KSKQ
第三柾郵便物認可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号1992年 5月27日出会しヽ j、れあし、 助lサー会し、
あべの巨】
久しぶりにさわやかな春の
青空が広がった平成四年四月
十八日 ︵土︶午後一時︑育徳
コミュティーセンター二階研
修室に於いて︑四月の出会い
が開かれた︒
サロン・あべのでは︑毎年
度その年の年間テーマを決め
てそれに沿った形で各方面で
活躍されている方々を招いて
お話を伺ったり︑出席者同士
でディスカッションを行い︑
より意義ある出会いになるよ
う努めている︒ サロン︒あべの四月の出会い
リハビリテー 二次障害 ションと
毎月十二回︵二・四・六・八の日︶発行 t九九一年九月三日窮三種郵便物乾可ブ・ライフ﹂ −生活の質的 ちなみに︑昨年度の年間の テーマは ﹁クオリティー・オ
向上 −と言うことで︑﹁本
当の意味で豊かな生活とは何
か?﹂を皆さんで考えてみた︒
それを受けて今年度のテー
マは ﹁ヘルシー・ライフ﹂︒
健康な日常生活を送るには︑
どうすればよいのか?という
形でテーマを深く掘り下けて
みることになった︒
その第一回目となる四月の
出会いには︑大阪府身体障害
者更生相談所長の沢田啓祐先
生をお招きする事が出来た︒
沢田先生は︑長年堺市にあ る大阪府立身体障害者福祉セ ンター付属病院で整形外科医 として障害者の医療活動に従 事してこられ︑現在は身体障 害者更生相談所長の立場から 障害者が社会で自立した生活 を営んでいく上で必要な援助 をあらゆる面から行う重要なお仕事をされておられる︒
具体的に言えば︑車椅子や
補装具がその障害者にとって
必要かどうかの判定から︑自
立生活の経済的基盤となる障
害基礎年金や特別障害者手当
の需給の合否判定︑さらには
障害者一人ひとりの心理面︑
精神面での相談に至るまでじ
つに幅広いものがある︒いわ
ば大阪府の身体障害者福祉の
現場での最高責任者である︒
沢田先生はまず﹁リハビリ
第三種郵便物認可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号1992年 5月27日
テーション﹂ という言葉が︑
多くの場合に ﹁病気﹂とか
﹁障害﹂を﹁治療﹂するとと
いった意味で使われることが
あるが︑本来は ﹁一人ひとり
が主体性をもって生きる事に
対して生まれてくる障壁を︑
社会の側が近代科学を総動員
して除去していくこと︑そし
てそれを援助する事﹂ である
と述べちれた︒
また︑時代によってリハビ
リテーションの目指す目標も
変化してきており︑以前は障
害者の就労をとおして職業的
自立が目標とされたが︑障害
そのものの重度化が進むとい
う変化もあり︑就労以前の問
題である身辺動作︵ADL︶
の自立︑つまり﹁自分のこと
は自分で出来る﹂ ことがリハ
ビリテーションの目標とされ
たという︒
ところが︑障害者自身の人 権意識の高まりとともに ﹁身 辺自立が出来なくても︑障害 者も社会の一員として地域の なかで生活を営んでいく権利 がある﹂との考えを基に︑障 害をそのままの形で受け入れ てそれぞれの障害者に合った 生活のパターンを作りだして 行く︒社会の側もそうした障 害者が地域社会での生活を送 りやすくなるように︑出来る かぎりの援助を行っていく︒ この ﹁自立生活﹂ ︵IL︶ の 考え方が一般に広まるにつれ て︑リハビリテーションの目 標の設定にも変化が見られる
ようになった︒
それまでの︑いわゆる ﹁機
能回復訓練﹂ や ﹁身辺動作の
向上﹂などではなく︑現実の
障害をどのように受容し把握
しコントロールしていくかを
考えていくこと︑更には社会
資源︵いろいろな制度や設備 等︶をいかにうまく利用して 生活していくか︑これらが新 たなリハビリテーションの目 標となってきている︒
沢田先生は更に︑サロン・
あべのが昨年度取り上げたク
ションの課題になるとも言わ オリティ・オブ・ライフ︵Q OL︶が今後のリハビリテー
れた︒
つまり高齢化社会を迎えて
リハビリテーションの対象が
今︑一般で考えられているよ
うな﹁障害者﹂だけではなく︑
﹁高齢者﹂ にも広がっていく
訳でそのときに問題になって
くるのは ﹁いかに生きて︑い
かに老いて︑いかに死を迎え
るか﹂ と言うことである︒リ
ハビリテーションは︑そうし
た問題にも﹁社会のすべての
システムを総動員して援助し
ていくものだ﹂と沢田先生は
述べられていた︒ もち右ん高齢化の問題は︑
もとからの障害者にとっても
深刻な問題であり︑﹁二次障
害﹂と呼ばれるようにもとも
との障害とは別に︑年齢を加
えることによって増加する変
形性関節症や︑首の骨がすり
減って起こる頸椎症からくる
腰痛︑肩凝り︑手のしびれ︑
そして全身の脱力ということ
まで様々な形で現れてくる︒
サロンに来られている方々
のなかにも︑こうした ﹁二次
障害﹂ に悩まされている方が
多くおられ︑先生への質問も
じっに身近で切実なものが多
かった︒ただ残念なことに︑
その殆どが現在の医学では完
全に治療することは困難だと
いう︒むしろ無理な﹁リハビ
リ﹂は却って結果を悪くする
とも言われた︒
それではどのようにすれば
よいか︒
的三磋郵便物認可KSKQ(サロン・あべの)増刊り61号1992年 5月27日
﹁あくせく働いたり︑無理な
リハビリなどはせず︑趣味な
どを持って余裕ある生活を心
掛けて生きること︒﹂ である︒
沢田先生の率直なお答えに
ショックを受けられた方もお
られたかもしれないが︑最後
にまとめとして言われたよう
に︑人生をどのように楽しく
心豊かに生き︑安らかな気持
で最期のときを迎え︑穏やか
にあの世へ旅立っていくこと
がどうすれば出来るかを考え
てみることが︑リハビリテー
ションの問題に限らず今必要
ではないだろうか︒
ユーモアを交えた説得力あ
る沢田先生のお話と︑多数の
出席者から出された多くの質
問によって︑この日の出会い
の三時間はとても短く感じら
︒
司会︑南光龍平 参加者三十
二名︒
六 月 の 出 会 い
日 時 六月二〇日︵土︶
内 容 ﹁大阪障害者訓練校︵国立︶﹂と
﹁大阪ワークセンター﹂の見学
﹇堺市城山台五丁一−三︑
和泉市伏犀町三四−十九﹈
会 費一〇〇〇円︵昼食費合ゎ︶
申込輪切り日 六月五日︵喜二玉名︶
*交通 リフト付きバス=あゆみ号
*集合 長居身体障害者スポーツセンター
玄関時計前
*時間 集合⁚九時三〇分
出発⁚十時︵厳守︶
帰着⁚四時︵予定︶
申込み先 m.〇千冨T−ロNか︵宮田慶子︶
♯ 感 謝 し ま す ♯ カンパ・お茶・お茶菓子・封筒・冊子・
ハガキ・おしゃれ組紐等ありがとうござい ました︒お礼を申し上げます︒
四月のカンパ 金一三︑000円
網谷保子︑大塚和放︑小倉寛一︑ 金子花江︑大村圭子︑沢田啓裕︑ 杉山蔦江︑南光龍平︑山本篤江︑
山本敏子︑匿名様二名
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「二次障害」や「生活観」について4月の
サロンに参加下さった3人の方に、お願いし
ました。
刷王−主≡;云ヒ;≡−−=t−亡;≡■・三︼■三lF■
障害者にとって以外と知られていないも
のに二次障害がある︒
頚髄損傷の私も四年はど前までは︑二次
障害については無知でした︒しかし︑二次
障害という学問的な事については無知であ
っても︑生括面においては現実に二次障害
を体験してきたわけです︒
頚髄損傷者で多いとされている二次障害
は︑勝胱疾患︑直腸疾患︑そして蒔瘡︵床
ずれ︶である︒前著二つは︑神経の損傷に
よる括約筋の活動停止によるものであり︑
そして︑後者は︑皮膚・筋肉の圧迫により
起こるものである︒
一¶=い…lJl=川l一川11l
ヨ
現状管理を十分に 茎
終仙 谷⁝ 糀仙
最近︑急に増えてきた二次障害に糖尿病がある︒私の知っている友も不幸にもこの
糖尿病にかかり︑毎日インシュリンのお世
話になっている︒友の原因は︑缶ジュース
の飲み過ぎであるという︒
私たち頚髄損傷者は︑残尿を減らし︑常
に勝胱をきれいにしておかなければならな
いという境遇に置かれている︒そのため︑
否応無しに一日一〇〇〇〜一五〇〇CCの水
分を飲むことになる︒もし︑それを怠ける
と膀胱結石などの二次障害を被ってしまう︒
ところが︑友の場合は︑家族の十分な協力
が得られず︑やむなく市販の缶ジュースを
ベッド際に置いて飲んでいたのである︒普
通の家庭ならお茶を用意しているであろう
に︑実に不幸な出来事である︒
しかし︑このような特殊なケースは別と
して︑糖尿病が増えている原因に︑美食生
括がある︒特に︑受儲してあまり年数が経
っていない障尊者に見られている︒それは︑
ベッドに一日中おりながら︑肉体労働者並
に大食い︵糖分の取り過ぎ︶をしているか
らである︒
第三種郵便物蘭可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号1992年 5月27日
私たちは︑一次障害にはとても過敏であ
るはずなのに︑時として︑その一次障害に
たいする任意を怠り︑背負わなくてもいい
二次障害を受けるのは実に悔まれることで
ある︒人生は長いのだから︑現状管理を十
分にしながら︑楽しく悔いのない人生を送
りたいものである︒
新聞を読んでいましたら︑その片隅に﹁
リハビリテーションと二次障害﹂の演題で
沢田啓祐先生の訪焼があると香いてあるの
が目に留まりました︒僕も二次障害で悩ん
でいる老の一人でありますから︑早速参加
することにしました︒
沢田先生は︑﹁障害者は無理をすればす
るほど︑又︑新たな障害が生じてくる︒こ
ll仙川=●■相川=日脚●=lh■…11川l…・==叩川==lll・・…い川叫
ユ ヨ
沢田啓祐先生の
講演を聞いて
北 下 武 博
l‖l・l=い・ll川い吊l‖l・=ll=Ml=lu山■lh11hllllい叫l山l・1qlい・tl川■
れからは無理をしないで﹃楽しく生きる﹄
事を考えてはどうか﹂と︑おっしゃいまし
た︒そのためには︑何でも良いから趣味を
持って︑ゆったりとした気持でこれからの
人生を歩んでは︑とのことでした︒
僕は︑十年ほど前から俳句を避味として
やっております︒なぜ︑俳句をやり始めた
のかと言いますと︑五︒七︒五の十七文字
で︑その中に季節の言葉を一つ入れるだけ
で︑しかも︑いつでもどこででも作れると
いうことで︑やり始めました︒
俳句をやっていて︑一番嬉しかったこと
は︑今から三年ほど前︑
﹁咳一つ小言二言三言かな﹂
この句がNHKテレビに入選して僕の名前
と一緒に全国的に放送されたことです︒
こんなことは︑めったにないものですか
ら︑太当に今までやり続けていて良かった
と思っています︒
このごろは︑病院の帰りに友達と一緒に
近くの公園に立ち寄って︑俳句を作ったり
お互いの情報交換をしたりしています︒
僕は俳句の起妹を生かして︑これからの
人生を装しく生きて行きたいと思っていま
す︒これが︑沢田先生がおっしゃっていた ﹁楽しく生きる﹂事の意味ではないかと思 います︒
最後に︑今までに作った俳句の幾つかを
披麗します︒
川三≡主;−三︻∈=≡芋三言・三≡主≡:n
一人暮らしを始めて︑これから楽しい事
が︑そして︑苦労が始まろうとしていたや
さきに︑私の二次障善が突然やって来まし
た︒今思えば︑突然でもなかったのかもし
れません︒四︑五年前から︑きき手である
左手が使いにくくなっていたのですが︑あ
まり気にもとめないで︑一人ぐらしがした
l……l=lll川村l相川川=中りMMl■…い−…=巾川=I===い州叫
弓
私の二次障害 呈
万線の中や電動草稿子
動き来る雲の真下の牡丹かな
表札の文字美しき五月かな
弟三種郵便物題可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号1992年 5月27日
くって忘れようとしていたところもあった
のです︒でも︑そうかといって︑何もしな
いでいたところで︑手赫をしなくても良か
ったのかは︑誰にも分からない様に思いま
す︒多くの人からは︑一人ぐらしで体に無
理が釆たんでは⁝なんて言われましたが︑
どうせ来るものなら自分のやりたいこをや
ってなったんだから仕方がないと諦めもつ
くというものです︒でも︑私は︑一人でや
ったことが原因ではなく︑引き金でしかな
かったんだと思います︒事実︑障害は重く
なっています︒家族の人に負担を掛けてい
る自分を思うと︑無理しないぼうが良かっ
たかなと思う時もあります︒そんなとき︑
前の様に必ず元気になって家の人に安心し
てもらおうとファイトが出てきて︑リハビ
リにも頑張っています︒
最後になりましたが︑入院のときは多く
の皆様にご心配かけました︒色々と本当に
ありがとうございました︒
言葉では︑うまく言えないのですが︑と
にかく一日も早くみんなの顔を見たい︑そ
して︑自分のことを︑忘れないで︑励まし
てくれている人がいると想うだけで︑病気
に︑勝ちそうな気がしてくるのです︒ *ナンペイとヒトコからのお礼*
二年ほど前から︑ジュースなどのアルミ缶
のふた︵プルトップ︑又はプルタブといいま す︶を集めはじめました︒もともとは︑ヒトコ︵ナンペイのヨメさん
です︶の友達がどこかから︑
﹁アルミニュウム缶のプルトップを集ると︑
車椅子になるよ﹂という話を聞き込んできて︑
﹁そんなら︑ええことやから協力しよか﹂
ということになり︑集めはじめたのです︒
ところが︑話を持ち込んでくれた友人が昨
年の初めあたりから︑このプルトップ集めに
タッチしなくなってしまい︑どんどん集まっ
てくるプルトップをどうしたものかと︑困り
果てたこともありました︒もちろん何十キロ
とかいうまとまった物になれば引き取ってく
れる業者もあるのですが︑なにしろ狭いわが
家のこと︑集めたとてとても置いておくとこ
ろなどありません︒といっても皆さんが一生 ナンベイの
ひとこと&ふたこと⑳
懸命集めてくださったものを︑捨ててしまう
ことなどできるはずもなく︑不本意ながら︑
私たちと同じようにプルトップを集めている
所があると聞けば︑とにもかくにも運んでも
らえる人にお願いして運んでいってもらって︑
私たちには直接結果は分からなくてもどこか
できっと役立っていることを信じてなんとか
﹁プルトップ集め﹂を続けてきました︒
その甲斐があってか︑今年になってやっと
少しのプルトップでも引き取ってくれる所が
見つかり︑お蔭で今までに三千円ほどの金額
になりました︒
ひとつひとつのプルトップをスチールとア
ルミとに選別していくのは手間が掛かります
が︑ナンペイとヒトコとそしてヘルパーさん
がコツコツとやっています︒何年かかるのか
やっている私たちにもわかりませんが︑皆さ
んの善意の集まりをきっといつか形あるもの
にしたいと思っています︒今後ともご協力を
第三饉郵便物認可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号19g2年 5月27日
−−−◆一−−−−せ
お願いいたします︒
︵以前︑サロン誌上でこのプルトップ集めで
得られたお金を﹁ハンズ﹂の活動資金として
使う旨のことが載りましたが誤りです︒遅く
なりましたがお詫びと訂正をして︑㌻﹂にあ
らためて経過報告とご協力下さっている方々
へお礼を申し上げる次第です︒︶
南光龍平 仁子
l主・−−■
田 淵 美登別
﹁サロン・あべの﹂紙送っていただき︑
ありがとうございます︒
私は︑昨年︑無事に大阪府立大学を卒業
しました︒半年間︑身体障害者更生相談所
でアルバイトをした後︑砂川厚生福祉セン
ターの婚儀旦となりました︒
紡績︑重度の方が多く︑〃自立〃といっ
た意味をどうとらえていけばいいのか︑模
索中です︒入所者の方々にとっては︑﹁先
生﹂が乗たというより﹁おもろい姉ちゃん﹂
が来たという感じたろうと思っています︒
また︑自分でも﹁先生﹂にはあまりなりた
くないナというのが︑今の気持です︒ ﹁おもろい 姉
‥一(‥t‥八■空魯十
⊥†1−1⊥T−・■1きu
緋 ⁚ 軒 叫
ボランティア活動は個人の自由な意志に
基づく活動であることから︑参加の間口は
たいへん広く︑誰もが参加できるものとい
える︒しかし︑それはボランティア活動に
対して十分な理解がなされないままに活動
が行われる危険をもつことにもなる︒特に︑
今日では多くの人がボランティア活動に関
心をもち︑活動に参加したいという意志を
もっていることから︑多くの方法を活用し
ながら系統的で効率的な研修のシステムを 九 ボランティアセンターの機能︵各論︶
④研 修
Volunteer Center
つくっていうことがボランティアセンター
に求められているといえよう︒
ボランティア活動の研修においては︑ボ
ランティアの﹁主体形成﹂と︑活動に必要
な﹁技術﹂の習得のふたつが大きな柱とな
ると考えられる︒
活動に必要な技術については︑ボランテ
ィア活動を行う上での﹁責任﹂として︑対
象者に応じた活動が行える技術を身につけ
ていくための研修が必要である︒
一方︑ボランティアの主体形成とは︑先
にもふれたように︑ボランティア活動の本
質である﹁社会のさまざまな問題に対する
問題意識と︑それらの問題を解決していこ
うとするエネルギー﹂を身につけていくこ
とである︒したがって︑ボランティア活動
を行うすべての人に必要なものとして︑括
第三裡郵便物蘭可KSKQ(サロン・あぺの)増刊161号1992年 5月27日
動の開始時のオリエンテーションとして研
修していく必要があるが︑活動を通じてこ
そ︑より深く身につけることができるもの
であるから︑活動と並行して研修や学習を
つづけていくことが重要である︒いずれに
せよ︑日本ではボランティア活動の本質が
多くの人に正しく理解されているとはいえ
ないことから︑主体形成に関わる研修には
特に力を入れていく必要があろう︒
また︑主体形成の面からはボランティア
活動を行っている人の自主的な研修や学習
が非常に有効である︒日頃の活動によって
得られたさまざまな経験をもちよることに
よって︑優れた括動を広めたり︑問題点を
解決するための情報一父換を行う場となると
ともに︑活動者どうしの新鮮な刺激は︑主
体的な意識を高めていく上で不可欠である︒
実際︑日常的に活動していても︑個人で活
動している人の場合は他の活動者と話し合
う機会は多くなく︑グループで活動してい
る場合でもグループどうしが交流する機会
は少ないことから︑研修のひとつの柱とし
て活動者の交流学習の場をつくっていくよ
う︑支援していくことが求められる︒
原 田 仁
董−r血一三一字昌−−1一¶一三一一ユぎl■−W一t旨lb■■▼一三一一■−旨一hy一¶卓主ぎ■r■▼壱■邑︼一l▲▼■雲主旨■■■▼一三吉夢l一t■三−≦旨l一壱■旨︻l一■三言旨−1一一弓真訂l一室宣一打l一t弓t邑訂l一−竜き一一日のうちでいちばん好きな時間が
朝になった︒小鳥の歌が聞こえる︒朝
にだけなぜ彼らの歌がこんなにも街に
ひびくのかと︑何度もくりかえした疑
問を今朝も心にうかべながら︑ひんや
りと夜のうちに再生された新しい空気
に窓を開ければ︑人影を待つ朝の道が
見える︒ こどものころは︑なぜか寝る前のひ
と暗が好き.だった︒風呂からあがり︑
やわらかいふとんにもぐりこみ︑ラジ
■オを聞いたり日記を書いたりしていた
ー ● − ● ■■− ● − ● − ● −・ ● − ● −
第10回 走ろう歌おう大運動会
と き;5月31日(日)メ掴9:30−
ところ;大阪市立榎並小学校 グランド(地下鉄谷町線 野江内代駅下車すぐ)
*雨天の場合は体育館
(要=体育館シューズ)
参加費;大 人=800円 小学生=500円
申込先;内匠恵子(たく 柑もlこ)
〒561豊中市曽根南町 2−3−10.
連絡先;工藤正登
〒662西宮南門戸岡田町 5− 23.
℡D798−52−4452
乾 純一
〒664伊丹市南大町 12−27.
℡0727− 72−1505
﹁一−†−●一■■ ■■■■■■■■■■●一t−●−−−−−−−
⁝⁝
≡・・光の朝らいつのまにか眠ってしまっていた︑
あの覚めているのか夢のなかで不明に
なっているのかわからない︑あやふや
な頼りない時間を甘く味わっていた︒
不思議なものだ︒年齢によって食の
嘩好が変わるように︑時の嘩好も変わ
るのだろうか︒
学生時代は︑夜昼が逆になったよ︑つ
な生活をしていた︒夜明け前に寝て︑
太陽が南から少し西に傾いたころに顔
を洗︑つ︒静かで︑自分だけの世界に閉
じこもれる深夜が待ちどおしく︑永遠
■■■■−−︐−−−●●●▲●●−11■■ .■r■■一−−■■一■■一一■■I−■■L」
第三磋郵便物認可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号1992年 5月27日
に続くような闇のなかで本を読み︑と
りとめもない空想にひたっていた︒
いまはどうい︑つわけか︑夜になると
気が重くなる︒早く寝てしまって︑こ
んな闇の世界とは︑できるだけかかわ
りたくないと息︑つ︒ぼくは夜を恐れは
じめたのかもしれない︒
おそらく朝に生命︵いのち︶を感じ
はじめたのだ︒なるだけ光あるうちに
生きていたい︒夜明け前には起きて光 の朝を待ちたいと願︑つ︒
年老いた人が早朝に散歩するのは︑
あれは体質の変化なのだろうか︑それ
とも︑やはりぼくと同じよ︑つに朝に生
命を感じているからなのだろ︑つか︒閣
を恐れ︑光を求めているのだろうか︒ 死を恐れているのではない︒限りあ る日々を覚え始めたのかもしれない︒ ぽくは朝の光を眠・つていたために過ご してしまった二十代の日常に悔いを感 じていた︒
朝は︑単に太陽がのぼり光が満ちは
じめる時間︵とき︶ を意味するのでは
ない︒明るい空を大きな瞳と呼んだ詩
があるように︑朝は︑ぼくたちに問い
かける力をもっている︒だからこそ︑
ひとはその瞳が閉じる夜に酒を飲み︑
隠れ︑秘密をもつようになる︒
こどものころ︑そして学生時代に︑
夜を愛し︑朝は眠り過ごそうとしたの
は︑このような朝の厳しさから逃れよ
うとしたからなのだろう︒しかし︑自
らを自らの力で律することを知る成人
の日には︑朝を自分の手で迎えなけれ
ばならない︒さもなくば瞳が閉じられ
た夜に︑閣ばかりを見ることになる︒
朝は光と生命︵いのち︶ に満ちた時
であるが︑大きな瞳に見守られて生命
がまた自ら秩序を創りだそうとする時
でもある︒残された日々は︑すべてこ
のような朝から始めたいと願うばかり
︵知︶
だ︒
﹁施設の障害者外出サービスネットワーク﹂を始めて二年半が過ぎ︑会員の施設障
害者の方も六十名にもなり︑施設から外へ
出た事がない方︑まだ電車で外出なんてし
た事がない四十代五十代の方︑外出は家族
以外の人とはした事がない人なども︑どん
どんボランティアの方と電車などを利用し
て︑色々な所へ外出されるようになりまし
た︒
でも︑事務局の私達はボランティアの方
々から︑色々な苦情をお聞きしているので
す︒
美智子のこんな話
出来なかった外出もいいもんだ!?
第三饉郵便物蘭可KSKQ(サロン・あべの)増刊161号1992年 5月27日
その中で最近特に多い内容は︑﹁たった
五時間の外出で︑買い物とお昼と夕食をす
るなんて無理ですよ﹂とか﹁せめて目的地
の最寄り駅の駅名と電車など何級が良いと
かぐらいは︑事務局で調べて善いておいて
ほしワ﹂そして又﹁なんば花月へ行って︑
夕食を食べて帰るのに三千円しか持ってこ
ないなんて﹂
未来︑外出するには︑まず︑その目的地
までの行き方︵車椅子でも行きやすい方法
なども︶や必要時間・交通費などを考えて
おくとか︑買い物なら予算やどこで何を買
うとか︑映画などではその上映時間やチケ
ットの手配の仕方などや料金は︑最低知っ
ておかなければなりません︒それが外出の
楽しみでもあると思います︒
でも︑まだまだ施設障害者の方の中には︑
そんな経験もない方が多いし︑介助者がい
なければ︑このような事を調べたりは出来
ないのです︒
太当はこのような外出をする為の色々な
準備こそが︑多くの施設障害者の方に︑と
ても大切であると私達は思います︒このよ
うな事の積み重ねの力が︑劣悪な施設生括
を改善したり︑地域での自立生括を考えた
毎月十二回︵二・四二ハ・八の日︶発行一九九一年九月三日塑二柾郵便物蛇両 り出来る力になって行くのだと思います︒
M川
介助者の方の﹁せっかくのたまの外出や
のに︒ちゃんと目的地まで連れて行ってあ
げなければ・・・・・・三﹂という思いは分かります
し︑障害者の﹁施設の中で︑そんなしんど
い事でけへんワ﹂などと言われる事もとて
も良く分かります︒
それでも︑事務局がすべてやってしまう
事ではないと思います︒
外出準備については施設の障害者は勿論
ですが︑職員の方々にも協力して頂きたい
し︑介助者の方にも︑もっと踏み込んだ施
設障害者との関係を模索してはしいのです︒
もっともっと障害者と一緒に外出行動を︑
迷いながらつくって行きたいのです︒
何かの理由で︑どこにもたどり着けなか
った外出もいいもんだ!と⁝⁝︒
サロン紙70号﹁美智子のこんな話﹂の
中の全身性障害者介護派迫事業についての
問合わせがありました︒最寄りの福祉事務
所か大阪市ホームヘルプ協会﹇大阪市西区
立売堀四−十−十八大阪市阿蜂蜜温−雷雲.
凪〇六−五四三−八三四二へお問合わせ
下さい︒
D
︵T︶
沢田啓祐先生の「リハビリテーションと二次障害」の話を 聞いて、ショックだったと感想を聞かせてくれた人が何人か おられました。議席巧みに面白おかしく伺った話でしたが、
編 集 後 記
事実はたしかに深刻な内容。けれど、人生楽しく過ごさなければ…と発想の転換を我意と受 け止められた力もおられました。二次障害を超えてきた人と、これからの人の違いではない
かと感じました。 (T)
編集人;サロン・あべの運営委員会・<サロン・あべの>NO.71【、92.5.16発行】定価¥100 代 表;上平幸雄〒545大阪市阿倍野区阪南町2−20−19−203 電話06−621−4365 連絡先;冨田慶子〒545大阪市阿倍野区阪南町6−3−26.電話06−691−1028 表 題;斉藤孝文・筆