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11 研究成果報告書(詳細)【社会科教育ユニット 小田泰司】

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1 / 4 2.研究の詳細

プロジェクト 名

現代的・社会的課題を解決しようとする人材を育成するための教員研修モデルの構築

-小中学校社会科を中心とした

CM

力の養成を中心に-

プロジェクト 期間

2019年7月~2020年2月29日まで

申請代表者

(所属等)

小田泰司 (教職教育院・社会

科教育ユニット) 共同研究者

(所属等)

豊 嶌 啓司(教職教育院・社会科教育ユニット) 芋 生 修一(教職大学院)

坂 井 清隆(教職大学院) 1研究の目的

(1) 本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」

(本研究の学術的背景)

個人や地域が抱える課題が多様化・複雑化する中で,自らの課題を自らで解決できる自立した市民,他 者と協働しながら主体的に課題解決を担おうとする市民の育成が求められている。私たちが扱うべき現代 的・社会的課題は,人権,環境保全,消費者問題,地域防災・安全,伝統や文化の継承,外国人との共生 などで,これらの課題解決について小中学校で学習機会の充実を図り,生涯学習へと接続していく必要が ある。現代的・社会的課題の内容を授業化するにあたり,社会科が果たすべき役割は大きいが,これまで の社会科を踏襲するだけでは、課題解決を成し遂げる人材を育成する授業づくりは難しい。

渡部竜也氏は,この現状に社会科学習を通じて子どもたちを「主体化」「学問化」「社会化」する「真正 な学び」を実現していく必要がある

(渡部 , 2019)と主張する。小学校社会科では共感的理解を方法に社

会で役割を担う人を多角的に学んでいくことから「社会化」は成し遂げられるが,「学問化」と「主体化

」には課題が見られる。中学校社会科では制度や仕組み,原理,それらの概念の説明を方法に学習を進め ていくことから「学問化」は成し遂げられるが,「社会化」と「主体化」には課題が見られる。小中学校 社会科で共通して克服すべき課題である「主体化」が欠けていれば,本当の意味でよりよい社会の実現を 担う市民としての自覚と負うべき責任を獲得することは困難である。教師が各学校段階における課題を克 服し,子どもたちに「主体化」を保証するには,彼らの学びの意義を喚起する,学校を超えていくパフォ ーマンス課題をもって授業を構成すること,それらをさまざまな視点や方法によって探究していけるよう にすること,子ども自身が学びとその意義を捉え反省的に振り返りつつ学びを深めていけるように社会科 授業を構成するとともに,他教科との連携強化が必要になる。

今期教育課程では「カリキュラム・マネジメント(以下,

CM)

」が初めて総則(『小学校学習指導要領 解説総則編』文部科学省,平成

29年 6月)に盛り込まれた。 CMは「学校教育に関わる様々な取組を,教

育課程を中心に据えながら組織的かつ計画的に実施し,教育活動の質の向上につなげていくこと」で,撚 糸を紡ぐような作業にあたる。

CMは,①「教科等横断的」

,②「PDCAサイクル」,③「経営資源の活用

」の三要件が指摘される(天笠,2018)が,多くの教育現場が実践に熱心な

CMは,地域のヒト・モノ・

コトを活用する,要件③である。学術においても

CMは,学校経営的視点から組織や資源について要件③

に関するCM研究が中心であり,図1はその典型的な

CMモデル(田村, 2016)である。しかし,現在の CMでめざすべきは要件①「教科等横断的」な学習デザイン及びそれに不可欠である要件②「PDCAサイ

クル」としての「学習評価」(

PDCAの駆動主体を子どもにおく)である(

3教育課程の実施と学習評価

」『小学校学習指導要領解説総則編』文部科学省,平成29年

6月, 93-95頁)

。だが,これらは過去の教育 課程で既に言われてきたこと(天笠,

2018)であり,教育現場の声として「新たに何をすればよいか分

からない」実状が指摘される。また

CMの研修について,福岡県で「教育課程の改善を図るための一連の

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PDCAサイクルを確立している学校の割合」は,小24.4%(全国28.9%)

・中

21.5%(全国25.3%)に留

まり,要件①「教科等横断的」は俎上にすら無い(「平成30年度福岡県教育施策実施計画」福岡県教育委 員会

,7頁, 2018)

。近年,学校では教員の大量退職による若年化が進み,CMを実践・指導できる熟達教 員が減ってきている。これらは全国的な現象で,今後もしばらく続くと予想されている。このため本研究 でめざす,社会科を中心とした教科等横断的な学習設計力・評価力を身に付けるための

CM力養成・研修

プログラムの開発及び福岡県教育行政関係諸機関との連携体制による研修機会の提供・試行による成果の 検証等によって,全国の教育関係諸機関に貢献することは,教員養成系大学にとって価値ある取り組みで ある。

(研究課題の核心をなす学術的「問い」)

上記の「本研究の学術的背景」で述べたが,これまでのCMに関する教員研修の機会はテーマも限定的で 機会も限られている。そこで「問い」を以下のように設定する。現代的・社会的課題を解決しようとする 市民を育成するために,小中学校において社会科を中心としたカリキュラム・マネジメントをどのように 行えばよいのか,そのための教員研修はどのようにあればよいのか。

(2)本研究の目的および学術的独自性

(本研究の目的)

本研究の目的は,社会科を中心とした教科等横断的な学習設計力・評価力を身につけるための

CM力の養

成・研修プログラムの開発である。

(学術的独自性)

本研究の独自性は,学校経営的視点からの

CMモデル及び,方法学的視点から教科-経験・分化-統合の両

軸で区分けしたカリキュラムの類型にそれぞれ点線枠で射程を示した,CM力の解明にある。そのための

「真正な学び」「パフォーマンス課題/評価」「学習のための/としての評価」等の理論をもとに,資質・

能力の育成に照射した学習デザインの方略や手続きに基づく教員研修を具体化していく。

2研究の方法・進め方

令和元年度福岡教育大学 教育総合研究所研究プロジェクト事業として「宗像地区小中学校 カリキュラム・

マネジメント力養成講座」を、令和2年 1月24日 に福津市役所にて、令和2年 1月30日 に 宗像市役所に て宗像地区の小・中学校教員を対象に開催した。講座は講義1~3で構成され、講義1は本学教員が理論と授業 のあり方について概説した。講義2と3では附属校教員に参画していただき、実際について説明いただいた。

3実施体制

〇日時: 令和2年 1月24日 場所: 福津市役所 14:10-15:10・・・講義1

福岡教育大学 教育総合研究所プロジェクト 豊嶌 啓司 芋生 修一 坂井 清隆 小田 泰司

「カリキュラム・マネジメントの意義」「資質・能力を育成する授業づくり」「教科等横断する学習と評価」

15:20-15:55・・・講義2 15:55?16:30・・・講義3

【小学校】附属福岡小学校 研究部

講義2「道徳科を核とした教科横断的学習事例」 教諭 永田 裕二 先生 講義3「『総合』を核とした教科横断的学習事例」 〃

【中学校】附属小倉中学校 研究部

講義2「社会科を核とした教科横断的学習事例」 教諭 柴田 康弘 先生

(3)

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講義3「道徳科を核とした教科横断的学習事例」 〃

〇日時: 令和2年 1月30日 場所: 宗像市役所 14:10-15:10・・・講義1

福岡教育大学 教育総合研究所プロジェクト 豊嶌 啓司 芋生 修一 坂井 清隆 小田 泰司

「カリキュラム・マネジメントの意義」「資質・能力を育成する授業づくり」「教科等横断する学習と評価」

15:20-15:55・・・講義2 15:55-16:30・・・講義3

【小学校】附属福岡小学校 研究部

講義2「算数科を核とした教科横断的学習事例」 教諭 石橋 大輔先生 講義3「社会科を核とした教科横断的学習事例」 教諭 齋藤 淳先生

【中学校】附属小倉中学校 研究部

講義2「社会科を核とした教科横断的学習事例」 教諭 柴田 康弘 先生 講義3「道徳科を核とした教科横断的学習事例」 〃

4平成31年度実施による研究成果

講座への両日の参加者は以下のようになっていた。

1/24 参加者計13名(小: 6名 中: 7名) 1/30 参加者計21名(小: 19名 中: 2名 )

参加いただいた宗像地区の小中の先生方には講座への評価を、(1)本講座の講義や演習は役立ちましたか、(2)本 講座を継続的に希望しますか、との観点からいただいた。

1/24 (1) 9名/4点 4名/3点 (2) 7名/4点 5名/3点 1名/1点 1/30 (1) 11名/4点 10名/3点 (2) 7名/4点 14名/3点

両日の平均値 (1) 3.6/4.0 (2) 3.4/4.0 (参加者からの意見・要望)

・本講座で具体的な理論と実践を示してもらえたので、意識を変えて挑戦したいと思います。

・効率よくカリキュラム・マネジメントを行えば業務改善につながり、教材や子どもに向き合う時間の確保に つながることがわかった。

・「文脈的な学び」「バックキャスティング」「学習デザイン」という言葉に学習指導要領のめざすものを感じた

・役立つ学力、これから役立つための力を児童に育てるため、全職員で共通理解をして授業に臨みたい。

・講義では授業実践例を興味深く聞くことができ、授業時数を減らしつつも、その時間で新しいことや効率的 に他のことに取り組むことができるとの期待を感じました。教員間の協力が一番の難点かと感じました。

・講座を受けて、教育内容の精選や子供主体での学びを考えていくところから始めたいと思います。

5今後の予想される成果(学問的効果、社会的効果及び改善点・改善効果)

参加いただいた教員の中には、全職員で学ぶべき対応すべき事柄であること、経験が少ない若い教員の実施を 支える必要があること、業務改善につなげるべきであることなどが提起されており、各校での研修・実践へと つながっていくことが考えられる。その他の事例を求める声も多々あり、どうすべきかを子どもの姿を通じて 示していく必要がある。

6研究の今後の展望

講座で挙げたものよりも多くの最適な事例を示し、教員に自らがめざすべき目標をイメージできるようにする

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など、今日的な教科等横断的な教育に関する研究が示す理論や授業のあり方から、地域教材を活用した授業実 践や教員自身による研究・研修のもち方へと検討対象を移していく必要がある。

7主な学会発表及び論文等

①全国社会科教育学会 第68回 全国研究大会(島根大学) 本学附属福岡小学校 井手司

「子供自ら学ぶ意義を見いだす小学校社会科学習 -近代からさかのぼる歴史学習の実践を通して- 」

②全国社会科教育学会 第68回 全国研究大会(島根大学)

本学附属福岡小学校 齋藤淳 「防災と支援に関わる教科横断的な学習の実証的研究」

③全国社会科教育学会 第68回 全国研究大会(島根大学)

本学 豊嶌啓司 附属小倉中学校 柴田康弘 「社会科の真正な学びをデザインするために」

Referensi

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