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~さまざまな地域資源を活用した郷土愛の醸成~

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Academic year: 2024

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1 実践の趣旨

知床の豊かな海と山に囲まれた羅臼町にある本校は、創立 57 年を迎える道立普通科高校であり、

現在は全校生徒 104 名が在籍している。羅臼町は、漁業を基幹産業として発展してきたが、漁業資 源の減少、低迷する地域経済、少子高齢化の進行、人口流出、厳しい町財政など、取り巻く環境は 厳しさを増しており、地域活力の低下が懸念されている。こうした中、特に地域医療の推進、漁業 振興、海洋深層水事業、世界自然遺産事業を重点施策として町行政の取組を進めている。

<地域から求められているニーズ>

・地域や地域の将来像について主体的に考えることを通して、勤労観・職業観を育成すること

・基礎的・汎用的能力を育成するための地域産業への参画意識の醸成を図ること

・地域産業活性化のために人材を確保すること

・若者の人口流出に対して歯止めをかけること

こうした状況を踏まえて、本校は平成 30 年度から高等学校OPENプロジェクトの研究指定校と なり、今年度で3年目を迎えた。実践を通して、生徒の地域への理解を深め、地元を愛し、地域の ためにできることを考察し、提案・実践できる力を育成するとともに、地域の企業や団体等の状況 を把握した上で適切な進路指導を行い、生徒の自己実現に向けたキャリア教育の充実を図っている。

2 実践内容

(1) 「らうすカッセイ!プロジェクト」

ア テーマ

ふるさと羅臼町の課題理解、意識啓発のための取組 イ ねらい

羅臼町の自然、歴史、文化、産業を学び、ふるさとの課題を見出し、課題解決のための具体 的方策を導く学習の充実を図ることで、将来、羅臼町を担う人材の育成と町内での雇用拡大に ついて理解を深める。

(2) 「らうすダイスキ!プロジェクト」

ア テーマ

小中高の連携による地域の特性や教育資源を生かしたキャリア教育の推進 イ ねらい

自治体や地域の産業界などの関係機関等から支援を受けながら、地域の良さや地域での生活 を営むことの意義等について理解を深め、小中高が連携して体系的なキャリア教育の充実を図る。

3 実践概要

(1) 「らうすカッセイ!プロジェクト」

ア 水産教室

漁業後継者の育成を目的とした学校設定科目「海洋生物」における取組

〇 開級式・記念講演

記念講演では「羅臼町を支える産業の担い手」と題してトークセッションを実施した。生

地域連携による持続可能なふるさと知床羅臼における人材育成

~さまざまな地域資源を活用した郷土愛の醸成~

北海道羅臼高等学校 学級数3 (校長 三浦 治彦)

(2)

徒は、講演を通して、地域の方々の協力により羅臼町の産業、環境、観光について学ぶこと について見通しをもつとともに、自身が次世代の担い手であることを自覚することができた。

〇 ロープワーク

羅臼漁業協同組合の協力のもと、ロープ結束の技法を学び、漁業を後継した際のスキルを 身に付けることができた。

〇 ダイビング講習

知床ダイビング企画の協力により、ダイビングラ イセンス取得のための知識、技術を学んだ。地域の 海中をダイビングすることにより海洋生物の生態を 身近に感じることができた。また、今年度は、カラ フトマスが川を遡上する様子を間近で経験すること ができた。

〇 ウニ種苗センター見学

羅臼漁業協同組合青年部の協力のもと、ウニの養殖方法について学んだ。養殖されたウニ が商品化される行程において、商品価値にふさわしいもの、商品にならずに処分されるもの がある実態も学んだ。

〇 ブランド化・マーケティング学習

本校で開発した創作料理のブランド化について、株式会社ケミクル代表より指導を受け、

地元で収穫された魚介類を使った「海鮮丼」を開発した。

〇 鮭に関する実習

標津サーモン科学館の協力を得て、鮭の採卵、受精を実施した。また、羅臼漁業協同組合 の協力を得て、鮭とばの加工を体験した。

〇 観光・体験プログラム

羅臼に観光客を誘致する手立てについて議論を行った。

〇 郷土料理実習・加工品作り

羅臼漁業協同組合女性部の協力のもと、地元の海産物を使った調理実習を行った。郷土料 理の「すまし汁」については、魚の上手なさばき方を学んだ。また、タラを使った揚げ餃子 やイカ・ホタテを使った塩焼きそばなど、高校生向けのメニューに生徒は刺激を受けた。料 理経験が少なく、調理に苦労した生徒も多かったが、今後も地元の海産物を使った料理の経 験を重ねるとともに、新たなメニューを生み出す発想力を身に付けたい。

〇 プレゼン学習

前知床羅臼町観光協会事務局長による、知床及び根室管内の魅力をどのよう発信していく かについて講話を行った。

〇 閉級式

海洋生物(学校設定科目)の閉級式及び記念講演を、全校生徒を対象に実施した。羅臼町 地域おこし協力隊より「羅臼のふつう、みんなのふつうはワールドクラス」と題して講演を 実施した。生徒は、普段から目にしている風景や日常など当たり前に接しているものが、広 い視野で見ると実は価値のあるものだということを再確認し

た。

イ 創作料理プロジェクト

過去に開発したメニューを羅臼町教育委員会や羅臼漁業協同組 合の支援と協力を受けながら商品化した。地域に根ざした町おこ し活動として、「らうす大漁焼き」を羅臼の名物にしようと、観 光客や地域の方々へ販売している。

(3)

〇 メニューの開発

先輩からの伝統を受け継ぐとともに、より多くの方に知って・買っていただくための方策 を考え、メニューを改善した。

〇 パッケージのデザイン

地元食堂が考案した羅臼昆布を使ったお菓子について、高校生の視点から助言し、パッ ケージのデザインを立案した。立案する際は、消費者の満足度をより高めることを目指した。

〇 販売実習

生徒は、自身が考案した商品の紹介、販売方法の工夫を通して、コミュニケーションのス キルを身に付けることができた。

<主な販売実績>

・町内キャンプ場「ハッピーキャンプ」

・羅臼町産業祭「漁火まつり」

・斜里町ウトロにある知床自然センター「知床アウ トドアフィルムフェス 2019」

・東京都世田谷「知床物産展」

・「知床羅臼グルメフェア」

過去に開発したメニューを羅臼町内の飲食店で提 供し、名物化を目指す試み

・観光船乗り場での外国人観光客に向けた販売 ウ らうす高校生議会

第2学年生徒が現代社会の授業において、地 域の課題解決に向けた提案を羅臼町議会で行っ た。生徒が議員となり、町長や各担当者とこれ からの町づくりの方策を審議した。生徒にとっ ては、町政についての興味・関心をもつきっか けとなった。さらに、議場で議論を交わしたこ とで、これからは自分たちが主体となった町づ くりを推進するという意欲を高めることができ た。また、地域の課題解決に向けて、主体的・

対話的に取り組むことを通して、地域の活性化及び人材の育成に貢献することができた。

エ 浜中学報告会

第3学年生徒が「知床学」の成果を報告し、霧多布高校と交流した。

オ 巡視艇「てしお」乗船

海上保安業務について理解を深めるとともに、地域の基幹産業である漁業と密接な関わりに ついて学ぶことができた。

カ 「対馬学フォーラム 2019」への参加

野外観察(学校設定科目)履修者の2名が参加し、成果発表を行った。

キ 海洋教育パイオニアスクールプログラム実践発表会 海洋生物(学校設定科目)で学んだ内容を発表した。

「羅臼町と産業の関わり方」については、発表を通じ て生徒自身の地元産業への理解が深まった。また、

「なぜ羅臼昆布が良いのか」については、テーマを自 ら掲げ研究することで、科学的に探究する能力を身に 付けることができた。

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(2) 「らうすダイスキ!プロジェクト」

ア インターンシップ

総合的な探究の時間において、第2学年生徒全員が、羅臼町内の事業所においてインターン シップを行った。実施後は、第1学年生徒も参加して、インターンシップ発表会を行った。

イ 中高一貫による生態系学習

総合的な探究の時間において、第3学年生徒を対象に、斜里町岩尾別台地を巡検し、知床の 歴史と自然について理解を深めた。

ウ 中高一貫による「クマ学習」

総合的な探究の時間において、第2学年生徒を対象 に、知床財団の職員による「クマ学習」を実施した。

ヒグマの生態や具体的な事例考察から「ヒグマとの共 存」についてグループディスカッションを行い、それ ぞれの考えを深めた。生徒は、知床に住む自分たちが できること、考えなければならないことを再認識する ことができた。

エ 中高合同講演会

知床未来中学校と本校の全校生徒を対象に、日本キリバス協会代表理事による「だれ一人取 り残されないために=私の国キリバスと地球温暖化=」と題する講演会を実施した。

オ 進路報告会

第3学年生徒による、第1・2学年及び知床未来中学校第2学年生徒向けの進路報告会を実 施した。

カ 羅臼町ユネスコスクール研究発表会

羅臼小学校において羅臼町の小中高生が一堂に会し、本事業の実践発表を行った。地域の 方々に学習の成果を発表することができた。

4 成果と課題 (1) 成果

ア 生徒は学習活動に主体的に取り組み、地域の良さや地域での生活を営むことの意義について 理解するとともに、将来、羅臼町を担う人材の育成と町内での雇用の拡大についての理解を深 め、地元で活躍する一員であることをより一層自覚することができた。

イ 生徒はディスカッションやプレゼンテーションを通して、聞き手に伝わりやすく、聞き手の 興味・関心を引きつける技法を身に付けた。

ウ 地域の自治体や企業、産業界等の関係機関と協働した取組を実施し、成果や課題を共有する ことができた。また、毎月、学校だよりを発行し、町内全戸へ計 2000 部配布することにより、

研究内容や成果を広く地域に紹介することができた。

(2) 課題

ア 地元の企業や団体とは良好な関係を築きあげることができており、非常に協力的に取り組む ことができている一方、地域を活性化させるための具体的な手立てや方法について、より活動 が深まるような方策等、案を具体化させていく必要がある。

イ また、課題解決型のインターンシップの在り方を模索し、生徒の自己実現に向けたキャリア 教育の充実に向け、地域企業の理解を深める必要がある。

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