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審 査 結 果 の 要 旨

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Academic year: 2025

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学位授与年度 平成30年度 第 15

審 査 結 果 の 要 旨

審査委員会

審査員主査

光 田 恵

博士後期課程

専 攻 長

徳 納 一 成

審 査 員

堀 内 将 人

審 査 員

山 中 俊 夫

審 査 員

棚 橋 秀 行

審 査 員

棚 村 壽 三

論文題目: 「車室内の臭気成分を対象とした嗅覚測定法の検討と容認性評価」

申 請 者 :

大黒 さゆり

(課程博士・論文博士)

審査要旨

自動車の室内空気環境について、国内外で新車の揮発性有機化合物の濃度低減に対する取り 組みが進んでいる。しかし、室内空気汚染質としては、揮発性有機化合物だけでなく、一酸化 炭素、粉塵、臭気なども存在する。特に車室内における臭気に関しては、カーエアコン、飲食 物、たばこ、ペット等、臭気発生源が多様であり、臭気特性の把握すら困難な状況にある。そ のため、車室内の臭気に関する知見はほとんど得られていないのが現状である。このような背 景を十分に勘案し、本論文において申請者は、車室内の臭気について、におい嗅ぎGC-MSに よって検出された臭気成分約20種類の嗅覚閾値、臭気強度、快・不快度、におい質の嗅覚特 性を解明し、実際の車室内臭気において主要なものと推定される臭気成分を特定し、その臭気 成分を用いて車室内における臭気制御の目標値となる臭気基準値を提案している。

本論文は全6章で構成されている。

先ず、第 1 章では、本研究の背景と目的を示すとともに、生活環境中の不快臭に関する既往 の研究を調査し、本研究で用いる測定・評価手法、被験者スクリーニングの方法を整理し、本 研究の目的と内容、位置づけを明確にしている。

第 2 章では、嗅覚閾値の測定方法に関して、公定法である三点比較式臭袋法と測定時間、費 用の軽減を利点とする簡易嗅覚測定法の測定結果を比較、検討し、車室内で検出された主要な

(2)

申請者〔 大黒 さゆり 〕

19 種類の臭気成分の嗅覚閾値を測定している。その結果、車室内臭気成分の嗅覚閾値測定に 対して簡易嗅覚測定法が使用できる可能性を示し、車室内の主要な臭気成分の嗅覚閾値は、総 じて低く、悪臭防止法において特定悪臭物質に指定されている臭気成分より低いものもあり、

特に、フェニル酢酸の嗅覚閾値が 0.0024ppt で最も低いことを明らかにしている。

第 3 章では、第 2 章で測定した臭気成分を含む 21 種類と実際の車室内の臭気試料 3 種類に 対し、SD 法を用いた官能評価を行い、評価結果について比較、検討を行っている。各臭気試 料と臭気成分のにおい質評価からパターン類似率を求め、相関関係を検討し、実際の車室内の 臭気試料 3 種類は、共通してフェニル酢酸とノナン酸との類似度が高いことを明らかにしてい る。

第 4 章では、実際の車室内の臭気試料と類似度の高い臭気成分と特定されたフェニル酢酸、

ノナン酸を対象として、臭気特性を把握し、臭気制御の目標値である臭気基準値を求めるため、

138 人を対象に官能評価を行っている。におい質評価において、因子分析結果から「快・不快 性」「重厚感」「刺激性」の 3 つの因子が抽出され、両成分ともに、成分濃度の上昇に伴い不 快性、重厚感、刺激性が上昇することを示している。また、両成分について日本建築学会の臭 気規準である非容認率(「受け入れられない」とする割合)20%の臭気指数を求め、フェニル 酢酸では 17、ノナン酸では 21 であることを明らかにしている。これらの値は、日本建築学会 が臭気基準値として示している生ごみ臭では臭気指数8、たばこ臭では7、トイレ臭では7と 比較して高い値であることを明示している。

さらに、第 5 章では、第 4 章の被験者を若年齢層と中高年齢層のグループに分け、年齢によ る臭気特性の差異を検討している。嗅覚閾値は、両臭気成分ともに若年齢層の方が低く、臭気 強度と快・不快度は、若年齢層の方が強く、不快側に評価する傾向にあることを示している。

また、臭気成分別の比較では、年齢層に関係なく、ノナン酸よりもフェニル酢酸の方が臭気強 度を高く、不快側に評価する傾向にあることを示している。臭気基準値である非容認率 20%

の臭気指数は、両臭気成分ともに中高年齢層の方が高いが、臭気強度で求めると、年齢に関わ らず同等の値となり、いずれも認知閾値である臭気強度 2 以下であることを明示している。

最後に、第 6 章では、本研究で得られた結果と成果を総括し、さらに今後の課題について記 している。

本論文は、車室内から検出された主要な臭気成分に対し、①嗅覚閾値の測定方法を検討し、

車室内における 19 種類の臭気成分の嗅覚閾値を明らかにし、②実際の車室内臭気と類似して いる臭気成分を特定し、③類似していると特定されたフェニル酢酸とノナン酸の感覚的な臭気 特性を解明し、④臭気制御の目標値である臭気基準値を示しており、車室内の空気環境制御に おいて貴重な知見を提示している。本研究成果は、におい・かおり環境学会誌に掲載されてお り、またJournal of the Human-Environment Systemへの掲載も決定し、高い評価を受けて いる。

以上より、申請者 大黒さゆりは博士(工学)の学位を受けるのに十分な資格を有すると判 断する。

申請者〔 大黒 さゆり 〕

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