被害になるいじめの事例もあるとアドリアンさんは話している。
●フランスと日本文化
ジャパンエキスポの開催などをしているフランスだが、実際どれくらい日本文化のブームが来ているのだろうか。
お話を聞いた限りでは、日本の漫画やアニメといったサブカルチャーは、主にオタクな人達の間でのブームであり、国全体でブームが起きているわけではないとのこと。現地でニュースになったりすることはないが、興味のある人達にとっては大きなお祭りではあるようだ。ただ、だからといって日本の芸術などの評価が低いわけではなく、例えば日本の映画、黒沢監督作品や北野武作品などは人気だ。フランスは映画大国とも言われており、映画が安く見られる環境でもあるらしく、その中で人気が出ているということは、日本の作品もかなり高い評価であると言えそうだ。国全体として考えると、歴史的な和の文化の方が日本文化としてのイメージは深いようである。 ●今回、インタビューを行ってみての 参加者の感想
【萩原】今回、初めて大使館に行くことになり、貴重な体験ができたなと思いました。初めてづくめで失敗ばかりでしたが、実際にその国と関わりのある人でないと聞けない話などもあり、とても発見のあるインタビューになったのではと思いました。
【山崎】以前はチリの大使館インタビューに行きましたが、今回のフランス大使館は、敷地面積も広く、セキュリティも厳しい物でした。まずはその外観の違いから大使館も国によって様々なのだと感じました。移築した事もあり、とにかく(中も外も)綺麗だし、何よりお洒落でした。そこがまたフランスらしいとも感じました。
【吉田】政治への関心・マナー・教育・文化の相違を自分自身で直接お話を伺うことができ、とても勉強になりました。どの国も物事のあり方や人の考え方は時代と共に変動するものだと今回の取材で理解しました。海外で生きる日本文化があり、ジャンルを問わず日本に興味を持ってくれる人が多いのだと知りました。大使館は国と国だけでな く人と人も繋ぐ役割がある大きな存在なのだと改めて実感しました。
【長瀬】今までの大使館インタビューでは、その国の気候やお祭りなど、土地を紹介して頂いてきました。今回のインタビューでは、今までと違い、政治などの時事問題といった深い内容まで切り込むことが出来たと思っています。それに伴い、事前調査など、こちらの知識があってこその質問だったと感じたので、国について学ぶことの大切さを改めて実感しました。
オープンキャンパス2 012 報告
アンドリアン・アヴェルカさんと筆者たち 外国語学部 英語英文学科
梶山紫
する。 の中、何か大事なものを見失ってしまった気が 飲み会、留年しない程度の勉強の繰り返しの日々 を思い描いていたのだろうか。バイト、サークル、 る。高校生の時、受験勉強の最中、どんな未来 らいいんだろ』このキャッチコピーにドキッとす やってたんだろーと思って卒業した。で、何した 『大学でなにやろーかなと思って入学して、何 私が自分と向き合うきっかけになったのは、
2
年生の頃のオープンキャンパススタッフ体験だった。「この大学でやりたいことがあるんです!」と瞳を輝かせる高校生たちとの出会いはかつての抱いていた夢を思い出させ、同時に「負けてらんねぇな」と心を駆り立てた。
他のオープンキャンパススタッフ達は、この経 験をどう捉えているのか。気になった私
タッフに協力して頂き、文章を寄せてもらった。 2名のス ら幸いだ。 プンキャンパススタッフに興味を持ってもらえた うなものになったのだろうか。読者の方にもオー 2人にとってオープンキャンパスの経験がどのよ
オープンキャンパスをしてみて
〜『みえた』モノ『かんがえた』コト〜
横浜キャンパススタッフ 外国語学部 スペイン語学科
澤永遼
大学の事、学生の事や、そして自分の事…。今まで『見えなかったもの』が『みえた』。『考えなかっ た事』を『かんがえた』。これが私のオープンキャンパスをしての感想だ。
1.Why do you play the staff?
スタッフの人数が足らなかったこと、T橋さんやT葉さんら入試センターの方にお世話になっていたこと、そのとき金欠だったこと…スタッフに応募した理由は色々とあったが、一番大きな理由は、高校生と触れ合ってみたいということだった。私の受験やこれまでの人生における後悔や反省などを彼らに伝えることによって、彼らにはそのようになってほしくない。そんな押し付けのような感情をどこかに持っていたのだ。
What's the staff?2. オープンキャンパスのスタッフは実に様々な仕事をしている。各所での誘導、説明会や模擬授
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外国語学部 英語英文学科 4 年
梶山 紫
横浜キャンパススタッフ 外国語学部
スペイン語学科 3 年
澤永 遼
湘南ひらつかキャンパス スタッフ
経営学部 国際経営学科 3 年
鈴木 寛太
業などの呼び込みや設営、学生相談会のアドバイザー、キャンパスツアーのコンダクションなどなど。これらはいきなり出来ることではないため事前研修の日程が組まれている。入試センターの職員の方とスタッフマニュアルを確認し、キャンパスツアーのデモンストレーションを行ったりして、当日に備えている。
当日は各自作業に振り分けられる。一箇所につき 1時間半から
という業務をこなした。 誘導→キャンパスツアー→学生相談会→後片付け ションしていく。私は、準備→正門前で参加者の 2時間ほどで仕事内容をローテー まず、参加者の誘導であるが、例年は一箇所だった入口が工事の影響で今年は文系と理系で分けられており、文系は正門、理系は
求められていた以上の言葉を発していた(笑)。 まり乗り気ではなかったが、徐々に気分がのり、 切る拡声器をもっての誘導を担当した。最初はあ た経緯があり、その気概を買われ、全体を取り仕 を開き、入試センターの職員の方にお世話になっ なければならなかった。以前神奈川大学で運動会 23号館へと誘導し 次にキャンパスツアー。こちらは高校
男子学生 3年生の キャンパスツアーの案内というより、受験の相談 ことを話しながら大学を案内した。途中からは 2人組を案内した。出身地や興味のある
の口からでたのである。なるほど、今の高校生でも、こんな事を考えている人がいるのかと関心を寄せた。それと同時に大学というものに対しても考えさせられた。本来、大学は学問をする場所だ。
しかし、現在の高校生にはそのように思えていない人も少なからずいるようだ。実際に私も大学にいて、深く物事を考えている人は多くはないと思っていた。しかし、高校生からもそのように思われていたとは悲しいものだ。
Shall we play?4.…
次回意向も日程が合えば、是非オープンキャンパススタッフをしたいと考えている。新たな発見もあるし、それに、単純に楽しいのだ。大学について知らなかったことを知れたり、今までは全く関わりのない神大生や職員の方々とも仲良くなれる。そして、高校生たちの純真さや率直さに触れることもできる。もし、あなたが高校生に何か伝えたいことを持っていたり、大学生活に行き詰まりを感じていたりするようだったら是非スタッフを経験してみてほしい。きっとあなたが求めているものがみつかるだろう。 になっていた。時代が変わっても高校生の悩みは変わらないものである。 最後に学生相談会。これは高校生が興味のある学部学科の現役の大学生に話を聞けるという企画で、オープンキャンパスに参加したことがある人にはお馴染みだろう。私は、スペイン語学科の所属であるが、なかなかニッチな学部であるため当初あまり高校生が集まらなかった。少し自虐もふくめながら(笑)、他の学科に入れ替わり立ち替わり訪れる高校生に口出しをしていた。そうこうしているうちにワーッと一気にスペイン語学科の話を聞きたいという高校生が集まってきた、ラテンアメリカに興味のある人、コーヒーに興味のある人、サッカーが好きという人などなど。相談に来た高校生はそれぞれ夢を持ち大学生活に想いを寄せていた。3.My Opinion
『みえた』 私が高校生の頃、神奈川大学のものではないが、
回の経験で分かった。 なかった運営側だからこそみえるものがあると今 たことがある。参加者としてきていた時には見え 10数校もの他大学のオープンキャンパスに参加し
に来ている参加者の違いである。友達同士で、親 1つはオープンキャンパス
「オープンキャンパススタッフで学んだこと」
湘南ひらつかキャンパス
経営学部 国際経営学科
鈴木寛太
大学
私はここで フとして運営側にまわり様々な体験ができました。 3年生で初めてオープンキャンパススタッ 2つのことを高校生から学びました。 まず
きっかけとなりました。 も自分が忘れていた何か大切なものを思い出す 情が伺えました。高校生の素直なリアクションに キラキラとしていて夢や希望に満ち溢れている表 るで当時の自分を見ているようでした。その目は 記憶があります。参加された高校生を見ると、ま のような大学生活に期待と不安を抱き入学した 思い出すことができました。入学当時の自分は夢 1つ目に私は大学に入学した頃の自分を それは私がキャンパスツアーで遅れてきた女子高校生
いと思い、 はせっかくだから大学らしいものを見せてあげた 2人を案内している時の出来事でした。私 内しました。そこで (1-250)1号館の一番大きい教室を案 り、上から見た教室の光景は 口をそろえて驚いていました。教室の階段を上が 2人は「わー、すごい!」と
2人にとって高校 いすらしなかった。もう わかる。自分が参加者だった時にはそんな事を思 子で、ひとりで、と様々な形態できていることが
ない。 たからか。それとも成長できたからなのかもしれ れるようになったのも大学生になって余裕が出来 な違いがあるのがわかった。こんなことを考えら しょうがなく来た人など。行動を見ていると様々 オープンキャンパスに行かなきゃいけないから る人、まだ受けるかどうか悩んでいる人、どこか ションだ。本当に神奈川大学に来たいと思ってい 1つは参加者のモチベー 『かんがえた』 オープンキャンパスの参加者たちと話しているとハッとさせられることがあった。その最たるものがスペイン語学科を志望する、とある男子高校生に言われたこの一言である。
安心しました。」 「大学生でも考えている人っているんですね。
彼は、コーヒーにとても興味を持っていてコーヒーの生産国である中南米に行って、生産者について知りたいという目標を持っていた。日本で学んでから海外に行く、という気持ちを持つ一方で、日本の大学について嘆いていており、直接海外に行くか悩んでいた。そんな彼に私の考えていることや活動などを紹介すると、先のような発言が彼
では味わえない新鮮なものだったに違いないと思いました。その表情は私が入学する前にこのオープンキャンパスに訪れ、期待を想像させたあの頃と同じだったに違いありません。「きっとこの大学に入学したら楽しいだろうなあ」と想像したあの頃の気持ちは忘れてはいけないものなのだと考えさせられました。私はもう
もなりました。 大学生活を今一度振り返ろうと考えるきっかけに はこのことを改めて高校生から学びました。この いものを探求していき、好奇心を抱き続ける。私 生活が当たり前となってしまいました。常に新し 3年生になり、大学
いる写真 葉が胸に突き刺さりました。その後に展示して とたくさんの所が被災しているのに…」という言 大きな所しかとりあげられないんだよなあ、もっ 事を説明していると悲しそうな表情で「こういう 来たと言っていました。私がボランティア駅伝の 校生に出会いました。その高校生は福島県から ほとんどは東北出身者でした。そこである男子高 はなかったのですが、足を運んでくださった方の 当したときのことでした。来場者はそこまで多く 2つ目は最終日、ボランティア駅伝の係りを担 1枚 て言っていました。その光景を見ているとなんだ がとうございます」と作業している写真に向かっ 1枚をじっくり観てまわり、「あり
オープンキャンパス2 012 報告
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か涙が出そうになりました。自分も被災しているのに感謝し続けるその思いはどこからきているのか、そのとき感じたことはもっと東北の「今」を伝えていかなくてはいけない。そう感じました。
今回、高校生やその保護者、来場してくださった方々に神奈川大学湘南ひらつかキャンパスの魅力を自分なりに伝えたつもりです。私含めて今の学生が忘れている「好奇心」というものの大切さも知ることができました。そして、このキャンパススタッフをやってみて自分が「伝えたい」と思ったことには素直にならなければいけないと考えさせられました。神奈川大学湘南ひらつかキャンパスでは「もの言わぬ学生が増えた」とある教授がおっしゃっていました。自分の意見に自信がないから言わない。間違えるのが怖いから慎重になってしまう。でも、「俺はこれがやりてぇ!」と思ったこと、自分が好きなことには素直にならなければいけないということはこの経験を通して学んだことです。そしてこのキャンパススタッフでは自分の主体性が少し磨かれた気がします。大学の魅力をどうしたら伝えられるか考えたとき、自分の気持ちに素直になり、魅力を伝えなければスタッフの意味がないと考えました。来年、この大学に多くの学生が入学してくれることを願っています。 そしてもう
ンパスだったということです。 ぎれもなくこの場所、神奈川大学湘南ひらつかキャ があります。それは、私のホームグラウンドはま 1つ改めて気が付き、確信したこと
“?Hasta luego!”で続くいま
めて早 と話してみたい。」そんな気持ちで一人暮らしを始 「違う環境で生活して、色々な所から来る人達 ンに行きたい。」と思うようになったのは、 違いを実感する日々。そのような中で、「スペイ 2年。日本の中でさえ、習慣や言葉などの
修の授業で週 が終わる少し前だったと記憶している。私は、必 1年生 そんな単純な気持ちで始めたスペイン語。 がいいな。」履修要覧やガイダンスなどを通して、 界で広く使われているし、この中ならスペイン語 2回スペイン語を学んでいる。「世
しかし、いままで触れたことのない新鮮な言葉や、美しい響きに次第に魅了されていった。いつからか英語という外国語に苦手意識を持ってしまった私にとって、それは予想外の展開だった。
そして、
7月 31日〜
9月
カ大学派遣語学研修でスペインへ行くことになった。 5日の間、私はサラマン 思う。 は、「このメンバーで良かった。」と、しみじみと ある私は内心ガチガチに固まっていた。でも今で なく、最初の顔合わせの時、かなりの人見知りで 一緒に研修に参加する人たちは、みんな面識が
7月
ホテルで一泊して うではなかった。 が、スペインはそ 匂いがあったのだ 到着すると独特の に行って、空港に やイギリスなど た。これまで中国 ドリードに到着し パリを経由してマはおばさんが清掃してくれるので快適に過ごせた。 31日の晩、えてみると一人暮らしの自宅より少し広く、平日 比べて、小さいことに少し驚いたが、よくよく考 屋が決まった。部屋に入ると、私の勝手な想像と 間過ごすことになる寮に到着し、手続きをして部 ら見えた瞬間に胸が高鳴った。そして、約一か月 体が世界文化遺産ということもあり、バスの窓か から、翌日にバスでサラマンカへ移動した。街自
8月 2日から、大学での研修が始まった。
くて驚いた。「本当に今日から授業なの?」と、不 し遅刻をしてしまったが、教室に着いて誰もいな 距離があるため、登校するのも皆で迷いながら少 すのは全てスペイン語。初日は、寮から大学まで らも半分以上が日本人だった。もちろん先生が話 ル別に分けられた結果、私のクラスは少人数なが 上旬に日本でプレイスメントテストを受け、レベ 7月
バスから見た初めてのサマランカ
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外国語学部
国際文化交流学科 2 年