪われていきました。かつてあった家を見ながら、また一緒に過ごした子どもや孫が通っていた幼稚園や学校を見ながら、呆然と立ち尽くしていたたくさんの方々を私は見てきました。その後ろ姿を、私は忘れることができません。
震災によって職員 て頂いている石巻市社会福祉協議会は、 ティアセンターのアドバイザーをさせ 続けています。私が計画策定やボラン しかし、今、たくさんの方々が支え
族を失った職員も 5名が亡くなり、家
員、ボランティア、町会等のコミュニ ディネーターの働き、民生委員児童委 して、社会福祉協議会や地域福祉コー れた(復興)住宅を訪問し続ける。そ うな日でも、仮設住宅や新たに建てら ような日もあります。しかし、そのよ が、風が強く、体温が奪われ、凍える 訪問する。私も何度も経験しています の雪が固まり、氷となる上を移動して すが、冬の寒さは非常に厳しい。道路 菜がおいしく、天候も穏やかな石巻で や援助につなげていきました。魚や野 り、相談を受けたり、必要なサービス いように皆が集まるサロンを開いた 設住宅を訪問し、その方々が孤立しな 家族を失った方々が住まわれている仮 ディネーターを雇用し、日々、家屋や また、社会福祉協議会は地域福祉コー テル教会や本学の卒業生が立ちました。 した。その窓口に、本学を創ったルー たくさんのボランティアを受け入れま ンターを立ち上げ、全国から来られる が、発災後すぐに災害ボランティアセ 15名おられました 「希望の働き」と共に歩みたい。 明日を目指して、被災地で生まれた 被災者の方々を今も支えている。私は、 ティを再建しようとする地道な歩みが、
しかし、すべての希望がかなえられ
るわけではありません。「希望はわたしたちを欺くことはありません」と聖書に書かれていますが、希望通りにいかないことは、たくさんあります。ふりかえって、私は、被災地の方々と歩む過程で、こう思いました。見通せない将来に向かって歩むこと、すなわち今の生き方によって過去の事実は変わりません。しかし、今の生き方によって、過去の意味が変わってくる。今の生き方を通して、過去の意味を変えていく可能性があることを。
平昌オリンピックで、日本は
13個の
メダルをとりました。羽生結弦さんは、フィギアスケートで世界の頂点に立ちました。彼は、王者になったのです。しかし、頂点を目指す選手は、日本だけでも数千人いたと言われています。世界の競技人口を加えると何万人もの方々がフィギュアスケート界の基礎を築いています。
では、勝者は
れには、新たな希望がある。 す。オリンピックを目指した人それぞ たのでしょうか。私は、違うと思いま 人が、フィギュアに対する希望を失っ 人は、敗者なのでしょうか。すべての 1人ですが、その他の 教職員は皆さんとともに歩みたい。 を祈ります。その事実を大切に私たち 心に、神様の豊かな愛が注がれること 希望は欺かない。そして、それぞれの 学生生活をスタートさせて頂きたい。 それぞれに希望と夢をもって、この
話をします。 さんに希望についてお ざいます。新入生の皆 ご入学おめでとうご
いるからです(ローマの信徒への手紙 よって、神の愛がわたしたちの心に注がれて ありません。わたしたちに与えられた聖霊に うことを。希望はわたしたちを欺くことは 耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むとい わたしたちは知っているのです。苦難は忍
5章 3
節から
5節)
。
ローマの信徒への手紙を書いたと言
われているパウロは、キリスト教の初期にあって、キリストの教えを述べ伝え、その基礎を築いた人物です。彼は、絶えず迫害にさらされ、命の危機に直面していました。また、現在のように、飛行機や車等の交通手段がない時代にあって、時には暑い日差しにさらされますが、遮る木々もなく、また急激に冷え込む気候の中で、パウロの移動は、過酷を極めました。さらに各地での伝道は、決して成功したとは言えないと思います。しかし、彼は、希望を捨てようとはしなかった。
現代においても、言葉を失うことに、
私たちはしばしば直面します。
私は、東日本大震災の発生後まもな
く、被災地を訪問して、その被害の大きさに言葉を失いました。今まであったはずの家がなく、土台が見えるだけ。そこには、大切な家族、友人、そして思い出の詰まったいくつものものが 学長挨拶
希 望 は 欺 か な い
学
長 市川一宏
大学院生
臨床心理学専攻修士課程 2 年 ルーテル学院大学卒
一柳 和生
学生会会長
臨床心理コース 4 年 岡山学芸館高等学校出身
古澤 侑馬
新入生へのメッセージ 「ルーテル学院大学へようこそ」
いと思います。 は大学や大学院それぞれの学生生活を楽しんで過ごしてほし て戸惑うことや疲れを感じることもあると思いますが、まず ご入学おめでとうございます。これから新しい生活が始まっ ルーテル学院大学の大学生、大学院生になられた皆さん、
動をしていくことだと思います。 うやって自分の目的に近づいていくかを考え、自分にできる行 そのため、これからの学びの中で重要になっていくことは、ど をしたいのか分からなくなってくることがあるかもしれません。 きる選択肢は増えますが、もしかするとこの学校で自分が何 の高いことです。決定が自由であることで、やりたいことがで 以外の活動の多くを自分で決めていきますが、これは自由度 の体験や学びの機会があると思います。大学では授業や授業 を追求することのできる場所にやってきました。これから多く さて、皆さんは大学生や大学院生となり自分の興味や関心 のになることを祈っています。 くさんの挑戦をして、皆さんの学生生活が楽しく充実したも と力になってくれます。これから多くの人と関わりながらた 張る姿を多くの先輩や同級生、先生方は見ていますし、きっ さらにルーテルは少人数の大学であるので、夢に向かって頑 かを考え、行動することは迷いを乗り越える力になります。 何か行動をしてみるのも良い手です。自分の目指すものが何 自分のやりたいことに迷ったときには考えるだけでなく、
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は本校
の学生自治組織である、学生会会長の古澤侑馬です。皆さんとルーテルで一緒に学べることをとても嬉しく思います。
生活の大部分もそうなってしまうかもしれません。 間に変わります。ですから大学生活が味気ないものになると これまでみなさんが過ごしていた時間の多くが大学で過ごす時 さて、ご入学された皆さんには新たな生活が待っています。 わってみてから楽しいと思える機会がたくさんあります。 始める前から楽しいことはそう多くありません。実際に加 がおっくうだと思う人も少なくないでしょう。しかし、やり る学生会執行部などがあります。これらの団体に加わること 愛祭(学園祭)実行委員、礼拝委員会、そして私の所属す 大めぐみさい 学にはさまざまなコミュニティがあります。サークル、
サークルや委員会の
ほかにもやりがいを感じられることが大学生活の中にはたくさん転がっています。何かとの、誰かとの関わりを持つことで素敵な機会に出会うことができます。大学での学びは学問だけではありません。自分自身の中にずっと生き続けるものを手に入れる人も少なくないでしょう。是非、いろいろなことに挑戦する中で皆さん自身が成長して、そして楽しんでください。ただ、無理だけはないようにしてくださいね。応援しています。
オープンキャンパスのご案内
5 月 26 日(土)
個別相談、在学生による相談は 14 時〜随時行っています。
オープンキャンパスのご予約・お問い合わせ 企画広報センター 0422-32-2949 までお気軽にお問い合わせください。 メールでのお問い合わせ [email protected]
4 月 22 日(日)
12:30 受付 13:00 大学紹介 13:30 キャンパスツアー 14:00 模擬講義
「地域の困りごと解消法:新たな地域福祉実践を 開発しよう」
15:00 模擬講義
「付き合い上手になるためのカウンセリング入門」
16:00 AO 入試深掘り説明会
12:30 受付 13:00 大学紹介 13:20 卒業生スピーチ 13:40 キャンパスツアー 14:00 模擬講義
「キリスト教と日本文化 茶道と雅楽」
15:00 模擬講義
「臨床心理学への招待」
16:00 入試説明会
NO. 134
2018.4.1
発 行発行人
ルーテル学院大学・
日本ルーテル神学校
〒181-0015 東京都三鷹市大沢 3-10-20 TEL:0422-31-4611 FAX:0422-33-6405 市川 一宏 http://www.luther.ac.jp/
ルーテル学院だより
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今から
500年前の1517年
10
月
31日、後に「
95か条」と呼ばれる提
題がドイツのヴィッテンベルク城教会の扉に貼り出されました。貼り出した人物はマルティン・ルター。彼は、教会が売り出していた死後の苦しみが減免されるという贖宥状(免罪符)に関して疑問を抱き、教会に神学的な討論を呼び掛けたのです。ところが、ルターの意図を遥かに超え、「
革の発端となったのです。 やがては世界中に影響を与える宗教改 の提題はヨーロッパ中に波紋を呼び、 95か条」
ことを自らの信仰の基盤としたのです。 け取ると書かれています。ルターはその 与えられた「信仰」をもってそれを受 て、私たちは「聖書」からそれを知り、 しろ救いは「神の恵み」にあるのであっ というようなことは書いていません。む 購入すれば死後の苦しみが減免される」 当時の教会が告げるように「贖宥状を たが、ルターがどれほど聖書を読んでも、 した。その拠りどころはいつも聖書でし れるか」という問いの答えを求めていま ルター自身も「どうすれば神様に救わ た。神の救いについて熱心に学び、また を送り、大学でも聖書を教えていまし ルターはこの時、修道士として生活
に生きることを声高々に告げたのです。 たが、聖書によって示された神の恵み は教会からも帝国からも追放されまし 前にしても怯みませんでした。ルター 私はこうするよりほかはない。」権威を り消しません。私はここに立っている。 かし、ルターは言うのです。「私は取 自説を取り消すよう求められます。し やがてルターは1521年帝国議会で や国との対立も激しくなっていきます。 ロッパ中に広まるにつれ、当時の教会 ところが、このルターの主張がヨー 革をもたらしたと言えるのです。 まらず人々が暮らす社会にも大きな変 く。ルターの改革は、教会内部にとど れ、互いに助け合う社会をつくってい 示される神の愛によって安心を与えら うにもしました。一人ひとりが聖書に のドイツ語に翻訳し、誰もが読めるよ しか書かれていなかった聖書を母国語 則作りであったりします。ラテン語で 困者の生活を市民全体で支えていく規 るように提言することであったり、貧 あらゆる子どもたちが教育を受けられ たちに目を向けていました。たとえば、 そして、ルターは常に社会に生きる人 聖書に根ざした生き方を貫いたのです。 るでしょう。彼は様々な苦難の中でも 揺るがない生き様を表していると言え という言葉は、まさに信仰者ルターの この時の「私はここに立っている」
ルターの名前と志しを受け継ぐ私た
ちルーテル学院は、宗教改革500年を迎えた今年、多くの催しを行ってきました。記念講演会では今日における宗教改革の意義などについて学びました。また、聖歌隊・ハンドベルクワイアのジョイントコンサートやルターとバッハオルガンコンサートでは、ルターが愛した音楽を通して、会衆と演奏者が共になって神の愛を分かち合いました。そして、年に一度多くの方たちを本学にお招きする「一日神学校」では、「宗教改革500年
ルターの
こころを現代に」をテーマとして、参加者はルターが目指したように、私たちもこの時代にあって互いに支え合って生きることを考えたのです。
願います。 人に奉仕する歩みを続けていきたいと 立っています。」と心を新たにし、隣 私たちもまた、「わたしたちもここに 宗教改革から501年目に向かう
特 集 宗教改革 500 年 ─ 私 た ち も こ こ に 立 つ ─
ルーテルとは?
Luther
)のことです。Martin
者、ルター( ドイツの宗教改革 うな人だったのでしょうか。 もあるマルティン・ルターとはどのよ この大学の由来でなぜルターではなくルーテル?
が今でも残っているのです。 てる」と読んだからです。この呼び方 を「路帖」と漢字で書き表し、「るう そ
Luther
れは、明治時代の人が、豆
知 識1
ルターと教育
ルターは「国民皆教育の提 唱」を行ないました。この ことは、それまで身分や職 業が固定化していた階層社 会に、教育によって、新し い地位や仕事を得られる可 能性を開きました。
豆
知 識3
ルーテル学院大学 は日本でいちばん 小さな大学 !?
1909 年 に 熊 本 に 路 帖 神 学 校を開設し、1964 年に神学 部神学科を設置してルーテ ル神学大学という名称で開 校 し ま し た。1976 年 に 社 会福祉コースを開設した当 時は、日本で一番小さな大 学と言われていました。
豆
知 識2
ルターがクリスマス ツリーの飾りつけを 始めた ??
ルターはツリーを室内に置き、
それにろうそくを置いて、飾 りつけ(デコレーション)の習 慣を始めたといわれています。
とをテーマに、高校生 “つながり”を考えるこ 「心」「社会」「世界」との 福祉・心理の視点から
18
名の参加者を得て、本学キャンパスで秋の高校生のための体験講座を
10月 きから“つながり”を体験しました。 上村准教授が通訳する形式で、音の響 するハープをフラナリー先生が実演し、 て、聖書の中に癒しの楽器として登場 ました。続いて、特別プログラムとし とを理解しておくことの大切さを考え 常に“つながり”の中で生きているこ した。講義では、援助者として、人は 参加者の緊張がほぐれま イスブレークで始まり、 居教授の“つながり”ア 9日に開催しました。石
オープンキャンパスを ている方のための 人・編入学を希望し 保護者の方や、社会 と少し趣向を変えて、 オープンキャンパス て行っている普段の 高校生を対象とし 11月
4日に開催
しました。
高校生向けのオープンキャンパスで
は大学の授業体験などをしていただいていますが、今回は、実習やインターンシップを通じた学生の成長を大学がどのように支援しているかを紹介しました。あわせて実習やインターンシップを経験した在学生の報告も聞いていただきました。本学では実習教育を社会で通用する力を身につける重要な学びととらえ、実習前から実習後まで継
オの レートの原材料となるカカ 考えました。日本はチョコ ちの“つながり”について ガーナの子どもたちと私た マに、カカオ農園で働く 界との“つながり”をテー チョコレートから見える世 午後の講義では、私が
た農園労働者が自ら生産者組合を作り 子どもの権利が守られていること、ま う仕組みを通して、カカオ農園で働く てフェアトレード(公正な貿易)とい とになります。このような課題に対し を受け、また学校に行く機会を失うこ 長時間労働により、心身の発達に影響 は児童労働が行われており、子どもは ていること、カカオ農園で ガーナという国から輸入し 70%を西アフリカの て討議しました。次回の体験講座は ついて両国の経済関係や解決策につい どもたちとのあるべき“つながり”に 後に、参加者一人ひとりがガーナの子 ことを理解することができました。最 “つながり”がある どもたちとの悲しい ナのカカオ農園の子 加した高校生はガー とを学びました。参 善に努力しているこ 地域の学校設備の改
3
月
21日(祝)に行います。
(参加者の感想)
・とても有意義な体験だった。
・対人援助を中心とした講座の中で、さまざまなつながりを考える機会となった。
・在学生からさまざまな話をきけて、大学生活に対するイメージが広がった。
・ディスカッション形式での授業が楽しかった。
秋の高校生のための体験講座を開催して
1月 27日㈯一般入試S日程 2月 社会人入試Ⅱ期 2日㈮一般入試A日程 2月 7日㈬一般入試B日程 2月 21日㈬一般入試後期日程 3月 3日㈯ 3月入試 社会人入試
Ⅲ期
Ⅰ期
12月 19日㈫~
1月 24日㈬
Ⅱ期
2月 5日㈪~
2月 14日㈬
Ⅲ期
2月 16日㈮~
2月 26日㈪
教授 原島
博
チャプレン 河田
優
詳細は入学試験要項をご覧ください。
〔入試に関するお問い合わせ〕」
入試事務局
☎0422‒
31‒4611 (代表)
〔大学案内等資料請求〕
企画広報センター
☎0422‒
32‒2949
続的な指導を行っています。同日開催していた学園祭で行っていた学生たちの実習報告も見学していただき、在学生がどのように実習を経験し学んできたかを見ていただきました。社会人入試希望の方からは「学生のしっかりとした考え方、姿勢に感銘を受けた」とのとコメントをいただきました。
心した」とのコメントをいただきました。 厚く対応されていることがわかり、安 「キャリア支援についても、少人数で手 支援でもあります。保護者の方には リア支援は自ら学び考える力を育てる リア支援についても説明しました。キャ りに対応した就職や進学に向けたキャ また、少人数だからできる一人ひと 受験生の保護者の皆様、社会人入学、
編入学を検討している皆様に、今回の企画が参考になりましたら幸いです。 保護者、社会人、編入生のためのオープンキャンパスを開催しました。
入試日程 センター試験利用 入試出願期間
(1483 ~ 1546)
1
ルーテル学院だより4月〜
6月
行事予定
4月 3日
入学式
4月 6日
新入生オリエンテーションフォーラム
4月 10日
授業開始
4月 11日
学長・校長・チャプレン就任式
4月 18日
親睦会
4月 22日
受験生対象オープンキャンパス
5月 9日
クヌーテン講演会
5月中旬
社会福祉実習開始
5月 26日
受験生対象オープンキャンパス
6月 6日
学生総会
6月 10日
受験生対象オープンキャンパス
6月 30日
保護者の皆さま対象オープンキャンパスホームカミングデー在学生保護者会 あったはずです。それが2011年
3月 11日に押し寄せてきた津波によっ
て、根こそぎ奪われていきました。かつてあった家を見ながら、また一緒に過ごした子どもや孫が通っていた幼稚園や学校を見ながら、呆然と立ち尽くしていたたくさんの方々を私は見てきました。その後ろ姿を、私は忘れることができません。
震災によって職員 て頂いている石巻市社会福祉協議会は、 ティアセンターのアドバイザーをさせ 続けています。私が計画策定やボラン しかし、今、たくさんの方々が支え
族を失った職員も 5名が亡くなり、家
員、ボランティア、町会等のコミュニ ディネーターの働き、民生委員児童委 して、社会福祉協議会や地域福祉コー れた(復興)住宅を訪問し続ける。そ うな日でも、仮設住宅や新たに建てら ような日もあります。しかし、そのよ が、風が強く、体温が奪われ、凍える 訪問する。私も何度も経験しています の雪が固まり、氷となる上を移動して すが、冬の寒さは非常に厳しい。道路 菜がおいしく、天候も穏やかな石巻で や援助につなげていきました。魚や野 り、相談を受けたり、必要なサービス いように皆が集まるサロンを開いた 設住宅を訪問し、その方々が孤立しな 家族を失った方々が住まわれている仮 ディネーターを雇用し、日々、家屋や また、社会福祉協議会は地域福祉コー テル教会や本学の卒業生が立ちました。 した。その窓口に、本学を創ったルー たくさんのボランティアを受け入れま ンターを立ち上げ、全国から来られる が、発災後すぐに災害ボランティアセ 15名おられました 「希望の働き」と共に歩みたい。 明日を目指して、被災地で生まれた 被災者の方々を今も支えている。私は、 ティを再建しようとする地道な歩みが、
しかし、すべての希望がかなえられ
るわけではありません。「希望はわたしたちを欺くことはありません」と聖書に書かれていますが、希望通りにいかないことは、たくさんあります。ふりかえって、私は、被災地の方々と歩む過程で、こう思いました。見通せない将来に向かって歩むこと、すなわち今の生き方によって過去の事実は変わりません。しかし、今の生き方によって、過去の意味が変わってくる。今の生き方を通して、過去の意味を変えていく可能性があることを。
平昌オリンピックで、日本は
13個の
メダルをとりました。羽生結弦さんは、フィギアスケートで世界の頂点に立ちました。彼は、王者になったのです。しかし、頂点を目指す選手は、日本だけでも数千人いたと言われています。世界の競技人口を加えると何万人もの方々がフィギュアスケート界の基礎を築いています。
では、勝者は
れには、新たな希望がある。 す。オリンピックを目指した人それぞ たのでしょうか。私は、違うと思いま 人が、フィギュアに対する希望を失っ 人は、敗者なのでしょうか。すべての 1人ですが、その他の 教職員は皆さんとともに歩みたい。 を祈ります。その事実を大切に私たち 心に、神様の豊かな愛が注がれること 希望は欺かない。そして、それぞれの 学生生活をスタートさせて頂きたい。 それぞれに希望と夢をもって、この
話をします。 さんに希望についてお ざいます。新入生の皆 ご入学おめでとうご
いるからです(ローマの信徒への手紙 よって、神の愛がわたしたちの心に注がれて ありません。わたしたちに与えられた聖霊に うことを。希望はわたしたちを欺くことは 耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むとい わたしたちは知っているのです。苦難は忍
5章 3
節から
5節)
。
ローマの信徒への手紙を書いたと言
われているパウロは、キリスト教の初期にあって、キリストの教えを述べ伝え、その基礎を築いた人物です。彼は、絶えず迫害にさらされ、命の危機に直面していました。また、現在のように、飛行機や車等の交通手段がない時代にあって、時には暑い日差しにさらされますが、遮る木々もなく、また急激に冷え込む気候の中で、パウロの移動は、過酷を極めました。さらに各地での伝道は、決して成功したとは言えないと思います。しかし、彼は、希望を捨てようとはしなかった。
現代においても、言葉を失うことに、
私たちはしばしば直面します。
私は、東日本大震災の発生後まもな
く、被災地を訪問して、その被害の大きさに言葉を失いました。今まであったはずの家がなく、土台が見えるだけ。そこには、大切な家族、友人、そして思い出の詰まったいくつものものが 学長挨拶
希 望 は 欺 か な い
学
長 市川一宏
大学院生
臨床心理学専攻修士課程 2 年 ルーテル学院大学卒
一柳 和生
学生会会長
臨床心理コース 4 年 岡山学芸館高等学校出身
古澤 侑馬
新入生へのメッセージ 「ルーテル学院大学へようこそ」
いと思います。 は大学や大学院それぞれの学生生活を楽しんで過ごしてほし て戸惑うことや疲れを感じることもあると思いますが、まず ご入学おめでとうございます。これから新しい生活が始まっ ルーテル学院大学の大学生、大学院生になられた皆さん、
動をしていくことだと思います。 うやって自分の目的に近づいていくかを考え、自分にできる行 そのため、これからの学びの中で重要になっていくことは、ど をしたいのか分からなくなってくることがあるかもしれません。 きる選択肢は増えますが、もしかするとこの学校で自分が何 の高いことです。決定が自由であることで、やりたいことがで 以外の活動の多くを自分で決めていきますが、これは自由度 の体験や学びの機会があると思います。大学では授業や授業 を追求することのできる場所にやってきました。これから多く さて、皆さんは大学生や大学院生となり自分の興味や関心 のになることを祈っています。 くさんの挑戦をして、皆さんの学生生活が楽しく充実したも と力になってくれます。これから多くの人と関わりながらた 張る姿を多くの先輩や同級生、先生方は見ていますし、きっ さらにルーテルは少人数の大学であるので、夢に向かって頑 かを考え、行動することは迷いを乗り越える力になります。 何か行動をしてみるのも良い手です。自分の目指すものが何 自分のやりたいことに迷ったときには考えるだけでなく、
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は本校
の学生自治組織である、学生会会長の古澤侑馬です。皆さんとルーテルで一緒に学べることをとても嬉しく思います。
生活の大部分もそうなってしまうかもしれません。 間に変わります。ですから大学生活が味気ないものになると これまでみなさんが過ごしていた時間の多くが大学で過ごす時 さて、ご入学された皆さんには新たな生活が待っています。 わってみてから楽しいと思える機会がたくさんあります。 始める前から楽しいことはそう多くありません。実際に加 がおっくうだと思う人も少なくないでしょう。しかし、やり る学生会執行部などがあります。これらの団体に加わること 愛祭(学園祭)実行委員、礼拝委員会、そして私の所属す 大めぐみさい 学にはさまざまなコミュニティがあります。サークル、
サークルや委員会の
ほかにもやりがいを感じられることが大学生活の中にはたくさん転がっています。何かとの、誰かとの関わりを持つことで素敵な機会に出会うことができます。大学での学びは学問だけではありません。自分自身の中にずっと生き続けるものを手に入れる人も少なくないでしょう。是非、いろいろなことに挑戦する中で皆さん自身が成長して、そして楽しんでください。ただ、無理だけはないようにしてくださいね。応援しています。
オープンキャンパスのご案内
5 月 26 日(土)
個別相談、在学生による相談は 14 時〜随時行っています。
オープンキャンパスのご予約・お問い合わせ 企画広報センター 0422-32-2949 までお気軽にお問い合わせください。 メールでのお問い合わせ [email protected]
4 月 22 日(日)
12:30 受付 13:00 大学紹介 13:30 キャンパスツアー 14:00 模擬講義
「地域の困りごと解消法:新たな地域福祉実践を 開発しよう」
15:00 模擬講義
「付き合い上手になるためのカウンセリング入門」
16:00 AO 入試深掘り説明会
12:30 受付 13:00 大学紹介 13:20 卒業生スピーチ 13:40 キャンパスツアー 14:00 模擬講義
「キリスト教と日本文化 茶道と雅楽」
15:00 模擬講義
「臨床心理学への招待」
16:00 入試説明会
NO. 134
2018.4.1
発 行発行人
ルーテル学院大学・
日本ルーテル神学校
〒181-0015 東京都三鷹市大沢 3-10-20 TEL:0422-31-4611 FAX:0422-33-6405 市川 一宏 http://www.luther.ac.jp/
ルーテル学院だより
2
2018年度入学者に対しては、 学前スクーリング」を実施しています。 移行をサポートすることを目的に「入 学後の学習、大学生活へのスムーズな の維持や入 ベーション 対するモチ に、勉学に 方々を対象 の合格者の 試等の早期 試や推薦入 て、AO入 の一環とし 高大接続 本学では、 11
月・
12月・
2月の計 3回に渡って実施
しました。毎回事前に出された小論文の課題に取り組んでもらい、スクーリングで解説を行った上で、提出された課題を添削し、本人に返却します。スクーリングでは、小論文を書くにあたっての基本的な事柄(形式など)を説明しながら、課題文の主旨をきちんと理解した上で、どのように自らの考えを論理的にまとめるかを中心に説明します。こうした技術は、大学で課されるレポートを書く上では必須のことですので、しっかりと身に付けて欲しいところです。
1回
目のスクーリングは「愛 めぐみ祭 さい」(学園祭)の開催中であり、参加者には一足早く大学生活の雰囲気を味わってもらい、
2回目は、オープンキャン
パスの日程に合わせたため、参加者はスクーリングと併せて模擬講義も受講しました。また、
3回目は、スクーリ
ングの後に「合格者の集い」を開きました。「合格者の集い」には、合格者に加えて保護者の方々にもご参加頂き(計
79名)
、教職員による本学各部署の
私は、今年
3月末日をもってルーテ
ル学院大学を退職します。定年より
3
年早いですが、第一に健康の回復のため、第二には深海魚類の研究、それから秋田の里山の環境保全と文化継承のNPO活動のために十分な時間を確保するためです。
が東海大学海洋学部 ルーテルとの縁は1971年、私
2年生の時、ルー
テルの上野輝弥教授から魚類分類学の指導を受けたことから始まります。卒業論文も上野研究室で、その後の水産庁海洋調査航海での採集標本もルーテ 説明、図書館や学生相談室の紹介の後、在学生の協力のもと、合格者の皆さん同士の交流の機会を持ちました。この集いを通して、合格者の皆さんが本学をより身近に感じ、
4月からの新生活
に向けての第一歩となれば幸いです。
入学前スクーリング参加者の感想
(一部抜粋)・
講義を通じて文章の校正の仕方を学びました。・はじめは小論文の書き方も分からなかったのですが、講義を通し理解できるようになりました。・課題があることにより、旬のニュースに関心を持てるようになりました。・これからどういったことを学べば良いか参考になりました。・入学後のレポートの書き方の参考になりました。・課題ひとつひとつが深く考えさせられるテーマでした。・社会に対して視野を広げることができました。・課題の文章を通じて、自分の考えやその課題に対しての自分の気持ちを文章に示すことができました。・学びの楽しさを知ることができました。入学前スクーリング
専任講師 浅野 貴博
ルの施設をお借りして研究しました。
1986
年
学大学神学部の専任講師となって 4月に日本ルーテル神
32年
です。当初の担当科目は生物学概論、海洋生物学、コンピュータ特講でした。三浦半島海浜キャンプ実習やMacを囲んで学生とPCの将来を語り合った特講など良い思い出です。その後、生命・生態・進化、海と森の生物、自然科学の視点、コンピューター入門、情報言語コミュニケーション、コミュニケーションの演習、コミュニケーションの理論、総合人間学と担当科目が増えていきました。授業を通して多くの学生と出会い、自然のこと、宗教のこと、環境問題や人間の進化のこと、さらに将来の夢などをいろいろ語り合いました。たくさんの卒業生や在学生の顔が浮かびます。これまでの楽しかったルーテル体験に感謝し、退任の挨拶とします。
2018年
2月
21日から
3月 福祉心理領域の かけてフィリピン研修を実施しました。 4日に 1、
2年次
ウエの先住民族の 部イフガオ州ラガ ラム、そして、北 域統合訓練プログ 寄宿舎学校での地 視覚障がい児童の 訓練プログラム、 スによる非行少年の生活スキルと職業 イルド・アンド・ファミリー・サービ 協同組合活動、バギオ市におけるチャ グループによる所得向上を目的とする 権利を促進する村の若者の活動、母親 ス島ブエナビスタ町における子どもの テーマに体験学習をしました。ギマラ が貧困、子ども、家族、地域、文化を 5名の学生
第
51回ルーテル学院大学、第
16回
ルーテル学院大学大学院、第
89回日本
ルーテル神学校の卒業式が
3月 9日に
本学チャペルにて執り行われました。
賛美の中、卒業生が入場し石居校長
による説教「最も小さい者の一人に」、祈りに続き、卒業証書・学位記授与が行われました。卒業生ひとり一人が名前を呼ばれ、聖壇に進み、学部生・大学院生は金子学長代行より、神学校生は石居校長よりお祝いの言葉とともに証書が授与されました。今回は人間福祉心理学科の
1期生 69
名を含む学部生
75名、
大学院生
15名、神学
校生
4名の計 94名が
卒業されました。
2月
24日(
土)、日本福音ルーテル東京教会を会場に、ルーテル学院大学・日本ルーテル神学校聖歌隊とハンドベルクワイア「ラウス・アンジェリカ」のジョイントコンサートが行われました。昨年は宗教改革500年、ジョイコン
20回を記念するコンサートでしたが、
本年度はその歩みを受け継ぎ、新たな一歩を踏み出したコンサートでした。
ました。特に ながり」をたくさん感じる一年となり 2017年度は私たちにとって「つ 今回のテーマは「つながり」です。
われ、宗派を超えたつながり、また共 ルーテル教団の宗教改革合同礼拝が行 大学にて日本福音ルーテル教会と日本 11月には、国際基督教
藤井英一先生 退任のご挨拶
ました。また ヒー、砂糖生産支援活動などを視察し 活動、地域教会による先住民族のコー コミュニティにおける伝統文化の継承について振り返ることできました。 家族や地域のあり方、そして自分自身 地元の若者との交流を通じて、日本の 3日間のホームステイや 以下、参加者
5名のひとこと感想です。
⃝
私が一番印象に残ったのは農村と都市の格差についてです。バランガイでホームステイを経験した後にマニラに行くと本当に同じ国なのかと思ってしまった。更に経済的格差の他にバリアフリーとは何かを考えました。(なった ていた価値観を大きく変えることと ちの話を聞いたことで自分が持っ いるか、また様々な状況にある人た
⃝
いかに自分たちの生活が物に頼って 1年吉野) 12日間でした。(
1年川端)
⃝
行く前も現地でも常に不安でしたが、帰ってくる時には、この研修で見た ものを無駄にしないようにこれから頑張らなければいけない、という前向きな気持ちになっていました。参加してよかったです。(1年久田)
⃝
フィリピン研修で学んだことは、何事も先入観で捉えてはいけないということでした。貧困地域を訪れた時、人々の沢山の笑顔と勇気をもらいました。この経験を、これからの学校生活に生かしていきたいです。(した。( 考えることができま 日本の福祉について ことを知り、改めて 度や支援体制がある で、日本とは違う制 からお話しを聞く中 や地域の施設の方々 せて頂きました。また、村の小学校 では味わうことができない経験をさ
⃝
ホームステイ先での生活は普段日本 2年大野)2年川崎)
フ ィ リ ピ ン 研修 を 実施 し て
教授 原島 博
に演奏をしたルーテル諸学校とのつながりを持つことができました。
員・部員は合わせて 今年度卒業する隊
「つながり」続けているのです。 せん。そして、その思いがある限り 演奏した思い出は忘れることはありま も、ジョイントコンサートで共に歌い 8名です。卒業して
第
21 回 ジョイントコンサート報告
子ども支援コース
4年
前田 霞(聖歌隊)(都立石神井高等学校出身)
第
51回ルーテル学院卒業式
学生支援センター長 村上 秀紀
最終講義(2018.2.18)
村の保育所で折り紙指導
コミュニティ・リーダーの若者たちと交流
1
ルーテル学院だより6月〜
9月行事予定
6月 6日(水)
学生総会 6月 10日(日)
受験生のためのオープンキャンパス
6月 30日(土)
保護者会オープンキャンパス(保護者・編入学・社会人対象)ホームカミングデー
7月 11日(水)
夏祭り 7月 14日(土)
受験生のためのオープンキャンパス
7月 24日(火)
・
25日(水)
高校生のための体験講座
7月 28日(土)
通常授業終了 7月 30日(月)
~
8月 4日(土)
前期試験期間
8月 5日(日)
受験生のためのオープンキャンパス
8月 25日(土)
受験生のためのオープンキャンパス
オープンキャンパスのご案内 高校生のための体験講座
6 月 10 日(日)
13:00 〜 16:30
6 月 30 日(土)
13:00 〜 14:30
保護者・編入学・社会人対象7 月 14 日(土)
13:00 〜 16:30
8 月 5 日(日)13:00 〜 16:30
8 月 25 日(土)13:00 〜 16:30
7 月 24 日(火)・25 日(水)
2 日間のプログラム 10:00 〜 16:00
9 月 17 日(月・祝)10:00 〜 16:00
予約不要 要予約
プログラムの詳細は、本学ホームページ、
スマートフォンサイト、DM はがきでご確認ください。
<オープンキャンパスについてのお問い合わせ先>
TEL 0422-32-2949(企画広報センター) メール [email protected]
地域福祉開発コース主任
山口麻衣教 授
(専門分野
社会学、社会福祉実践調査) 高齢者福祉、老年
ご紹介します。 今回は、「地域開発総論」について
Q
地域開発総論では、何を学ぶことができますか。
A
地域開発総論では、誰もが地域でその人らしく安心して暮らすことができる多文化共生の地域社会づくりと生活基盤を開発する力を養うことを目指しています。地域福祉開発コースの4年生にとっては集大成の授業となっ
ていますが、希望する他のコースの学生も一緒に学んでいます。地域課題や地域福祉の従事者間の多様な連携、ネットワークなどを総合的・多面的に理解できるようになることが目標です。
Q
どのような形式で学ぶのですか。
A
オムニバス方式で、地域福祉、地域人材育成、国際開発、地域開発方法の
るのかなどを体系的に学びます。 難を伴う課題は何か、どう対処してい な課題にどう取り組んでいるのか、困 事例、地域事例をもとに、地域の様々 4つのテーマごとに、具体的な実践
Q
オムニバス方式とはどのような方法ですか。
A
オムニバス方式とは、関連したテーマで複数の教員がそれぞれの専門 性に沿って教える方法です。市川一宏先生は地域福祉論の観点から、生活困窮者自立支援、社会的養護、地域包括支援システム、介護保険の総合事業をテーマに教えてくださいます。金子和夫先生は、地域人材育成論の観点から、社会福祉士、民生委員・児童委員、公務員などの地域福祉に関わる人材について教えてくださいます。原島博先生は、国際開発論の観点から、人間開発(HD)と持続可能な開発目標(
S D G s )
、地域開発と参加型開発、国際協力の役割と仕組み(国連・政府・NGO・市民社会)、国際協力と地域開発実践などについて教えてくださいます。私は、地域開発方法論の観点から、地域ニーズの把握方法や地域で暮らす人を支える多様な人々の間での連携を促す手法などについて教えます。
Q
ゼミはどのように展開されますか。
A
少人数のゼミなので、講義だけではなく、互いに議論する、自分なりに考えて発言するなどの学び合いが中心となります。例えば、私が担当する「地域におけるプログラム開発法」では、自分の考えた地域課題を解決するプログラム案を具体的に考え、だれを対象に、どのような方法でプログラムを実施するのか、アウトカムやインパクトは何かをまとめて、互いに発表しあいます。最初は、自分でプログラムを開発するといわれてもアイデアが浮かばなかった学生が他の学生の意見や 関心事を聞くことにより、だんだんと地域でこんなプログラムがあればいいと思いつくようになり、とてもユニークな発想のプログラムが提案されることもあります。
Q
地域開発総論のゼミの魅力はなんですか。
A
地域福祉の
るでしょう。 な意味合いや、課題に気づくこともあ なってから、本ゼミでの学びの本質的 業後、様々な福祉現場で働くように めることが期待されます。さらに、卒 もとに応用することにより、学びを深 を地域支援技法による体験的な理解を ので、地域開発総論での体系的な学び 民が学ぶ授業を学生が一緒に受講する 地域福祉ファシリテーターをめざす市 という三鷹市・小金井市・武蔵野市の は座学が中心ですが、「地域支援技法」 ことが最大の魅力です。地域開発総論 という熱い思いで授業を展開している までにこれだけは知っておいてほしい 4人の先生が、卒業 4年生という最終学年で
地域福祉に関心のある学生がともに学び、語りあうことも本ゼミの大きな魅力です。本学が
でまだ り始まった科目 5コース制とな
ですね。 してもらいたい 課題はなにか話 招いて、現場の ピーカーとして 先輩をゲストス のゼミで学んだ すが、将来はこ 2年目で
ルーテルでは、年度の初めに「キ
リスト教月間」という期間を設けています。キリスト教月間とは、キリスト教の礼拝に来たことがない、慣れていない学生たちに礼拝がどのようなものであるか、知ってもらい感じてもらう、いうなれば神様と新入生のアイスブレークです。また、普段、教会の礼拝に通っている学生にとっても、礼拝がどのようなものか再確認する機会となります。
はじめの第一週は「お祈りってな
んだろう」、「御言葉ってなんだろう」、「聖餐ってなんだろう」ということをテーマに三回に分けて、礼拝
「 地 域 開 発 総 論 」 ゼミ探訪
について知ってもらうための礼拝でした。その次の週はキリスト教分野から上村敏文先生、一般教養からジャン・プレゲンズ先生、福祉分野から原島博先生、髙山由美子先生、臨床心理分野から谷井淳一先生と各分野の先生方にメッセージを頂きました。その次の週はテゼ共同体の祈り、フィンランドの楽器であるカンテレによる礼拝、神学生礼拝、EVENING PRAYER
がもたれました。必ず神様がいることを知ることがで ること、そしてどの礼拝の中心にも 様々な視点から神様の御言葉を聞け ト教月間では様々な礼拝の形があり、 同じものではないでしょう。キリス いる礼拝のイメージの形は皆違い、 方がいますが、その方たちの持って チャンの方、ルター派以外の宗派の ルーテルの学生にはノンクリス られているその恵みに感謝です。 ような素晴らしい場が与えられ、守キリスト教人間学コース 様の御言葉が語られる場です。この います。様々な学生の口を通して神 る礼拝では学生もメッセージをして きました。普段、大学で行われてい
4年
新井 航(都立農芸高等学校出身)
キリスト教月間 に ついて
2017 年度 社会福祉士
国家試験合格率
(都内私立大学第 3 位)76.5 パーセント
第 30 回社会福祉士国家試験の結果が発表され、本学の社会福祉士現役合 格率は 76.5%(全国平均合格率 30.2%)でした。現役の受験者数 10 名以上 の都内私立大学の中で合格率第 3 位です。
NO. 135
2018.6.15
発 行発行人
ルーテル学院大学・
日本ルーテル神学校
〒181-0015 東京都三鷹市大沢 3-10-20 TEL:0422-31-4611 FAX:0422-33-6405 市川 一宏 http://www.luther.ac.jp/