「私たちが作っていくこれからの未来」
宮崎国際大学 佐藤 望
離脱派支持 52%・残留派支持 48%
2016 年、日本時間で 6 月 24 日、
国民投票、わずか 4%の得票差で、イギリスは EU からの脱退が決まりました。
イギリスという、世界の中でも強い影響力を持つ国の問題ということもあり、
多くの国々がそのメリット、デメリット,そして他国への影響に注目し、不安を抱いていた、こ の国民投票でしたが、残留派のわずかな差での敗北という結果で、その戦いは幕を閉じたのでし た。
この勝敗を決した原因の1つとして考えられるのが、若者の投票率の低さです。
イギリスの公共放送局 BBC によると、英国に住む若者の約 75%が残留を支持していました。し かしながら、その中で実際に投票へ足を運んだ人は全体の過半数にも及ばなかったといいます。
EU から離脱するか、それとも残留するかという、イギリスの将来において重要な決断でした。
そこに、これからの国を担っていくであろう、若者の意見が十分に反映されない結果になってし まったことに、私はとても残念に思いました。
ですが、このような若者の政治参加に関する問題はイギリスだけに限ったことではありません。
日本でも現在、若者の投票率の低さが問題になっているのです。
総務省の調べでは、平成 26 年 12 月に行われた第 47 回衆議院議員総選挙における 20 歳代の投 票率は 32.58%、30 歳代が 42.09%と、両年代とも半分にも満たしていない事がわかります。
そして、投票に行かない理由として、「誰に投票したらいいのかわからない」、「自分の1票で変 わるものではないと思う」、「どの政治家も信頼できない」などという意見がよくあげられます。
私自身も、昨年 20 歳になり、初めて選挙権を与えられましたが、
選挙というと、最終結果発表の数時間前から、「○○氏当選確実」という速報が出るなど、結果 が顕著に現れてくるイメージがありそのため、 自分の1票で結果が変わることなどないだろう、
と思ってしまっていました。
ですが、今回のイギリスの国民投票の結果を聞き、いかに1人ひとりの1票がその結果に大きな 影響を与えるのか、改めて感じました。
たった 4%の差。
「もし、自分が投票に行っていたら。。。」
そう後悔した若者が何人いたでしょうか。
また、それと同時に、政治のことなんてわからない。投票に行っても、何を選んでいいのかわか らない。そんな私の一票が、この国に大きな影響を与えてしまう、そのことに焦りを感じました。
とりあいず、この政党に、この政治家でいいやという軽い気持ちで投票してはいけないのだと強 く思いました。
そんな中、日本では昨年から、選挙権の年齢が 18 歳に引き下げられました。日本の 18 歳は、ま だ大半が高校生です。そのため、これからは、教育現場での、政治に関する教育、また、その中 で、1票の重さをしっかりと伝えていく事が大切なのではないかと思います。
さらに、ネットでの投票や、立候補者の情報、演説などの積極的な配信などを取り入れていくと、
若者の投票率が上がってくるのではないでしょうか。
選挙とは私たちが政治に参加する、自分たちの意思、意見を国に伝える一番の方法だと私は考え ます。
そして、今後のイギリスを、また、日本を担っていくのは、誰でもない、私たち若者です。
よって、そんな私達が、どうすれば自分たちの暮らしやすい、より良い国になっていくのか、
それを実現するには、どのようなことをこれからの政治に求めていかなければならないのかを しっかりと考え、
「政治のことなんてわからない」ではなく、自分の国の政治にもっと興味、関心を持ち、
分かろうと、知ろうとする事が非常に大切なのではないかと思います。
そして、選挙を通して、自分たちの思いをしっかりと世の中に伝えて行かなければならないのだ と強く感じました。