(1) 第 81 号 2020(令和2)年11月20日(金) 弘 学 時 報
二〇二〇(令和二)
年度の弘前学院大学特
待生(一年生)に、十
月三十日(金)十二時
より賞状の授与が行わ
れた。今年度の授与者
は次の方々です。
◆文学部
一年 福士さくら
◆社会福祉学部
一年 井澤くる未
◆看護学部
一年 井上 明
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
弘学時報
81号が皆さまの手に
届く頃には冬の気配を感ずるよ
うになっているかも知れませ
学校法人弘前学院理事長・学院長 阿保 邦弘
十四 「教育改革の本丸」 『 グ ラ ン ド デ ザ イ ン 答 申 Ⅱ 』
警戒はしていたのだが、弘前
内でクラスターが発生した。
他県での感染をひと事のよう
に思っていた矢先に、大挙して
襲い掛かってきた。
第 81 号
(年4回発行)
編集発行 弘 前 学 院 大 学 広 報 委 員 会
印 刷 所
㈲小野印刷所
国や自治体のトップには即時
の決断を迫り、人類が築き上げ
てきた医療体制も簡単に破壊す
る勢いを持つ、なかなか厄介な
ウィルスである。
ところで、前号では「グランド
デザイン答申」に対して、私学関
係者を中心に批判的な意見が多
かったと述べて終わった。
大手新聞各社も、中間まとめ
(2018・6・
28)前後から課題
を指摘し始めた。
中間まとめの前日には「答申
には高等教育の新たな姿が提 示されていない、内閣府やその
諮問機関の方針の引き写しで
ある、従来路線の延長でしかな
い、予算措置がなされていない」
(朝日新聞「2040年の大学 変わる姿」2018・6・
27日付)
という記事が出た。
大学関係者では、答申直前に
もかかわらず法政大学総長から
「大学の類型化、特に私大の画一
化」の観点で、強い疑問が投げか
けられた。(日本経済新聞20
18・
10・ 15日付)
教育学術新聞「アルカディアの
風」(本学が加盟している日本私
立大学協会発行)は、中教審への
諮問(文部大臣諮問 2017・ 儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
3・6)当初から批判を展開した。
集中審議に入る直前には「建
学の精神をよりどころとし、多
様な価値追求をモットーとする
私立大学に、官製の機能別分化
を求めることは画一化を招来す
る懸念がある」と危惧を述べた。
従来、私立大学は時代の細や
かなニーズを捉えた役割や、社
会が求める機能は果たしてきて
いるのだと、議論そのものへの
牽制球を投じたのである。
中教審中間まとめ発表の時点
では、4つの論点を示して問題
点を述べている。
1つめは「今後の我が国の高
等教育の全体像をいかに描く
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
か」ということについてである。
国立・公立・私立という大学の
設置形態論や、学校教育法規定
の設置者負担主義の原則も含め
て、抜本的な検討が必要ではな
いかというのである。
2つめは、「国公私立大学の
役割の明確化」についてである。
社会のニーズに応えてきた機
動的な私立大学は、多様な価値
追求・人材養成に定評があり、そ
れを今後も伸ばしていくべきで
はないかという点である。
3つめは、「高等教育への国
の財政支出の抜本的拡充方策
と、教育費負担の在り方の問題」
についてである。 公費支援格差の是正策を学費
無償化の議論も含めて検討し、
公正・公平な高等教育政策とし
て示すべきだと述べている。
4つめは、「地方に立地する
中小規模私立大学を、今後の時
間軸において支援する方策とし
て、補助金配分基準の検討を行
う」ことについての批判である。
特に、定員充足率を補助金配分
基準とすることは大問題であ
り、地域で重要な役割を担う中
小規模私立大学の社会貢献に水
を差すだけではなく、国が進め
る地方創生政策とは全く矛盾し
ていると、真っ向から是正すべ
き課題を提示した。
(つづく)
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
μ ᬏ ೝ ᇿ ฌ ࡸ ే ᅙ ⒣ ተ ጓ ⏞ ࡸ ᤋ ⒠ ك ⒆ ⒛
ん。この原稿を執筆しているとき、秋の装いが色濃くなってき
ておりこのようなタイトルにし
ました。○○の秋、の○○には、
食欲の単語を最も多くの方が思
い浮かべるようです。その他、
スポーツ、読書、芸術、収穫(実
り)などをあげることができま
す。
青森県は三方を海に囲まれ、
森や林、山々、平野、果樹園か
ら海のさち、山のさち、畑のさ
ち、川のさちなどの多くの恵み
を受けており、このような恵ま
れた環境で暮らせる私たちは幸
せだと思います。もちろん四季
折々の新鮮な食べ物も楽しめま
すが、特に秋の季節、食欲がそ
そるのは一体どうしてなんで
しょうか。この食欲、食に詳し
い人たちや食通の人たちに限っ
たことでもなく私たち皆が感ず ることです。 食欲という感覚を科学的に考
えてみても面白かと思い記載し
てみます。科学的な分析をして
しまうと食欲が出なくなってし
まうかも知れませんが。
ヒトはさまざまな環境の中で
生きています。しかもどのよう
な環境にも影響されずからだの
中では常に一定の状態になるよ
うな機構が働いており、その調
節は神経系の役割だったりホル
モン系の働きだったりします。
恒常性維持とも言い、体温維持
もその一つです。秋になると気
温が下がり湿度もさがり、これ
らはヒトを取り巻く環境の季節
的変化です。寒くなると、恒温
動物である私たちのからだは体
温の恒常性を維持するために代
謝をあげなければなりません。
代謝とは生きるためにエネル
ギーを作り出すことであり、さ
まざまな代謝がありますが、寒
くなると基礎代謝が関係してき
ます。特に冬に備えて基礎代謝
食欲の秋
学長 𠮷岡 利忠
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉 2020(令和2)年
度九月期の学位記授与式
が去る九月三十日(水)
午後三時三十分より本学
礼拝堂において挙行され
ました。今年度は、文学
部英語・英米文学科二名、
日本語・日本文学科三名、
の計五名が卒業いたしま
した。
コロナ対策をしつつ、
関係学部の教職員やご家
族の見守る中、厳粛に式
が執り行われました。エ
ドワード・フォーサイス
英語・英米文学科長の司
会により、パイプオルガ
ンの演奏に始まり、楊尚
2020(令和2)年度
九月期学位記授与式挙行
量をあげなければなりません。
なにかしら冬眠動物のようです
が、ヒトにもその遺伝子が残っ
ているのでしょう。基礎代謝量
をあげるには食事から栄養素を
捕らなければなりません。食物
中の3大栄養素である糖質、タ
ンパク質、脂質はすべて消化・
吸収されてエネルギーとなりま
す。秋こそ、食欲の秋、という
ことになります。秋には、美味
しい食べ物が沢山出回るのでそ
れを後押しすることは自然の成
り行きです。
さて、夏は朝早くから夜遅く
まで明るいですが、秋は陽が短
くなってきます。日照時間が短
くなるとある種のホルモン(セ
ロトニン)の分泌が少なくなっ
てきます。セロトニンは脳から
分泌される神経伝達物質です
が、そのホルモンは糖質や蛋白
質を摂取することによって増
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
儉儉儉儉儉
眞宗教主任の聖書朗読、祈祷の
後、𠮷岡利忠学長より卒業証書
が授与されました。その後𠮷岡
学長より卒業生にお祝いと励ま
しの言葉が述べられました。
式終了後には、卒業生一人一
人に学長・阿保理事長より、ま
たご出席された教職員の皆様か
ら、お祝いの言葉や励ましの言
葉が交わされ、記念写真を撮っ
たりと、卒業生の新たな旅立ち
をお祝いしました。前途に神の
祝福がありますよう祈ります。 え、生体リズム、睡眠、体温調
節、神経安定などからだの重要
な機能を維持させます。そこで
食欲を増してからだの安定に働
きかけることになります。
科学的根拠に基づかなくて
も、この季節、秋の味覚を楽し
みたいものです。馬肥える秋、
とも言われますが、先ずはキノ
コなどの山菜、野菜を頂き、最
近は値段が高いですがサンマの
お刺身・焼き魚・煮魚を嗅覚、
視覚、味覚を満喫しながら頂
き、最後に栗ご飯という順番で
如何でしょう。ゆっくりと時間
をかけて頂き五感を感じながら
楽しむことはメタボ対策にもな
るはずです。それにスポーツの
秋、運動を加えなければなりま
せん。このような知恵や知識を
備えた美食家は病気にもなりに
くいようです。一石二鳥、一石
三鳥にもなりそうです。
二〇二〇年度 一年生の特待生授与者
(2) 第 81 号 2020(令和2)年11月20日(金) 弘 学 時 報
ttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt
第7回保健科学研究会が
2020年(令和2年)9月
12
日(土)午後1時から本学一号館
4階で開催されました。大会長は
学長ということでしたが、本研究
会の事務局の三上聖治教授の至
れり尽くせりの采配により滞り
なく進められました。殊にコロナ
禍にあっては感染防止のための
対応では参加者全員が安心して
研究会への発表、討論などを行う
ことができました。開催数日前
までは
30度を超す猛暑でしたが、
幸いのことに開催日はなんと
10
度以上も低くなり来場者には素
晴らしい環境の下で研究会に参
加できました。
本研究会は青森県内の高等教
育機関(弘前大学、東北女子大学、
東北女子短期大学、弘前医療福祉
大学、弘前学院大学)で組織され
た保健医療福祉の関係者が日ご
引 き こ も り の 回 復 過 程 に 合 わ せ た ア プ ロ ー チ 方 法 の 必 要 性 に つ い て
社会福祉学部 社会福祉学科 講師 駒ケ嶺裕子
研究紹介 ㊽
私は、引きこもる本人と家族の
回復過程における効果的な方法
について福祉的な生活の視点か
ら研究しています。引きこもり
とは、「仕事や学校などに行かず、
かつ家族以外の人との交流をほ
とんどせずに、6か月以上続けて
自宅に引きこもっている状態を
いう。」と定義されています。近
年、内閣府が発表した全国の引き
こもり者数は、年齢別に
40歳か
ら
64歳が
61・3万人、
15歳から 39歳が
54・1万人の約115万
人と推計されました。この結果か
ら若者の問題としてとらえられて
きた引きこもりは、さまざまな出
来事を経て中高年までを対象とな
り、いっそう注目されることとな りました。しかし引きこもりに対
する支援については、今日まで統
一した対応策らしきものがなかっ
たため、福祉的就労支援、心理的
支援、医療的支援などが先行した
結果、本人と家族の支援が複雑化
してしまったと考えられます。こ
の引きこもりが長期化したことで
親の年齢が
70代、
80代と高齢化 の傾向が見られており、
80代の
親が
50代の子どもの日常生活の
面倒をみる『8050(はちまる
ごーまる)問題』が社会的に取り
上げられるようになりました。
このように引きこもりが長期
化する要因としては、解決策が見
いだされなかったことも含めて、
わが国の家族形態の特徴が考え
られます。第一は、親との同居に
対する抵抗感が低いという点で
す。第二に、たとえ失敗しても家
族という居場所があるというこ
とです。しかし、その家族も引き こもりに対する理解不足や本人
との認識の違いからギクシャク
してしまい会話ができない、顔も
合わせないなどの関係性が数年
間にわたるケースも珍しくあり
ません。そのような状況が継続す
ると本人ばかりでなく家族も引
きこもりを恥じる傾向が見られ
ます。さらに近所や親せきの付き
合いを遠ざけるなどの社会的孤
立とよばれるケースも少なくあ
りません。そのため引きこもりを
改善するための方法として回復
過程に合わせたアプローチ方法
が大事だと考えました。
このような観点から実際の引
きこもりに関する相談の経験を
活かし、本人と家族が回復に向か
う効果的な支援方法、つまり本人
と家族の日常生活の立て直しと
家族関係の再構築を支援するこ
とを目的に今後も研究していき
たいと考えています。 令和2年7月
30日(木)、ヒロ
ガク教養講話の特別講話が行わ
れました。ヒロガク教養講話は新
入生を対象として、学習意欲の向
上や社会の一員として活動でき
る人材の育成を目的とした初年
次教育科目の一つで、主に青森県
でご活躍されている方々から貴
「 看 護 師 に 向 い て い る ? 向 い て い な い ? 」
看護学部 看護学科 助手 岩渕 美沙 最近実習指導を担当した学生
から、「私、看護師に向いていな
い気がします、これからちゃんと
看護師になれるか不安です。」と
相談を受けました。実習を通して、
患者さんとのコミュニケーショ
ンや日常生活の援助を行なって いく中で、戸惑いや不安を感じる
学生は多いように思います。「ま
だそんなふうに考えるのは早い
よ。」と、とっさに返答しましたが、
思えば私も
14年間看護師として
働く中で、何度も自分が看護師に
向いていないのでは?と悩んだ
ことがありました。ミスをして先
輩看護師に怒られた時、患者さん
とのコミュニケーションがうま
く取れなかった時、患者さんの死
に直面し大きなショックを受け 1111111111111111111111111111111111111111111
111111111111111111111
た時、様々な困難にぶつかる度
に、私は看護師に向いていないか
もしれないと自信を無くしまし
た。一般的に看護師に向いている
人と言うと、責任感がある人、他
人に共感する力が高い人、コミュ
ニケーション力が高い人などと
言われることが多いように思い
ますが、私はどれも自分に当ては
まらないと感じており、それも看
護師として自信を持てない一つ
の理由でした。でも、そんな時に
いつも自分の気持ちを奮い立た
せてくれたのは、自分が看護師を
目指したきっかけでした。私は幼
い頃から看護師である母の姿を
ヒロガク教養講話 ―弘前市長による 特別講話―
見て育ち、物心つく頃から将来は
看護師になると言う夢を持って
いました。その時から私の心の中
にあった「看護師になりたい」と
いう強い思いが、私の看護師生活
を支えてくれていた気がします。
結局のところ、看護師を続けてい
く上で私にとって大切だったの
は、自分が看護師に向いているか
どうかではなかったのです。今年
4月から臨床を離れ、教員として
の道を歩み始めましたが、私のこ
の経験が、実習で困難にぶつかり
悩む学生にとって少しでも力に
なれたら嬉しいと思っています。
談話室
第7回保健科学研究会の開催
学長 𠮷岡 利忠
ろの研究成果を発表する場であ
り、特に若手の研究者の登竜門的
学術集会であると言ってよい研
究会でしょう。
84名という多く
の参加者のうち若手研究者は8
名。学生の参加者も
25名であり
教育の一環ともなりうる研究会
でした。発表内容は環境医学、保
健衛生、栄養学、食育、看護教育
など多岐にわたり、合計
14題に
なりました。特別講演は本学の今
村かほる教授による「方言で人は・
命は救えるか?」であり、今村教
授の長年の研究成果から方言の
保健医療福祉現場における重要
性を訴え示唆に富む講演でした。
若手研究者の表彰では東北女子
大学の出口佳奈絵さんが選出さ
れました。来年は柴田学院大学(旧
東北女子大学)が担当することに
なりました。
11111111111111111111111111111111111111
重なお話を聞くことができる科
目です。今年度の特別講話は弘前
市長である櫻田宏氏が「みんなで
創り みんなでつなぐ あずま
しいりんご色のまち」というタイ
トルで、市長の⑴自己紹介、⑵幼
少期から弘前市職員になるまで、⑶市職員時代の想い、⑷弘前のま
ちづくり、⑸これから
の弘前、⑹弘前の将来
を担うみなさんへとい
う6つの事柄について
お話しくださった。こ
こではその概要につい
てご報告いたします。
市長は幼少期から高
校時代まで引っ込み思
案で人と話すことが苦
手あったが、大学生に
なると積極的に行動で
きるようになったとの
ことであった。その変
化のきっかけは、大学
入学時に先輩から飲み
会の調整役に指名されたこと、お
よび飲食店での接客や工場の社
長からの学びであったそうであ
る。
次に市職員時代の想いについ
て、エレクトリカルファンタジー、
ひろさき創生塾、やわラボを挙げ
てお話になられた。弘前市役所に
就職した後、平成3年の台風
19
号、いわゆるりんご台風により、
りんごが落下するなどの壊滅的
な被害がおこった。これにより町
や子どもたちが元気を失い、落ち
込んでしまったわけであるが、な
んとか元気付けたいと考えて、エ
レクトリカルファンタジーを始
めたということであった。当初は 市からの予算はなかった。しかし、
多くの賛同者に支えられて、経費
はすべて募金で集め、作業もボラ
ンティアで行い開催することが
できた。当初は1回限りでもと考
えていたが、町を元気にしたいと
いう想いが大きなうねりとなり、
現在は弘前市の公共事業となっ
た。気がつけば
21年間続いてお
り、町に新たな魅力がうまれた。
ひろさき創生塾は、地域が活性化
するためには、市民自らが考え、
行動に移すことが必要と考えて、
住みよい地域づくりのための、創
造性に恵まれた行動力のある人
材を育成するために実施された
事業である。また、やわラボは月
2回程度、
18時から
20時に弘前
大学コラボ弘大1階で、学生や地
域の社会人などがゆるく集まり、
自由に意見交換する場である。や
わラボにおいて自由な意見交換
から想定を超えた発想が生まれ
た。また実際に取り組まれたこと
として、新たなインターンシップ
の実証研究や市民参加型まちづ
くり1%システム支援事業への
参加などが紹介された。
弘前のまちづくりについては、
弘前市の現状と課題や今後の人
口構造の変化をもとに、また市民
との対話により市民の想いが込
められた弘前市総合計画を作成
し、快適で安全な市民生活の実現
とひとづくり(①市民の「くらし」
を支える、②市民の「いのち」を
大切にする、③次の時代を託す「ひ
と」を育てる)と契緊の課題への
着実な対応(①地域コミュニティ
の維持・活性化、②2025年の
人口構造の変化に向けた早期か
らの対策)についての取り組みに
ついて説明があった。具体的には、
市民自ら実践するまちづくり活
動の経費を支援する公募型の補
助金制度(個人市民税の1%相当 額を財源とする)である市民参加
型まちづくり1%システム支援
事業、市民・事業者・行政が連携
するごみの減量、人口減少社会に
おける地域の維持・活性化のため
の弘前市と周辺7市町村の地域
間連携、地域の生活を支える弘南
鉄道の活性化支援、市の基幹産業
であるにもかかわらず後継者不
足である農業の新たな担い手を
育成する農業里親研修などが紹
介された。
今回の弘前市長の特別講話を
聞いて、学生らは大学を卒業した
後、社会で必要とされる能力につ いて知ることができたのではな
いだろうか。各々の学生が今回の
講話を聞いて感じたことや考え
たことを大切にするとともに、社
会で必要となる能力を身につけ
るために自ら行動をおこすこと
を期待する。また、私たち教員が
新たなことに挑戦する姿を学生
に示すことも、創造性と行動力を
兼ね備えた人材の育成につなが
るのではないだろうか。学生のみ
ならず教員にとっても有意義な
特別講話であった。
(文責 看護学部 准教授 広報委員 宇田宗弘) tttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt
(3) 第 81 号 2020(令和2)年11月20日(金) 弘 学 時 報
が、処置へのイメージなどに繋
がり、子どもの今度の人生に大
きな影響を与えることを学ぶこ
とができました。そして、親子
にとって大切な時期に自分が関
わらせてもらっているという意
識を忘れてはいけないと感じま
した。また、自分の気持ちを伝
える力が未熟な子どもと関わる
上で、行動や表情から子どもの
気持ちを理解しようとすること
はもちろん大切ですが、それと
同じくらい母親をはじめとする
家族とのコミュニケーションが
大切であることを実感すること
ができました。
新型コロナウイルスの影響で
残念ながら学内となってしまっ
た実習もありましたが、先生方
が様々な準備と工夫をしてくれ
たおかげで、たくさんの学びを
得ることができました。この4
年間で学んだ多くのことを生か
し、今後も勉学に励み、患者さ
んと家族の気持ちに寄り添った
かかわりができる看護師になれ
るように、頑張っていきたいと
思います。
2020年年8月7日から9
月
10日まで、平川市社会福祉協
議会での社会福祉実習に参加し
ました。社会福祉協議会は、住
民主体の原則の下、生活上の課
題や困難を抱える住民への個別
的な支援に取り組むとともに、
住民の組織化や連携の促進に
よって、地域の福祉課題の解決
に取り組む団体です。
私は、地域における「社会的
排除」の現状を知り、「社会的 4年間の実習を通して、患者
さんとのかかわり方や多くの知
識・技術など、たくさんのこと
を学ぶことができました。
1、2年生の実習では、主に
患者さんとのコミュニケーショ
ンの取り方、看護の展開の仕方
について学びました。患者さん
とコミュニケーションをとった
り、ケアを行う中で、患者さん
の状態などを見たりしながら、
どのような看護ケアが必要かを 私は、精神科病院と地域活動
支援センターの2か所で実習を
させて頂きました。実習を通し
て、精神保健福祉士は、想像力
をもって患者さんやご家族の方
を理解し、対応することが求め
られると学ぶことができまし
た。想像することは、患者さん
はどんな想いを抱えているの
か、ご家族の方は何を思ってい
たのか、自分が相談を受ける立
場であればどういう気持ちにな
るのかなど、どれだけ相手に関
心を寄せることができるかとい
うことになります。また、想像
することは、目の前にある情報
からだけではなく、見えない部
分にも意識を向けていくことも
大事になってくるということが
わかりました。さらに、患者さ
んの言葉から、なぜそのような
発言をされているのかといった
言葉の裏側についても考えてい
く必要があると学びました。
地域活動支援センターの実習
では、利用者さんに対する声掛
けが重要になると気づきまし
た。センターでは、来所される 題の解決には繋がらないという
話を伺いました。実習では、成
年後見制度の利用者への同行訪
問を通して、地域で生活する知
的障碍のある方と接しました。
そして、課題を抱える人々が地
域の中で尊厳ある生活を続けて
いくためには、金品の給付など
による経済的な支援だけでは不
十分であり、本人の意思を理解
して代弁する人や、生活につい
ての指導や見守りをする人の存
在とともに、当事者と地域住民
との相互理解、交流の必要性が
あることに気づきました。
実習指導者の方からは、社会
の仕組みや制度を変革・創造し
ていく、ソーシャルワーカーの
使命を学びました。また、他の
実習生の視点や意見からも多く
のことを学びました。今後、認 判断してケアを行っていく大切
さ、そしてコミュニケーション
の大切さを実感しました。
3年生からの領域別実習で
は、より専門的で幅広い知識が
求められました。実習が始まっ
たばかりの頃は各領域から出さ
れる事前学習をこなすことで精
一杯でした。そのため、自分の
知識・学習不足を実感すること
も多く、不安も大きかったです
が、自己学習をして病態などが
理解できるようになると実習が
楽しくなり、もっと色々なこと
を学びたいと思うようになりま
した。私が特に印象に残ってい
るのは、4年生の最後に行った
小児領域の統合実習です。子ど
もや母親とのコミュニケーショ
ンや遊び、様々なケアの観察・
実施などを通して、子どもは周
りの大人が自分にどう関わって
くれるのかをちゃんと見ている
こと、自分の関わり方ひとつ
111111111111111111111111111111111111111111111111
社会福祉実習を終えて
社会福祉学部4年 箕浦 智之
包摂」に向けたソーシャルワー
カーの役割を学ぶことを実習
テーマとしました。私自身、「超
就職氷河期世代」と呼ばれた世
代の一人として、「ニート」や
「ワーキングプア」といった問
題は他人事ではなく、大学の講
義で学んだ、見えない貧困や生
きづらさを社会的な課題として
捉える「社会的排除」という概
念に興味があったからです。
私は「支援」について、まず
最低限度の生活保障としての金
品の給付を考えがちでしたが、
実習指導者の方からは、金品の
支援や困り事の代行は一時しの
ぎに過ぎず、本当の意味での課 始まる前は長い道のりだと
思っていた領域別実習も、終
わった後に振り返ると、あっと
いう間に感じました。今年は、
新型コロナウイルスの流行によ
り、臨地で行えない実習もあっ
た中、ありがたいことに臨地で
行うことができた実習もありま
実習の報告
看護学部 看護学科4年 清水 麻以
4年間の実習を終えて
看護学部 看護学科4年 横山 結
教育実習を終えて
文学部 英語・英米文学科4年 山口 尚人
実習を終えて
社会福祉学部4年 須藤 咲季
した。その中で、最も印象に残っ
ている実習は、成人看護学実習
Ⅰでした。この実習で受け持た
せていただいた患者さんは、前
向きな性格で、リハビリに一生
懸命励んでらっしゃる方でし
た。ある日、その患者さんから
「患者はみな弱っている、誰か
に寄り添ってもらいたいんだ。」
という言葉が聞かれました。そ
の時に私は看護師にとって最も
大切なことは、これだと感じま
した。それと同時に、実習中の 自分の行動を振り返りました。
患者さんから情報収集しようと
して、会話が自分主体になって
いたのではないか、自分の立案
した看護計画を実施しようとい
う気持ちばかりが先行していな
かったか、つまり、患者さんの
気持ちを第一に考えることがで
きていなかったのではないかと
感じました。
この実習を通して、疾患につ
いての知識や看護を学ぶことが
できました。そして、この患者
さんとの出会いによって、自ら
の心持ちや行動を振り返ること
ができました。また、平気そう
にしている患者さんでも、入院
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私は、9月7日から
10月2日
までの4週間、平川市立平賀西
中学校で教育実習をさせていた
だきました。主に2年生の英語
の授業を担当しました。
実習初日から2日目までは学
校教育に関する講義や英語の授
業の参観をし、実習3日目から
実際に授業をしました。担当の
先生の授業を参観し、別の学級
でその授業を模倣するというも
ので、簡単そうに思えても実際
に授業をしてみると思うように
いかず、自分の実力不足を痛感
したことを覚えています。授業 後には必ず担当の先生との反省
会をしました。授業をし、その
あとの反省会で指摘された点を
次の授業で改善していくという
ことを繰り返していくうちに、
徐々に自分の授業が良くなって
いることを実感でき、実習生と
しての生活が楽しく感じられる
ようになっていきました。研究
授業では、最初の授業と比べて
かなり良い授業をすることがで
きたと思います。
学校に慣れてくると、生徒た
ちとも仲良くなり、さらに楽し
さを感じることができました。
朝のホームルーム掃除監督な
ど、辛いことはほとんどなく、
楽しかったです。放課後や休み
時間に話をしたり体育館で遊ん
だりしたこともいい思い出で
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11111111111 11111111111111111111111111111111 す。 また、部活動では、バスケッ
トボール部の練習に混ざったり
指導したりしました。実習中に
中体連新人戦地区大会がありま
した。平賀西中学校は見事優勝
し、とてもいいものを見させて
もらいました。後日、バスケッ
トボール部の球納めにも参加
し、生徒たちと楽しく汗を流し
ました。
長いと思って臨んだ教育実習
はとても充実していて、あっと
いう間の短い4週間でした。教
育実習を充実したものにできた
のは、私を明るく迎えてくれた
先生方や生徒のみなさんのおか
げだと改めて感じています。
この期間中に得たものは必ず
今後の生活に繋がるものだと思
います。そのため、この貴重な
経験を糧にこれから過ごしてい
きたいと思います。 利用者さんに対して、お出迎え
とお見送りすることが必須であ
り、その際に挨拶と声掛けが必
要になります。この声掛けを
きっかけに、利用者さんの状態
を把握し、その後のコミュニ
ケーションを広げることもでき
ると学びました。また、声掛け
は、利用者さんにとって、セン
ターに来てよかったという満足
と自信につながるということに
も気づくことができました。
利用者さんとのかかわりにお
いては、私自身が想像したこ
と、考えたことをもとに、実際
に利用者さんに確かめる作業が
大事になるということを学びま
した。確かめることは、こちら
側の思い込みで支援をすること
を防げるほか、相手の想いにも
深く踏み込んでいくことにもつ
ながります。利用者さんの想い
を大切にし、踏み込んでいくこ
とでその方の価値観、ニーズに
や手術、治療によって普段とは
異なった生活をし、少なからず
不安を抱えているということを
実感することができました。机
上の学習だけでは得られない、
貴重な体験となりました。
これから、看護師として病院
に勤めた時に、学生時代の比に
ならないほどの勉強が待ってい
ると思います。多くの疾患につ
いて勉強をし、正確な知識・技
術を身につけるとともに、いつ
もこの言葉を思い出し、患者さ
んの心の声に耳を傾け、患者さ
んと誠実に向き合える看護師に
なりたいと思いました。 ついて理解することができると
学びました。
今回の実習では、多くの気づ
きや学びを得ることができまし
た。この学びを糧に、今後現場
で活かしていきたいと思います。
知症に伴う成年後見制度の利用
需要の増加が予想される中、本
人の意思の代弁や権利擁護な
ど、私たち社会福祉を学んでい
る者が果たすべき役割はより大
きくなると思われます。私もそ
の端くれとして、地域の福祉に
取り組んでいきたいと思います。
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(4) 第 81 号 2020(令和2)年11月20日(金) 弘 学 時 報
の進路・将来について考えてみ
ました。今でも県外への就職を
考えていますが、今は、県外で
教員になった際には、私の地元
である青森県の魅力を「青森県
を知らない子たち」に伝えたい
今回、このワークショップに
参加し、自分の将来について改
めて考えることができたと思い
ます。私は現在、県外で教員に
なることを志望しています。そ
の上で、フォトソーティングと
いうワークを行った際、青森県
と東京を比べ、地元である青森
県だから実現できること、逆に
東京じゃないと実現できないこ とを考えました。現在
20歳の私
は、交通面なども充実していて、
何か新しいものが出たらすぐに
体験できるという点で、東京や
首都圏の方が暮らしやすいと考
える一方で、地元の方が、自然
が豊かで、近所の人たちといっ
た、人とのつながりを大事にで
きると思いました。これを踏ま
えて更に
40代の自分はどう考
えるのかを考えてみ
ると、東京などの首
都圏の方が交通面や
新しい技術などに触
れることができると
いう考えは変わらな
かったのですが、そ
れに加えて「医療が
充実している」と考
えました。一方で、
地元の方が、人との
つながりを大事にで
きるという考えは変
わらなかったのです
が、「落ち着いた環
境で趣味を楽しむこ
とができる」と考え ました。現在
20歳の自分と将来 40代になった自分について考え
方を比べてみると、
20歳も
40代
も、東京などの首都圏は自分自
身の生活に関わってくる事柄が
多いことに比べ、地元は、自分
以外の誰かとのつな
がりであったり、自
分の趣味や休日の過
ごし方に関わる事柄
を選んでいるように
感じました。
私は青森県が好き
です。青森県は自然
が豊かで、地域の
方々も親切で、暮ら
しやすい環境だと
思っています。今回
のワークショップを
終えて、改めて自分 ました。各グループの発表を聞
いた学生は、ネパール教育問題
をスイーツの販売を通して応援
することを決めました。201
8年
12月に学生たちが色々なス
イーツを作ってコーヒー等も販
売しました。同時にお客さんに
ネパールの教育問題について説
明しました。他の大学の学生と
教職員の厚情で、学生が¥24、
004の寄付金を集めました。
想像を上回る寄付金が集まり、
「ソマリアの女性3360人の
生計向上」と「1500ネパール
人の教師研修―5000人の男
女を力付ける」両チャリティー
にお金を寄付することに決めま
した。
最近、ネパール教育チャリ
ティーから連絡がありました。
寄付金を使ってネパール人教師
51名をトレーニングし、地震が
多い北ネパールのゴルカ地方の
学校に教育サポートをすること
ができました。寄付金を貰った
人からこのコメントを頂きまし 2018年
度の後期に
フォーサイス
先生のWorld
News &
Culture B授業で学生た
ちが本学のキ
リスト教の価
値観に沿った
世界のチャリ
ティー・プロ
ジェクトを行
いました。グ
ループワーク
で世界の問題
点を研究して、
応援できる
チャリティーを選びました。そ
の時事問題を詳しく調べてど
のように応援できるか相談し
てプランを準備しました。研究
するチャリ
ティーを以
下のように
絞りまし
た。「ソマ
リアにおけ
る教育問題
とネパール
における
教育問題」
です。各グ
ループが一
つの問題を
研究し、そ
のことにつ
いてポス
ターを作
り、本学が
応援できる
手段の提案
を含めて授
業で発表し
uuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu
uuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu
uuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu uuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu 青森といえば何が思いつきま
すか?と聞かれたとき正直に答
えるのであれば「田舎」、よく言
えば「自然がたくさん」と答えて
いました。しかし、今回のワーク
ショップをやってみて青森の
印象がとても変わりました。自
分は、近い将来はキャリアアッ
プをしたいと考えていました。
キャリアアップのしやすさは都
市圏の方がしやすいと思いま
す。だから、キャリアアップする
のであれば都市圏に就職した方
が良いのかとも考えていまし
た。しかし、今回のワークショッ
プでフォトソーティングをやっ
たときに、近い未来は都市圏の
方がいいと感じることもありま したが青森も良いなと思うこと
もたくさんありました。
都市圏の方がいいと思うこと
は、キャリアアップや独立、また
交通の便利さなどでした。交通
の便利さは、新幹線、飛行機、電
車、バスの多さです。確かに、都
市圏だとバスや電車の本数も多
いし、飛行機や新幹線など遠く
に行くときの方法もたくさんあ
り選べてとても便利だと思いま
した。青森の方が都市圏よりも
良いと思ったのは、自然がたく
さんあり子育てにとても向いて
いるということです。私は、将来
結婚をして子どもができたらの
びのびと子育てをしたいと考え
ていました。のびのびと子育て
20 歳の私が思うこと
文学部 英語・英米文学科3年 大澤 慈子
青森の良さ VS 自分の将来への希望
看護学部 看護学科3年 洞筒 未歩 するのであれば、都市圏よりも
青森の方がいいと感じました。
また、子どものためにも自分の
ためにも治安が悪くない地域が
良いと思っていたので、青森は
都市圏よりも良いと感じまし
た。また、青森は地産地消をして
いて安全でおいしい物がたくさ
んあります。
今回のワークショップで感じ
たことは、都市圏のよさもしっ
かり理解した上で青森の方が自
分の将来の夢や希望に適切であ
るということです。都市圏の良
さは、交通の便利さ、買い物のし
やすさがあります。しかし、私は
将来、家族のことを第1に考え
たいと思っているので、のびの
び子育てできることや、夫婦が
仲良く暮らせるという夢を実現
しやすい青森の方がいいのでは
ないかと感じました。 と思います。
40代になった自分
が本当にこのような考えかどう
かは現時点の私には分からない
ですが、自分がやりたいことを、
自分なりに楽しくやっていれば
いいと思います。
た。「私たちの学校のためのサ
ポートを大変ありがたく思いま
す。地震の復興は進んでいます し、学校は本格的な形で運営さ
れています。震災後の応援あり
がとうございました。」