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閉リーマン面上の正則円板束の ベルグマン核について

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(1)

閉リーマン面上の正則円板束の ベルグマン核について

足立真訓

東京理大・理工

201737

(2)

閉 Riemann 面上の正則円板束

Σ: 種数2以上の閉Riemann.

一意化Σ =D/Γを固定. Γ ↷ DCP1に作用を拡張. 対角作用Γ ↷ D×CP1による商X :=D×CP1/Γ.

D:={z C| |z|<1}, D :=CP1\D, S1 :=D. Ω :=D×D/Γ, :=D×D/Γ, M :=D×S1/Γ.

X = Ω⊔M⊔と分解., の関数論的性質を調べたい. 第一射影によりX は正則CP1,,は正則D束, MS1. X,,は平坦束でもある. つまり,

水平な円板D× {t} (t∈CP1)の族がX 上に正則葉層を定める. 特に, Mは正則葉層の安定集合となる (Levi平坦実超曲面).

(3)

一般的な問題

X: 複素多様体, Ω⋐X: 相対コンパクト領域.

: 滑らか, Levi平坦 (i.e. Xの複素超曲面による葉層を持つ) Ω上の正則関数の振る舞いを, Ωの葉層の振る舞いから説明せよ.

ΩがLevi平坦 ⇐⇒ Ωが擬凸かつ擬凹”.

Ωが強擬凸の時, 状況は大変よく理解されている.

. X =Cn,: 単位球体.

Stein空間の改変.

有界正則関数の空間は無限次元.

Bergman(L2正則関数の空間の再生核)の境界挙動.

ΩはStein? ()Liouville? Bergman核の境界挙動?

cf. 予想「CP2上の特異正則葉層において, どの葉の閉包も葉層の特 異点を含む. 特にLevi平坦実超曲面をなす安定集合を持たない.

(4)

既知の事実 1

/Stein空間の改変 / Stein多様体. (Diederich–大沢 ’85) Proof.

Ω =D×D/(z,w)(γz, γw), γΓ. δ:= 1 wz

1zw

2. φ:=logδ.

φproper な多重劣調和関数で,D:={(z,z)|z D}/ΓΣを除き,強 多重劣調和. Grauertの定理より,Stein空間の改変.

D×D/(z,w)(γz, γw), γ Γ. δ:= 1 wz

1zw

2. φ:=logδ. φproperな強多重劣調和関数. Grauertの定理より,Stein多様体.

注 Ωtotally real 部分多様体D :={(z,z)|z D}/ΓΣを含み, その複素化 (Grauert tube) となっている.

(5)

既知の事実 2

,Liouville. (E. Hopf のエルゴード性定理 ’36 の系) Proof.

fまたは上の有界正則関数とする.

Fatou の定理から,fM上に境界値を持ち,fMの葉層に沿って正則

であり,特にその実部・虚部は調和.

MΣの単位接束となめらかに同型で,Mの葉層はΣ上のPoincar´e計量 に関する測地流の不安定葉層と同型.

測地流のエルゴード性から,葉層に沿う有界調和関数はa.e. で定数.

したがって,f は定数.

Ωにおける別証明に後で触れる. 3F2の性質に帰着される.

(6)

主結果

問題 (大沢, 三松)

ΩやΩ上の正則関数を具体的に書き下し, 定量的な性質を調べよ. O(Ω)≃ {f ∈ O(D×D)|f(z,w) =f(γz, γw), γ∈Γ}.

O(Ω)≃ {f ∈ O(D×D)|f(z,w) =f(γz, γw), γ∈Γ}. (大沢)

γΓ(γ(z)−γ(w))n∈ O(Ω)for n 2.

主結果 (A.)

∃I:

n=0

H0,KΣn),→ O(Ω), ∃I:

n=0

Ker(∆−λnI),→ O(Ω) ここで, ∆をΣ上のPoincar´e計量に関するLaplacianとして,

H0,KΣn) :={Σ上の正則n次微分ψ=ψ(τ)()n}, Ker(∆−λnI) :={f : ΣC|f =λnf}.

(7)

主結果続き

I:

n=0

H0,KΣn),→ O(Ω), I:

n=0

Ker(∆−λnI),→ O(Ω) の像は広義一様収束位相で稠密であり, さらにα >−1に対し,

|I(ψ)|2δαdV <∞,

|I(f)|2δαdV <∞,

の意味で重み付き二乗可積分. ここでdVX 上の(任意の)体積形式. 主結果の系として, Ωにおける重み付きBergman核の級数表示が得 られる. 漸近展開はまだできていない.

(8)

証明の概略

I: ⊕

n=0H0,KΣn),→ O(Ω)をψ∈H0,KΣn), n 1に対し, I(ψ)(z,w) :=

w

z

1 B(n,n)

((w −τ)(τ−z) (w −z)

)(n1)

ψ(τ)()n で定める. ψ=ψ(τ)()nは不変被覆Dτ 上で表示している. 複比の性 質から, well-defined である.

I: ⊕

n=0Ker(∆−λnI),→ O(Ω) は与えられた関数f Ker(∆−λnI) をD上の実解析的関数とみなし, D×Dへ解析接続して定める. 一般論 から well-defined であることが従う. (cf. Kr¨otz–Schlichtkrull, ’09) Ωの側について, I で作られる正則関数の可積分性の証明を説明する.

(9)

可積分性の証明の概略

I, 次の抽象的構成の結果として得られた: ψ∈H0,KΣn)を同型 KΣ ≃TΣ ≃TD ≃ND/ , D={(z,z)|z D}/Γ, を利用して, D Ωに沿う正則関数のn次のジェットとみなし, この ジェットをL2ノルムが最小となるようにΩ上に拡張する.

1(方程式の導出) Dz×Dw 上の非正則な座標(z,t)を

t := (w −z)(1−zw)1で定める. f =f(z,w)∈ O(Ω)Γtを用いて展 開f =∑

n=0fn(z)tnすると, 係数{fn}は次を満たす:

∂fn

∂z + nz

1− |z|2fn+ n−1

1− |z|2fn1= 0.

φn:=fn(z) (

2dz 1−|z|2

)n

∈C(0,0),KΣn)とおけば, n}は方程式

∂φ0 = 0, ∂φn=−n−1

2 φn1⊗ω (n≥1)

(10)

可積分性の証明の概略 ( 続 )

2. ψ∈H0,KΣN)に対し, φn:= 0 (n<N), φN :=ψと定める.

∂φn=−n−1

2 φn1⊗ω

L2ノルム最小解を順次取り, 帰納的にφn (n>N)を定める. ラプラシ アンの固有関数分解を利用すると, φnの次の表示が得られる:

φN+m=N+mGN+m(1) (

−N+m−1

2 φN+m1⊗ω )

=

2(N+m−1)

m(2N+m−1)N+m(φN+m1⊗ω)

ここで n:C(0,0),KΣn)→C(0,1),KΣn)の形式的随伴, Gn(1)C(0,1),KΣn)上のGreen作用素.

(11)

可積分性の証明の概略 ( 続 )

3. 形式解f =∑

n=0fn(z)tn, φn=fn(z) (

1−|z|2dz2

)n

L2α(Ω), α >−1, での収束は,

∥f∥2α=π

n=0

∥φn2 Γ(n+ 1) Γ(n+α+ 2)

=π

m=0

∥φN+m2 Γ(N+m+ 1) Γ(N+m+α+ 2)

=π∥ψ∥2

m=0

Γ(N+m+ 1) Γ(N+m+α+ 2)

(2N−1)!

{(N−1)!}2

{(N+m−1)!}2 m!(2N+m−1)!

=π∥ψ∥2 Γ(N+ 1) Γ(N+ 2 +α)3F2

( N+ 1,N,N 2N,N+ 2 +α; 1

)

<∞.

から従う. f の正則性も同様の計算から従う. なお, α=1では収束し ないことから, ΩのLiouville性が従う.

(12)

可積分性の証明の概略 ( 終 )

4.

n=0

fn(z)tn=

w

z

1 B(N,N)

((w −τ)(τ−z) (w −z)

)(N1)

ψ(τ)()N を示すには, {0} ×D上で直接計算すれば十分:

n=0

fn(0)tn= (2N−1)!

(N−1)!

m=0

(N+m−1)!

(2N+m−1)!

1 m!

mψ

∂zm(0)tN+m

= (2N−1)!

(N−1)!tN

1

0

dtN. . .

t3

0

dt2

t2

0

t1N1ψ(tt1)dt1

= (2N−1)!

(N−1)!tN

1

0

t1N1(1−t1)N1

(N−1)! ψ(tt1)dt1

=

t

0

1 B(N,N)

((t−τ)τ t

)(N1)

ψ(τ)dτ.

(13)

Bergman 空間

Ω⋐X: 複素多様体内の相対コンパクト領域, dV: 体積形式に対し,

Bergman空間を次で定める:

A2(Ω) :={f: ΩC正則| ⟨f,f⟩<∞},

⟨f,g⟩:=

f g dV.

さらにδ:X R, Ω ={δ >0}, dδ̸= 0 on Ω を用いて, 重み付きBergman空間, Hardy 空間を次で定める:

A2α(Ω) :={f : ΩC正則 | ⟨f,f⟩α<∞},

⟨f,g⟩α:=

{∫ f gδαdV/Γ(α+ 1) for α >−1.

limα↘−1∥f∥2α for α=1.

Hardy 空間は正則関数の境界値の空間とみなせる.

(14)

Bergman 核

A2αの再生核Bα(重み付き)Bergman, Sz˝ego核と呼ぶ:

f(z) = 1 Γ(α+ 1)

Bα(z,w)f(w)δαdV for any f ∈A2α. A2αの正規直交基底e1,e2, . . .1つ取ると,

Bα(z,w) =

j=1

ej(z)ej(w).

: X =Cn, Ω ={z Cn| ∥z∥<1} (単位球体)のとき, δ = 1− ∥z∥2, dV: Lebesgue 測度と取れば,

Bα(z,w) = Γ(n+α+ 1) πn

( 1 1−zw

)n+α+1 .

Bergman 核を利用して双正則不変量が構成できる. 歴史的にも

Riemann の写像定理の解析から導入された概念である.

(15)

Bergman 核の級数表示

主結果の系

体積形式dV = |14zw|4 i

2dz∧d z∧2idw∧d wに関するΩのBergman核は Bα((z,w); (z,w)) = Γ(α+ 2)

π2(4g 4)+ 1

π

n=1

1 cn,α

1 B(n,n)2

τzw

τzw

Bn(τ, τ)( ⊗dτ)n ([w, τ,z][w, τ,z])(n1). ただし, gはΣの種数, Bn(τ, τ)( ⊗dτ)nはΣのn次微分に関する (i.e. H0,KΣn))の) Bergman核であり,

cn,α= Γ(n+ 1) Γ(n+ 2 +α)3F2

( n+ 1,n,n 2n,n+ 2 +α; 1

)

,[w, τ,z] = (w −z) (w−τ)(τ −z).

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