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海洋化学研究 Vol.15.tif

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貧酸素水塊に及ぼすドラキュラ効果について ー水槽を用いた予備実験一

1.  はじめに

夏期湖沼では温度躍層の形成によって成 層する。そのため、補償深度以深では貧酸 素水塊が形成されて底質からのリンの溶出 が起こるなど、栄養塩の内部負荷の原因と なる。 一方、補償深度以浅では 、植物プラ ンクトンによる光合成のために溶存酸素 (DO) は過飽和となり、栄養塩は消費され て、相対的に貧栄養状態になる。このよう に、湖沼における富栄養化のメカニズムは 明らかにされているが、その改善策となる と用いられる物理的 ・化学的手法は、曝気、

覆土[l]、浚渫、薬剤の投入[2]などに限られ ている。これらの手法は一定の効果はある ものの、 何れも効果が一時的で、効果を維 持しようとすると相当の費用がかかる場合 が多い。最近では、ホテイオアイ [3]やシジ ミ[4]、ヨシなどの生物を利用した色々な生 物学的修復法[5‑10]が富栄養化対策に菫用

藤 永 薫 *

1 .

大谷修司*

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清 家 泰 *

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奥村 稔*

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現場疑似法が適している。奥村 らは 、内径 25 cm、長さ 180cm の塩化 ビニル製カラム に、現場の底泥と 塩分濃度の異なる 二つの 試料水を入れて宍道湖湖心の塩分躍層を再 現し 、ケイ酸とリンの底泥からの溶出実験 を行っている [11, 12]。このように塩分濃度 の異なる水塊を用いる場合は、密度差が大 きいのでカラム内で躍層を形成させる事が 可能であるが、塩分濃度に差がない場合は それが困難である。したがって本研究で は、水槽の底に容器を設置して擬似的に躍 層を作る事により、貧酸素水塊を形成させ る事を試みた。この装置を用いて、光照射 の有無によって、隔離空間内のD O濃度に どの様な差異が現れるか、を調べる実験を 行った。

2. 実験方法

2.1  底泥と河川水試料

されるようになってきた。しかし、生物を 富栄養状態の底泥と 河川水は島根大学敷 継続的に活性な状態に保つのは、簡単な事 地の近傍を流れる朝酌川 のガラガラ橋上か

ではない。 ら採取した。汚泥はエックマンバージ採泥

以上の事柄を考え合わせると 、貧酸素水 器で採取し、ザルを適して大きなゴミを取 塊に光照射することによって、 湖沼におけ り除いて密閉できるバケツに入れ、持ち る栄養塩の 内部負荷源を簡単に解消できる 帰った。河川水は表面水 をバケツですくい 可能性がある。著者らは、これを ドラキ ュ 取り 、家庭用の水切りを適 してゴミをろ別 ラ効果 ' と 呼んでいる。このことを室 内実 し、20 Lポリタンクに採取 して持ち帰っ 験で実証するには 、カラムを用いたコア ー た。

"島根大学総合理工学部、・ 2島根大学教育学部 690‑8504島根県松江市西津川町1060

(1 32)  海洋化学研究 第15巻第2号 平 成1411

(2)

2.2  実験装置 は一様であった。開口部から底泥までの垂 50 Lの水槽に河川水を40 L入れた。 500 直距離が小さかったことから、ボトル内の m L  PETボトルには底泥35‑55 g (体積で約 D Oの拡散が十分行われた結果と思われる。

1/4)を入れた後河川水を静かに満たしたも 図12は開栓状態の、図34は密栓状 のを8本用意し、その内5本は栓を閉めて、 態の500 m Lボトル中のD O分布図である。

3本は栓をしないで、静かに水槽中に入れ 暗条件下にあった開栓状態のボトル(図2) 立てた状態で設置した。 2 L  PETボトルに では、 4日目までは泥の舞い上がりによっ は底泥約70gを入れた後河川水を静かに満 て、底層付近が貧酸素状態であったが、泥 たし、側面に 1 cm X  1  cm と2 cm X  2  cm 

の開口部を切 り取って、開口部が上を 向く ように静かに水槽中に横向きに設置した。

このような水槽を二つ用意し 、水槽 の一つ は半日陰のベランダに設置して明条件下 で、他方は、日 の当たらない室内に設骰し 段ボール箱を被せて遮光した暗条件下で、

経過を観察した。観察期間中、試料水中に はエアーポンプと多孔質ガラス球を用い

て、 2 Uminの流速で通気し、水槽上部は障

子紙で塞いでゴミの混入と水の蒸発を防い だ。明条件下の水槽の水温は日照によって

25‑40℃の範囲で変動したが、暗条件下の

水槽の水温はサーモスタットを用いて30℃ に保った。

2.3  D  0 測 定

D O は、 W T W 社(Wissenshaftlich ‑ Technische Werkstten G m b H  &  Co. KG,  Weilheim)のオキシメーター340型溶存酸素 計を用いて測定した。電極の大きさは、直 径1.5 cm  X 長さ 14.5 cm で体積は25.6 cm 3   であった。500 m Lボト ルで密栓状態という のは、測定時に栓を開けてD O測定し 、測 定終了後再び栓をして放置した事を意 味 す。 D O測定には、 8 本のボトルの内、特定 のボトルについて繰り返し測定に用いた。

が沈むにつれて、開口部からのD Oの拡散 によって、底泥表面までD Oが供給される 状態が続いた。測定値が一定していること から、平衡状態に達していると見られる。

密栓状態のボトルでは、時間経過と共に底 泥に依る溶存酸素の消費が上層部に向かっ て進行している様が観察された(図4)

一方、明条件下のボトルでは、開栓状態 のものも密栓状態のものも、 D O分布の変 動が大きい(図 lと3)。自然光を照射して いるので、日照条件 の違いによるものと思 われる。さらに、密栓状態ではすべて、開 栓状態では712 日目に外部水よりもD O 濃度が高くなっている。また、開栓状態と 密栓状態を比べると、 D O濃度は、密栓状 態の方が高くなることが多かった (4. 12,  23日目)。D O過飽和の水が逃げられずに容 器内に留まったためであろう。

なお、暗条件下の全てのボトルにおい て、底泥は全体が黒色を保ったままであっ たが、明条件下にあったものはすべて、底 泥表面に酸化層が形成されたため、表層約 3  m m程度が灰色に変色していた。

3.2  植物プランクトン

明条件下で23 日間放置した密栓500 ml  ボトル中では 、2種類の藍藻、 3種類の珪藻、

およびクロロコックム目が優占した25種 3. 結果と考察 類の緑藻が多量に観察されたが、暗条件下 3.1 溶存酸素の変動 の同ボトル中からは、 2種類の珪藻と3種 2  L ボトル中のD O分布は明条件と暗条 類の緑藻が僅かに存在する事が認められた 件間で、また日間で差は小さく、かつ分布 にすぎなかった。クロロコックム目は、

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Transactions of T h e  R eseach Institut e  of 

O cea nochemistry Vol.15, No.2, Nov., 2002  (133) 

(3)

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◇ :  4 日目;口: 7 日目; ◇ : 9 日目 ;〇 :1 2 日目; △ :2  3 日目

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(134)  海 洋 化 学 研 究 第 15 巻第 2号 平 成 1411

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図4 暗条件下密栓ボトル中のD O分 布

◆ :  4 日目;

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Transactions or T h e  Research Institute or 

Oceanochemistry Vol.15 ,  No.2 ,  Nov.,  2002  (135) 

(5)

中腐水性の環境中で繁茂するプランクトン で、採水地点の環境を良く反映している [13, 14] 。実験開始時には、総計 10 種程度 の植物プランクトンの存在が認められたも のが、一方の23 日間日照に 曝した環境下で は増殖し、他方暗条件下では死滅していっ た事が明らかになった。この結果は、図1 と3の明条件下でのボトル内での高い溶存 酸素濃度が、植物プランクトンの繁茂に因 るものであることを裏付けている。

引 用 文 献

(1] 村上和男、細川恭史、高野誠紀(1998) 三河湾の覆砂による底質改善効果に関す

る追跡調査、沿岸海洋研究、 3 6,  83‑89. 

(2] 大和田紘ー(1995) 石灰散布等による底 質改善の試み、沿岸海洋研究、3 2,  39‑41. 

(3]本橋敬之助、笹原豊 (1991) ホテイアオ イの植裁と水質 ー手賀沼を例として、

水処理技術、 3 2,  256‑270. 

(4] 中村幹雄、森忠洋 (1998) シジミ漁によ る宍道湖の浄化、用水と排水、 4 0,427‑

429.  

(5] 細見正明(1994) ヨシ湿地による水質浄 化法、用水と排水、 3 6,  40‑43. 

(6]横浜市環境科学研究所(1994) キショウ ブによる水質浄化法 ー実 験 報 告 書 、 環

(1 36) 

境資料No. 111, 46‑62 

[7] 寺薗勝二、石居宏志、中 村透 (1995) 霞ヶ浦緑の浮島実験について 、第6回世 界湖沼会議霞ヶ浦論文集Vol. 1,  pp. 133‑

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[8] 相崎守弘、中里広幸 (1995) 植物水耕栽 培系における根圏生物の変化と栄養塩の 除去、水環境学会誌、 18,624‑627. 

[9] 花里孝幸(1998) ミジンコが湖の水質を 浄化する環境浄化を図るバイオマニピュ レーションの新展開、化学と生物、 3 6, 306‑308. 

[10] 川端豊喜 (1996) 生物機能による環境 修復 ー水産におけるbioremediationは可

環境修復、水産学シリーズ11, 日本水産 学会監修、恒星社厚生閣 、pp. 79‑93. 

[  11 

l

吉田直史(1996) 汽水湖底泥海面にお けるリンの挙動、島根大学大学院総合理 工学研究科修士論文.

[1 2]椙原恵 (1997) 閉鎖性汽水域における 溶存ケイ酸の挙動に関する研究、島根大 学大学院総合理工学研究科修士論文.

[1 3]秋山優、有賀祐勝、坂本充、横浜康継 (1986)  藻類の生態、内田老鶴圃.

[1 4]山岸高旺 (1999) 淡水藻類入門、 内田 老鶴圃、 pp. 204‑207. 

海 洋 化 学 研 究 第15巻第2号 平 成1411

Referensi

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Jacobsen 1992 The behavior of rare earth elements in seawater: Precise determination of variation in the North Pacific water column.. Nozaki 1995: Biogeochemical Processes and Ocean

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Bulltions of the World Health Organi‑

¥V n.ttcn berg 氏の総説的論文より採 摺した.但しラヂウムのみば.:.S.. Urry7 氏称が氾めて居る様に