看護学部設置の趣旨を記載した書類
Ⅰ.看護学部設置の趣旨
近年におけるわが国の医療は、医学・関連諸科学の進歩と社会経済情勢の急激な 変化と共にめざましい発展をしている。それに伴い国民の健康上の多くの課題が投 げかけられている。特に国民の生活や環境の変化に伴う疾病の多様化、医療技術の 高度化に伴う複雑多様な高度医療技術の提供、医療現場での倫理観に基づいた患者 中心の安全で信頼出来る医療の提供、治療形態の変化に伴う病院から地域・在宅へ と治療の場の移動と共に継続医療の必要性、急速な少子・高齢社会に伴う高齢者の 疾病予防・介護予防・QOLの向上、また子供の虐待・不登校など社会病理の多発 性等の観点から心の健康保持・増進等医療従事者に多くの課題が投げかけられてい る。
上記のような時代の要請に応えるべく、近年における看護学に関する学問の進歩 もめざましく、看護教育は大学・大学院での高等教育が主流になる方向にある。看 護は著しく高度化し、複雑で多様化しつつある今日、対象者の権利意識の高まり、
医療の質の向上への期待、倫理的問題への対処など看護職者の役割・責任の増大等 をふまえ、看護専門職に対する社会的要請は日増しに高まりつつある。このような 社会の期待に応えるため、従来にもまして看護専門職に対して高度な専門的知識・
技術のみならず、人間にとって大切な生命の尊厳を尊び、心とこころのふれあいを 大切にしたケアのできる人間性を備えた資質の高い人材育成が急務となっている。
基本 理念・目標
看護学部は、上記の要請に応えるため、生命の尊重を基本理念とし、豊かな人間 性と倫理観に裏付けられた感性を持ち、保健及び医療に関する高度な専門知識と技 術を習得し、国民の健康増進及び社会福祉に貢献することができ、更に、将来の看 護実践に関する指導者、看護学を発展させることができる教育者及び研究者を育成 することを目的とする。
Ⅱ.看護学部設置の必要性
1. 大学教育に 求められる もの
設置趣旨で述べたように、看護専門職者に求められている社会的要請に応える べく大学教育では下記に示す看護専門職者の人材育成が求められている。
(1) 複雑・多様化しつつある高度医療に対応できる知識・技術・判断力・実践力 を備え持った先端医療の一翼が担える人材育成。
(2) 豊かな人間性と高い倫理観を備え、対象者に安心と安全を提供できる人材の 育成。
(3) 少子・高齢社会に伴う健康保健上の諸問題に対応できる、幅広い社会的視野 を持ち他職種と連携・協働できる人材を育成。
(4) 人間にとって大切な生命の尊厳を尊び、あらゆる状況下にある対象者に対し、
心のケアのできる技術と人間性を備えた人材育成。
(5) 保健・医療・福祉の進歩に即応しつつ、看護を探求し将来に向けて看護学の 学問体系を創造する能力の育成。
上記のような人材育成の課題を解決するためには、4年制課程の大学で、教育 内容を充実した一貫した教育を行い、幅広い人間性と高度な専門性を持った看護 専門職者を育成することが必要である。
2. 広島県の看 護教育施設 の状況
広島県には、准看護師養成所、3年課程の看護専門学校の他、4年制の大学は 県立広島大学保健福祉学部(60 名)、日本赤十字広島看護大学看護学部(115 名)、
呉大学看護学部(120 名)、広島国際大学保健医療学部(100 名)広島大学医学部 保健学科(70 名)の看護職者の教育機関はあるが、何れも広島県の西部に位置し、
東部には看護学部のある大学が無い。一方、国立病院機構福山医療センター付属 看護学校は平成20年3月で閉校される予定となっており、東部に位置する福山 平成大学への看護学部設置が必要とされている。また隣県岡山県においても4大 学看護学科はいずれも東・北部に設置されている関係上、岡山県西部地区からも 設置が期待されている状況があり、広島県は勿論、近隣の医療関係施設でも、当 大学看護学部設置に期待が寄せられている。
3. 看護職者の 充足状況
広島県保健医療計画によると、看護職員の需要数は、①勤務条件の向上、②夜 勤体制の強化、③介護サービス量の伸び、④院内感染・医療事故防止対策や看護 職員への研修体制の充実などにより、平成 13 年の 32,700 人から平成 17 年には 36,900 人となり、4,200 人の増員が必要と推定されている。対策としては、①養 成の強化、②資質の強化、③再就職の促進、④離職防止を掲げている。①の養成 の強化では、資質の高い看護職者を養成する教育施設の充実(4年制大学での看 護教育)と看護大学卒業者の県内就職率の向上が掲げられている。
以上、広島県の保健医療計画の中でも福山地区に大学の看護学部設置が期待さ れている。
全国的には平成17年12月厚生労働省の「第六次看護職員需要見通しに関す る検討会」の報告によれば、平成22年時看護職員の需要は 140 万 6,400 人とさ れた。平成16年末の看護職員就業者数は 129 万 2,593 人であり約 11 万人以上 の看護職員が更に必要と見込まれている。
4. 看護学部設 置の必要性
当大学は平成18年4月現在、経営学部と福祉健康学部の2学部があり、福祉 健康学部には福祉学科・健康スポーツ科学科の2学科がある。福祉健康学部の教 育理念は、健康を基底にした全ての人々が生きがいを持って共生できる「ウエル ビーイング」の理念に従って、幼児から高齢者まで幅広い対象者に対し、心身の 健康づくりとQOLの向上を目指している。看護学部が設置されることで、福祉 健康学部と緊密な連携のもと、保健・医療・福祉の全体を見渡すことのできる幅 広い視野を持ち、これからの新たな福祉社会において、中核となって活躍できる 専 門 的 職 業 人 の 育 成 が 期 待 さ れ る 。 こ の こ と は 国 民 の 健 康 レ ベ ル を 身 体 的 機 能 、 精神的、心理的機能、社会環境について、包括的に評価し、各個人のレベルに合 った健康の維持・増進、ひいては疾病の予防・介護予防を目標とした活動が期待 される。
ま た 将 来 的 に は 看 護 学 研 究 科 修 士 課 程 さ ら に は 福 祉 健 康 学 部 と 連 合 し た 博 士 課程を構想している。
Ⅲ.看護学部の特色と教育方針
1 看護学部の 特色
1)看護実践能力の充実
あ ら ゆ る 医 療 場 面 に お い て 、 個 人 の 尊 重 と 人 権 に 配 慮 し て 、 そ の 人 の 最 適 な 健 康 状 態 を め ざ し た 看 護 を 実 践 す る た め に 、 必 要 な 専 門 的 な 基 礎 知 識 や 技 術 の 理 解 、 判 断 、 実 践 能 力 を 習 得 し 、 臨 地 場 面 で 対 象 者 に 適 確 な 看 護 援 助 活 動 が 提 供出来るよう教育方法の工夫をする。
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年次からフィールドに出て、人々のニー ズ を 踏 ま え た 看 護 を 追 求 で き る 実 践 能 力 を 育 成 す る 。 健 康 の 保 持 ・ 増 進 、 疾 病 の 予 防 、 健 康 学 習 支 援 や 健 康 管 理 支 援 、 在 宅 療 養 支 援 や 地 域 ケ ア 体 制 づ く り 、 保 健 ・ 医 療 ・ 福 祉 チ ー ム の 中 で の 調 整 や 社 会 資 源 活 用 支 援 等 の 看 護 実 践 能 力 を 育成する。講 義 ・ 演 習 ・ 実 習 を 統 合 し て ① 人 間 尊 重 ・ 擁 護 の 方 法 、 ② 看 護 展 開 方 法 、 ③ 療 養 生 活 ・ 健 康 管 理 支 援 の 方 法 、 ④ チ ー ム 体 制 と マ ネ ジ メ ン ト 方 法 、 ⑤ 研 究 研 鑽 方 法 等 の 実 践 能 力 を 培 う 。 臨 地 実 習 で は 、 ① 看 護 実 践 の 基 盤 と な る 能 力 、 ② 利用者支援能力、③組織開発能力の育成を目標とする。(平成16年3月に提示 さ れ た 看 護 教 育 の 在 り 方 に 関 す る 検 討 会 の 報 告 に よ る 「 看 護 実 践 能 力 育 成 の 充 実 に 向 け た 大 学 卒 業 時 の 到 達 目 標 」 の 達 成 で き る こ と を 目 標 と し た 教 育 を 行 う。){別記教育方法(1)(2)(3)(4)(5)参照}
2)対象者の心のケアを重視した看護援助活動
近 年 の 急 激 な 社 会 情 勢 の 変 化 に 伴 い 、 国 民 の 心 の 不 健 康 状 況 は 社 会 的 問 題 と
な っ て い る 。 心 の ケ ア の 対 象 者 は 入 院 治 療 中 の 患 者 の み な ら ず 、 あ ら ゆ る 状 況 に よ り 心 理 的 障 害 を 受 け 苦 し ん で い る 人 び と に 対 し て 心 理 的 ケ ア の で き る 看 護 職 者 を 育 成 す る こ と が 急 務 と な っ て い る 。 看 護 の 基 本 は 優 し さ と 思 い や り の 心 を も っ て 、 ま ず 対 象 者 の 理 解 を 深 め る た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 を 習 得 し 援助的人間関係を築き、対象者の精神面に働きかけることである。心のケアは、
ヒ ュ ー マ ン ケ ア の 基 本 に 関 す る 実 践 能 力 の 基 盤 と な る 教 育 で も あ る 。 幅 広 く 一 般 住 民 の 精 神 保 健 上 の 問 題 に も 対 応 出 来 る 人 間 性 と 高 度 な 専 門 知 識 と 技 術 を 備 え 、 対 象 者 の 心 の ケ ア を 重 視 し た 看 護 援 助 活 動 を 展 開 す る こ と を 目 標 と す る 。
{別記教育方法(6)参照}
3)地域・在宅看護援助の充実
急速な少子・高齢社会を迎え、特に高齢者の疾病予防を重視した健康管理とQ OL向上が重要課題となっている。また入院患者の在院日数の短縮による在宅医 療・訪問看護サービスの充実が急務となっている。身体的・精神的・心理的側面、
社会環境も考慮した包括的な援助活動のできる能力を身に付ける必要がある。
広島県による老人保健福祉圏域の実態を県資料から検討すると、本学が存在す る福山・府中圏域では、平成
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年の高齢者人口比率は21.3%と予想されている。
さらに、県東北部の備北圏域では同
32.4%と予測されている。このような実態か
ら県は「高齢者の人口増加」、特に「後期高齢者人口の増加」の見込みから、「要 介護者の増加」について懸念を表明している。介護サービスの増大が進み、介護 保険の計画値をすでに上回って推移している市町村もあり、高齢者が「住み慣れ た地域で最期まで、生き生きと活動性に高い人生をおくる」ことが住民及び行政 の大きな願いとなっている。本学はその存立の経緯からも、地域住民への貢献を大きな目標の一つとしてい る。そのため周辺市町村における地域保健、介護予防の活動実践や、介護保健事 業計画、フォローアップ、さらには保健医療福祉専門職種の現任教育などに積極 的に携わり、地域住民の健康に貢献したいと願っている。
そのため、学部内に「地域交流センター」を設置し、妊産婦・乳児から高齢者 まで、その健康ニーズに応じた看護ケアを展開できるよう準備中である。地域住 民がこの施設を利用し、児童期から中高年まで、生活習慣病を予防し、心身の健 康レベルを向上させることを目標としている。もとより、上記のような活動は地 域における「ケア」をベースにするものであり、これは看護専門職者による基本 的な活動実践の一つである。本学部では、この実践に鋭意努力を重ねていきたい。
2 教育理念
本 学 看 護 学 部 は 、 高 い 倫 理 観 に 裏 付 け さ れ た 感 性 を 持 ち 、 人 間 と 環 境 を 愛 し 、 看護学の発展、国民の健康増進及び社会福祉に貢献しうる人材を育成する。
3 教育目的
人々の健康状態の保持向上を目指して、生活や環境との関係を専門的立場で的 確に判断し、人々の主体性や価値観を尊重する人間尊重を基盤とした資質の高い 看護実践者を育成し、併せて将来の研究者及び指導者につながる教育を行う。
4 教育目標
(1)生命の尊厳に基づく倫理観を備え、人間を総合的に理解し、医療人として の能力を養う。
(2)対象者に優しい思いやりの心を持ち、援助的人間関係を築きながら看護過 程を実践する能力を育成する。
(3)対象者の健康状態を生活背景や文化・環境・社会的背景とのかかわりで捉 え、広い視野で柔軟に対応できる能力を育成する。
(4)専門知識に基づいた判断力と問題解決能力を育成し、看護実践能力をたか める。
(5)対象者の自立と自己表現力を支えるための自己教育力を育成する。
(6)看護の実践・教育・研究者として、保健・医療・福祉に関する他職種とチ ー ム 連 携 ア プ ロ ー チ の 中 で 看 護 専 門 職 と し て の 役 割 を 有 効 に 発 揮 で き る 基礎的能力を養う。
(7)世界の人々の固有の文化や生活を理解し、国際的視野を持って活動できる 能力を育成する。
Ⅳ.学部学科等の名称及び学位の名称
医療技術者教育の使命は、医療現場の革新的な進歩に伴い、医療の高度化と専門 分化を招き、高度な知識と技術、科学的判断のみならず、総合的に人間を理解する 豊な人間性と感性、倫理性、創造性をもち、有機的連携をもとに保健医療活動を実 践できる質の高い看護専門職の養成である。従って、前記した教育の特色・理念・
目的・目標に基づいて、人間の主体性を尊重し、様々な健康レベルの人々に対して、
質の高い医療技術が提供でき、医療の発展に貢献できる人材を育成するために、看 護学部看護学科を設置し、本課程を卒業したものには、学士(看護学)を授与する。
Ⅴ.教育課程の基本的考え方と教育方法
1 教育課程編 成の考え方 及び特色
本看護学部のカリキュラムは、看護を『人がよりよく生きる』ために、また『あ
らゆる健康レベルに対して援助する』ために「人間」「健康」「環境」「看護活動」
を主軸に据え、また看護実践者、指導者、教育者、研究者を育成するために「人 間 と 健 康 論 」「 生 活 と 環 境 論 」「 看 護 活 動 論 」「 総 合 」 領 域 の 4 本 の 柱 を 相 互 に 連 動できるように構成した。
( 1 ) 人 間 と 健 康 領 域 : 看 護 の 対 象 と し て の 人 間 ・ 健 康 に つ い て の 理 解 を 深 め る た め の 基 礎 と な る 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 に つ い て 学 習 す る 。 人 間 と 健 康 、 身 体 の 仕 組 み と 健 康 、 心 の 仕 組 み と 健 康 、 ラ イ フ サ イ ク ル と 健 康 、 看 護 の 本 質 等の視点から学習する
( 2 ) 生 活 と 環 境 領 域 : 人 間 を 取 り 巻 く 環 境 ・ 自 然 ・ 社 会 ・ 文 化 的 環 境 が ど の よ う に 人 間 生 活 に 影 響 し 合 っ て い る か 、 又 、 支 え 合 っ て い る か 、 そ れ ら が 人 間 の 健 康 障 害 に ど の よ う に 関 与 し て い る か を 理 解 し 、 健 康 回 復 へ の 方 法 を 見 出 す も の と な っ て い る 。 さ ら に 、 人 間 の 健 康 と 生 活 を 守 る 社 会 シ ス テ ム について学習する。
( 3 ) 看 護 活 動 領 域 : あ ら ゆ る 発 達 段 階 に お け る 健 康 障 害 の 種 類 、 な ら び に 健 康 レベルにそった援助及び医療施設・地域・福祉施設等で実践できる能力が身 につくように学習する。ヒューマンケアの基本と実践、看護上の問題点の把 握、根拠に基づいた看護実践、臨床・地域の特性に応じた看護援助、継続看 護と看護の社会的役割等の視点から学習する。
( 4 ) 総 合 領 域 : 人 間 と 健 康 領 域 、 生 活 と 環 境 領 域 、 看 護 活 動 領 域 を 統 合 す る 。 看 護 学 教 育 と 生 涯 学 習 、 健 康 管 理 と 健 康 教 育 、 チ ー ム ワ ー ク の 基 本 と マ ネ ジ メ ン ト 、 研 究 的 な 視 点 、 人 間 性 を 高 め る 学 習 等 の 視 点 か ら 学 習 す る 。 本領域は、看護に携わる人間としての豊かな心や視野の広さと倫理的思考、
マ ネ ジ メ ン ト 能 力 、 ヘ ル ス ケ ア シ ス テ ム の 構 築 を 目 指 し て 科 目 を 設 定 し て い る 。 看 護 の 管 理 ・ 教 育 ・ 実 践 ・ 研 究 に 有 効 な 先 進 国 の 原 著 購 読 や 活 用 法 を 学 び 、 看 護 研 究 に お い て 看 護 学 の 更 な る 発 展 と 人 間 性 を 高 め る た め の 学 習 を 深 め る 。 又 、 卒 業 後 専 門 職 者 と し て 現 場 で 即 戦 力 と し て 役 立 つ よ う に 卒業前教育の充実を図る。
(5 )日本の少 子・高齢社 会に対応で きる看護専 門職の育成 のための科 目設定
・高齢社会における看護実践能力を育成する:日本社会の高齢化の問題点は、
高齢化のスピード、後期高齢者(75歳以上)の急増,社会基盤、システムの 確 立 の 遅 れ が 問 題 と な っ て い る 。 日 本 各 地 の 地 域 社 会 で 活 躍 で き る 高 齢 者 看 護 学 に 精 通 し た 実 践 的 な 看 護 専 門 職 育 成 を め ざ す 。 そ の た め に 高 齢 健 康 科 学 、 心 身 若 返 り 健 康 教 育 、 老 年 看 護 援 助 学 、 老 年 看 護 学 実 習 、 地 域 ・ 在 宅看護援助学と実習等の科目を設定した。
・ 少 子 社 会 に お け る 次 世 代 育 成 へ の 対 応 能 力 を 育 成 す る : 現 代 の 少 子 化 や 少
産 貴 重 児 、 育 児 、 共 働 き と い っ た 社 会 背 景 の 中 で 、 子 ど も が 健 康 に 成 長 ・ 発 達 す る た め に 家 族 、 特 に 両 親 の 健 康 が 重 要 で あ る 、 ま た 両 親 の 親 意 識 発 達 の 過 程 な ど 、 子 ど も は 社 会 ・ 家 庭 環 境 か ら 強 い 影 響 を 受 け て い る こ と か ら 、 環 境 と 子 ど も 、 子 ど も の 成 長 と 健 康 、 生 活 習 慣 と 小 児 肥 満 、 母 性 と 生 命 科 学 、 母 性 看 護 援 助 学 、 小 児 看 護 援 助 学 、 学 校 保 健 、 思 春 期 精 神 保 健 、 家族社会学、家族心理学、家族看護学、心のケア等の科目を設定した。
Ⅵ.教員組織の編成の考え方及び特色
教員の組織編制に当たっては、当看護学部の特色と教育方針を念頭に、より教育 効果を上げ目的が達成できるように、さまざまな分野で活躍している有能な人材に よる教員編成をしている。特に主要な専門基礎教科と専門教科については、4 年制 看護系大学での教育経験豊富な人材を教授として配属している。又各分野で臨床経 験豊富な優秀な人材を配置している。大学の講義や演習で学習した理論と技術を実 際場面で対象者に対し的確なケアが提供でき、創造的看護活動が展開できる人材育 成のために、臨床経験豊富な教員と大学教育経験豊富な教員が協働することが必要 と考える。そのため、教員組織の編成は、組織を縦割りに固定化するのではなく、
学問の進展状況、教育すべき内容の変化、学生側の条件の変化に応じて、柔軟かつ 迅速に対応できる体制を整備している。
特に看護学教育では、実習・演習に多くの時間をかけ教育する必要があるため、
看護実践に精通した教員を適切に配置している。大学の教員としての能力はもとよ り、専門職業人としてのロールモデルとなり得る看護実践能力を備えた人材を配置 し、看護学実習では生命の尊重や倫理的問題、対象者の安全性確保の教育を徹底し て実施する。
感性豊かな看護職としての態度形成を図り、看護学の真髄を追及する喜びを感じ ることができるよう導く必要がある。そのために実践の場との連携が充分に図られ、
複雑な現場での学習が効率的にできるよう、実践に強い教員の指導体制を図ってい る。
・特に当学部の 特色に沿っ た教員配置 について。
①看護実践能力の充実については、「大学卒業時の到達目標」に向けて、実習での 現場教育を重視し、「臨床の知」と「科学の知」を対比・融合させながら学生が 主 体 的 に 気 づ き 、 学 ぶ こ と の で き る フ ィ ー ル ド ・ サ イ エ ン ス の 考 え に 基 づ き 、 現 場 密 着 型 の 授 業 展 開 を す る 。 そ の た め 、 臨 床 現 場 で の 経 験 豊 富 な 教 員 を 各 専 門 領 域 に 配 置 し て い る 。 実 践 家 と し て 現 場 で 求 め ら れ る 能 力 を 有 し て い る 教 員 が 教 育 指 導 に 当 た る こ と で 、 基 礎 看 護 学 や 専 門 看 護 分 野 に お い て も 、 現 場 密 着 型 の 看 護 実 践 能 力 を 育 成 す る 授 業 展 開 が 実 施 で き る 。 こ の こ と は 、 卒 業 後 即 戦 力として活動できる看護実践者の育成が強化できる。
②心のケアを中心とした教育については、21 世紀は「心の時代」と言われている よ う に 、 精 神 障 害 者 の み な ら ず 国 民 全 体 の 心 の 問 題 が ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ て い る 。 そ の た め 看 護 職 者 と し て 幅 広 い 対 象 者 に 対 す る 精 神 保 健 上 の 問 題 へ の 対 応 が 必 要 と さ れ て い る 。 従 っ て 心 の ケ ア を 中 心 と し た 教 科 も 多 く 科 目 立 て を し て い る 。 教 員 に つ い て は 、 精 神 保 健 看 護 分 野 で の 豊 富 な 臨 床 経 験 、 教 育 経 験 、 並 び に 精 神 保 健 分 野 で の 講 義 ・ 講 演 ・ 社 会 的 活 動 に 貢 献 し て い る 実 務 家 教 員 を 配 置 し て い る 。 又 、 カ ウ ン セ ラ ー の 資 格 を 有 し 、 カ ウ ン セ ラ ー と し て 活 動 し て い る 教 員 や 、 児 童 ・ 思 春 期 精 神 保 健 な ど 思 春 期 の 心 の ケ ア に つ い て は 、 学 校 保 健 の 現 場 で 活 躍 し て い る 実 務 家 教 員 の 教 育 体 制 も 強 化 し て い る 。 現 在 学 生 自 身 の 精 神 保 健 上 の 問 題 が 重 要 と な っ て い る 。 個 々 の 学 生 が 人 生 の 目 標 に 向 か っ て 積 極 的 に 大 学 教 育 に 取 組 め る よ う に 、 学 生 の 精 神 保 健 上 の サ ポ ー ト が 必 要 で あ る ことから、「心の相談室」設置も視野に入れ教員の配置をしている。
③地 域 ・ 在 宅 看 護 援 助 学 教 育 に つ い て は 、 急 速 な 少 子 ・ 高 齢 社 会 を 向 か え 、 特 に 高齢者の疾病予防を重視した健康管理と
QOL
の向上が重要な課題となっている。ま た 、 入 院 患 者 の 在 院 日 数 短 縮 に よ る 在 宅 医 療 ・ 訪 問 看 護 サ ー ビ ス の 充 実 が 急 務 と な っ て い る 。 対 象 者 の 身 体 的 、 精 神 ・ 心 理 的 側 面 、 社 会 環 境 も 考 慮 し た 包 括的な援助活動のできる保健師
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名と、長期に亘り在宅看護実践と教育経験を 有す経験豊富な教員を採用している。④ヒューマンケアの基本に関する実践能力の育成を重視した教員配置
現 在 、 医 療 現 場 で 重 要 課 題 で あ る 「 人 の 尊 厳 の 重 視 と 人 権 の 擁 護 を 基 本 に 据 え た 援 助 行 動 」 の 看 護 教 育 は 重 要 か つ 困 難 な 教 育 で あ る 。 倫 理 的 思 考 に 基 づ い て 主体的行動が取れる人間性育成と主体的判断に基づく行動は大学
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年間に亘る 全 教 育 が 関 連 し て い る 。 特 に 看 護 職 者 と し て の 人 間 性 の 育 成 は 教 養 教 科 ・ 専 門 基 礎 教 科 で 主 た る 教 育 が 行 わ れ る 。 教 養 教 科 ・ 専 門 基 礎 教 科 に つ い て は 、 殆 ど が 専 門 分 野 に お い て 優 秀 な 人 材 に 依 頼 し て い る 。 実 際 場 面 で の 、 人 権 擁 護 ・ イ ン フ ォ ー ム ド コ ン セ ン ト ・ 看 護 倫 理 ・ 危 機 管 理 ・ 情 報 管 理 な ど な ど 実 践 能 力 の 教 育 は 、 医 療 現 場 で 管 理 的 立 場 か ら 実 情 に 即 し た 教 育 が で き る よ う に 、 看 護 管 理 職 を 経 験 し て い る 教 員 を 配 属 し て い る 。 現 場 で の 経 験 を も と に 、 よ り 具 体 的 な教育が期待できる。⑤教員の年齢構成と定年規定の関係
本 学 教 員 の 定 年 は 、 本 学 部 構 想 段 階 で は 7 0 歳 と な っ て い た が 、 平 成 1 8 年 4 月 1 日 付 け 就 業 規 則 の 改 正 に よ り 、 平 成 2 3 年 4 月 1 日 か ら 6 5 歳 に 改 正 さ れた。本学部の教員の年齢構成は、70歳代1名、60歳以上70歳未満7名、
5 0 歳 以 上 6 0 歳 未 満 3 名 、 4 0 歳 以 上 5 0 歳 未 満 8 名 、 4 0 歳 未 満 3 名 と な っ て い る 。 若 干 教 授 陣 に 高 年 齢 者 多 い が 、 主 力 は 4 0 代 と な っ て お り 、 若 々 し い 教 育 が 実 現 で き る も の と 期 待 し て い る 。 定 年 規 程 と の 関 係 で は 、 7 0 歳 代 の 教 員 1 名 が 定 年 規 程 を 超 え る こ と に な る が 、 従 前 の 規 程 附 則 第 2 項 に 基 づ き
採 用 す る こ と を 決 定 し た も の で あ る 。 な お 、 就 業 規 則 の 改 正 に 伴 い 新 し く 制 定 さ れ た 定 年 規 程 と の 整 合 性 を 持 た せ る た め 、 新 し い 定 年 規 程 第 2 条 に 定 め る 任 期制により採用することとしており、新しい定年規程においても抵触しない。
Ⅶ.教育方法、履修指導方法及び卒業要件
(1) 早期に看護学の基礎看護学実習を導入し、学生が実際に人々と触れ合うこと によって、人間に関する関心を育てる。それをもとに、看護職者としての専 門知識・技術・態度を学ぶ方法としてセミナー、チューター制教育方法(個 別 指 導 )、 グ ル ー プ 活 動 等 を 通 じ 学 生 の 主 体 性 が 育 成 さ れ る よ う な 方 法 を 導 入する。
(2) 実 践 で の 現 場 教 育 を 重 視 し 、 フ ィ ー ル ド ・ サ イ エ ン ス の 考 え 方 に も と づ き 、 体 験 を 通 し て 学 ぶ 。「 臨 床 の 知 」 と 「 科 学 の 知 」 を 対 比 ・ 融 合 し な が ら 学 生 が主体的に気付き、学ぶことのできる実習時間を設定する。看護は実践の科 学である従来学内演習で学習していた教育内容を精選し、最低限必要な教育 内容(ミニマム・エッセンシャルズ)を明確化し、効果的な教育を行う。臨 地実習・現場教育を重視した方法を取り入れる。フィールド・サイエンスの 考えに基づき、臨床や現場でしか学べない貴重な学習をする。
(3) 看護倫理学については現場密着型の授業展開とする。基礎看護学で原則的な ことを学び、その上に成長発達各期における看護実践と分離しない方法での 学習を導入する。
(4) 授業、演習、実習は常に循環型で連携し、相互に拡充し合い、内容を深めて いく。授業と演習、演習と実習を相互に関連させながら進めていく。対象を 中心に据えて、その周囲を螺旋状に取り巻く形で知識と実践を絡め、教育を 進める。
(5) 総 合 看 護 学 実 習 で 即 戦 力 と し て 現 場 で 役 立 つ 看 護 実 践 者 の 育 成 を 強 化 す る 。 4年次の後期に行う総合看護学実習は、ヒューマンケアの基本に関する実践 能力、看護の計画的な展開能力、特定の健康問題をもつ人への実践能力、ケ ア環境チーム体制整備能力、実践の中で研鑚する基本能力等において、卒業 時の看護実践能力の到達目標を達成できるよう指導する。小グループ編成で 全教員が指導に当たる。
(6) 対 象 者 の 精 神 的 側 面 の 理 解 と 援 助 を 重 視 し た 心 の ケ ア の 出 来 る 看 護 者 教 育 を行う。コミュニケーション論、心のケア、援助的人間関係、看護とカウン セリング、精神看護援助学、総合看護学実習等、1年次から4年次までを通
して心の看護の教育を講義・演習・実習を通して学習させる。特にカウンセ リング・ロールプレー・グループミーティング等演習を中心に授業展開をす る。
(7) 地域看護実習の一環としての地域交流実習を通して、地域貢献の出来る大学 教育を展開する。看護学部に設置された地域交流センターを利用し、地域住 民の健康問題の相談活動・健康教育・疾病予防活動、また四季折々のイベン ト活動を通して地域住民と大学学生と教員の交流の場を設定し地域貢献、ひ いては地域の活性化に繋がる活動をする。
(8) 本学の卒業に必要な単位は、学科の授業科目区分ごとに、次の表のとおり定 められており、この卒業に必要な単位を4年間で修得すること
区 分 必要最低単位数
教 養 教 育 科 目 24 単位以上 専 門 基 礎 科 目
専 門 科 目 104 単位以上
合 計 128 単位以上
備 考
① 1年間の履修単位数は、前期・後期合計上限50単位とする。
② 進 級 の 条 件 を 満 た さ な い 者 は 、 留 年 と し 、 次 年 次 の 開 設 授 業 科 目 の 受講はできない。
③ 単 位 は 、 出 席 す べ き 回 数 の 3 分 の 2 以 上 出 席 し 、 か つ 、 定 期 及 び 臨 時の試験等に合格した者に対して与えられる。
④ 在 学 中 2 回 を 超 え る 留 年 及 び 同 一 年 次 に 2 回 の 留 年 は 認 め ら れ な い 。
⑤ 「看護学研究(ゼミⅠ)」の単位を取得しなければ、4年次に進級で きない。
Ⅷ.施設整備等の整備計画
(a)校地・運動場の整備計画
校地面積は、80,652 ㎡を所有し、設置基準による収容定員 1,600 人(大学全 体)の校地面積の基準は 16,000 ㎡であり、基準面積の5倍を充足し全体整備 済である。
敷地内には、運動場(全天候型 400mトラック・グレーコートサッカー場・人 工芝テニスコート)28,307 ㎡完備し、その他の空地には学生が十分に休息で きるように、全て芝生で整備済である。
(b)校舎等施設の整備計画
設置基準による収容定員 320 人(入学定員 80 人)の校舎面積は 4,561 ㎡であ り 、 新 た に 看 護 学 部 専 用 棟 と し て 、 5 , 0 5 0 ㎡ を 整 備 す る 予 定 で あ り 、 基
準面積を充足する。
こ の 建 物 は 、 特 に 病 院 で 実 習 に 十 分 対 応 出 来 る よ う に 、 そ れ ぞ れ の 分 野 毎 に 実習施設・設備を整備することにしている。
新規構想建物については次のとおりである。
建物の主な概要
1階 地域交流センター 82.9㎡
小児看護学実習室 110.5㎡
母性看護学実習室 121.5㎡
学生談話コーナー 110.5㎡
学生ロッカー室 138.0㎡
2階 地域精神看護学実習室 107.7㎡
在宅介護学実習室 278.0㎡
入浴実習室 82.9㎡
家政・調理実習室 113.0㎡
共同研究室 55.2㎡
ゼミ室 25.1㎡
学生ロッカー室 39.0㎡
3階 基礎看護学実習室 267.0㎡
ナースステーション 36.5㎡
ICU室 54.5㎡
講義室(3室) 331.5㎡
4階 成人・老年看護学実習室 182.0㎡
フィジカルアセスメントルーム 60.3㎡
多目的実習室 107.9㎡
ゼミ室(6室) 239.0㎡
研究室(3室) 66.0㎡
研究実験室 40.3㎡
5階 学部長室 60.0㎡
研究室(18室) 380.0㎡
助手室 96.6㎡
会議室 55.3㎡
その他に、共同利用施設として、講義棟 3,314 ㎡、図書館 3,246 ㎡、
第1体育館 2,590 ㎡、第2体育館 3,163 ㎡、クラブハウス 1,323 ㎡等 整備済である。
(c)図書等の資料及び図書館の整備計画
・ 図書等の整備について
学 部 学 科 か ら 選 出 さ れ た 図 書 館 運 営 委 員 会 の 各 学 科 の 図 書 委 員 を 中 心 と して、毎年学科の学生図書並びに学術雑誌(データベースを含む)を選定
し購入していく。
また、教員においては年間一人当たり
25
万円の研究図書費で研究図書並 びに研究雑誌を購入していく。・ デジタルデータベース、電子ジャーナル等の整備計画
現在、和・洋のデータベースを整備しているが、今後看護学部においては、
医学、看護学、保健衛生学系の電子ジャーナルを整備していく予定である。
・ 図書館の閲覧室、閲覧席数、レファレンス・ルーム、検索等、教育研究を 促進できる機能等が学部の種類、教育研究の目的等に照らして適切である かについては、図書館総面積
3,246
㎡のうち閲覧スペース1,826
㎡、書庫 スペース216
㎡(図書 収容能力9.5
万冊;現在6
万冊所蔵)であり、閲 覧席は現在200
席設置。図書等の検索については、図書館ホームページの 図書検索で検索が可能。教育研究についても、前述のデータベースにより、導入前と比較すると授 業及び研究においても効果が上がってきている。
・他の大学図書館等の協力につて
私立大学図書館協議会、広島県大学図書館協議会並びにNACSIS-
I L L に 加 盟 す る こ と で 本 学 図 書 館 に 所 蔵 の 無 い 文 献 や 書 籍 を 他 大 学 図書館へ貸借依頼(図書館間相互貸借システム:オンライン)すること により、2.
3
日で入手可能となり教育研究において効率を上げている。Ⅸ.入学者選抜の概要
看護学部では、保健・医療・福祉の全体を見渡すことのできる幅広い視野を持ち、
これからの新たな福祉社会において、中核となって活躍できる専門的職業人の育成 を目指し、入学試験については、筆記試験だけでなく、面接試験を実施し合否を決 定する。
本学の所在する広島県東部の備後地区は、中核都市の福山市をはじめとする3市 1町から構成され、人口100万人以上に達する中核的な地方都市でありながら、
医療分野の一部である看護関係の人材を養成する大学は、本学が設置されれば、県 立広島大学との2大学である。
近年の経済不況は高校生の地方大学への進学志向を生み、同時に地方の医療関係 機関は深刻な人材不足の状況下であり、これらも近傍の高校生の応募を高めるもの と推察される。
(1) 受け入れ方法
・入学試験の概要
1.入学試験の種類及び募集方法
開設年度 次年度以降 募集人員(名)
種 類
看護学部 看護学科
指定校入学試験 15 名
推薦入学試験 30 名 15 名
前期入学試験 45 名程度 35 名程度
後期入学試験 5 名 5 名
AO入学試験
5 名奨学生入学試験 若 干 名 若 干 名
大学入試センター試験 5 名
2.入学試験の種類別受験資格と選考方法
(1)指定校入学試験
高等学校全体の評定平均値3.2~4.0以上の者で、学校長の推薦 した者が候補者。面接により選考。
(2)推薦入学試験
高等学校全体の評定平均値3.0以上の者で、学校長の推薦した者が 候補者。
推薦書、調査書の内容及び面接と基礎的な学力試験の総合評価により 選考。
(3)前期・後期入学試験
学力試験の成績、調査書の内容を総合して選考。
(4)AO入学試験
本 学 で 学 び た い と い う 明 確 な 目 的 意 識 と 強 い 勉 学 意 欲 を 持 っ て い る 者の自己申告者が候補者。
創意工夫や自主性を評価する面接重視の選考。
(5)奨学生入学試験
学業成績、人物ともに優秀で、将来社会の指導的人物となりうる者。
学 力 試 験 ( 前 期 入 学 試 験 ・ 特 別 試 験 ) の 成 績 及 び 面 接 と 推 薦 書 、 調 査書の内容を総合して選考。
3.入試日程
(イ)平成19年度 入試日程
種 別 学 部 試 験 日 試 験 地 出 願 期 間 合 格 発 表
推 薦 入 試 看 護 学 部 H18.12.20
本 学 ・ 広 島 ・ 福 岡 ・ 岡 山 ・
大 阪
H18.12.11
~ H18.12.18
H18.12.23
前 期 入 試 看 護 学 部
H19.1.31 H19.2. 1 H19.2. 2 H19.2. 3
本 学 他 2 1 会 場
H19.1.6
~ H19.1.25
H19.2.8
奨 学 生
入 試 看 護 学 部 H19.2. 1 本 学
H19.1.6
~ H19.1.25
H19.2.8
後 期 入 試 看 護 学 部 H19.3.14 H19.3.15
本 学 ・ 広 島 ・ 福 岡 ・ 岡 山 ・
大 阪
H19.2.22
~ H19.3.8
H19.3.18
(ロ)平成20年度 入試日程
種 別 学 部 試 験 日 試 験 地 出 願 期 間 合 格 発 表
指 定 校
入 試 看 護 学 部 H1910.4 本 学
H1910.2
~ H19.10.11
H19.10.18
推 薦 入 試
A 日 程 看 護 学 部 H19.11.8 H19.11.9
本 学 他 1 2 会 場
H19.10.17
~ H19.11.2
H19.11.14
推 薦 入 試
B日 程 看 護 学 部 H19.12.20
本 学 ・ 広 島 ・ 福 岡 ・ 岡 山 ・
大 阪
H19.12.11
~ H19.12.18
H19.12.23
前 期 入 試 看 護 学 部
H20.1.31 H20.2. 1 H20.2. 2 H20.2. 3
本 学 他 2 1 会 場
H20.1.6
~ H20.1.25
H20.2.8
奨 学 生
入 試 看 護 学 部 H20.2. 1 本 学
H20.1.6
~ H20.1.25
H20.2.8
後 期 入 試 看 護 学 部 H20.3.14 H20.3.15
本 学 ・ 広 島 ・ 福 岡 ・ 岡 山 ・
大 阪
H20.2.22
~ H20.3.8
H20.3.18
大 学 入 試 セ ン タ ー 前 期 日 程
看 護 学 部
H20.1.6
~ H20.1.25
H20.2.15
大 学 入 試 セ ン タ ー 後 期 日 程
看 護 学 部
H20.1.19
~
H20.1.20 H20.2.22
~ H20.3.8
H20.3.26
A O 入 試
一 次 看 護 学 部 H19.10.13 本 学
H1910.2
~ H19.10.18
H19.10.18
A O 入 試
二 次 看 護 学 部 H19.12.15 本 学
H19.11.27
~ H19.12.12
H19.12.21
Ⅹ.資格取得
a) 卒業時にお ける取得で きる資格
(1)卒業が認定されると、学士(看 護学)を授与し、看護師及び保健師の国家 試験受験資格が与えられる。国家試験に合格すると看護師・保健師の免許 が厚生労働大臣から付与される。
(2)なお、保健師免許取得後本人の申請により、養護教諭二種免許及び第一種 衛生管理者免許が得られる。
取得 できる学位 取得 できる資格 及び免許
看護師国家試験受験資格――合格⇒看護師 学士 (看護学)
( 卒 業 必 要 単 位 取 得 者 に 対 し て 与 え
られる) 保健師国家試験受験資格――合格⇒保健師
※合格後本人の申請により、養護教諭二種免許、
第一種衛生管理者免許が与えられる
b) 実習の具体 的計画
1. 実習計画の 概要
看 護 教 育 に お け る 臨 地 実 習 は 、 教 育 課 程 で 学 ぶ 諸 知 識 や 看 護 の 専 門 的 な 知 識 を 、 実践を通じて科学的に統合する重要な科目であり学びの場である。特に当看護学部 では実践での現場教育を重視し、フィールド・サイエンス「臨床知」の体験を通し て「臨床の知」と「科学の知」を対比・融合しながら学生が主体的に気付き、学ぶ ことのできる実習時間を設定する。看護は実践の科学である。従来学内演習で学習 していた教育内容を精選し、最低限必要な教育内容(ミニマム・エッセンシャルズ)
を明確化し、効果的な教育を行う。臨地実習・現場教育を重視した方法を取り入れ る。フィールド・サイエンスの考えに基づき、臨床や現場でしか学べない貴重な学 習をする。臨地実習での習得課題としては、①看護実践の基盤となる能力、②利用
者支援能力、③組織開発能力の 3 点の目標達成に向けて各領域別実習の具体的計画 を立てた。
臨地実習は1年次後期から始まり4年次後期までにわたり、通算28週28単位 の実習が予定されている。個々の学生にとってより効果的な実習成果が得られるよ うに、実習施設の確保、実習施設との連携、指導教官の適切な配置、実習指導方法 の研鑚、学生の心身の健康と安全性等配慮し計画した。
(1 )実習目的
生命と人間の尊厳を重んじ、さまざまな健康レベルにある人や生活の場を総 合的に理解し、専門的知識と技術を用いてその人の最適健康状態をめざした看 護を展開できる能力と態度を養う。また、生命の尊厳に基づく倫理観と看護職 者としての態度を養い、知的練磨に努め、自らの看護実践に対する考えを明ら かにし、看護観の形成を目指す。
(2 )実習目標
1 ) 看 護 の 対 象 と な る 人 々 と の 援 助 的 関 係 を 成 立 ・ 発 展 さ せ る 体 験 か ら 、 自 己 理解や他者理解を深め、柔軟で豊かな人間性を身につける。
2 ) 各 ラ イ フ ス テ ー ジ に あ る 人 、 さ ま ざ ま な 健 康 レ ベ ル に あ る 人 、 さ ら に 地 域 で 生 活 す る 人 を 、 身 体 的 ・ 心 理 的 ・ 社 会 的 ・ ス ピ リ チ ュ ア ル な 統 一 体 と し て理解する。
3 ) 看 護 学 並 び に 関 連 諸 科 学 を 応 用 ・ 統 合 し 、 看 護 の 対 象 と な る 人 の 最 適 健 康 状 態 を め ざ し た 看 護 実 践 を 通 し て 、 科 学 的 及 び 創 造 的 な 思 考 と 問 題 解 決 を 行う能力を養う。
4 ) 保 健 ・ 医 療 ・ 福 祉 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 を 理 解 し 、 個 人 、 家 族 、 集 団 、 地 域社会のニーズに対応したヘルスプロモーションを実践する能力を養う。
5 ) 保 健 ・ 医 療 ・ 福 祉 分 野 に お け る 看 護 職 並 び に 関 連 職 種 の 役 割 と 連 携 を 理 解 する。
6)看護を探求する自主的な学習態度と研究的態度を身につける。
7)看護職としての責務、自己の価値観や看護観を養う。
(3 )実習施設 の確保
各 領 域 別 実 習 施 設 の 確 保 に つ い て は 、 実 習 水 準 の 確 保 を 念 頭 に 、 実 習 課 題 を 到 達 す る こ と が で き る 施 設 を 確 保 し た 。 各 施 設 の 規 模 ・ 看 護 体 制 の 整 備 ・ 専 門 分 野 ・ 理 念 ・ 職 員 構 成 ・ 交 通 の 便 等 に 配 慮 し 次 の 実 習 施 設 と し た 。 場 所 と し て は 福 山 市 を 中 心 に 近 隣 地 域 ( 福 山 市 ・ 府 中 市 ・ 岡 山 県 笠 岡 市 ) と し 、 地 域 看 護 学 実 習 は 広 島 県 内 と す る 。 通 学 は 徒 歩 ・ 公 共 交 通 機 関 ・ 大 学 の マ イ ク ロ バ ス を 利 用 。 施 設 と し て は 公 立 総 合 病 院 5 病 院 ・ 単 科 専 門 病 院 2 病 院 ・ 私 立 総 合 病 院 3病院・訪問看護ステーション4箇所・広島県福祉健康部等である。
(4 )実習先と の連携体制
実 習 施 設 と の 連 絡 会 議 を 年 1 回 本 学 が 主 催 し て 開 催 す る 。 構 成 メ ン バ ー は 本 学 長 他 看 護 学 部 全 教 員 、 実 習 施 設 代 表 者 及 び 各 科 の 師 長 及 び 臨 床 実 習 指 導 者であり、実習調整会議を行う。
ま た 、 実 習 開 始 前 に は 大 学 の 実 習 指 導 教 員 が 現 場 実 習 を 兼 ね て 連 絡 調 整 を する期間を
1
週間設ける。実習中は、大学教員が常時学生に付添い臨床実習 指導者と連携を取ながら指導に当たる。実習中のカンファレンス・反省会等、臨床実習指導者も参加し、指導を行う。
(5 )評価及び 単位認定
1)成績評価は下記の項目に付いて総合的に科目の担当教員が評価する。
① 出席状況
② 実習に関する記録・目標達成度・課題レポート
③ 実習態度
④ その他 各科目の評価基準、実習指導者からの情報
成績評価は
100
点満点とし、優(100~80 点)、良(79~70 点)、可(69~
60)、不可(59
点以下)の評価をもって表示し、「可」以上 を合格とする。なお、原則として補習実習は行わない。2)単位認定は上記の採点結果に基づき各領域担当の単位認定教員が行う。
(6 )指導方法
実習指導に当たっては、大学教員と現場指導者と連携し、積極的に学生が実 習できるように配慮すると共に、対象者への配慮や事故防止の観点からも細か な指導を担当教員が行う。特に学生の心身の健康状態、学習目標達成状況、対 象者の人権の尊重・実習現場職員との人間関係等の調整、学生の安全対策、事 故防止に配慮した実習指導内容を組み入れている。
① 実習開始前
10
分間のミーティング② 実習記録は毎日担当教員に提出、実習内容について確認、指導を行う
③ 毎日PM4~5に1時間グループカンファレンスを行う。実習中での問 題 提 示 や 事 例 検 討 な ど テ ー マ を 決 め て メ ン バ ー 全 員 で 問 題 解 決 を す る 。 テーマによっては臨床指導者にも参加を要請する。
④ 実習期間中個別面接を実施、実習目標の達成度の確認と学生の心身面の 健康管理指導をする。
⑤ 分野別実習終了後はグループ別反省会・まとめ・報告会を行う。
(7 )実習形態 及び領域別 実習要項
・ 80名の学生を1グループ8名の10グループ編成をする。
・ そ れ ぞ れ の グ ル ー プ に 担 当 教 員 が 付 添 い 臨 床 現 場 の 実 習 指 導 者 と 連 携 を 取 ながら実習指導にあたる。
・ 指導内容は各領域別実習要項に従って実施する。
ⅩⅠ 自己点検・評価
自己評価については、本学学則第10条に基づき、自己評価委員会を配置し、教 育研究活動等について、教職員並びに大学に関する点検・評価を実施している。
点検・評価について具体的な方法としては、全教員から「教育業績自己申告表」
を提出させ、各方面から分析し、教育の改善に努めると同時に、平成13年度に「学 生による授業評価」を実施し、平成14年度末にホームページ上において、建学の 精神、教学組織、教育の活動、入試、学生指導、就職指導、大学の社会貢献などを 盛り込んだ自己評価報告を行った。
平成15年度には、再度「学生による授業評価」を実施し、授業方法の改善に向 けて各学科において授業方法等の改善案を作成し授業の一部を改善し、さらに「学 生による大学の設備および環境評価」も加え、講義室・図書館などの施設面の印象 や事務職員の応対などについて意見をまとめた。平成16年度末にはこれらの分析 結果と教員個人の研究業績および社会貢献を加え、ホームページ上に自己評価報告 書「福山平成大学の現状と課題2003」を公開した。
平成16年度の自己評価委員会からは、学長を委員長にして、各学科から選出さ れた委員に学部長・学科長を加え、平成19年度申請予定の認証評価に向けて準備 中である。
ⅩⅡ 情報の提供について
財務書類の公開状況については、予算書(資金収支・消費収支)及び決算書(資 金収支・消費収支・貸借対照表・財産目録・事業計画書・事業報告書等)を、福山 大学にあっては、経理課、福山平成大学にあっては、庶務課にそれぞれ常備し、希 望者への閲覧に供している。
学校法人は、教育サービスにかかわっている在学生とその保護者、教職員そして 卒業生など学校関係者に対して教育研究の状況や経営状況について情報を公開する 責務がある。また、補助金などの公的助成を受け、税制上非課税という極めて公共 性の高い機関でもあるので、社会一般にも広く情報を公開する責務がある。したが って、本学は、在学生、保護者、卒業生、教職員そして社会一般への情報公開に積 極的に取り組んで行く必要がある。
そのため、在学生・保護者・一般の人にも理解しやすい方法や内容を工夫し、常 備された閲覧書類だけでなく、学報・ホームページ等も十分活用して、積極的に財 政公開を行うよう改善に取り組んでいる。
教育面においては、本学では1994年の開学以来、後期授業の始まる前(8月 下旬~9月上旬)に教育懇談会を行っている。全国に数ヵ所の会場を設け、教員が
出向き保証人と懇談を行う。この会の目的は学生の前期授業の成績を保証人に知ら せることに加え、大学・学部の理念・目的、学内の現況を保証人や後援会会員に知 らせることにある。その際、『教育懇談会資料』を作成し配布している。2005年 度の資料を基に内容を説明する。「Ⅰ 大学の概況」では本学の教育方針、施設・設 備の整備状況が記されている。「Ⅱ 教務関係」ではカリキュラムや資格取得につい て記されている。「Ⅲ 学生生活関係」ではサークル活動の状況、奨学金の受給状況、
学生の健康管理状況などが記されている。「Ⅳ 就職状況」では就職指導の状況や卒 業生の進路状況などが記されている。本懇談会に担当教員が直接出向き、保証人等 と懇談する。
学部設置後は、学部独自の『看護学部紀要』を刊行し、各大学及び外部の研究機 関に配布する。また、地域との共同研究も積極的に展開していく予定である。
ホームページに関しては、学部独自のホームページを改訂し新鮮な情報の提供を 行う。
その他、大学主催公開講座への講師派遣、学部の特色を生かした地域との交流活 動を充実させる。さらに、高等学校への出張講義だけでなく、高等学校との連携の もと高校生が受講出来る講座を開講する予定である。
ⅩⅢ 教員の資質の維持向上の方策
全学的には、学会等への参加を積極的に支援するための予算措置を講じたり、国 内外への留学制度を設けたり、してきた。また、学内的には、自己評価委員会の活 動の一環として、学生による授業評価を行なうとともに、教務委員会による「授業 の現状」に関する教員アンケート等を通じて授業改善に取り組んできた。平成18 年4月から、FD推進委員会を設け、教育内容及び授業方法の改善を図るため、さ らに焦点をしぼって取り組むこととしている。
看護学部教員の資質の維持向上策としては、上記の全学的な措置のほか、全国的 な看護教育関係の協議会・学会等への積極的な参加や地域連携を促進することによ り研鑽することとしたい。