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森林資源生産の明日を目指して

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Academic year: 2024

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森 林 資 源 生 産 の 明 日 を 目 指 し て

︵加筆︶

小池孝良

大学院改組によって木材科学講座と合体した森林資源

科学講座の造林学研究室に︑北方生物圏フィールド科学

センター・森林圏︵旧演習林︶管理部から配置換えになりました︒﹁川上から川下へ﹂一貫した生産林業の体系を

目指す決定をされた先人達の方針を引き継ぐべく努力致

します︒出身は兵庫県神戸と三木の市境の田舎です︒学部三年生の夏に﹁ヒノキの生産力調査をしないか﹂とい

う︑後の指導教官であった齋藤秀樹先生︵京大森林生態学・四手井綱英門下・リターフォール研究と物質生産学︶

のお誘いが︑森林との本格的付き合いの始まりだったと

思います︒途中︑四年半︑東京と海外での生活を経験しましたが︑北海道へ赴任して二五年になりました︒北海

道の森林との関わりを自らの経歴と関連して紹介させて

頂きます︒学部時代にアルバイトでお世話になって以来︑憧れて

いた林業試験場︵林試︶に採用され︑北海道へ転勤したのは昭和五六年四月末でした︒今田敬一︵造林学講座三

代目教授・森林美学・森林環境学︑特に霜穴の研究者・

砂防工学講座と併任︶門下・造林出身の坂上幸雄氏が室 長をされていた造林第一研究室︵育苗・樹木生理︶に配

属になって︑研究職員としての第一歩を踏み出しました︒研修は林業講習所でも実施され︑講師の東三郎先生︵当

時︑北大砂防工学教授︶の講義が鮮烈で魅力的でした︒また︑早稲田収氏︵﹁北海道主要広葉樹稚苗に関する栄

養生理学的基礎研究﹂︶が部長としても﹁育成林業﹂を説

かれました︒森林立地学の大家︑原田洸氏︵﹁スギの生長と養分含有量およびこれに及ぼす施肥の効果に関する

研究﹂︶が支場長として着任され︑また︑樹病学では田中

潔氏︵北大論博・元森林総研理事長︶に︑公私ともにご指導頂いています︒我が国の光合成研究の開祖の一人・

坂上氏︵﹁スギ苗における14C 標識光合成産物の配分と炭素代謝に関する研究﹂で︑五代目・武藤教授時代に博士

取得︒︶︑そして先輩研究員としておられた造林学前教授

の高橋邦秀氏︵柴草先生等と中川研究林での天然更新の研究をされ︑トドマツを中心とした土壌・水分生理関係

の育苗の基礎研究を﹁トドマツ・アカエゾマツ苗木の耐

乾性に関する研究﹂としてまとめ︑武藤教授時代に博士号取得︒︶らと︑ルンデゴルドなみの実験生態学を基礎に︑

人工気象室を駆使する恵まれた研究室では︑バイオマス変換計画︵シラカンバを牛の餌にする資源量推定・佐々

木恵彦学術会議第六分野会長の指導︶︑それに続くバイ

オ・ルネッサンス計画︵ヤナギ属などの未利用資源の有

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効利用︶に従事し︑バイオマス造林・環境造林を経験し

ました︒その中で︑月に一度お見えになった長内力氏︵経理﹁林木の形質生長に関する研究﹂︶には︑林業技術を教

え頂きました︒林木育種では片寄髞氏︵林製︶︑普及活動では北方林業会の鮫島惇一郎氏︵理・植物・舘脇門下︶

やシルバ会長の宮島寛︵木加︶氏にはお世話になって来

ました︒林試︵現森林総研︶では︑志水一允氏︵林製・現在・

日本大学生物資源科学部教授︶の指揮下︑当時農学部長

であった水谷純也先生が評価委員であったバイオ・ルネ

ッサンス研究では︑ヤナギ類へのCO2 付加を含む施肥試験を行いながら﹁娘にも持たせたいこの一品﹂というキャッチ・コピーによって樺桜︵ウダイカンバ︶を用材に

仕立てるべく︑プロジェクトの方針は理解しつつも志水

氏の英断の下︑有用材育成法の開発にも力を注ぎました︵従来の林業からの脱却と未利用資源の利用が目標であ

ったため︑有用広葉樹の仕立て方は本来の目的ではなか

った︶︒この間︑﹁北海道産落葉広葉樹の光合成特性に関する環境生理学的研究﹂で︑昭和六二年に名古屋大学の

穂積和夫先生︵京大園芸学出身︒吉良竜夫門下で︑大阪市立大学理学部から名古屋大学造林学の担当︒数理生態

学の草分け︒分布関数の理論的研究︑数理統計学とロジ

ステック理論の構築者︒﹁植物の相互作用﹂共立出版が 1980 年までの業績の集大成︒ベルタランフィーの理論を

展開し︑物質移動の植物生態学を構築︒U-W 図による理論から︑ロジステック︑ゴンペルツ︑ミッチャーリッヒ

曲線︑それらを包含するリチャーズ曲線を包括的に解明した︒︶から博士号をいただきました︵このように書くこ

とは︑正直︑恥ずかしいですが︒その指導方針は継承し

ているつもりです︶︒林試での毎日は何もかもが新鮮で︑造林教室の武藤憲

由先生︵﹁北海道主要造林樹種の樹苗に関する栄養生理学

的基礎研究﹂︶や柴草良悦先生︵﹁トドマツおよびカラマツの生長と生長物質に関する研究﹂︶等との合同ゼミも楽

しい思い出です︒︵羊ヶ丘から毎週のように柴草研究室を訪問し︑いろいろ話していただき︑森林学に於ける生理

学の限界をお話し頂いたものです︒しかし︑お二人とも

あまりに早く他界されました︒当時︑林学科の講義科目として柴草先生は森林学を講じておられたのです︒︶また︑

藤本征司先生︵樹木形態学・解剖学の研究者︶とは同郷

のよしみで︑毎週土曜日には造林学教室を訪問し︑石田清氏︵カンバ類の研究仲間︒今は森林遺伝学の研究者︶

ら当時の学部や大学院生の皆さんのお邪魔をしていました︒学問を語りあった佐野淳之氏は鳥取大学におられ︑

今も︑励ましを受けています︒

春木雅寛氏︵北大地球環境科学研究院︶を代表とする

(3)

北方森林科学研究会では︑清和研二氏︵造林︶ら若手研

究者との交流が進み︑松田彊先生︵演習林︶や菊沢喜八郎氏︵当時道立林試︶らのお話を伺うことも楽しみでし

た︒︵特に︑松田さんの﹁天然林は太くて若い木︑細くておいた木から構成される﹂ということは︑本質を突いた

名言だと今も思います︒しかし︑まさかその一六年後に

は︑同僚になるとは思いませんでした︒︶また︑酸性土壌に関するゼミでは︑作物栄養学の但野利明︑山口淳一︑

大崎満先生には︑数々のご指導を賜りました︒ブナ地域

変異の研究は︑島本義也先生︵初代北方生物圏フィールド科学センター長︶のグループと共同研究を進めました︒

海外研究︵スイス林業研究所︶では︑新田( 若林) 隆三・木村正信両氏︵砂防︶に数々の便宜を図って頂きました︒

︵スイス連邦理工科大学林業研究所時代は︑今にすれば︑

至福の時でした︒研究だけに没頭でき︑世界最高水準の

実験器具とボスであったHans Turner 博士︵インスブル ック大学主審︒高山研究のPisek 教授の弟子であり︑﹁植 物生態生理学﹂︵佐伯・館野監訳︶の著者︶W.Larcher教授の同級生︶とE.-D.Schulze 教授の二番目の弟子︑ Rainer Matyyssek ︵現在︑ミュンヘン理工科大学森林植物生態学教授︶の懇切な指導を受けた︒︶

教員としての訓練は︑寺澤実シルバ会長と転勤先の東

京農工大学農学部から受けたように思います︒連合農学 研究科の相場先生︵育林学︶︑森林風致の亀山先生には懇

切なご指導を受け︑木材関係では久保隆文先生や諸星紀幸︵木化︶先生からは木質資源の魅力を教わりました︒

最も関心のある植物生理生態学は︑我が国の草分けである戸塚績先生から生産環境の変動の意味について︑個葉

光合成は石原邦先生から︑植物栄養学については平田

熙先生から折に触れご指導頂きました︒森林保護学では︑今も岸洋一先生の教えを受け︑一方的弟子を自負してい

ます︒また︑講義資料の作成には森林総研の今川一志氏

︵理学︶︑小野寺弘道︵森林総研を経て山形大学教授︶・︵林野庁での同期︶坂本知己両氏︵砂防︶にお力添えいただ

き︑今も講義で紹介させてもらっています︒石城謙吉先生︵当時演習林長︶らにお招き頂き︑演習

林にて︑平成一〇年から笹賀一郎︑前川光司︑神沼公三

郎先生そして松田彊先生等と共に改組という大きな事業に参加したことによって︑自信を得たと同時に複雑な

思いを日々感じています︒

   

北大には世界一がいくつもありますが︑その一つ︑﹁単独の大学では世界一の面積を誇る﹂研究林は︑北大の発

展に貢献し続けています︒その教育組織は農学だけではなく環境科学へも拡充しました︒私は︑生きた実験室で

ある研究林を中心に︑新島善直先生が説かれた﹁森林を

どのように再生するか︑自然をどのように残すか﹂という

(4)

方針と北海道林業試験場長であった原田泰博士︵﹁林学

領域に於ける陽光問題と是に関係する二・三の環境因子

に関する研究並ニ育林上の処置に就て︵其ノ1-2 ︶﹂︒これを基礎に﹁森林と環境︱森林立地学︱﹂を著す︒︶の示された﹁変動環境下での育成林業﹂の路を継承しつつ︑

次々世代のために︑進行する温暖化や酸性沈着量の増加

などの変動環境下での森林資源生産を行うための造林学を︑皆様のご指導を得ながら発展させたいと願っており

ます︒

︵教員会員︶

Referensi

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