二 〇 一 五 年 度 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験
解 説
︿ 現 代 文
﹀
論
佐 々 木 敦
﹃ 未 知 と の 遭 遇 ﹄
昨年 のテ ーマ
、内 容と もに 読み 取り づら かっ た文 章に 比べ ると
、テ ーマ が現 代的 であ り、
﹁ネ ット
﹂﹁ リテ ラシ ー﹂
﹁歴 史﹂
﹁啓 蒙﹂ など
、内 容が って いる 点を 読み 落と さな けれ ば、 読み 取り はそ れほ ど難 しく ない
。た だ全 体で みる と、 三行 の選 択肢 の設 問が 三問 出題 され
、選 択肢 の字 数が め、 解答 に手 間取 った 受験 生が 多か った ので はな いだ ろう か。 は、 問
の漢 字が やや 難。 問
と問
は 選択 肢の 吟味 が必 要。 問
は全 体を 踏ま えた 要約 的理 解が 求め られ る問 題。 問
は前 年の
﹁表 現と 構成 う問 題﹂
︵小 問二 問構 成︶ では なく
、八 つの 選択 肢が 用意 され た中 で、
﹁適 当で ない もの
﹂を 二つ 選ぶ 問題 で、 選択 肢と 本文 との 照合 に時 間が か 問題
基礎 部
~ に相 当す る漢 字を 含む もの を、 それ ぞれ 選べ
。 が
、﹁ 訓﹂ の漢 字を
﹁音
﹂で 解答 する 問題
。意 味を 理解 して いな いと 解け ない 点で
、日 頃か ら漢 字に 関し て多 角的 な勉 強を 積み 重ね てお くこ まし い。 消去 法で も解 けな くは ない が、 この レベ ルの 漢字 に関 して はす べて 自力 で書 ける 力を つけ てお いて ほし い。 れる
心1
酔
2
睡魔
無3
粋
自4
炊
◎5
懸垂 概
該1
博
2
弾劾
形3
骸
感4
慨
◎5
概要 沢
循1
環
◎2
湿潤
殉3
教者
巡4
回
純5
度 的
丹1
精
2
枯淡
大3
胆
◎4
発端
探5
究
奏で
捜1
査
2
双眼 鏡
一3
掃
◎4
奏上
操5
業 正解
5
5
2
4
4
ઃ
અ
આ
ઇ
問傍線 部の 理由 説明 問題 標準 傍線 部
A
﹁﹃ 教え て君
﹄よ りも
﹃教 えて あげ る君
﹄の 方が
、場 合に よっ ては 問題 だと 思い ます
﹂と ある が、 それ はな ぜか
。そ の理 由の 説明 とし て 最も 適当 なも のを 選べ
。 まず 気が つく のは
、 原因
だか ら 傍線 部
A
…… 結果 とい
う、 わか りや すい 図式 にな って いる こと だろ う。 そこ で傍 線部
A
の 理由 説明 とし ては、ま ず傍 線部 の手 前に 求め てい くこ とに なる
。 傍線 部
A
の直 前に ある よう に、 ネッ ト上 での﹁教 えて 君﹂ は、 実は 質問 の答 えを 本当 は﹁ 知っ てい て、 その 上で つぶ やい た﹂ かも しれ ない ので あり
、 その 点で
、傍 線部
A
﹁﹃教 えて 君﹄ より も﹃ 教え てあ げる 君﹄ の方 が、 場合 によ って は問 題だ と思 いま す﹂ とい う結 果に 至っ てい る。 つま り、 他者 に 対し て啓 蒙的 な態 度を 取っ てい る﹁ 教え てあ げる 君﹂ のほ うが
、実 は﹁ 教え て君
﹂よ りも 程度 が低 いの では ない か?
と筆 者は 見抜 いて いる わけ だ。 では
、﹁ 教え て君
﹂の ほう がマ シか とい うと
、そ うで はな い。 一見 啓蒙 的な 態度 を取 って いる
﹁教 えて あげ る君
﹂は 本当 の意 味で 知識 や情 報を 持っ てい るわ けで はな く、 また 同様 に﹁ 教え て君
﹂も 新し いこ とを 知る ため に質 問し てい るわ けで はな く、 両者 が一 緒に なっ て、 さら に﹁ 啓蒙 のベ クト ル が、 どん どん 落ち てい く﹂ 事態 を筆 者は
﹁ナ ンセ ンス
﹂と 評し てい る。 こう した 点を とら えた うえ で選 択肢 を見 ると
、正 解は と3
わか る。 残り の選 択肢 を見 ると
、 は1
、﹁ 無責 任な 回答
﹂と
﹁態 度の 安直 さを 許容
﹂が 本文 に書 かれ てい ない 内容 で、 また
、﹁
﹃教 えて 君﹄ の知 的レ ベル を著 しく 低下 させ る弊 害を も
たら す﹂ も×
。両 者と もに 知的 レベ ルが 下が って いく こと が問 題な のだ
。 は2
、﹁ 知識 を押 しつ ける ばか り﹂ が本 文に 書か れて いな い。 また
、﹁ いた ずら に困 惑さ せ﹂ 以下 の内 容も
×。 教え る行 為の 意味
・無 意味 とい うも のが ここ で問 題に なっ てい るわ けで はな い。 の4
説明 だと
、﹁ 教え てあ げる 君﹂ の義 務感 が空 回り して
、結 局﹁ 自分 自身 の知 的レ ベル
﹂も
﹁社 会全 体の 知的 レベ ル﹂ も向 上し ない
、と いう こと にな るが
、そ もそ も筆 者は ネッ ト上 での こう した
﹁教 えて あげ る君
﹂の よう な啓 蒙的 な態 度な んか では 知的 レベ ルは 向上 しな いと 思っ てい る。 これ は、 後の 問い にな るが
、問
の に1
もあ るよ うに
﹁教 えて 君﹂
﹁教 えて あげ る君
﹂の
﹁君
﹂付 けの 呼称 には
﹁軽 いか らか いの 気持 ち﹂ が入 って いる のだ か ら、 この 選択 肢の 内容 は根 本的 に× にな る。 は5
、﹁ 自己 満足 を目 的と して 教え てい る﹂ が本 文に ナシ で×
。ま た、
﹁﹃ 教え て君
﹄の 知的 レベ ルを 向上 させ るこ とに は関 心が ない
﹂わ けで はな く、
﹁教 えて あげ る君
﹂は 自分 なり に啓 蒙的 な態 度を 取っ て教 える 側に 回っ てい るは ずな ので
×。 正解
3
ઈ
傍線 部の 理由 説明 問題 基礎 傍線 部
B
﹁メ ロデ ィを 書こ うと する 音楽 家に とっ ては
、こ れは なか なか 厳し い問 題か もし れま せん
﹂と ある が、 それ はな ぜか
。そ の説 明と して 最 も適 当な もの を選 べ。
﹁メ ロデ ィ﹂ につ いて は第 段 落以 降に 書か れて いる ので そこ から 読ん でい くが
、傍 線部 の解 答の 根拠 は第 段 落中 にあ る。 傍線 部中 に﹁ これ は﹂ と指 示語 があ るの で、 その 指示 語の 指し 示す もの をま ず捉 える
。
●傍 線部 中、 ある いは 傍線 部の 直前 に指 示語 があ る場 合、 まず は指 示語 問題 とし て解 く。 新し
いメ ロデ ィが
~そ れだ け過 去に 素晴 らし いメ ロデ ィが 数多 く紡 ぎ出 され たと いう こと そ →
れ︵ は別 に悪 いこ とで はな い︶
→ 傍線 部
B
﹁メ ロデ ィを
~こ れは なか なか 厳し い問 題か もし れま せん
﹂
﹁こ れ﹂ の指 し示 すも のが
、二 文前 の内 容を 指示 して いる こと をつ かむ こと が大 切。
﹁こ れ﹂ は、
﹁新 しい メロ ディ が、 なか なか 出て こな いと いう こ とは
、そ れだ け過 去に 素晴 らし いメ ロデ ィが 数多 く紡 ぎ出 され たと いう こと
﹂の 箇所 を指 して いる
。ま ず、 選択 肢中 にそ の要 素が ある かを 確認 する と、 と1
は4
、﹁ 過去 のメ ロデ ィ﹂ につ いて の説 明が ない ため
×。 次に
、﹁ 厳し い問 題﹂ の理 由を もう 少し 正確 に探 すと
、も う一 文前 に、
﹁誰 かが ふと 思い つい たメ ロデ ィが 過去 に前 例が ある とい うこ とは
~あ る意 味 で不 可避 だと 言っ ても いい
﹂と あり
、現 代の 音楽 家が 完全 にオ リジ ナル な新 しい 音楽 を作 り出 すこ とが
﹁厳 しい 問題
﹂で ある 理由 を挙 げて いる
。こ の 二つ の要 素を 完全 に満 たし てい る選 択肢 は2
。 は3
、﹁ 社会 的な 認知 を得 てい くた めに
、た えず 新し い曲 を発 表し なけ れば なら ず﹂ が本 文に 書か れて いな いの で×
。 は5
、﹁ 過去 に作 られ たメ ロデ ィと の違 いを 確認 する 必要 が出 てく る﹂ 以下 の内 容が 本文 に書 かれ てい ない ので
×。 正解
2
ઉ
問傍線 部の 内容 説明 問題 標準 傍線 部
C
﹁﹃ 歴史
﹄の 崩壊
﹂と ある が、 それ はど うい うこ とか
。そ の説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ
。 まず
、傍 線部
C
に おけ る﹁ 歴史﹂と はど うい うも のか をと らえ る。 第 段落 以降 を読 むと
、か つて の﹁ 歴史
﹂と いう もの は、
﹁ど こか に起 点を 設定 して
、そ こか ら現 在に 連な って いく
、あ るい は現 在か らd 行し て いっ て、 はじ まり に至 る﹂ とい う時 間的 な経 緯と いう もの を重 視し てい た。 しか し、 ネッ ト以 後は
﹁歴 史﹂ を﹁ 一個 の﹃ 塊= マッ ス﹄
﹂と して 丸ご と 捉え る考 え方 がメ イン にな った と書 かれ てい る。 また
、第
段落 には
、﹁ ネッ ト以 後、 そう いっ た﹃ 歴史
﹄を 圧縮 した り編 集し たり する こと が、 昔よ りも ずっ とや り易 くな りま した
﹂と あり
、続 け て﹁ 時間 軸を 抜き にし て~ 丸ご と捉 える こと が可 能に なっ た﹂ と書 かれ てい る。 つま り、 従来 の時 間的 な経 緯を 重視 して いた
﹁歴 史﹂ から
、ネ ット 以後 は﹁ 歴史
﹂全 体を
﹁塊
﹂で 捉え るよ うに なっ たこ とを
、傍 線部
C
﹁﹃歴 史﹄
の崩 壊﹂ だと 筆者 は考 えて いる こと がわ かる
。そ うし た説 明に なっ てい るの は4
。 は1
、﹁ 過去 の出 来事 と現 在の 出来 事と の類 似性 を探 し出 す﹂ が×
。﹁ 両者 の本 質的 な﹂ 以降 の説 明も
×。 本文 の内 容に 反し てい る。 は2
、ネ ット 以後 に﹁ 累積 され た過 去に 内在 する 多様 性を 尊重 する こと が要 求さ れる よう にな った
﹂と ある が、 これ だと
﹁歴 史﹂ を﹁ 塊﹂ で捉 え ると いう 内容 とは 正反 対の 捉え 方に なっ てい るの で×
。 は3
、﹁ 過去 の出 来事 を重 要度 の違 いに よっ て分 類す るこ と﹂ が×
。﹁ 重要 であ るか 否か
﹂以 降も
×。 本文 には ネッ ト以 後の 歴史 の捉 え方 が﹁ 重要 度の 違い によ って 分類 する こと
﹂に なっ たと いう 記述 はな い。 は5
、後 半の
﹁時 間的 な前 後関 係や 因果 関係 を超 えて 結び つく 過去 と現 在と のつ なが りを 歴史 と捉 える 理解 の仕 方﹂ が×
。こ の説 明は 従来 の﹁ 歴 史﹂ の捉 え方 とは 全く ちが うも のな ので
、そ れが
﹁通 用し なく なっ た﹂ とい う説 明は 成り 立た ない
。 正解
4
ઊ
筆者 の考 えを 問う 問題 基礎 この 文章 全体 を踏 まえ
、﹁ 啓蒙
﹂と いう 行為 に対 する 筆者 の考 えを まと めた もの とし て最 も適 当な もの を選 べ。
﹁啓 蒙﹂ につ いて 筆者 の考 えと して
、も っと もは っき り書 かれ てい る箇 所は 第 段落 であ る。 11 本文 を抜 き出 しな がら 筆者 の考 えを まと める と、
﹁最 低限 のリ テラ シー を形 成す るた めの 啓蒙 の必 要性
﹂は
、﹁ ここ まで くる と、 啓蒙 も必 要な のか も しれ ない
﹂、
﹁け れど も、 やは り僕 自身 は、 でき れば 啓蒙 は他 の人 に任 せて おき たい ので す﹂
。﹁ 僕は それ とは 異な る次 元に ある
、未 知な るも のへ の好 奇 心/ 関心
/興 味を 刺激 する こと の方 をや はり した い﹂ とな る。 こう した 説明 をう まく まと めて いる 選択 肢は
。2
は1
、後 半の
﹁そ のた め﹂ 以降 が×
。筆 者は あく まで
﹁啓 蒙﹂ に関 して は、 他の 人に 任せ てお きた いと 述べ てい る。 は3
、﹁ あえ て他 者を 啓蒙 する 場に とど まり 続け たい
﹂が
×。 筆者 の主 張の 逆。 は4
、﹁ 啓蒙 とい う行 為に 積極 的に 関わ るこ とで 人々 の倫 理意 識を 高め たい
﹂が
×。 これ も筆 者の 主張 の逆
。 は5
、﹁ あえ て啓 蒙の 意義 を否 定し
﹂以 下が
×。 筆者 は、
﹁啓 蒙﹂ の必 要性 は認 めて いる
。
三行 にわ たる 選択 肢が 並ぶ 設問 であ り、 文章 全体 を踏 まえ て﹁ 啓蒙
﹂と いう 行為 に対 する 筆者 の考 えを まと めた もの の真 偽を 判定 して いく 問題 なの で、 正解 を選 んだ うえ で、 残り の選 択肢 の間 違い を必 ず確 認す るこ とも 大切 だ。 正解
2
ઋ
問本文 の表 現に 関す る説 明問 題︵ 不適 当な もの を選 ぶ︶ 応用 この 文章 の表 現に 関す る説 明と して 適当 でな いも のを 二つ 選べ
。 まず
、﹁ 適当 でな いも の﹂ を選 ぶと いう 設問 であ るこ とに 注意 しよ う。 消去 法で 考え て、
×が つい た選 択肢 が正 解に なる
。各 選択 肢が
﹁第
○段 落の
……
﹂に つい ての 説明 にな って いる ので
、一 つ一 つ本 文と 対照 させ なが ら正 否を 判定 して いこ う。
1
﹁教 えて 君﹂ と﹁ 教え てあ げる 君﹂ の﹁ 君﹂ 付け は、
﹁軽 いか らか いの 気持 ち﹂ を示 して いる かど うか だが
、﹁ 教え て君
﹂と
﹁教 えて あげ る君
﹂ は、 第 段落 で﹁ 啓蒙 のベ クト ルが
、ど んど ん落 ちて いく こと
﹂の 例え とし て出 され てい るも のな ので
、こ こで の﹁ 君﹂ 付け は、
﹁軽 いか らか いの 気 持ち
﹂を 含ん でい るも のと 見て よい
。問
の 選択 肢4
のと ころ でも 考察 した ので
、参 考に して ほし い。 は2
、判 断に 迷う
。筆 者は 丁寧 の助 動詞
﹁ま す﹂ を第 段 落で は最 初か ら文 末に 持っ てき てい る。 選択 肢に ある よう に、 第 段落 の後 半以 降、
﹁ま す﹂ が出 てこ なく なっ てい るの は事 実だ が、 それ が﹁ 内容 その もの の説 明に 重点 が移 って いる から
﹂と 言え るか どう かは 判断 しづ らい
。﹁ ます
﹂の 付 いて いな いの は﹁ しか しそ の一 方で
﹂以 降の 文末 で、 内容 的に 筆者 の主 張し たい 方向 であ るの は確 かな ので
、こ れを
﹁間 違い
﹂と する のは 難し く、 ど ちら かと いえ ば、
﹁正 しい
﹂と 判断 した いと ころ だ。 そこ で、 ひと まず 保留 して 次の 選択 肢へ と向 かお う。
3
第 段落 の末 尾を 見る と、
﹁そ のこ と﹂ とい う指 示表 現を 挟む こと によ って
、﹁ なぜ かよ く似 てし まう
﹂と いう 筆者 の主 張を 際立 たせ てい る。 単純 に下 に続 けて いく より も、 あえ て一 呼吸 置い て読 点を 打ち
、さ らに
﹁そ のこ と﹂ と指 示語 で指 し示 すこ とで
、重 要度 が高 い内 容で ある こと を表 そ うと して いる 表現 であ る。 しか し、 選択 肢で は、
﹁次 の段 落へ の接 続を より 滑ら かに する 働き をし てい る﹂ とな って おり
、こ れは まっ たく 逆の 説明 に なっ てい るの で×
。こ れが 一つ 目の 正解
。 に4
おけ る第 段 落中 の﹁
~な い﹂ とい う打 消し 表現 の箇 所を 見て みる と、
﹁~ 事実 を認 める しか ない
﹂﹁
~め げる 必要 はな い﹂
﹁~ とい うこ とで は ない
﹂﹁
~自 体は 罪で はな い﹂ など であ るが
、こ れが 果た して 選択 肢の 説明 のよ うに
﹁肯 定の 立場 から 否定 の立 場に 転じ て論 じて いる から
﹂と 言え る かど うか を確 認す る。 第 段落 後半 の内 容は
、メ ロデ ィを 書こ うと する 音楽 家が 突き 当た る問 題に つい ての 考察 にな って いる
。そ こで は、 自分 の作 っ
たメ ロデ ィが 過去 の何 かに 似て しま った とし ても
、め げる 必要 もな い代 わり に、 一方
、知 らな かっ たん だか ら何 が悪 いと いう もの でも なく
、知 らな い より 知っ てい た方 がい いと 論じ られ てい る。 した がっ て、 特に 肯定 の立 場か ら否 定の 立場 に転 じて 論じ てい るわ けで はな いの で×
。こ れが 二つ 目の 正 解。 この 時点 で正 解の 二つ が見 つか った ので
、保 留に して おい た2
は内 容的 に正 しい と判 断す る。 そし て、 残り の選 択肢 が正 しい こと を確 認し てい く。 ただ しこ れ以 降で
、も し確 実に
×が 付く 選択 肢が 見つ かっ た場 合は
、も う一 度検 討し なお すこ とを 忘れ ない よう にし よう
。 は5
、少 し迷 う。 第 段落 第 文の
﹁し かし
﹂と
、第 文 の﹁ しか し﹂ とい う接 続詞 が、 どち らも 第 文に 対し て逆 接関 係に なっ てい るか どう か が問 題。 よく 読む と、 第 文の
﹁し かし
﹂の 中の
﹁そ れら
﹂が
、第 文 の﹁ 目の 前に 立ち はだ かっ てく るも の、 ある いは 視線 の向 こう 側に 見え てく る もの
﹂を 指し 示し てお り、 同様 に、 第 文の
﹁し かし
﹂の 中の
﹁そ れ﹂ も同 じも のを 指し てい る。 つま り、 第
文も 第
文も
、第
文 中の 同じ もの を 指し 示し て逆 接的 な内 容を 述べ てい るこ とに なる ので
、正 しい 説明 と言 える
。﹁ 指示 語﹂ をつ かん で解 答す ると いう のは
、現 代文 読解 の基 本な ので
、 この 選択 肢を 間違 いと 捉え てし まっ た人 は、
﹁指 示語
﹂を 見落 とさ ず読 解す る訓 練を して ほし い。
6
第 段落 第 文の
﹁歴 史﹂ は、
﹁わ れわ れ~ 考え る﹂ とい う文 脈の 中に ある ので
、一 般常 識的 な﹁ 歴史
﹂、 つま り﹁ 従来 の捉 え方 によ る歴 史﹂ のこ とで あり
、カ ギカ ッコ を付 けた 理由 は、 その
﹁歴 史﹂ を際 立た せる ため と考 えら れる ため
、正 しい
。問
に も絡 む内 容な ので
、素 早く 正し いと 判 断で きて ほし い。
7
第 段落 の第 文 の﹁ これ はあ る意 味で は﹂ が指 し示 す具 体的 な内 容は
、本 文中 には 見つ から ない ため
、説 明通 り﹁ 婉曲 な言 い回 し﹂ であ る 10 と判 断で きる ので
、正 しい
。
8
問
で見 たよ うに
、﹁ けれ ども
、や はり 僕自 身は
、で きれ ば啓 蒙は 他の 人に 任せ てお きた いの です
﹂と 筆者 は考 えて いる
。し たが って
、第 段11 落第 文 のよ うに
﹁な さっ て﹂ とい う尊 敬表 現を 使う こと は、 自ら は啓 蒙を せず 他の 人に 任せ たい と思 って いる から であ り、 その 人た ちと は距 離を 置 く意 識を はっ きり と示 して いる と考 えら れる ので
、正 しい
。 正解
・
・3
︵4
順不 同︶
10
11
第 問 小 説
小 池 昌 代
﹁ 石 を 愛 で る 人 ﹂
﹇総 括﹈ この 三年
、大 正か ら昭 和初 期に かけ ての 近代 小説 から の出 題が 続い てい たが
、四 年ぶ りに 現代 作家 であ る小 池昌 代の 小説
﹁石 を愛 でる 人﹂ の全 文が 出題 され た。 本文 の量 は昨 年よ りも 短く なっ てい るが
、選 択肢 は全 体に やや 長く なっ てい る。 前書 きに
﹁小 説﹂ とあ るが
、内 容的 には 詩人 であ る筆 者の 個人 体 験を もと にし た﹁ 随想
︵エ ッセ イ︶
﹂に 近い もの であ る。 登場 人物 が少 なく 場面 転換 もさ ほど 多く ない ので
、そ うし た点 で読 解に 苦労 する こと はな いが
、
﹁山 形さ ん﹂ と﹁ 石﹂ に対 する
﹁わ たし
﹂の 想い を丁 寧に 読み 取る 必要 があ る。 設問 別で は、 問
の語 句の 意味 の問 題は 例年 に比 べる とや や易
。問
が やや 難。 選択 肢を 吟味 する 必要 があ る。 問
は二 つと も正 解す るの が難 しい 問題
。 昨年 に比 べる とや や難 では ある が、 セン ター 過去 問中 では
、例 年並 みの レベ ル。
﹇解 説﹈ 問
語句 の意 味の 問題
基礎
基礎
基礎 傍線 部
~ の本 文中 にお ける 意味 とし て最 も適 当な もの を、 それ ぞれ 選べ
。
﹁本 文中 にお ける 意味
﹂を 問う 問題 では ある が、 あく まで
﹁辞 書的 な意 味を 優先 して 解く
﹂と いう のは 例年 通り の鉄 則パ ター ン。 今年 の問 題に 限ら ず、 こう した 慣用 表現 には 日ご ろか らい ろい ろな 媒体 を通 して 慣れ 親し んで おき
、語 彙力 を増 強し てほ しい
。下 手に 文脈 に戻 して 判断 する と間 違え る 可能 性の ある 問題 が出 題さ れて いる
。 の
﹁透 明な
﹂は
、﹁ 透き 通っ てに ごり のな いこ と﹂ なの で、 ここ では
﹁3
まじ り気 のな い﹂ が正 解。 の
﹁と くと くと
﹂は
、﹁ 得得 と﹂ と書 き、
﹁得 意そ うな さま
、自 慢げ なさ ま﹂ の意 味で
、5
﹁い かに も得 意そ うに
﹂が 正解
。 の
﹁追 い討 ちを かけ て﹂ の﹁ 追い 討ち
﹂は
、﹁ 弱っ てい ると ころ に重 ねて 打撃 を与 え、 さら に厳 しい 状態 に追 いや る﹂ の意 味で
、選 択肢 では
3
﹁し つこ く働 きか けて
﹂が 正解
。 正解
3
5
3
12
13
14
傍線 部の 内容 説明 問題 基礎 傍線 部
A
﹁言 葉を 持た ない 石の よう な冷ひや
やか さが
、そ の冷 たい あた たか さが
、と りわ け身 にし みる
﹂と ある が、 それ はど うい うこ とか
。そ の説 明 とし て最 も適 当な もの を選 べ。 傍線 部
A
の直 前に﹁だ から
﹂と ある ので
、直 前の 原因 を押 さえ る。 する と、
﹁人 間関 係の 疲労 とは
、行 き交 う言 葉を めぐ る疲 労で ある
﹂と 書か れて いる とこ ろか ら、
﹁石 のよ うな 冷や かさ
﹂が
、筆 者に とっ て﹁ 冷た いあ たた かさ
﹂と 感じ られ
、﹁ とり わけ 身に しみ る﹂ 理由 は、 人間 関係 の煩 わし さに 疲れ た筆 者に とっ て、 言葉 を持 たな い石 との 関係 が、 かえ って 安ら ぎを 与え てく れる もの だと わか る。 言葉 を持 たな い石 が、 言葉 を持 つ人 間と の対 比に おい て、 逆説 的に 筆者 にと って
﹁冷 たい あた たか さ﹂ と感 じら れ、
﹁身 にし みる
﹂よ うに 感じ られ る最 大の 理由 は、 言葉 を持 つ人 間関 係の 煩わ しさ に疲 れて いた から であ り、 その 点を 押さ えれ ば正 解で きる
。 選択 肢を 見る と、 そう した 説明 にな って いる のは の2
みで あり
、他 の選 択肢 はそ うし た点 に触 れて いな いの で×
。 一応
、残 りの 選択 肢も 見て おこ う。 は1
、﹁ 物言 わぬ 石が もた らす 緊張 感﹂ が×
。﹁ 人と して の自 信を 取り 戻さ せて くれ る﹂ も×
。 は3
、﹁ 物言 わぬ 石の 持つ きび しい 拒絶 感﹂ が×
。﹁ 周囲 の人 との 心の 通い 合い の大 切さ がか えっ て切 実に 思え てく る﹂ が×
。こ れだ とま るで 逆の 説明 にな って いる
。 は4
、﹁ 現実 の生 活で は時 に噓 をつ き自 分を 偽る
﹂が 本文 に書 かれ てい ない 内容 で×
。 は5
、﹁ 距離 を置 いて 見つ め直 して みる
﹂が 本文 に書 かれ てい ない 内容 で×
。 正解
2
15
人物 像の 問題 基礎 わた しの 山形 さん への 見方 は、 この 文章 全体 を通 して みる と変 わっ てい くが
、 行目 から
行目 まで に描 かれ た山 形さ んの 人物 像は どの よう なも 29
57 のか
。そ の説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ
。
行目 から
行目 まで に描 かれ た山 形さ んの 人物 像と 選択 肢の 要素 とを 照合 して いく ので
、解 き方 とし ては 消去 法を 使う のが よい
。 29
57
1
の﹁ 繊細 な内 面に 図々 しく 入り 込ん でく る﹂ は、 本文 では
・ 行目 に﹁ ずう ずう しさ があ った
﹂と 書い てあ るも のの
、そ の﹁ ずう ずう しさ
﹂ 53 54 は山 形さ んの 言い 方に つい ての 感想 であ り、 筆者 の﹁ 繊細 な内 面﹂ に入 り込 んで くる
﹁ず うず うし さ﹂ では ない ので
、×
。い わゆ るひ っか けだ
。 は2
、﹁ 楽し さを 説い て自 信を 持た せよ うと する 度量 の大 きさ
﹂と ある が、 本文 では
行目 にあ るよ うに
﹁自 信を 持っ て決 めつ ける
﹂は 山形 さん で 49 あり
、﹁ わた し﹂ に自 信を 持た せよ うと して いる わけ では ない ので
×。 これ もひ っか けだ
。1
と同 様、 本文 にあ る言 葉を 用い て作 られ てい る選 択肢 だ から と言 って
、安 易に 飛び つか ない よう にし たい
。 の3
﹁無 表情 なま まに 慰め てく れる
﹂は 本文 の
・ 行目 の﹁ 石の よう に表 情の ない 顔で
、の んび りと なぐ さめ てく れた
﹂に 対応 して おり
、﹁ 不思 46 47 議な 優し さ﹂ や﹁ 揺る ぎな い態 度で わた しの 心情 や行 動を 決め てか かる 強引 な人 物﹂ は
~ 行目 と
~ 行目 の内 容を まと めた もの と考 えら れる
。 47 49
51 54 した がっ てこ れが 正解
。 は4
、﹁ わた しの 心を 気遣 うふ りを して
、自 身の 趣味 であ る石 の魅 力に 引き 込も うと する 自信 家﹂ とい うの は正 確に は本 文か らは 読み 取れ ない
。仮 にそ うい う意 図が あっ て山 形さ んが わた しを 石の 展示 会に 誘っ たの だと して も、
﹁わ たし の戸 惑い をく み取 ろう とし ない 無神 経な 人物
﹂と いう 説明 は 当て はま らな いの で×
。山 形さ んは
、自 信家 でず うず うし い人 では あっ ても
、テ レビ に出 演し て落 ち込 んで いた わた しを
﹁の んび りと なぐ さめ てく れ た﹂ 人で もあ るこ とを 読み 落と さな いよ うに した い。 は5
、﹁ 話題 をそ らし てご まか し﹂ たわ けで はな いの で×
。ま た﹁ 当初 の~ 無責 任な 人物
﹂と いう 説明 も間 違っ てい るの で×
。 正解
3
16
問傍線 部の 理由 説明 問題 標準 傍線 部
B
﹁当 日は 雨だ った
。し かし 石を 見に 行く のに はい い日 のよ うに 思わ れた
。﹂ とあ るが
、そ れは なぜ か。 その 説明 とし て最 も適 当な もの を 選べ
。 傍線 部
B
は直 前と は場 面展 開上 切れ てい る箇 所に 引か れて いる もの なの で、 その 理由 説明 とし ては、直 後に 書か れて いる
、わ たし が傘 を好 きな 理由 をま ずは 押さ える
。 わた しは 傘が 好き だと 書い たう えで
、そ の理 由を
﹁ひ とり ひと りの 頭の うえ に開 き、 ひと りひ とり を囲 んで いる
﹂か らだ とし てい る。 同時 にそ れは
、
行目 にも ある よう に、
﹁拾 った
、拾 われ た﹂ とい う人 と石 との シン プル な関 係に 似て いる と﹁ わた し﹂ は考 えた
。つ まり
、﹁ わた し﹂ にと って
、﹁ 石﹂ 65 も﹁ 傘﹂ も自 分の 世界 とシ ンプ ルに 対応 し、
行目 にあ るよ うに
、一 見﹁ 寂し い、 独り きり の傘 のな か﹂ の、
﹁華 やか な世 界﹂ であ ると わた しは 捉え 59 てい るの だ。 ここ は連 想ゲ ーム のよ うな 感覚 で捉 えら れた かど うか がポ イン ト。
○雨
↓傘
↓ひ とり ひと りを 囲む
↓︵ 女性 詩人 の言 葉︶ 寂し い、 独り きり
≒
華やか な世 界↓ わた しに とっ ての 石と 似て いる 選択
肢を 見て 行こ う。 は1
、後 半の
﹁傘 が﹂ 以降 の説 明は
、先 ほど の本 文の 読解 通り で問 題な いが
、選 択肢 の二 行目 途中 まで の﹁ 石﹂ と﹁ わた し﹂ との 関係 の説 明が 解 答と して 必要 なの かど うか 判断 に迷 う。 確か にわ たし は水 辺の 石を 持ち 帰っ たり する こと があ り、 濡れ た時 の石 の魅 力や イタ リア から 持ち 帰っ た石 の 魅力 など につ いて 前半 部分 で語 って いる
。し かし
、﹁ この 日は 雨が 降っ てお り、 様々 な状 況に よっ て魅 力を 増す 石を 観賞 した くな る雰 囲気 だと 感じ ら れ﹂ たか どう かは 傍線 部の 前後 から は読 み取 れな いの で、 保留 して おこ う。 は2
、ま ず﹁ 河原 のよ うな アト リエ にも 水石 の世 界が ある こと を知 って から
﹂と ある が、 その 事実 を知 った のは 傍線 部
B
より 後の こと で、 時系 列 的に 間違 って いる ので×。 わた しは
﹁水 石﹂ とい うも のを その アト リエ で﹁ 始め て知 った
﹂と 書い てい る。 また
、﹁ 石の 魅力 を味 わう うえ で、 雨が 思 わぬ 演出 効果 をも たら す﹂ も×
。こ こで は﹁ 濡れ てい る石
﹂と
﹁雨 の日 の傘
﹂が わた しに とっ て似 た魅 力を 持つ もの であ るこ とを 述べ てい るの であ っ て、 雨が 石に とっ て演 出効 果を もた らす とい う説 明は 間違 って いる
。 は3
、本 文に 引用 され てい る女 性詩 人の 顔に 刻ま れた 深い 皺が
、﹁ 水や 光に よっ て微 妙に 表情 を変 える 石に 似た 魅力 があ った
﹂と まで は書 かれ てい ない ので
×。 また
、傘 を愛 して いた 女性 詩人 に共 感し てい たの は事 実だ とし ても
、そ の﹁ 共感
﹂が
﹁石 を見 に行 くの には いい 日の よう に思 われ た﹂ こ との 直接 的な 理由 とい うわ けで もな い。
﹁傘
﹂と
﹁石
﹂と の類 似性 こそ がこ こで の直 接的 な理 由で ある
。 は4
、﹁ 乾い た石 に愛 着を 覚え てい た﹂ とあ るが
、筆 者が 人間 関係 の悩 みか ら解 放さ れ安 らぎ を感 じる のは
、イ タリ アの アッ シジ で拾 って きた 大理 石の かけ らの 石に 対し てで あり
、︵ 濡れ た後 の︶ 乾い た石 では ない ので
×。 乾い た石 に関 して は、 海や 川で 拾っ てき たが
、乾 くと
﹁魅 力を 失い
、が ら くた の一 つに なっ てし まっ た﹂ と書 かれ てい る。 また
、﹁ テレ ビに 出演 して 自己 嫌悪 に陥 って から は﹂ とあ るが
、時 系列 とし てこ の説 明が 正し いか ど うか は本 文に 根拠 がな く、 おそ らく テレ ビ出 演以 前で も同 様の 感覚 をわ たし は持 って いた と思 われ る点 でも 間違 いと 言え る。 は5
、﹁ 雨の 日は かえ って 外出 の億 劫さ が和 らぎ
、他 人の 目を 気に せず 石を 見に 行く こと がで きる
﹂と いう 内容 は、 本文 には 一切 書か れて いな いの で×
。
以上
、選 択肢
~1
ま5
でを 検討 した 結果
、保 留に して いた 以1
外は 確実 に× が付 くの で、 消去 法で が1
浮か び上 がっ てき て正 解と わか る。 正解
1
17
問心情 説明 問題 標準 傍線 部
C
﹁何 かが 何か を少 しず つひ っぱ って いる
、そ の日 は、 そん な感 じの 日で あっ た。
﹂と ある が、 わた しは どの よう なこ とを 感じ はじ めて い るの か。 わた しの 中で 起こ った 変化 を踏 まえ た説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ
。 傍線 部
C
の直 前に、﹁ わた しも その とき
、山 形さ んに
、心 を惹 かれ てい たの かも しれ ない
﹂と ある よう に、 わた しと 山形 さん との 二人 の心 の距 離が 近づ いて いる 様子 が書 かれ てい る。 傍線 部
C
の﹁ 何か が何 かを 少し ずつ ひっ ぱっ てい る﹂ とい うの は、 二人 のそ うし た関 係性 のこ とを 暗示 して いる と 読み 取れ る。 選択 肢で は、 二人 の心 の距 離が 近づ いて いる 様子 につ いて 触れ てい ない・3
は5
×。 また は3
、﹁ 彼の 見識 の高 さに 感動 した
﹂以 降の 説明 も×
。 は5
、わ たし と石 との 関係 が﹁ 山形 さん と関 わる うち に少 しず つ壊 れて きて いる
﹂と いう 説明 も全 くの 間違 いで
×。
﹁孤 独な 詩人 であ るこ とか ら脱 し つつ ある
﹂も
×。 は1
、﹁ 自分 にも そう した 両面 があ るこ とを 発見 し﹂ とあ るが
、﹁ そう した 両面
﹂が 指し 示す
﹁強 さと 弱さ
﹂を わた しが 持っ てい るこ とを 発見 した とい うこ とは 本文 には 書か れて いな いの で、
×。 の2
説明 は、 どの 要素 も本 文に 書か れて いる 内容 で特 に問 題な く、 これ が正 解。 は4
、﹁ 山形 さん が石 を愛 する よう にな った こと で孤 独か ら脱 する きっ かけ を得 たよ うに
﹂が 本文 に書 かれ てい ない 内容 で×
。ま た、
﹁わ たし を今 まで の自 分と は違 う人 間に 変え るか もし れな い﹂ は、 可能 性と して はな いと は言 えな いが
、傍 線部 の﹁ 何か が何 かを
﹂と いう 二人 の関 係性 につ いて の 説明 では なく
、わ たし のみ の説 明に なっ てい る点 で×
。 正解
2
18
表現 の特 徴・ 叙述 の説 明問 題
1
応用
5
基礎 この 文章 の表 現に 関す る説 明と して 適当 なも のを 二つ 選べ
。 新課 程に なっ てか ら、 小説 の最 後の 問題 はこ うし た﹁ 表現 の特 徴﹂ や﹁ 叙述 の説 明﹂ につ いて 問う もの が連 続し て出 題さ れて いる
。昨 年同 様、 今年 も正 解を
﹁二 つ﹂ 選ぶ 形式 にな って いる
。 解法 とし ては
、選 択肢 を要 素に 分け て○
×を 付け
、基 本的 に消 去法 で解 くの が確 実。 また
、選 択肢 同士 を比 較し て解 くと いう 視点 も有 効だ
。一 つず つ選 択肢 を見 てい こう
。
●﹁ 表現 の特 徴﹂ や﹁ 叙述 の説 明﹂ で二 つの 正解 を選 ぶ場 合、 一つ はす ぐに 正解 とわ かる 場合 が多 く、 もう 一つ の正 解は すべ ての 選択 肢を 消去 法で 確 認し た後
、残 った もの を選 ぶと いう 手順 を取 る。 今年
度で は、 は5
確実 に正 解で きる 内容 であ るが
、も う一 つを 正解 する のが 難し い。
1
﹁ア イセ キカ
﹂と カタ カナ 表記 して ある 理由 は、 まず 、 行 目に も書 かれ てい るよ うに
、﹁ アイ セキ カ﹂ を﹁ 愛石 家﹂ と即 座に は判 断で きず
、 音だ けで わた しが 理解 した こと にあ る。 つま り、
﹁ア イセ キカ
﹂と 聞い たと きに
﹁愛 惜家
﹂か な?
と思 った よう に、 世の 中に
﹁愛 石家
﹂な るも のが 存在 する とは わた しに は思 えな かっ たの であ る。 その 後も 漢字 表記 の﹁ 愛石 家﹂ では なく
﹁ア イセ キカ
﹂と カタ カナ で書 き続 けて いる 理由 は、
行目 に﹁ わた しだ って
、充 分、 アイ セキ カの 一人 で 21 はな いか
﹂と ある よう に、 いわ ゆる
﹁愛 石家
﹂に 含ま れな いわ たし も含 めた 広い 意味 での 石を 愛す る人 の意 味で
﹁ア イセ キカ
﹂と 表記 して いる と考 え られ る。 した がっ て、 の1
説明 は正 しい
。た だし
、こ の選 択肢 をす ぐに 正解 と選 ぶこ とは 難し いの で、 ま6
で検 討し たの ち、 戻っ てき て正 解と する とい うの が正 しい 手順 だろ う。
2
行目 の﹁ こい けさ ん﹂ とい う山 形さ んの 語り かけ は、 問
の山 形さ んの 人物 像で も見 たよ うに
、﹁ 無表 情な まま に慰 めて くれ る不 思議 な優 し 48 さを 持つ
﹂も ので
、﹁ わた しの 後悔 を他 人事 とし て突 き放 すよ うな
、投 げや りな もの
﹂と いう 説明 は当 ては まら ない ので
×。 ここ では 問い と問 いと を 連動 して 解く 視点 が有 効だ
。
●﹁ 表現 の特 徴・ 叙述 の説 明﹂ や﹁ 内容 合致
﹂問 題の 正解 の選 択肢 の内 容は
、他 の問 いの ヒン トに なる 可能 性が 高い
。最 後ま で解 き終 わっ たら 全体 を もう 一度 俯瞰 して 眺め
、関 連す る問 いが あれ ば結 び付 けて 有機 的に 解き なお すと いう 作業 は非 常に 有効 だ。
3
行目 の﹁ 小石 ども
﹂は
、石 を見 下し た表 現で はな く、 直前 にも
﹁期 待し たと おり
﹂と ある よう に、 石を 愛す る人 が拾 って 展示 した もの を見 63 に来 たわ たし の期 待と 親愛 の情 を表 した もの なの で、
﹁軽 んじ る気 持ち が生 じた
﹂と いう 説明 は×
。問
で も考 察し たよ うに
、雨 の日 に石 を見 に行 く のは わた しに とっ てい いも ので ある はず なの で、
﹁他 人が 拾っ た﹃ 小石
﹄を 軽ん じる
﹂は ずが ない
。
4
わた しが 山形 さん に徐 々に 惹か れて いっ たの は事 実だ が、 それ と反 比例 する かの よう に﹁ 石か らは 次第 に心 が離 れつ つあ る﹂ とい うの は間 違 いで
×。 これ も問
で 考察 した 内容 に反 する
。 は5
、カ ッコ とカ ギカ ッコ の表 記の 違い の説 明だ が、
行目 以降 のカ ッコ は﹁ わた しの 思念 や、 わた しが 山形 さん の思 念を 推測 した もの
﹂で あり
、 77 カギ カッ コは
﹁わ たし には っき り届 いた 声で ある
﹂こ とは
、本 文を 読め ば確 実に わか るの で正 しい と判 断で きる
。
6
﹁サ ック スと ピア ノの 音﹂ とい う主 語に 対し て、
﹁あ ふれ る﹂
﹁流 れ出 る﹂ とい う動 詞を 通常 使う かど うか の判 断は 難し いの で保 留す ると して も、 後半 の﹁ 詩人 であ るわ たし の表 現技 巧が 以前 と比 べて 洗練 され たこ とを 表し てい る﹂ が×
。本 文に は﹁ わた しの 表現 技巧
﹂に つい て、 以前 と今 との 洗 練の 度合 いを 比較 して いる 箇所 は見 つか らな い。 正解
・
・1
︵5
順不 同︶